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満月の日に体調不良になる人がいるのはなぜ?スピリチュアルは関係ある?

 

私たち人間はもちろん、様々な動物が月の満ち欠けによって影響を受けています。

 

特に満月の日は、産気づく妊婦さんが増えたり月経が始まったりすることも多いのに加え、体調不良を訴える人も少なくないでしょう。

 

今回はなぜ満月の日に体調不良になる人が多いのか、考えられる原因や感じることの多い不調についてご紹介します。

 

満月の日に体調不良になる人がいるのはなぜ?

 

なんだか体調がすぐれなかったり、理由もないのにだるく動きにくいと感じたりする日は、夜に月を見上げてみましょう。

 

その日が満月であったり、満月に近い日であったりする場合は、月の力によって体調に影響が出ている場合があります。

 

満月が体調不良を引き起こす原因を、3つのポイントに分けてご紹介します。

 

明るさや引力の影響

満月や新月のときは月の引力が強くなるため、潮の満ち引きが大きくなることでも知られています。

 

引力が強くなると、月により近い頭に血が集まりやすく、興奮状態になる方が多く見られます。

 

夜なのに眠りに就きにくくいつまでも頭が冴えているように感じたり、眠りに就いた後もちょっとしたことで起きてしまったりする場合は、月の引力が関係していると考えられるでしょう。

 

また、満月の際は夜でも明かりなしで外出できるなど、普段よりも外が明るく感じられます。

 

カーテンを閉めていても月のあかりが漏れ出し、眠りに就きにくくなることもあるでしょう。

 

遮光タイプのカーテンをつけたり、アイマスクを使ったりして明かりが気にならないよう工夫するのがおすすめです。

 

ホルモンバランスの周期との一致

女性は普段からホルモンバランスの影響によって周期的に体調不良を生じることが多いものです。

 

排卵日周辺や月経時の不調に加え、月経前に起こりやすいPMSなど、本当に身体の調子が良いのは1ヶ月のうちたった数日であることも多いでしょう。

 

これらは人によって周期が異なりますが、満月の周期と一致してしまうと、「満月の日に体調が悪くなる」と認識しやすくなってしまいます。

 

また、潮の満ち引き同様、満月が体内の水分にも影響を及ぼすことがあります。

 

体内の水分が影響を受けることによってむくみなどの症状が出たり、神経が過敏になったりする場合があります。

 

ホルモンバランスと満月どちらの影響によってこれらの症状が出ているのか分からない場合も多いため、自身の月経周期をもう一度確かめ、満月との関連性を探ってみるのも良いでしょう。

 

心理的な要因

「満月とは様々な体調不良を引き起こすものだ」という固定観念があると、知らず知らずのうちに特別な意識が働き、満月の日が近づくにつれて緊張や不安が高まりやすくなります。

 

過去に満月による体調不良を起こしたことがある方や、スピリチュアルに精通し満月の力を特別視している方などは、特にこういった心理的な要因による症状が出やすいでしょう。

 

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満月の日に感じやすい体の不調

 

満月の日は人によって様々な体調不良が起こりやすくなりますが、中でも多く見られる症状がこれからご紹介する5種類です。

 

よく起こる症状がある方は事前に市販薬を用意したり、ゆっくりと休めるよう仕事量を調整したりしておくと良いでしょう。

 

次に満月が来るのは何日なのか、カレンダーを見ながら確認しておくのもおすすめです。

 

睡眠障害

私たち人間は朝起きてからおよそ14~16時間後に分泌される「メラトニン」という睡眠ホルモンの影響で、毎日同じような時間帯に眠気を感じるようになっています。

 

メラトニンは夜暗い部屋にいることで分泌されやすくなりますが、満月の日のように外が明るいと、うまく分泌できずに入眠しにくくなってしまう場合があります。

 

先ほどもご紹介したように外の明かりが気にならないような工夫をしたり、布団に入る前にスマートフォンを触るなどの行動を控えたりして、少しでも眠りやすくなるよう心がけましょう。

 

イライラや情緒不安定

満月の日は引力によって頭の方に血が集まり、火照りやイライラ・情緒不安定などの症状が表れやすくなります。

 

月経前のPMSにも似た症状であるため、満月の影響であることに気がつかず、いつまでも悩み続ける方が多いでしょう。

 

脳の働きが活発になったまま過ごしていると、しっかりと休息が取れず、その後もイライラが続いてしまう原因となりかねません。

 

頭痛

満月の日にホルモンバランスが乱れたり、睡眠障害が起こったりすると、身体がダメージを受けて頭痛となって表れる場合があります。

 

頭に血が上りやすくなったり、むくみや肩こりが起こりやすくなったりするのも頭痛の原因となるでしょう。

 

緊張型頭痛のようにぎゅっと締められるような痛みを感じる方もいれば、頭の片側がずきずきと痛む片頭痛に苦しむ方など、人によって様々な症状が見られます。

 

曇りや雨の日など低気圧のときに頭痛が起こりやすい方は、満月の日にも充分注意しておくと良いでしょう。

 

単なる頭痛だからといって軽視せず、休息をしっかりと取りながら症状の軽減に努めることが大切です。

 

消化器症状

満月の日に様々な体調不良が起こる方は、時に体調不良に対して不安になるあまり、下痢や便秘といった消化器症状が表れることがあります。

 

普段からお腹を壊しやすい方はもちろん、下痢や便秘と無縁の方や、消化器症状に悩まされたことがない方でも注意が必要となるでしょう。

 

特に様々な事柄に対して不安を覚えやすい方や、様々なシーンで緊張してしまう方は、満月の前後はお腹を労わりながら過ごすことをおすすめします。

 

むくみや体重増加

満月の日は身体がより多くのエネルギーを求めるため、食べたものが吸収されやすい点に注意が必要です。

 

普段と同じ量を食べていても、身体がより多くのエネルギーを吸収してしまうため、体重が増加しやすいといったデメリットがあります。

 

ダイエットをしている方や、体重を気にしている方は特に、満月の日は消化が良くバランスの整った食事を心がけましょう。

 

また、食べ物だけでなく飲み物も身体に蓄えられやすくなります。

 

水分の排出がうまくいかずにむくみやすくなるため、カフェインの多く含まれた飲み物や、アルコール飲料は避けると良いでしょう。

 

水分と同時に毒素も体内に溜まりやすくなるため、デトックス効果のある飲み物を飲むのもおすすめです。

 

満月に体調不良になりやすいのはどんな人?

 

満月だからといって、全ての人が体調不良になるわけではありません。

 

体調不良になりやすい人もいればなりにくい人もいるため、自身がどちらに当てはまるのかチェックしておくことが大切です。

 

体調不良になりにくい方は、満月で体調不良になる人がいることを理解し、前後数日間は周りへの配慮を怠らないようにしましょう。

 

男性より圧倒的に女性が多い

満月がホルモンバランスに影響を及ぼしやすいことから、男性よりも女性の方が体調不良になりやすいといわれています。

 

特に月経周期と重なってしまったり、月経前のタイミングで満月になったりすると、普段の症状がより強く出ることもあるでしょう。

 

下腹部や腰などを温めたり、消化に良いものを食べたりと、少しでも楽に過ごせる方法を模索してみましょう。

 

月経に関するトラブルは、個人ではどうしようもないものも多くあります。

 

中には婦人科系疾患が隠れている場合もあるため、満月の影響を考慮すると同時に、医療機関へ相談してみることも大切です。

 

毎月の月経を少しでも軽く抑えられるよう、自分に合った対策を行いましょう。

 

感情が不安定になりやすい人

普段から感情の起伏が激しく不安定になりやすい方は、満月のタイミングで体調不良に陥りやすいといわれています。

 

特に様々なシーンで強い不安を感じる方や、緊張しやすい方は注意が必要です。

 

満月の日を中心として前後数日間は、仕事を詰め込むことなく、リラックスして過ごせるように調整しましょう。

 

帰宅後は自分の好きなことをして過ごせるよう、趣味に時間を費やしてみるのもおすすめです。

 

元から睡眠が浅い人

満月の日は様々な睡眠障害が起きやすいため、元々睡眠が浅く眠りにくさを感じている方は要注意です。

 

なかなか眠りに就けなかったり、朝早く起きてしまったり、途中で覚醒してしまったりと人によって症状は異なりますが、いずれも続くと他の体調不良に繋がってしまうため、軽視してはいけません。

 

リラックス効果のあるお茶を睡眠前に飲んだり、半身浴で身体を温めてから眠ったりと、少しでもゆっくりと休めるように工夫してみましょう。

 

関連記事:サードプレイスとは?しがらみから解放される場所を持つ重要性

 

満月による体調不良を軽減するためには

 

満月はおよそ1ヶ月に1回の周期でやってくるため、そのままでは毎月体調不良を起こすことになってしまいます。

 

少しでも満月による体調不良を軽減し、いつもと同じように過ごすため、事前にできる対策を万全に行っておきましょう。

 

普段から睡眠までのルーティーンを実践する

満月の光や引力による影響を受けなくても済むよう、普段から入眠までのルーティンをしっかりと作っておきましょう。

 

毎日同じ時間に同じ行動をして眠りに就くことで、身体が流れを覚え、満月やホルモンバランスに惑わされずしっかりと休めるようになります。

 

ストレスやイライラをセルフコントロールする方法を身につける

満月の影響によってイライラや焦り・不安などを感じやすい方は、普段からこれらの精神的異変をいち早く察知し、コントロールできるようにしておく必要があります。

 

特にイライラや怒りなど周りに迷惑をかけてしまうことが多い感情は、セルフコントロールをすることで周囲との関係性が悪化するのを防ぎ、満月の日以外の過ごしやすさにも繋がるでしょう。

 

怒りの感情を周囲にぶつけないためには、第一に「深呼吸をしてから周りと向き合う」ことが大切です。

 

人の怒りは6秒間がMAXだといわれており、それ以降は徐々に収まっていくものです。

 

怒りを感じてからすぐに相手を罵倒したり叱責したりするのではなく、6秒間深呼吸をすることで、冷静に対応できるようになるでしょう。

 

また、ストレスやイライラは体調が悪いときにこそ感じやすいものです。

 

頭痛や腹痛など目に見える不調がない場合も、疲れが溜まっていたり、よく眠れていなかったりする場合は精神的にも不安定になりやすいでしょう。

 

まずは自分の疲れを癒し、周りに対して寛容になれるよう、気持ちに余裕を持つところから始めるのがおすすめです。

 

満月近くは高カロリーな食事やアルコールを控える

吸収を促進してしまう満月の日は、いつもより食事のカロリーを抑えたり、消化の良いメニューを選んだりすると良いでしょう。

 

胃腸に負担をかけないことで、体重の増加を防ぐだけでなく、胃痛や消化不良・便秘・下痢といった消化器症状を避けることにも繋がります。

 

特にお通じ関連の症状は慢性化しやすいため、満月の日になる度お腹を壊すことがないよう、食べるものの内容から注意することが大切です。

 

また、アルコールも同様に消化器症状やむくみの原因となります。

 

満月の日は悪酔いしやすいという方もいるため、どうしてもお酒を飲みたいときは大勢での飲み会ではなく自宅で少量を楽しむのがおすすめです。

 

空きっ腹にお酒を飲んだり、そのまま寝落ちしてしまったりすることがないよう、翌日に響きにくい飲み方をするよう心掛けましょう。

 

満月による体調不良に関する疑問

 

満月と体調不良に様々な関連性があるとは分かっていても、やはりその関係は神秘的なものであり、なかなか理解できない方も多いのではないでしょうか。

 

毎月のようにある満月で都度体調を崩してしまわないよう、できる対策をして体調を整えておきましょう。

 

満月が体調に及ぼす影響はスピリチュアルと関係ある?

私たちの目に見えない不思議なものや霊的な出来事を指す「スピリチュアル」ですが、満月が体調に及ぼす影響も完全に関係がないとは言い切れません。

 

例えば満月の日が近づくことによって暴飲暴食をしてしまう人がいるとしましょう。

 

その結果胃痛や胸やけ・便秘・下痢・むくみなどの体調不良が起きた場合、その体調不良の原因は医学的に説明できるものです。

 

とはいえ「満月により体内にエネルギーが溢れて暴飲暴食に繋がる」という部分は、スピリチュアルな影響を否定できません。

 

しかし、スピリチュアルな一面を持っているからといって、満月による大量不良を訴える人に対し「理解できない」「嘘だろう」と判断してしまうのは間違いです。

 

私たち人間は昔から様々な面でスピリチュアルな影響を受けて生きており、満月もその一種であるといえるでしょう。

 

誰しもに起こりうる自然な現象であることを意識し、体調不良を訴える人に対し寛容に対応できるようにしておくと安心です。

 

満月の影響はどれくらい続く?

満月による体調不良がいつ起こるかは人によって異なりますが、多くの場合は満月の日w尾中心に前後2~3日程度がメインであるといわれています。

 

つまり、満月の日を中日とした1週間くらいは体調不良の可能性が高まる日として考えておくと良いでしょう。

 

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まとめ

満月の影響で体調不良を訴える方が多いのは、日本だけの現象ではありません。

 

多くの方が月の満ち欠けに影響を受けるため、それぞれの体調不良に対ししっかりと対応できるよう、日頃から準備を整えておくと良いでしょう。

 

大切な予定が満月の前後に被らないよう、カレンダーを見ながら月の満ち欠けをチェックしてみるのもおすすめです。

 

サードプレイスとは?しがらみから解放される場所を持つ重要性

 

日々忙しく働いたり勉強に勤しんだりしている現代人にとって、しがらみから解放される時間を作ることは必要不可欠です。

 

時には心を落ち着けてリフレッシュすることで、再び仕事や勉強に力を入れられるようになるでしょう。

 

今回はそんな慌ただしい毎日を過ごす方々に、ぜひチェックしてほしい「サードプレイス」の考え方についてご紹介します。

 

サードプレイスとは?

 

サードプレイスとは、その名の通り「第3の場所」を指す言葉です。

 

私たちの多くは自宅を第1の場所、学校や職場を第2の場所として多くの時間を過ごしていますが、それらとは別に第3の場所を設けることで、これまでに溜まったストレスの解消を目指し、より生きやすい生活を送れるようになるというものです。

 

これは1989年に初めて提唱されたもので、それまでは「ストレスを解消する場所=自宅」との概念が一般的であったため、自宅内で安らげる場所づくりが推奨されていました。

 

しかし家族との折り合いが悪い人や、経済的な事情で自宅にパーソナルスペースがつくれない人などは、この方法だとストレスの解消ができません。

 

自宅と職場(学校)の往復で毎日が終わってしまうことがないよう、心安らげる第3の場所を見つける大切さが広まりつつあるのです。

 

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サードプレイスが注目される背景

サードプレイスの考え方は、「The Great Good Place」と呼ばれる著書の中で、オルデンバーグ氏が唱えたのが始まりだとされています。

 

オルデンバーグ氏は先ほどご紹介したように、人々のストレスの多さを問題視し、ストレスが溜まることによって起こる様々なトラブルを防ぐためにこの説を提唱しました。

 

始まりはアメリカですが、日本においても同じことがいえるため、私たち一人ひとりに関係する説だといえるでしょう。

 

アメリカでコミュニティの希薄化が問題となった

オルデンバーグ氏によれば、アメリカではコミュニティの希薄化が進み、人々が狭い世界の中でのみ生活を続けることでストレスが生まれやすくなっているとされています。

 

これはアメリカが世界でも随一の車社会であり、自宅と職場の往復もほとんどが車で行われることから、他者との関わりが極端に減っていたことに由来します。

 

これに加えて平日はもちろん夜間や休日も返上して忙しく働く人が増えたことで、余暇に使える時間が減り、よりストレスが溜まりやすい環境ができてしまったのです。

 

仕事に費やす時間が増えれば増えるほど、趣味などで様々なコミュニティに顔を出すことが難しくなるのに加え、家庭というコミュニティで円満な関係をつくることもできなくなるでしょう。

 

「仕事ばかりで家庭を顧みない」などとパートナーから不満を抱かれることになれば、第2の場所である自宅も決して心休まる場所にはなりません。

 

責任感や重圧から解き放たれる場所の重要性が高まった

入社したばかりの新入社員でも、人々をまとめる立場に置かれた管理職でも、仕事をしている以上は様々な責任感や重圧がのしかかっています。

 

責任感や重圧にどれだけ耐えられるかは一人ひとりのキャパシティによって異なりますが、誰であっても時折ストレスを解消し、仕事について考えなくて済む時間が必要といえるでしょう。

 

四六時中仕事のことばかり考え続けていると、集中力が低下するほか、新たなアイディアも生まれにくくなってしまいます。

 

また、先ほども少し触れたように、全員にとって家庭が安らぐ場所であるわけではないでしょう。

 

一家の大黒柱であれば「仕事を休むわけにはいかない」「家計を支えるためにもっと稼がなければならない」など、常に見えない重圧に晒されていることになります。

 

もちろん専業主婦なども異なる悩みを持っており、仕事をしているからといって悩みの程度が強いわけではありません。

 

専業主婦は居場所が自宅しかないため、より一層サードプレイスの重要性が高まるといった見方もあります。

 

つまり、職場(学校)や自宅にいる限り、私たちには常に何らかの重圧がのしかかっています。

 

これらの重圧から解き放たれるためには、仕事や家庭に関係のないサードプレイスが必要なのです。

 

コロナ禍によりさらに見直されることに

新型コロナウイルスによって外出規制が敷かれると同時に、リモートワークなどで出社制限を設けた企業も多く、働き手はさらに行動範囲が狭くなりました。

 

自宅で仕事をしているが故に、パートナーから嫌な顔をされた経験のある人も多いのではないでしょうか。

 

息抜きにどこかへ出かけることもできず、自宅でも通常と同じようなパフォーマンスをしなければならない重圧から、普段であれば感じずに済むはずのストレスが溜まってしまった人も少なくありません。

 

行動制限が解消された今、サードプレイスの大切さはこれまで以上に重視されることとなりました。

 

既にストレスを感じている人はもちろん、これから就職活動や受験勉強を始める人も同様に、必要以上にストレスを溜めずに済むような工夫を心掛けることが大切です。

 

サードプレイスの役割とメリット

 

「サードプレイスを見つけよう」と動いている人はまだまだ少ないため、私たち一人ひとりがその役割をしっかりと学び、自分にとっての安らげる場所を見つける必要があります。

 

サードプレイスが私たちにどのようなメリットをもたらすのか、3つのポイントに注目してご紹介します。

 

ストレスからの解放

サードプレイスを設けることで、私たちは仕事や学業・家庭によるストレスから解放され、心休まるひと時を過ごせるようになります。

 

仕事を持ち帰って自宅でも作業している人や、リモートワークをしている人などは特に、仕事とプライベートの境目がはっきりせずに四六時中頭を使うことになりかねません。

 

仕事に関することを考えず、なおかつ家族とのコミュニケーションをとることもないサードプレイスならば、好きなことを考えながらゆっくりと過ごせるのではないでしょうか。

 

コミュニケーションの場として

サードプレイスの種類によっては、新たなコミュニケーションが始まるきっかけになる可能性もあります。

 

普段職場の人や家族としかコミュニケーションを取らず、限られた空間の中で生活することに窮屈さを感じている人も多いのではないでしょうか。

 

サードプレイスで新たな人間関係を構築することで、普段話せないようなことも気軽に相談できたり、自分の趣味についてとことん話せたりするようになります。

 

私たち人間は他者と関わり合うことで健康的な生活を維持しています。

 

先ほども触れたように限られた人間関係の中で生きている人や、一人暮らしで会話の機会がなかなか持てない人などは、サードプレイスで積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。

 

人間としての視野が広がる可能性

サードプレイスで様々な人々と関わることで、視野が広がり、これまでになかったアイディアが生まれる可能性があります。

 

「〇〇でなければならない」といったように凝り固まった価値観を持っていた人が、新たなコミュニティに属することで、全く新しい活動を始められるのもメリットの一つです。

 

関連記事:掃除がメンタルヘルスに与える影響とは?心も部屋もスッキリさせる方法

 

サードプレイスの具体的な例

 

早速サードプレイスを見つけよう、と思っても、実際にどんな場所が自分に向いているのか分からない人も多いのではないでしょうか。

 

具体的なサードプレイスの例を参考に、好きなときに利用しやすい場所を見つけてみましょう。

 

カフェや図書館などの公共施設

普段から利用している人も多いカフェや図書館などの施設は、入るまでの敷居が低く、気軽に利用できるといったメリットがあります。

 

入るのに料金が必要ないところや、ドリンク代を支払うことでゆっくりと過ごせるところも多く、複数回使用しても費用が掛かりにくい点も魅力的です。

 

お腹を満たす目的で入っても良し、時間を潰す目的でも良し、いずれにしてもリラックスした時間を過ごせるでしょう。

 

コワーキングスペース

コワーキングスペースは、誰でも気軽に仕事ができるように作られたものです。

 

都心部を中心に様々な場所に設けられているため、職場や自宅ではない場所で気持ちを切り替えながら仕事がしたい人や、一人で集中できる場所を探している人にもおすすめです。

 

仕事から完全に切り離されるスペースとはいえないものの、家族や同僚がその場にいないため、集中して取り組めるといったメリットがあります。

 

オンライン上でのサードプレイス

サードプレイスといっても、物理的に移動しなければならないわけではありません。

 

SNSやオンラインゲーム・Discordなど、オンライン上のコミュニティへ属することで、仕事や家族から離れる時間を作っている人も多いでしょう。

 

特にオンラインゲームなどはそれぞれのアバターを作ったりオンライン上のフレンドとコミュニケーションを取ったり、様々な楽しみ方ができるのが魅力的です。

 

オンライン上のサードプレイスは、物理的な場所が必要ないため、移動時間がかからずすぐに利用できるといったメリットがあります。

 

リフレッシュが必要だと分かっていても仕事が忙しく時間に余裕がない人などは、スマートフォンやPCを開くだけでサードプレイスに移動できる方法を試してみてはいかがでしょうか。

 

サードプレイスの見つけ方

 

現代社会に生きる全ての人がサードプレイスを必要としており、一人ひとりに合った場所を探す必要があります。

 

無理やりサードプレイスを利用するのではなく、あくまでも無理なく自然に使えるよう、自分に合ったサードプレイスを見つけましょう。

 

身近な場所を散策してみる

どこが自分にとってベストなサードプレイスになるかは、実際に利用してみなければ分かりません。

 

まずは自分の身近な場所を散策しながら、色々な場所へ足を運んでみましょう。

 

自宅や職場から近い場所をサードプレイスとして選ぶことで、移動時間をかけずに利用できるようになります。

 

趣味の活動に積極的に参加してみる

サードプレイスによって新たなコミュニティができることで、自分の好きなものや趣味についての話題が弾みやすくなり、良い気分転換を目指せます。

 

自分の趣味に関するイベントや活動には積極的に参加し、新たなコミュニティを見つけてみると良いでしょう。

 

実際に趣味の合う人とコミュニケーションを行うオフライン活動はもちろんのこと、趣味に関するネット掲示板やオンラインゲームなど、自宅にいながら手軽に参加できるものも要チェックです。

 

サードプレイスの今後

まだまだ浸透しているとはいえないサードプレイスの考え方ですが、今後はどのような展開を辿るのでしょうか。

 

忙しく慌ただしい毎日を送っている日本人が、今後サードプレイスをきっかけに少しでもストレスのない日々を過ごせることを祈るばかりです。

 

地域社会における役割が強化される可能性

サードプレイスの考え方が広まるにつれ、各地域でその役割が強化されていくことが予想されます。

 

大人にとって心休まる場所が増えるのと同時に、子どもが学校や家庭以外に安心して遊べる場所を増やすことで、小さな身体が抱えるストレスを少しでも解消できるような取り組みが進むことが期待されるでしょう。

 

近年は文部科学省が主導するサードプレイスの取り組みもスタートしており、子どもたちの未来を守る活動として注目を集めています。

 

また、大人にとってのサードプレイスでは、地域が主導してコミュニティを運営することで、老若男女を問わず利用できる場所が増えるといったメリットがあります。

 

同じ世代とだけ関わるのではなく、世代や性別を超えて交流することで、視野が広がり新たなアイディアが生まれやすくなるでしょう。

 

オンラインでのプラットフォームも増加

サードプレイスが重要だとは分かっていても、物理的に場所を移動する時間が取れなかったり、新たな関わりの中でスムーズにコミュニケーションを行うのが難しかったりする場合もあるでしょう。

 

こういった人向けに、今後はオンライン上のプラットフォームが増加し、より利用しやすくなることが期待されています。

 

いずれも高額な費用を必要とせず、SNSのように誰でも気軽に利用できるように設定することで、利用者の環境を左右しないのもポイントです。

 

顔を出さずに文字だけのやり取りならば緊張せずにできる人や、オンラインゲームのように自分をアバターに投影することで居心地の良さを感じる人も少なくありません。

 

オンライン上のサードプレイスは利用する時間帯を選ばないため、生活スタイルを問わず利用できるのもメリットといえるでしょう。

 

ただの「居場所」以上の存在に

現段階でのサードプレイスは、個人が生きやすさを求めるために利用するものです。

 

一方、未来でのサードプレイスは「居場所」としての役割以上に、様々な人々にとっての交流の場として定着するでしょう。

 

民間企業やNPO団体によって運営されるサードプレイスが増えれば、コミュニティの数や種類も増え、自分に合う場所が探しやすくなるはずです。

 

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まとめ

自宅と職場の往復になりやすい現代人にとって、サードプレイスで気分転換を行うことは必要不可欠といえます。

 

仕事や周りの人間関係について考えるのをやめ、自分の好きなことだけを考えられる時間を作ることで、精神的にも身体的にもリラックスできるでしょう。

 

こうしたリラックスやリフレッシュを行うことで、仕事の質も上がり、より効率的な1日を過ごせるようになるはずです。

ルッキズムの意味とは?やめたいけどどうしようもない?

 

私たちの思考に深く根付いてしまっている「ルッキズム」

 

良くないことだとは分かっていても、やめるにやめられない方がほとんどなのではないでしょうか。

 

今回はルッキズムの概念や歴史に目を向けながら、具体的にどのような点が問題となり得るのかについてご紹介します。

 

ルッキズムとは?

 

ルッキズムとは、特定の容姿を「美しい」「格好いい」などと称することで、そうでない人のことを自然と差別する考え方のことです。

 

他者を美しいと思う基準は人それぞれですが、相手の価値を外見だけで判断したり、内面を見ずに決めつけたりするのも立派なルッキズムの一部です。

 

私たちは普段、それほど意識することなく相手を容姿で判断しています。

 

声を大にして「イケメンが好き」「美女が好き」と言うことはなくても、パートナーにするならば容姿の整った人が良いと思う方が多いでしょう。

 

どれだけ優しい人がいたとしても、自分の好みに合った容姿をしていなければ、内面の優しさを知ろうとは思わないのではないでしょうか。

 

このように、ルッキズムは知らず知らずのうちに私たちの心に強く根付いています。

 

今すぐにルッキズムをやめようと思っても、そう簡単に気持ちを変えるのは難しいでしょう。

 

そもそもルッキズムが自分の中にあることに気が付いていない方も多いため、社会全体がルッキズムを脱却するのはさらに長い時間がかかると予想されます。

 

とはいえ、ルッキズムが進むあまり、内に秘めた能力が正当に評価されない社会は間違っています。

 

ルッキズムを当たり前のものとせず、私たち一人ひとりが相手の本質を見抜く力を持つことが大切です。

 

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ルッキズムの背景と歴史

私たち人類は二足歩行を始めたときからルッキズムに支配されていたわけではありません。

 

どこでどのようにルッキズムが生まれ、どのように当たり前のものとなったのか、その歴史を紐解いて見ましょう。

 

言葉自体は1970年代のアメリカ発祥とされる

ルッキズムという言葉は、「look(見た目)」と「~ism(主義)」のワードが組み合わさったものです。

 

これは1970年代のアメリカが発祥と言われており、これまでの外見至上主義に名前が付いた瞬間でもありました。

 

さらに具体的にいえば、ルッキズムという言葉を使い始めたのはアメリカの日刊紙・ワシントンポスト。

 

ルッキズムという造語を紹介した上で、外見の違いに関する差別的な扱いが問題視されているとの記述がありました。

 

つまり、1970年代から既にルッキズムに問題点があるといわれており、「どうにかしなければならない」といった動きが進んでいたことが分かります。

 

一般人同士がパートナーを見つけるときだけでなく、受験や就職など人生を左右する場面で容姿が優遇されることがいかに不平等かを説いていたのです。

 

ルッキズムの発祥には諸説あるため、上記は一説にすぎません。しかし、外見至上主義が早い段階から問題視されていたことは間違いないといえそうです。

 

美の基準が確立されたことによる広まり

古い時代の日本では「うりざね顔」と呼ばれる色白で面長の顔が美しいとされるなど、各時代において様々な美の表現がありました。

 

明治時代に学生が使っていた教科書には、「美人はその外見が故に得をすることが多く性格が悪くなりやすいが、そうでない人は好かれようと一生懸命生きるため性格が良い」との記載があったそう。

 

つまりこの時代には多くの人が同じ美の基準を持っており、美しい人を妬む気持ちも少なからず持ち合わせていたのでしょう。

 

また、欧米の文化が流入し始めた明治時代では、これまでの閉鎖的な文化とは異なり、社交の場に顔を出す人が増えました。

 

その結果相手のパートナーを見定める機会が増え、家柄や職種同様、見た目の美しさも話の種になることが多くなったのです。

 

2000年代以降は特に顕著に

時代と共に変化を見せてきたルッキズムの考え方ですが、2000年代以降は特に顕著なものとなりました。

 

「美しさとはこうである」といった特定の美がメディアによって取り上げられたり、SNSを通じて美しい人が話題になったりしたことで、大衆の中で美の基準がハッキリと固まってきたのです。

 

近年は美の基準に少しでも近づきたい方を対象に、格安で受けられる美容整形の広告を目にする機会も多いでしょう。

 

多くの方があらゆる手段を用いて美を目指すことは悪いことではありません。

 

しかし、元々の良さを捨て、平均的な美しさを求めるあまり、大勢が同じような風貌になってしまうのも問題です。

 

「美とは〇〇である」といった決めつけを捨て、自分の容姿に良いところを見つけるのも大切なことなのではないでしょうか。

 

ルッキズムの問題点

 

良いものではないと分かっていても、どうして良くないのかを具体的に考える人の少ないルッキズム。

 

この考えが蔓延り続けることで一体どんな問題があるのかを正しく知っておきましょう。

 

差別やいじめが助長される

ルッキズムによって外見に差があるとみなされた人々は、時として差別やいじめの対象となる場合があります。

 

物事の善悪が分からない子どもたちの間ではもちろんのこと、時には大人の間でもひどいいじめが起こり、被害者に大きな影響を及ぼしています。

 

本当は話し好きなのに外見を気にして会話ができず仲間が作りにくくなっていたり、優れた能力を持っていても発揮する場を与えてもらえず何もできないと思われてしまったり、容姿によって損をした経験のある方も多いはずです。

 

こういった差別やいじめは、「差別」や「いじめ」というワードを使っているからこそありふれたことのように思えますが、いわば犯罪の一種であることを忘れてはいけません。

 

中にはこういった差別やいじめを苦に命を絶ってしまう方もいるため、私たち一人ひとりが例外なく、自分の一言の重みを実感して生活しなければならないのです。

 

能力が正当に評価されない

ルッキズムに関する日本の歴史で少し触れたように、かつては「美人は性格が悪い」「そうでない人は性格が良い」といった偏見がありました。

 

現在は逆で、見た目が美しくないとみなされた人は上司や先輩から正当な評価を受けられず、能力が眠ったままになっている可能性があります。

 

これは当人にとって辛いことであるのに加え、企業や社会全体にとっても大きな損失となるでしょう。

 

自分の能力について正しくアピールできる人であれば良いですが、中にはそうでない人もたくさんいます。

 

見た目に関わらず、その人がどんな能力を持っているのか、フィルターを通さずに見てみることが大切です。

 

心理的な健康問題に発展している

美への欲求が多くの人の心に影響を及ぼすことはもちろんですが、時としてその感情が健康問題として現れる場合があります。

 

特にルッキズムを気にしていない方であれば問題ないようなことでも、周りの目が気になる方や、過去に容姿について嫌なことを言われた経験のある方は過剰に反応してしまうでしょう。

 

結果として大勢の人がいる場所に恐怖を感じたり、鏡を見ることが怖くなったりといった症状が出やすくなるのです。

 

また、近年の女性を中心に、「痩せている=美しい」といった考え方が広まっているのも問題の一つです。

 

「男性よりも痩せていなければならない」「周りの女性はもっと痩せている」といった強迫観念にかられ、本来痩せる必要がないにもかかわらず過剰なダイエットをしてしまう方も少なくありません。

 

その結果、過食症・拒食症といった食事面でのトラブルや栄養失調、生理不順などの健康問題が現れやすくなってしまうでしょう。

 

関連記事:子どもの愛情不足サインとは?今すぐできる対処法で親子の絆を深めよう

 

ルッキズムの解消に向けた対策と取り組み

 

ルッキズムは一朝一夕でなくせるものではありませんが、このまま放置しても良い考えではないため、日々少しずつ意識を変化させていかなければなりません。

 

いずれ社会からルッキズムの考えがなくなるよう、一人ひとりができることを始めていくと良いでしょう。

 

教育・啓蒙活動と意識改革

第一に、ルッキズムが自然と身についてしまうのは、子どもの頃からの刷り込みが原因だといえます。

 

「痩せている方が美しい」「目がパッチリ大きい方が綺麗」といった考えを子どもに植え付けてしまわないよう、早い段階から「誰しもがみんな違ってみんな良い」といった教育を行うことが大切です。

 

子どもたちは良いことも悪いこともすぐに吸収してしまうため、大人の身勝手な発言でその後の人生が左右されないよう、子どもの前での会話は特に注意しましょう。

 

また、多くの大人が自分の考えを見直し、ルッキズムが招く影響を正しく知ることも大切です。

 

何の気なしに発言した一言が誰かの運命を変えてしまうこともあるため「誰かを傷つけないように」といった曖昧な行動ではなく、「ルッキズムを無くす」といった明確な目標を持つべきです。

 

メディアの役割の変化

私たちの思想に大きな影響を与えるメディアを使って、ルッキズムの廃止を訴えることも効果的だといえます。

 

これまでメディアといえば、美しいと評判の俳優や女優・モデルなどを使い、私たち一般人が彼らのような美しさを目指すよう誘導してきました。

 

もちろんこれは悪意の元行われたことではありませんが、現に私たちの間にはルッキズムが蔓延り、辛い思いをしている人がいます。

 

特定の人を美しいと持ち上げるのではなく、様々な外見の人をポジティブに取り上げることも良い傾向の一つです。

 

特定のタイプばかりがテレビに出演しているのを見れば、それに当てはまらない人は自然と自分が美しくないと感じてしまうでしょう。

 

あらゆるタイプの人を全て平等に「美しい個性」として紹介することで、自分の外見そのものを愛し、自信を持てるようになるのではないでしょうか。

 

また、お笑い芸人の容姿をいじって笑いに変える文化もまだまだ消えたとはいえません。

 

一部の人からは笑いが取れるものの、ある人たちからは不快な目で見られてしまうでしょう。

 

容姿をいじることなく、単純な笑いのセンスで仕事がもらえるよう、メディア全体が変わって行く必要があるのかもしれません。

 

制度改革による対策

就職などで個人の能力よりも外見が重視されてしまうのを防ぐために、公平な基準を設けておくことも大切です。

 

これまで「美しい」とちやほやされてきた人は、他者とのコミュニケーションに強く、面接でもハキハキと話せることでしょう。

 

反対に外見を貶された経験があれば、初対面の相手とイメージ通りの会話ができなくても無理はありません。

 

こうした差別を取り除くため、各企業が公平な採用基準を設けることが推奨されています。

 

もちろんコミュニケーションスキルも基準の一つとなりますが、容姿を基準に加えることなく、その人個人の能力をしっかりと見られるような評価を行う必要があるでしょう。

 

もちろん容姿以外にも、生まれや年齢・性別などでの差別も撤廃するべきだといえます。

 

特定のイベントの廃止やルールの変更

近年になっても様々なシーンで盛り上がりを見せる「ミスターコンテスト」や「ミスコンテスト」

 

学校内で行われるものもあれば、全国から美しいと評判の少年少女が集まって競い合うものまで様々です。

 

もちろん普段の生活や他の魅力も合わせて評価が行われますが、その大半は容姿によって決定されるでしょう。

 

もしも本当にルッキズムをやめるのであれば、ミスコンそのものを廃止するべきだといえます。

 

しかし単純に容姿で競い合うのではなく、「〇〇部門」というようにカテゴリを分け、様々な人が1位を狙えるようにするのも良いでしょう。

 

過度にルッキズム反対を唱えて逆に差別されてしまわないよう、周りが受け入れられやすいプランを提案することが重要です。

 

ルッキズムをやめたいけどやめられないのはどうしようもない?

 

先ほどもご紹介したように、ルッキズムはやめようと思ってやめられるものではないでしょう。

 

自分一人だけが変わっても、周りの環境が変わらなければ、結果として差別やいじめはなくなりません。

 

インターネットで検索すると、同じように「やめたいけどやめられない」と感じ、声に出せない悩みを抱えながら辛い思いをしている人が多いのが分かります。

 

ルッキズムに関して大切なのは、「今の自分の気持ちを無視しない」ということではないでしょうか。

 

ルッキズムが良くないと感じるのも、どうしてもやめられないと悩むのも全て大切な自分の気持ちです。

 

これらに嘘をついてまでパートナーを選んだり所属する団体を決めたりすると、後々辛くなるのは自分です。

 

自分の本当の気持ちを尊重しながら、それでもルッキズムが良くないと感じた自分を褒めてあげましょう。

 

関連記事:フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

まとめ

ルッキズムは古くから世界中の人々に根付いており、それぞれの地域で異なる美の基準があるのが分かります。

 

すぐになくすのは難しくても、ルッキズムが推進されるべきでない考えだと知っておくだけで、あらゆる場面での差別をなくすことに繋がるでしょう。

 

サステナブルとはどんな考え方?SDGsとの違いや具体的な取り組みを紹介

 

様々な製品に記載されていたり、CMなどで耳にしたりすることの多い「サステナブル」という言葉。

 

何となく地球環境に良さそうなイメージがありますが、具体的にどのような取り組みをすべきなのか分からずにいる方も多いのではないでしょうか。

 

今回はそんな「サステナブル」について、詳しい概念から具体的な取り組みまでをまとめてご紹介します。

 

同じく耳にすることの増えた「SDGs」とは何が違うのかについても確認していきましょう。

 

サステナブルとは?

 

私たちが普段「サステナブル」と呼んでいるのは、「sustain(持続する)」と「~able(できる)」という言葉を組み合わせたワードです。

 

直訳すると「持続可能な」という意味を持ち、この地球上に生きる私たち一人ひとりに関係のある考え方の一つです。

 

子どもから大人まで全員がサステナブルについて正しく学ぶことで、誰もが生きやすい社会作りへと繋がるでしょう。

 

持続可能性の概念について

私たちが生活している地球は、今この瞬間も環境が破壊によるダメージを受けています。

 

この先も私たち人類や他の生き物が変わらずに暮らし続けるためには、今の環境を改善し、地球の寿命がより長く続くように工夫しなければなりません。

 

これは地球に暮らす私たちの使命であり、誰もが無視できない考え方といえます。

 

持続させるべき事柄には様々なものがありますが、もっとも分かりやすくイメージが容易なのが「地球温暖化」ではないでしょうか。

 

単に地球の気温が上がるだけでなく、台風や熱波・集中豪雨などの発生確率が上がり、日本でも各地で災害が発生しています。

 

私たちが毎日何の気なしに行っている行動一つひとつが原因となり、大きな災害へと発展していることを考えれば、自然と私たち全員が取り組まなければならない問題であることが分かるでしょう。

 

私たちが暮らす現代は「消費型社会」と呼ばれており、限りある資源を消費することで成り立っています。

 

これにより搾取され続けた地球は、いわば限界の状態であるといえるでしょう。

 

このまま人類の数が増え続け、なおかつ消費型社会が変わらずに続くのであれば、地球は私たちが住めない星へと変わる可能性が高いのです。

 

3つの柱とは

先ほど地球環境に関する内容に触れましたが、サステナブルには他にも様々な問題点があります。

 

全部で「3つの柱」を理解することで、サステナブルについて正しく学び、自分にできることを模索できるでしょう。

 

第1の柱は「環境保護」です。先ほども少し触れたように、地球上の資源には限りがあるため、使いすぎを防いだり再生を促したりする必要があります。

 

新たな資源を使わずに済むようリサイクルの考え方を取り入れたり、植樹活動を通して森林の破壊を防いだりする活動も有効です。

 

近年注目を浴びている電気自動車を積極的に利用することで、排気ガスによる環境破壊を防ぎ、地球温暖化の進行を防ぐのも良いでしょう。

 

個人でできることとしては、節電を通してエネルギーの無駄遣いをやめることや、本当に必要な物だけを購入しゴミを減らすことなどが挙げられます。

 

第2の柱は「社会開発」です。世界全体で見ると貧富の差は歴然であり、学校に通えず毎日働いている子どもたちがたくさんいます。

 

適切な医療を受けられず、日本ならば治るはずの病気で命を落とす人も少なくありません。

 

日本国内であっても性別の違いで労働環境に差があったり、残業時間に対して適切に賃金が払われなかったりといった社会問題も珍しくないでしょう。

 

こういった「人と人との間に起こる差」をなくし、誰もが同じく健康的な生活を送るための取り組みとしても、サステナブルが注目されているのです。

 

第3の柱は「経済発展」です。

 

これはサステナブルの考え方を取り入れている企業が、その事実を企業戦略の一種として考えることで、企業そのものの価値を上げられるのではないかといったものです。

 

同じものを提供している企業同士を比べるとき、サステナブルに配慮しているかどうかで、消費者にとって大きな違いとなるでしょう。

 

エネルギーを節約したり、ゴミ拾いなどのボランティア活動に従事したりする場合は、企業戦略として大々的にアピールすることが推奨されています。

 

このように、サステナブルは一言で表せられるものではなく、様々な取り組みが組み合わさって成り立つものです。

 

あらゆる面から自分や企業にできることを考え、行動していくことが大切だといえます。

 

SDGsとの違い

サステナブルと同じような意味を持つ単語として、「SDGs」が挙げられます。

 

これは2030年をゴールとして、国連に加盟する193ヶ国が持続可能な世界を作るための目標のことです。

 

全部で17種類の指針が掲げられており、より私たちが何をすべきか分かるよう明確に言語化されているのが特徴です。

 

サステナブルが「より良い社会を作りたいとする概念」だとすれば、SDGsは「より良い社会を作るためにすべきこと」だといえるでしょう。

 

関連記事:日本におけるゴミ問題の現状は?環境への影響やわたしたちにもできることを紹介

 

サステナブルが注目されるようになった背景

 

近年サステナブルが注目されるようになったのは、私たち人類が様々な課題を抱え、これらが決して無視できないものになってきたためです。

 

およそ1980年頃から「サステナブル」という言葉が生まれ、2020年代に入るにつれて急速に広まりを見せました。

 

気候変動や資源の枯渇

サステナブルが注目され始めたのは、第一に気候変動による大規模災害の多発や、資源の枯渇が表面化するようになったためです。

 

元々日本は地震や台風などの自然災害が多発する地域でしたが、地球温暖化の影響で異常気象となった現在、より被害の大きな災害が起こりやすくなっています。

 

2024年でいえば、地震による被害を受けた北陸地方をさらなる豪雨が襲い、多くの被害者を出しました。

 

こういった気候変動を無視することなく、一人ひとりができる対策を行うべく、サステナブルな取り組みが各地で始まっています。

 

また、私たちの生活には様々な資源が使われており、中には有限なものも多く含まれています。

 

石油・石炭・天然ガスなどが代表的な資源として挙げられますが、これに代わるものをエネルギーとすることで、今の生活を維持しながら資源を守ろうとする取り組みが行われています。

 

さらには人口の増加や気候変動の影響などによって、私たちの生活に欠かせない水資源が不足していることも、無視できない大きな問題といえるでしょう。

 

まずは私たち一人ひとりが電気やガス・水などを無駄遣いしないことや、家庭から出るゴミを減らすなどの工夫を行うことが大切です。

 

貧困や不平等などの社会的な課題

日本に住んでいるとイメージしにくいかもしれませんが、世界では貧富の差が分かりやすく、私たちとはかけ離れた生活を送っている人たちがたくさんいます。

 

日本で当たり前に受けられている学習の機会や医療を受ける権利がなく、人としての尊厳が守られない生活が当たり前となっているのです。

 

こういった社会的不平等を改善し、地球上に生まれた誰もが安全な生活を送れるよう、サステナブルな活動を行う団体が増えています。

 

では日本の場合、こういった社会的課題がないかといえばそうではありません。

 

例えば身体的・精神的に障がいを抱えている方の場合、そうでない方に比べて就業の機会は大幅に減少してしまうでしょう。

 

言語のやり取りがスムーズに行えるにもかかわらず、外国人であるという理由だけで面接に通らず悩んでいる方もいます。

 

こういった人種・年齢・性別などによって不平等が生まれることがないよう、社会システムだけでなく、私たちの意識から変えていく必要があります。

 

社会全体の成長を促すためのビジネスや投資の広まり

環境や社会的不平等に関する問題点が浮き彫りになる中、こうした問題へ社会全体が一丸となって取り組めるよう、サステナブル関連の様々なビジネス・投資が広まりました。

 

これにより、サステナブルに関して知識のなかった層が注目するようになり、多くの人の目に触れるようになったといえます。

 

サステナブルな取り組みを積極的に行っている企業は、そうでない企業に比べて注目される機会が増えたことでしょう。

 

サステナブルやSDGsなどの考え方は、テレビ番組でも特集を組まれることが多く、一般市民にも浸透しつつあります。

 

世界全体の取り組みというと規模が大きく感じられますが、こういったメディアが私たち一人ひとりにできることを取り上げることで、より身近に感じられるようになったといえるでしょう。

 

関連記事:リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説

 

社会全体で取り組まれているサステナブルな活動

 

近年は様々な活動を通じてサステナブルな考え方が広まりつつあるため、既に行われている活動を知り、理解を深めるのもおすすめです。

 

自分が知らない間に、サステナブルな活動に参加している場合もあるため、他人事と捉えることなくできることをしていきましょう。

 

サステナブルファッション

サステナブルファッションとは、洋服を作る際にサステナブルな素材を用いるなどして、限りある資源を大切にするための取り組みです。

 

ペットボトルをリサイクルして得られる「再生ポリエステル」を使った製品を中心に、様々なアパレルブランドからそれぞれ工夫を凝らした製品が登場しています。

 

素材に違いがある以外は変わりなく、他の製品同様にデザインの優れたアイテムも多数販売されているため、これまでと変わらずにオシャレを楽しめるでしょう。

 

アパレル業界で問題視されている「大量生産・大量消費」の考え方は、素材を無駄にしやすいだけでなく、労働力の浪費や化学薬品による環境汚染など様々な問題を引き起こしています。

 

リサイクル素材を使った製品を購入するだけでなく、今ある衣類を大切に着たり、毛皮や羽毛といった天然素材の物を選ばないようにしたりするだけでもサステナブルな取り組みの第一歩といえるでしょう。

 

サステナブルフード

環境問題に大きな影響を与えているといえる「フードロス」。飲食店はもちろん、一般家庭からもまだ食べられる食品がゴミとして廃棄され続けています。

 

こういった作りすぎや賞味期限切れの食材の廃棄は、ゴミ処理場でエネルギーを使って燃やされたり、焼却後の灰が不燃ゴミとして埋め立てられたりしながら地球環境の悪化を促進しています。

 

こういった環境悪化を食い止めるために、近年はサステナブルフードが広まりつつあります。

 

農薬や殺虫剤などを使わずに作られる「オーガニック食材」や「有機栽培食材」などは、最寄りのスーパーで見かけることも多いのではないでしょうか。

 

他にも、肉や魚を食べられるサイズに育てて出荷するためには、水や餌をはじめとする様々なエネルギーが使われています。

 

大豆を使って作られたソイミートや代替ツナ、海藻由来のエビやカニなど様々な種類が登場しており、既に料理として使われ始めています。

 

こういった製品を積極的に選ぶことも、サステナブルな取り組みとしてできる行動の一つです。

 

サステナブル都市計画

これまでの日本では、木造建築が主流であり、劣化した建物は取り壊され新たな建物へと生まれ変わっていました。

 

今もそのような建物が多数残っていますが、主要な建築物を中心に、100年単位で人が利用できるような建築方法へと変わりつつあります。

 

一般住宅であっても太陽光発電を取り入れるなど、エネルギーを効率的に利用する方法が用いられています。

 

また、昔から人の多く住む場所であればあるほど緑が少ないといった問題点が指摘されてきました。

 

日本はもちろん、世界各国が中心都市への植樹を集中的に行っており、今や見渡す限りビルしか見えない都市は減りつつあるでしょう。

 

それに伴いポイ捨てなどによるゴミの削減や治安の改善など、人々が安心して暮らせる都市計画が進んでいます。

 

私たちが日常生活でできるサステナブルな取り組み

 

サステナブルな活動が意味を成すためには、政府や企業などの大きな団体が努力するだけでは足りません。

 

世界に70億人もいる私たち一般人が、それぞれにできることを行って初めて、先ほどご紹介した3つの柱を実現できるでしょう。

 

節水の実践

飲み水や食事に使う水だけでなく、入浴・洗顔・清掃・排泄など様々な面で水を使う人類の生活。

 

そんななくてはならない水が、常に不足している状態だと知っている方はどのくらいいるでしょうか。

 

地球温暖化によって水の蒸発が進み、常に水不足に陥っている今、私たち個人が節水を実践することが大切です。

 

とはいえ、普段から飲む水を極端に減らすことはできません。

 

その分、洗顔や歯磨きの際に水を出しっぱなしにするのを止めたり、入浴した水を洗濯の洗いに使ったりしてみてはいかがでしょうか。

 

皿洗いの際は桶に水を溜めながら行うことで汚れが落ちやすくなりますし、排泄時は「小」を積極的に使うことで1回の排水量を減らすことが可能です。

 

食品ロスを減らす

普段から食べきれない量の食材を購入し、使いきれなかった分や賞味期限が切れてしまったものを簡単に捨ててはいないでしょうか。

 

こういった食品ロスがゴミの量を圧迫し、処理場の負担を増やしているのが現状です。

 

大量生産・大量消費の考え方は生産者に負担をかけることにもなるため、一つひとつの食材を大切に、食べきれる分だけを購入することが大切です。

 

また、安価に購入できる外国産の食材は、船舶や航空輸送を用いて輸入されています。

 

これは道中で多量の二酸化炭素を排出しており、地球温暖化にとって無視できないポイントとなるでしょう。

 

値段が張っても国内産の食材を積極的に選ぶことで、日本の食料自給率を上げ、長期的に環境の改善に繋がるはずです。

 

再生可能エネルギーの利用

再生可能エネルギーとは、いわゆる化石燃料のように二酸化炭素を多量に排出するものではなく、太陽光や風力といった自然由来のエネルギーを指します。

 

これらは環境悪化を招くことなくエネルギーを得られるため、今後の地球環境に置いて必要不可欠となるでしょう。

 

日本でも様々な場所で再生可能エネルギーの生成が始まっており、私たち一般人も選択しやすくなっています。

 

例えば、家を建てる際は屋根にソーラーパネルを取り付けることで、太陽光発電による恩恵を受けることができます。

 

既に戸建てを所有している方が新たにパネルを導入したり、ソーラーパネル付きの賃貸物件を選んだりするのも良いでしょう。

 

太陽光発電は環境に良いだけでなく、普段から電力を貯蓄できるため、停電時や災害時にも慌てることなく対処できるといったメリットもあります。

 

ペーパーレス化

私たちの生活では様々な場面で紙を使いますが、そのほとんどがいずれゴミとなってしまうでしょう。

 

自分で購入しメモを取るなどして使っている紙はもちろん、チラシや請求書など自動で送られてくるものもゴミになりやすい紙の一つです。

 

こういった紙の1枚1枚を減らすことで、ゴミの量を減らし、環境汚染を防ぐことに繋がります。

 

日常で使う紙を減らすためには、メモを取る際にスマートフォンなどの電子機器を使用したり、請求書をオンラインで確認できるように登録したりするのがおすすめです。

 

新聞や雑誌を購読している方は、月額料金を支払うことで利用できるサブスクリプションサービスを選ぶのも良いでしょう。

 

フェアトレード認証の付いている商品を選ぶ

先ほど「国内産の食材を選んで購入する」とご紹介しましたが、フェアトレード製品については別のメリットがあるため、積極的に取り入れたいものの一つです。

 

フェアトレード=公平な貿易という意味の通り、輸入する側・輸出する側がいずれも損をしないような貿易をしていることが認証されており、誰も傷つかずに済むといったメリットがあります。

 

フェアトレード認証についてチェックしてほしい製品には、コーヒーやバナナ・チョコレートなどがあります。

 

これらの多くは発展途上国で作られており、労働者は劣悪な環境の中、日本よりもはるかに低賃金で働いています。

 

フェアトレード認証の付いた製品は、そうでない製品に比べて少々高価格である分、生産者の生活を支える重要な役割を担っているのです。

 

これは先ほどご紹介した第2の柱である「社会開発」を進めるために重要なポイントとなります。

 

貧富の差を無くし、誰もが健康的に働きながら生活を送れる社会を目指したいものです。

 

関連記事:リデュースとは?リユース・リサイクルとの違いやそれぞれができることを解説

 

まとめ

サステナブルな取り組みは徐々に広がりつつあるとはいえ、完全に浸透したとはいえません。

 

大切なのは私たち一人ひとりが社会の問題を正しく理解し、自分にできる対策を進めていくことにあります。

 

「自分は関係ない」と他人事のように捉えるのではなく、自分たちはもちろん子孫も含めて幸せになれる社会作りを進めていきましょう。

 

【初心者向け】ガーデニング入門|何から始めれば良い?

 

家の中で始められる趣味としてすっかり定着したガーデニングですが、これから始めてみようかな?という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

ガーデニングは手軽に始められるのが魅力である一方、お世話のしかたが間違っていると、せっかく咲いた花が枯れてしまったり虫が湧いたりといったことも。

 

また、ガーデニングを始めるにあたって、どんな道具を揃えれば良いかわからない方もいるでしょう。

 

本記事ではガーデニング初心者の方や、これから始めたいという方に向けて、注意すべきことや必要なアイテムなどについて詳しく解説します。

 

ガーデニングを始める前に確認しておくこと

 

ガーデニングの最初のステップとして、“場所”に関する確認をしておきましょう。

 

スペースの確認

  • 室内
  • ベランダ

 

ガーデニングを行う場所として、マンションなどの集合住宅であれば室内やベランダ、一軒家や一部の集合住宅では、これらに加えて庭も選択肢となるでしょう。

 

植物を育てるためには十分なスペースが必要です。この後に解説しますが、ガーデニングの種類、あるいは育てる植物によって必要となるスペースの大きさは異なります。

 

そのため、育てたい植物がある場合は、そのために十分なスペースがあるか確認しましょう。

 

もし希望がないのであれば、確保できるスペースから逆算してガーデニングの規模を決めると良いでしょう。

 

日当たりや風通しの確認

ガーデニングには日当たりや風通しが重要です。

 

特に日光は光合成にとって不可欠です。しかし植物によっては強すぎる日差しが逆効果になることも。

 

例えば、部屋が西向きの場合は日照時間が長くなるため、鉢を簡単に日陰に移動させられるかどうかといったことも考慮する必要があるでしょう。

 

また、植物の成長を阻害する要素として蒸れや病害虫といったものがありますが、これらは風通しの良い環境に置くことである程度対策ができます。

 

関連記事:掃除がメンタルヘルスに与える影響とは?心も部屋もスッキリさせる方法

 

初心者におすすめのガーデニングの種類

ここでは、初心者の方におすすめのガーデニングの種類を紹介します。

 

コンテナガーデニング

 

コンテナガーデニングとは、鉢やプランターといった容器(コンテナ)を使って植物を育てるガーデニングのスタイルです。

 

庭がない場合でも、ベランダや玄関先などの小さなスペースで手軽に楽しめます。また、移動が簡単なので、日当たりや風通しの良い場所に簡単に移動できるのもメリット。

 

コンテナガーデニングは季節ごとに植物を入れ替えられるため、常に新しい景色を楽しむことができます。

 

デザインや規模を自由に自分で決められるので人気のスタイルとなっています。

 

家庭菜園

 

家庭菜園とは自宅の庭やベランダ、プランターなどを利用して、野菜やハーブ、果物を栽培することを指します。自宅に小さな畑を作るイメージでしょうか。

 

商業的な目的ではなく、楽しみながら育てて収穫したものを食べることが主な目的です。

 

普段何気なくスーパーなどで購入している野菜や果物を自分で栽培することで、出荷するまでの大変さやありがたみを理解できることが家庭菜園の魅力といえるでしょう。

 

道具と少しの知識があれば誰でも始められますが、植物の栽培自体が完全に初めてという方は、まずはミニトマトやラディッシュといった初心者向けの野菜からチャレンジしてみましょう。

 

花壇づくり

 

庭がある場合に限られますが、花壇づくりもおすすめです。

 

レンガやブロックなどで縁取りをつくり、園芸用の土を入れて、植物の種や苗を植えていきます。

 

ホームセンターや園芸専門店などではレンガに見立てた花壇用の囲いなども販売されており、持ち運びやすいように軽量化されたものもあります。

 

土の持ち運びだけは大変ですが、それ以外でいえばイメージほど大掛かりな作業を必要としないため、初心者の方でも十分にトライできるでしょう。

 

関連記事:ストレスを解消するにはどうすればいい?ハグがおすすめな理由も解説

 

ガーデニング初心者の方が気を付けるべきこと

 

ここでは、ガーデニングを始めるにあたって初心者の方が気を付けるべきことを見ていきましょう。

 

水やりの頻度

鉢植えの場合、鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、根腐れしないように受け皿に溜まった水はすぐに捨てるようにしましょう。

 

推奨される水やりの頻度は植物の種類や季節、気象条件などで異なります。上記を踏まえた上で、基本となるポイントを解説します。

1〜2日に1回が目安です。気温が上がってきたら水やりの回数を徐々に増やします。午前中の気温が上がりきる前に水やりをするのが理想的です​。

 

気温が高く乾燥しやすいため、必ず1日に1〜2回は水やりを行います。早朝や夕方の涼しい時間帯に水を与え、日中の直射日光が強い時間帯は避けましょう。

 

気温が20℃台前半くらいまで下がり始めたら、1〜3日に1回の頻度に減らしましょう。土が乾いているかどうかを確認し、乾燥している場合に水を与えます。

 

週に1〜2回の水やりで十分です。午前中の暖かい時間に水を与え、夕方以降は避けましょう。特に、寒い地域では水をあげすぎると土が凍るため注意が必要です​。

 

健康状態のチェックと日々のケア

植物がすくすく育つには、水やりと並行して適切に肥料を与えることが重要です。

 

肥料は多すぎも少なすぎも良くないので、植物ごとの目安をよく確認して与えるようにしましょう。

 

日々の状態チェックを行うことで、微妙な変化や病害虫の存在に気付くことも。

 

病害虫は植物の寿命を縮める厄介な存在です。見つけたら自然由来の防虫スプレーなどを使用して寄りつかないように対策することが大事です。

 

自然由来の成分でも植物によってはダメージとなってしまうことがあります。必ず植物ごとに使用できる防虫スプレーのタイプを確認しましょう。

 

ガーデニング初心者の方が揃えるべきアイテム

 

ここでは、ガーデニング初心者の方が揃えておくべきアイテムを紹介します。

 

スコップ

植物を植え替えたり土を掘る際に必須です。目盛り付きのスコップを選ぶと植える深さを正確に把握できるので便利です。

 

園芸用ハサミ

植物の成長を促進するためには栄養が分散しすぎないように“剪定”という作業が必要になります。

 

植物によっては枝が硬いため、専用のハサミがあると便利でしょう。

 

ジョウロ

室内やベランダでガーデニングを行う際の水やりに使用します。

 

コップや霧吹きを使う方法もありますが、ある程度の水の量を均等かつ広範囲に届けるためにはジョウロが最適です。

 

庭の場合はホースの先に散水ノズルを取り付けて使用するのが良いでしょう。

 

ガーデングローブ

特に土いじりやトゲのある植物の手入れをする際に手や爪を保護するために必須です。防水や耐久性が高いものを選ぶと良いでしょう。

 

熊手

雑草を抜いたり土を整えるために使用します。特に広いスペースでガーデニングを行う場合に重宝するでしょう。

 

プランター・鉢

植物を植えるのに必要です。ガーデニングに使えるスペースや植物の種類で購入すべきサイズが異なります。

 

プランターや鉢まで含めてひとつの作品となるので、素材やデザインにも気を配りましょう。

 

関連記事:エプソムソルトでバスタイムにスキンケア|おすすめの商品を紹介

 

ガーデニング初心者の方におすすめのアイテム5選

ここでは、ガーデニング初心者の方におすすめのアイテムを紹介します。

 

APRTAT 天然竹製フラワースタンド

 

天然竹製のフラワースタンドです。お花や観葉植物を飾れるだけではなく、家具などが鉢と接触するのを防ぐのにも役立ちます。

 

コンパクトなデザインなのでさまざまな植物によくマッチし、屋内屋外のどこでも洗練された雰囲気を演出できるのもポイント。

 

取り付けの手順書とネジが付いており、プラスドライバー一本で組み立てが完了します。

 

床との接触部には滑り止めカバーを取り付けるため安定性が高く、床を傷つけずに済みます。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

SENUN ソーラーランタンガーデンライト

 

おしゃれなランタン風ガーデン用ライトです。日が落ちてくると光センサーが作動し、温かみのある光が庭先を照らします。

 

太陽光パネル充電であるため電池が不要で、自然環境に優しいのもポイント。

 

ロープは取り外し可能な設計で底は平らになっているので、枝やフックなどに引っ掛けたり玄関前に置いたりなど、さまざまな設置方法が楽しめ、庭先をおしゃれに彩ってくれるでしょう。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

なないろ館 プラントホルダー 3個セット

 

おしゃれなプラントホルダーの3個セットです。フックが付いており、ベランダや柵など、さまざまな部分に引っ掛けられるように設計されています。

 

頑丈なアイアン製でリーフ型のモチーフがアクセントとなっています。色は黒で統一されていますが隙間の多いデザインなので、重たい印象は受けません。

 

上部の直径が約22cm、底部が16.5cmとなっているので、この規格に合う鉢植えを使用されている方は、ぜひ購入を検討してみてください。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

T4U 植木鉢 プラスチックプランター 4点セット

 

「シンプル至上」のデザインコンセプトに基づき、余計な面倒な要素を取り除き、単一の線、クラシックな白、つや消しの質感を採用しています。

 

底に細かな排水孔が開いているため、余った水が流れ出し、植物の根腐れを防ぐことができます。

 

受け皿は簡単に取り外せるので、余った水はさっと捨てるだけで良いのもポイントです。

 

白を基調としたシンプルなガーデンを演出したい場合にマッチするでしょう。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

SUN-E SE フクロウポット

 

まるっとしたフクロウのデザインが特徴的なセラミック製の小型植木鉢。小型のサボテンやアロエのような多肉植物を栽培するのにおすすめです。

 

鉢そのものが置物として可愛らしいため、窓際に飾っておくだけでもインテリアの一部として機能してくれるでしょう。

 

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ガーデニング初心者の方におすすめの書籍2選

続いては、ガーデニング初心者の方におすすめの教科書となる書籍を紹介します。

 

ベランダ寄せ植え菜園:自然の力を借りるから失敗しない

 

数々の家庭菜園本でおなじみのたなかやすこ氏監修の、シンプルかつオーガニックなコンテナ栽培のノウハウを一冊にまとめた本です。

 

自然の力を最大限に活かすたなか流のルールを活用することで、狭いベランダでもちゃんと収穫できることが具体例を交えて紹介されています。

 

今まで野菜のコンテナ栽培が上手くいかなかった人や、野菜づくり初心者の方でもすぐに真似できる一冊です。

 

◆詳細はこちら◆

 

NHK趣味の園芸 おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン(生活実用シリーズ)

 

国内外で注目を集める「ナチュラルガーデン」。魅力は何といってもメンテナンスが簡単なことでしょう。

 

宿根草のスペシャリストである荻原範雄氏がナチュラルガーデンに適した346種の植物を紹介し、日陰・酷暑・狭いなど植える場所の悩みに応じた植物選びをレクチャーします。

 

負担を減らしたシンプルな栽培法がわかるほか、豊富な庭の写真も紹介されているので、ガーデニングのイメージを掴むのにもおすすめです。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

まとめ

ガーデニングは自宅でできる、初心者の方にもおすすめの趣味です。

 

室内や庭先を植物で彩ることで気分も上がりますが、反対に栽培方法を間違えて枯れたり病気になると、寂れた暗い印象になってしまうでしょう。

 

そのため、初心者の方であっても基本的な知識を身につけた上でチャレンジしたいところです。

 

本記事で紹介した内容を参考に、ガーデニングデビューを果たしましょう。

ガスライティングとは?実例や被害者への影響について解説

 

私たちが他者と関わりを持つとき、その全てが対等であるとは限りません。

 

どちらかが目上でもう片方が目下の立場になることもありますが、そこには相手への思いやりや尊敬の意が必要となるでしょう。

 

今回ご紹介する「ガスライティング」は、一方がもう片方を一方的に支配し、感情や行動を抑制する問題行動の一種です。

 

自身や身の回りの人がガスライティングによる被害を受けないためにも、目的や実例・影響について知っておきましょう。

 

ガスライティングとは?

 

ガスライティングとは精神的な虐待の一種であり、相手に間違った情報を植え付け、正しい行動や認識ができないように誘導する問題行動です。

 

家族や友人関係など親しい間柄で起こる場合もあれば、クラスや職場内など複数人によって行われる場合もあり、被害者は重大なダメージを受けてしまいます。

 

暴力のように目に見える形で行われることが少ないため、周りはもちろん被害者自身がガスライティングに気が付かず、長年苦しい思いをさせられるケースも珍しくありません。

 

例えば、仕事でミスをしてしまった部下を上司が叱責するシーンで考えてみましょう。

 

ミスの原因を探りながら部下の失態を叱り、次のミスが起こらないように対策を考える場合、ガスライティングのような問題は起こりません。

 

必要な情報だけを伝えて改善策を講じることが重要であり、ミスをしたことだけを責めていても解決には至らないでしょう。

 

一方、ミスの根本的な原因を無視し、「お前の根性が悪いためだ」「高卒は何をやらせても使えない」などと部下の精神にダメージを与えるような叱責の方法はどうでしょうか。

 

今回のミスでは部下の性格に問題があったわけではないにもかかわらず、生まれ持った性格や育ちを責め、ミスの責任を押し付けようとしています。

 

この場合は間違った情報で相手を支配している上司が、部下に対しガスライティングを行っているといえます。

 

このように、ガスライティングでは「現実とは異なる情報」を相手に正しいと思いこませ、自分の思い通りに支配しようとするのが特徴です。

 

上記の例では部下が「自分は根性が悪く使えない人間だ」と思い込んでしまうことで、さらなるミスが増えたり、塞ぎ込みがちになったりと様々な影響が出るでしょう。

 

何をするにも上司の言いなりになり、結果として立派な支配関係が成り立ってしまいます。

 

こういった状態が続くと、被害者は何も悪いことをしていないにも関わらず、「自分は悪だ」などと正しい判断ができなくなってしまいます。

 

問題となった上司に対してだけでなく、周りに対してもネガティブな感情しか抱くことができず、人間関係の悪化を招いてしまう点にも注意が必要です。

 

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ガスライティングを行う目的は?

加害者となる側が、被害者に向けてガスライティングを行う目的とは一体何なのでしょうか。

 

意識的に相手を支配しようとしている人もいれば、無意識のうちに自分を優位に立たせ、相手を破滅に追い込もうとしている加害者もいます。

 

いずれの場合も、ガスライティングの特徴にいち早く気づき、なるべく早い段階で身を守ることが重要です。

 

自主的な服従状態に追い込む

ガスライティングの加害者は、相手を服従させ、優越感に浸ることを目的としています。

 

無理やり自分の言うことを聞かせるのではなく、あくまでも被害者が自主的に服従するよう仕向けることで、より上の立場から相手を見下すことを目指しています。

 

自分の行いが間違っていると指摘されたり服従を拒否されたりすると逆行し、さらなる暴言を吐くようになるため、被害者は次第に抵抗することを諦めるようになるでしょう。

 

破滅へ誘導

ガスライティングは単純な支配とは異なり、相手が自立心を失い、自分なしでは何もできないといったレベルまで落ちてしまうことを目的としています。

 

言うことを聞かせたり思い通りに行動させたりといった序盤から、正しい判断ができず社会に適合できなくなる終わりまで、執拗に追い続けるのです。

 

特に身内や恋愛・友情関係においては執拗なガスライティングが行われることが多く、周りに打ち明けることもなく苦しんでいる被害者がたくさんいるといわれています。

 

ガスライティングとモラハラ・ストーカーとの違い

 

ガスライティングという言葉は未だ社会に浸透していないため、「モラハラ」や「ストーカー」と同義であると捉える方も少なくありません。

 

モラハラやストーカーとどのように違うのか、それぞれの定義を確認しておきましょう。

 

モラハラとの違い

モラハラとは「モラルハラスメント」の略称であり、主に言葉によって相手の尊厳を奪い、精神的に傷つける問題行動の一種です。

 

意見が食い違う相手に対して必要以上に声を荒げて怒鳴ったり、相手の人格を否定するような言葉を投げつけたりと、モラルが備わっている人であればしないであろう過激な言動が特徴です。

 

直接相手に暴力をふるうことはないものの、大きな音を立ててドアを閉める・物を壊すなどして相手へ恐怖を与える行動もモラハラの一種だといえます。

 

モラハラがガスライティングと異なるのは、モラハラの方が比較的問題が明るみに出やすいといった点です。

 

モラハラの被害者は被害を受けたことを実感しやすく、周りにも相談しやすいでしょう。

 

会社やクラスといった場所でのモラハラであれば、被害者よりも周囲が先に声を上げる場合も見られます。

 

一方のガスライティングは、被害者はもちろん周りも気が付かないようなスピードで徐々に精神を追い詰めていく点に注意が必要です。

 

被害者は知らず知らずのうちに加害者から離れられなくなり、気が付いたときには手遅れとなっていることも多いでしょう。

 

周りから見ると加害者と被害者の関係が非常に良好に見える場合もあり、なかなか問題が露呈しにくいといった危険性があります。

 

ストーカーとの違い

相手を自分の好きなように支配したい、といった感情は、ガスライティングだけでなくストーカーにも当てはまります。

 

相手が好きで仕方がない、または相手が自分のことを好いていると思い込んだ結果、行動を監視したり過度に連絡を取ったりしてしまうのがストーカーの特徴です。

 

中には相手が自分の恋人だと思い込んだ加害者が、被害者が異性といるのを発見し、勢い余って暴力に及ぶケースも珍しくありません。

 

ガスライティングもストーカー同様に相手へ強い執着を見せますが、その根底にあるのは「相手を服従させたい」といった思いであり、恋愛感情とは異なります。

 

ストーカーはあくまでも相手に振り向いてほしくて行うケースが多いのに対し、ガスライティングは相手の人生を破滅させ、とことん追い込むことを目的としています。

 

「相手に幸せになってほしい」といった思いは一切なく、嫌がらせの数々は全て自分の快楽のために行われているのが特徴です。

 

ガスライティングの実例

続いて、実際に起こったガスライティングの実例をご紹介します。

 

先程もご紹介したように、ガスライティングは被害者が自覚しにくいといった危険性があります。

 

これからご紹介する実例に当てはまるケースはないか、身の回りをイメージしながらご覧ください。

 

疑心暗鬼に陥らせる

ガスライティングで頻繁に見られるのが、何もしていない人に対して不安になるような言動を行うことで、「自分が悪いのではないか」と疑心暗鬼に陥らせる行動です。

 

例えばある日会社で重要な書類の紛失事件が起こったとします。

 

Aさんは何もしていないはずのBさんに対し、「そういえばこの前Bさんがその書類を持っていたよね」と話しかけます。

 

Bさんは身に覚えがないものの、Aさんがあまりにもハッキリと断言するため、「もしかしたら自分が書類をなくしたのではないか」と不安に感じてしまいます。

 

このように、Aさんにとって書類を紛失したのが誰であるかは関係なく、「Bさんをいじめてやろう」「困らせてやろう」といった考えだけで行動しているのが特徴です。

 

このような出来事が繰り返されると、Bさんは次第に自信を失い、何事にも挑戦できなくなってしまうでしょう。

 

わざと侵入した痕跡を残す

先程の例を引き続き見ていきましょう。

 

書類の紛失事件をBさんになすりつけて困らせようと考えたAさんは、事前にBさんが犯人であると疑われるように仕掛けます。

 

Cさんが出張に行った際に職場で配ったお土産をBさんが机に置いたのを見て、Aさんはこれをこっそりと隠してしまうのです。

 

Bさんはお土産がないことに気が付きますが、Cさんになくしたとはいえず、モヤモヤとした気持ちで過ごすこととなるでしょう。

 

そんな折に書類の紛失事件が明るみに出ます。Aさんは先程同様にBさんを疑い、同時に「前もCさんのお土産をなくしてたよね」と発言しました。

 

これによって職場のメンバーからは、「人からもらったものをなくすなんて、きっとBさんが書類をなくしたんだろう」といったイメージを持たれることとなるでしょう。

 

このように、被害者を疑心暗鬼に陥らせるため、わざと証拠を残すのもガスライティングのやり口です。

 

これにより、加害者から受けるガスライティングだけでなく、周りからも孤立しやすくなってしまうといった危険性があります。

 

偶然を装う

ガスライティングでは、被害者が加害者に精神的な依存を見せるのが特徴です。

 

そのためには被害者と加害者がより近しい関係になる必要があり、お互いの物理的な距離は縮まっていくでしょう。

 

AさんはさらにBさんを追い詰めるため、職場のメンバーと共謀してBさんの行動を監視します。

 

職場内だけでなく、外出先などでも偶然を装って姿を現し、Bさんのプライベートを侵食していきます。

 

Bさんは怪しんで職場のメンバーに相談しますが、Aさんと共謀しているメンバーが口を割ることはありません。

 

結果、BさんはいつもAさんに監視されていると思い込むようになり、外出自体を怖がり、ひきこもるようになってしまいました。

 

このとき、AさんはBさんに対し「いつも監視している」と伝えたわけではありません。あくまでもBさんが勝手な思い込みで苦しんでいる、といった状況を作り出すため、偶然を装って行動を監視しているのです。

 

嘘を吹き込む

AさんはBさんを孤立させ、さらに自身への依存を高めるために嘘を吹き込むようになります。

 

「〇〇さんがBさんのことを苦手だって言っていた」「Bさんは仕事ができないから重要な案件を任せられないと上司が言っていた」など、根も葉もない嘘を吹き込んでBさんの不安をあおります。

 

さらには「皆には内緒だけど、特別に教えてあげる」などと伝えることで、Bさんは周りのメンバーに相談ができなくなり、たった一人で悩むこととなってしまいました。

 

このような嘘はガスライティングにおいてよくあるケースであり、被害者は簡単にこの嘘を信じてしまいます。

 

加害者は最初から嘘を信じるような純粋な人や、周りになかなか相談できない内向的な人を狙ってガスライティングを行うのです。

 

行動の邪魔をする

ガスライティングの手口として最後にご紹介するのが「行動の邪魔をする」といった点です。

 

Bさんが職場でしようとすることを端からAさんが邪魔をしていくため、Bさんは思い通りに動くことができません。

 

それどころかAさんの指示通りに動くよう強制され、いつしかAさんがいなければ何もできないようになってしまうのです。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

ガスライティングの被害者への影響

 

ガスライティングでは、ときに被害者に対し社会復帰できないレベルの重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

こういった最悪のケースを防ぐためにも、自身や周囲がガスライティングの可能性を疑い、日々確認しながら過ごすことが大切です。

 

精神的影響とトラウマ

ガスライティングの被害者は自身を信じることができなくなり、自分が何をすれば良いのか、どう生きていけば良いのか分からないといった不安に襲われることとなります。

 

自分で自分の意思を決められないため、職場や学校でのコミュニケーションがうまく取れなくなり、結果として外出できず引きこもりになってしまうケースも少なくありません。

 

こうしたガスライティングの被害者は、加害者による抑圧が終わった後も、しばしば被害についてフラッシュバックしてしまうことがあります。

 

嫌な思いをした場所に足を踏み入れることができなくなったり、パニック症状やうつ症状が現れたりと、精神的にも身体的にも弊害が起こってしまうでしょう。

 

長期的な健康への影響

ガスライティングの被害者は精神疾患を抱えやすいほか、不眠・イライラ・焦り・便秘や下痢といった症状が慢性的に現れるようになったり、思うように食事がとれなくなったりする場合があります。

 

こういった状況が続くと健康を害し、様々な病気にかかりやすくなってしまうでしょう。

 

外出の機会が減ると日光を浴びる回数が減り、骨や歯がもろくなったり、皮膚病にかかりやすくなったりする可能性が高まります。

 

一度でもガスライティングによる被害を受けてしまうと、被害者はこういった身体症状が現れていても、すぐに医療機関を受診できない場合があります。

 

一人暮らしなどで周りに頼れる人がいない場合や、周りに不調を隠してしまう場合などは特に、症状が長引く可能性が高いといえます。

 

社会的孤立

ガスライティングでは加害者が被害者を孤立させる目的で様々な行動を起こします。

 

辛いことがあっても頼る人がおらず、結果として加害者に依存するしかない状態を作り上げているのです。

 

周りがガスライティングに気が付かなければ、被害者は永遠と一人で苦しむことになるでしょう。

 

また、加害者の巧妙な手口によって孤立した被害者は、自分だけでなく周りも信用できなくなってしまいます。

 

うまくいって加害者とは別の環境に移動できたとしても、心から周りを信じることができず、結果として孤立してしまうケースが多々見られます。

 

ガスライティングに仕返しすることはできる?

ガスライティングを受けていることに気が付いたり、周りにいる人が被害者なのではないかと感じたりしたとき、誰でも一度は「仕返しをしたらいいのではないか」と考えることでしょう。

 

ガスライティングに対し仕返しをすることは可能なのか、リスクと共にご紹介します。

 

仕返しのリスク

ガスライティングの加害者に対し、同じような方法で仕返しをすることはおすすめできません。

 

何故なら加害者は既に被害者に対して優位に立っていると思い込んでおり、仕返しをするようなそぶりを見せると直ちに攻撃を開始してくると考えられるためです。

 

今までよりも強い言葉でなじったり、周りから孤立させたりするだけでなく、今度は暴力などを用いて支配しようとするかもしれません。

 

また、被害者が加害者に仕返しをしたことが原因で、「喧嘩両成敗」となってしまう可能性があります。

 

周りに相談しても「どっちも悪いね」と済まされてしまい、被害者の無念は晴れないでしょう。

 

仕返しを考える前にできること

ガスライティングに対しては、仕返しをする前にまず「周りに相談」することが大切です。

 

なるべく加害者から距離のある知人に、第三者目線で判断してもらうと良いでしょう。

 

時には精神科医や臨床心理士・カウンセラーなど、専門家に協力を求めるのも大切です。

 

加害者の言動が度を過ぎていると感じたり、距離を取ろうとしてもうまくいかなかったりする場合は、法的措置を検討するのも一つの手です。

 

辛い現状を変えるため、受けた被害は全て証拠を残しておきましょう。

 

チャットのトーク画面を保存したり、音声データを残したり、壊されたものをそのまま保管しておいたりするのも重要です。

 

ガスライティングから身を守るための対処法

 

ガスライティングを受けたと感じたときは、ただちに立ち向かうのではなく、まず自分の身を守る行動をとることが大切です。

 

これからご紹介する5つの対処法を頭に入れておき、万が一の際にしっかりと判断できるように心掛けておきましょう。

 

1.第三者に助けを求める

ガスライティングは加害者と被害者が一対一の関係になったり、複数人の加害者に対し少数の被害者が攻撃を受けたりすることが多いとされています。

 

ガスライティングに当てはまる行動を見たり、実際に受けたりした場合は、すぐに第三者の助けを借りましょう。

 

先程もご紹介したように、必ずしも加害者に近しい人を選ぶ必要はありません。

 

時には家族を、またある時には上司や先生など立場が上の人を巻き込んで、加害者の言動をチェックしてもらうことが大切です。

 

2.起きやすい場所を避ける

ガスライティングは個室などの閉鎖空間で起こることが多いため、加害者と二人きりになるような状況をできるだけ避けるのがおすすめです。

 

自分のいない間に何かされているのではないかと心配な方は、自分のデスクやロッカーにしっかりと鍵をかけるなどの対策を行うのも良いでしょう。

 

集団で行うガスライティングを避けるためには、一定期間その集団から離れてみても良いでしょう。

 

普段一緒にいるグループから少しの間離れたり、別の人と一緒にいるようにしたりするだけで、被害を抑えることに繋がります。

 

加害者が家族や友人内にいる場合は、プライベートの時間をしっかりと確保し、なるべく同じ空間で過ごさないよう工夫することをおすすめします。

 

3.加害者を無視する

ガスライティングの被害者になりやすいのは、相手の発言を無視できず、つい言うことを聞いてしまう心の優しい人です。

 

どんなにひどいことを言われていても強く反発できず、加害者に自信を与えてしまうでしょう。

 

嫌なことをされたとき、加害者を無視する強さを持つことも大切です。嫌なことをされてまで、相手に嫌われないようにと振舞うのは得策ではありません。

 

さりげなく相手から距離を取ったり、嫌な話題を変えたりするだけでも、ガスライティングの被害を最小限に抑えられるでしょう。

 

4.証拠を集める

最終手段として専門家に相談するため、ガスライティングで受けた被害は全て証拠を集めておくことが大切です。

 

メッセージや写真・録音など、様々な形で証拠を残しておくことで、被害の全貌を明らかにすることができます。

 

加害者が無意識で行っていたことも含めてしっかりと責任を負わせるためにも、辛い中ではあるものの、証拠を失ってしまわないように注意しましょう。

 

こういった精神的被害は、被害者の日記も証拠になる場合があります。

 

その日されたことや嫌だったことを時系列順に書き留め、風化させないように保管しておきましょう。

 

5.専門家・専門機関への相談

被害が甚大な場合や、加害者に更生の兆しが見られない場合は、専門家へ相談することをおすすめします。

 

既に被害者に身体的・精神的症状が出ている場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。

 

医薬品の服用やカウンセリングなど、被害者一人ひとりに合った治療を選択できます。

 

また、社内でのトラブルは上司や人事へ、家庭内でのトラブルはDV支援施設など、それぞれ役割の異なる施設がたくさんあります。

 

どこに相談すべきか分からない方は、弁護士に話を聞いてもらうのもおすすめです。

 

関連記事:人間関係が「めんどくさい」「疲れた」と感じる心理や対処法を解説

 

まとめ

ガスライティングは一人の被害者の人生を狂わせてしまう悪質な行為です。

 

自身が被害を受けないように注意するだけでなく、周りに苦しんでいる人がいないかどうか確認しておくのも大切です。

 

ガスライティングの特徴や実例・困ったときの相談先などをイメージし、万が一の際に備えましょう。

日本におけるゴミ問題の現状は?環境への影響やわたしたちにもできることを紹介

 

私たちが地球上に暮らす上で見て見ぬふりはできない「ゴミ問題」

 

うずたかく積まれたゴミが問題となっている海外諸国の映像を見て、どこか他人事のように感じている方も多いのではないでしょうか。

 

私たち日本人もゴミ問題とは切っても切り離せない関係であり、一人ひとりが意識していかなければならない課題の一つです。

 

今回は日本におけるゴミ問題について、詳しい現状や原因・今後私たちが行わなければならない取り組みについてご紹介します。

 

近年世界各国で行われているゴミ問題への対策を参考に、自分にできることを模索していきましょう。

 

ゴミ問題とは?

 

一言で「ゴミ問題」といっても、その種類は様々です。ありとあらゆる問題を含め、一人ひとりにできることを検討していかなければなりません。

 

具体的には以下のような問題が挙げられますが、これらは氷山の一角であり、全ての問題点を網羅できているわけではないでしょう。

 

  • ゴミの焼却時に出る温室効果ガスによる地球温暖化
  • 自動車や船の排気ガスによる環境汚染
  • 海洋ゴミの蓄積による生態系への悪影響
  • ポイ捨てや不法投棄などによる公衆衛生の悪化
  • ゴミの焼却に関する費用や設備の問題
  • 燃やせないゴミの埋立地不足

 

例えばゴミの焼却場に関する費用や、燃やせないゴミの埋立地不足などの問題点を、私たち個人がすぐに解決するのは難しいことです。

 

これらの問題は社会全体で取り組むべきであり、これまでも長い年月をかけて各自治体が頭を悩ませています。

 

一方、海洋ゴミやポイ捨て・不法投棄などは、私たち一人ひとりの心掛けで確実にゴミの数を減らすことができます。

 

もちろんすぐに現状を変えることはできませんが、いくら社会全体で解決策を講じても、一人ひとりの意識が伴っていなければ解決には至らないでしょう。

 

関連記事:グレートリセットがもたらす変革とは?経済・環境・社会の未来

 

日本のゴミ問題の現状

そもそもかつての日本には、限られたものを修理しながら長く使う習慣がありました。

 

食材や日用品などの消耗品以外は頻繁に買い替えることはなく、専門の修理業者も今より多かったといわれています。

 

そんな日本が、今は大きなゴミ問題を抱えているのはなぜなのでしょうか。

 

2024年現在、日本では「電子廃棄物」によるゴミの量が増え続けています。

 

これは主にスマートフォンやタブレットによるものであり、国民一人ひとりがこのような電子機器を所有するようになったことから、必然的にゴミの量が増えたと考えられます。

 

電子廃棄物は一般の燃やせるゴミと同じように廃棄できないため、処理には多額の費用と人材・設備が必要となっています。

 

また、日常的に出るゴミの排出量も見て見ぬふりはできません。

 

特に顕著なのは食品ロスで、2024年に農林水産省から発表された2022年度の食品ロスは472万トンにも及ぶといわれています。

 

1人当たりに換算すると年で38kgもの食品を捨てていることになり、どれだけ多くの食材が無駄になっているかが分かるでしょう。

 

これらの多くは燃やせるゴミとして焼却されますが、最終的に残った灰は最終処分場へ送られ、今もその体積を圧迫し続けています。

 

焼却時には多くの温室効果ガスが発生するため、地球温暖化の加速に繋がっているのも大きな問題の一つです。

 

もちろん、燃やせないゴミの埋立地が不足している問題も見逃せません。日本は国土が狭いため、広大な埋立地を用意することができません。

 

現在使用している埋立地を含め、2040年にはゴミを処分する場所がなくなるといわれています。

 

埋立地を新たに作るには土地関係者の理解を得られなければならないため、気軽に別の場所へ移すこともできません。

 

今ある埋立地をできるだけ長く使うため、家庭や事業所から出るゴミを減らしたり、リサイクルに回したりといった工夫が必要といえます。

 

ゴミ問題の原因

 

様々な問題が絡み合い、世界全体の課題となっているゴミ問題。その中でも大きな割合を占めている原因についてご紹介します。

大量生産・大量消費

先程もご紹介したように、かつての日本は今あるものを大切に使う習慣が根付いており、職人によって作られたものを必要なときにだけ購入する、といった生活スタイルが主流でした。

 

ものが壊れてしまったときはまず「直す」ことを選び、すぐに捨てるようなものはほとんどありませんでした。

 

これに対し現在はというと、スーパーなどの店舗ではいつ訪れてもずらりと製品が並び、消費者がいつでも購入できるように準備されています。

 

中には購入されないまま消費期限を迎え、廃棄されてしまうものもあるでしょう。

 

こういった大量生産による過剰な供給が、ゴミ問題を引き起こす一つの要因といえます。

 

また、大量生産に伴い、消費者自身がものを大量に消費するようになったのも原因の一つです。

 

特に食品や日用品など安価に購入できるものは、必要以上に購入し、不要となったら気軽に廃棄を選ぶ人が増えています。

 

使いきれずにゴミとして捨ててしまう食材がある方や、ティッシュペーパーや割り箸など最終的にゴミとなるものを日常的に使っている方も多いのではないでしょうか。

 

こういった大量消費を控え、本当に必要なものだけを購入したり、繰り返し使えるものを選んだりといった工夫が大切だといえます。

 

自然災害の増加

日本は災害大国ともいわれており、地震や台風による豪雨災害などが多い国の一つです。

 

海に面した地域では津波による被害を受けたり、山や川の近くでは土砂災害や洪水が起こったりと、どこに住んでいても常に災害の危険が付きまとうでしょう。

 

こういった災害とゴミ問題は一見関係がないようにも見えるでしょう。

 

現実では災害によって家屋が倒壊したり道が崩れたりすることによって、多くの廃棄物が生まれます。

 

これらのほとんどは焼却できず、埋立地に運ばれて体積を圧迫するでしょう。

 

現在使用されている埋立地の残余年数は、あくまでも家庭や事業所から出たゴミを処分することを想定して計算されたものです。

 

これに加え大きな災害が起こってしまうと、埋立地の多くで残余年数が減り、さらなる問題が起こる可能性が高まります。

 

台風による豪雨災害などは、地球温暖化が加速することでも起こりやすくなるといわれています。

 

豪雨災害によりゴミが増えるだけでなく、最悪の場合は命を落とす危険性もあるため、こういった意味でも地球温暖化を軽く見てはなりません。

 

食品ロス

世界の中には今日食べるものすらない人々がいるのに対し、日本では多くの食品ロスが生まれています。

 

私たち個人が家庭で出すゴミのほか、店頭で売れ残り廃棄される製品や、飲食店で食べ残された食材の分も含まれています。

 

特に予約販売がメインとなるクリスマスケーキや恵方巻などの季節商品は、該当する日にちが1日過ぎるだけで売れなくなるため、食品ロスになりやすいことでも有名です。

 

こういった食品ロスがやがてゴミになり、地球温暖化や埋立地の不足問題となるのはご存じのとおりです。

 

また、このままの状態が続くと将来人口が急激に増加したり、大災害が起きてインフラが機能しなくなったりした場合、深刻な食糧不足になる可能性もあるでしょう。

 

食材は食べきれる分を選んで購入し、冷凍など食材を廃棄せずに済む工夫を心掛けながら、日々の食品ロスを少しでも減らすことが大切です。

 

ゴミ問題が及ぼす環境への影響

ゴミが多く出ると環境に悪い、というイメージがあっても、具体的にどのような影響を及ぼしているかまで詳細に想像するのは難しいものです。

 

私たちの知らないところでどのような悪影響が出ているのか、詳しく知っておきましょう。

 

地球温暖化

先程から度々触れているように、ゴミを燃やす際に出る温室効果ガスによって、地球温暖化が加速することは有名です。

 

温室効果ガスの主な成分は二酸化炭素であり、これが地球の大気を覆ってしまうと、地熱がこもって大気の温度が上がってしまいます。

 

南極など寒冷地の氷が解けて海面が上昇したり、植物の不足によって生態系に異常が生じたりと、様々な面で悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

 

私たち人間にとっても、地球温暖化は切り離せない問題の一つです。

 

数十年前は夏であっても気温が30℃に満たない日が多かったにも関わらず、近年は40℃に達する日が出てくるなど、屋外での活動が難しい気温が続いています。

 

エアコンなどの機器を正しく使わずにいたり、水分や塩分が不足したりすることで、熱中症により命を落とす方も増加しています。

 

土壌汚染

ゴミを焼却した後に残る灰や燃やせないゴミなどは、圧縮されて埋め立てられるのが一般的です。

 

安全に配慮して埋め立てられているとはいえ、時間をかけて有害物質が土壌に染み込み、付近を汚染する可能性も高いといわれています。

 

土壌汚染は埋め立ててからすぐに影響が出るものではなく、日々少しずつ広がりを見せるため、私たちが気づいたときには既に手の施しようがない状態にまで進んでしまう点に注意しなければなりません。

 

汚染された土壌に雨が降って水が染み込むと、有害物質を含んだ水が低地へと流れ、やがて広範囲を汚染することとなります。

 

作物が育たなくなったり、付近の水質を汚染したりする可能性があり、私たちの健康にも悪影響となるでしょう。

 

海洋汚染

一見どこまでも綺麗に広がっているように見える海ですが、実は多くの海洋ゴミが漂い、生態系に影響を及ぼしています。

 

海の生き物がプラスチックなどの海洋ゴミを食べたり、ネットに絡まったりして命を落とすケースも珍しくありません。

 

こういった海洋ゴミの多くは、元々私たちの家庭から出たゴミが街に捨てられ、山から川へ、川から海へと流れ着いたものです。

 

周りに海がないからといって、海洋汚染と関係がないわけではないことを覚えておきましょう。

 

自然環境破壊

燃やせるゴミは温室効果ガスを放出して地球温暖化を加速し、燃やせないゴミは埋立地を圧迫したり土壌を汚染したりするなど、様々な場面で環境に悪影響を与えています。

 

ゴミ処理場や埋立地を開拓するために森林を伐採したり、有害物質の含まれた土壌を放置したりすると、そこに住んでいた生き物は住処を追われて路頭に彷徨うことになるでしょう。

 

食べ物が足りずに人里に下りてきたクマやサルなどが、人間を傷つけて殺処分されるケースも珍しいことではありません。

 

また、山間部や海沿いなどで問題となっているのが不法投棄です。冷蔵庫やテレビなどの大型家電を中心に、廃棄する際に必要な料金を出し渋り、目の付きにくいところへ捨てていく人が後を絶ちません。

 

中には自動車など、簡単に撤去できないものまで捨てられていることもあります。

 

不法投棄されたゴミが自然に還ることはないため、誰かが気づいて処分するまでは変わらずに放置されることとなるでしょう。

 

動物が触って怪我をしたり、土壌汚染や水質汚染に繋がったりする可能性も高く、自然環境を破壊する大きな一因となっています。

 

関連記事:リデュースとは?リユース・リサイクルとの違いやそれぞれができることを解説

 

ゴミ問題解決のためにできること

 

ゴミ問題を解決するためには、「5R」を生活に取り入れることが大切です。

 

かつてはリデュース・リユース・リサイクルを中心とした「3R」が推進されてきましたが、近年はリフューズ・リペアを加えた5Rとして生まれ変わっています。

 

それぞれの内容を詳しく知り、自分にできることを検討してみましょう。

 

リデュース(Reduce)

リデュースは「ゴミを発生させるのを防ぐ」ことです。

 

必要以上にものを購入してゴミにしてしまったり、食べきれない量のメニューを頼んだりせず、自分から出るゴミの量を減らすように努めましょう。

 

必要とする期間が限られているものは中古品やレンタル品で賄ったり、本体に詰替えられるタイプの洗剤やシャンプーを使ったりするのも良いでしょう。

 

リユース(Reuse)

リユースは「繰り返し使う」ことを指します。1回だけ使ってすぐに捨ててしまうのではなく、形を変えて利用できないか検討してみましょう。

 

たくさん使って古くなってしまった衣類を雑巾として再利用したり、子どもが成長して使わなくなってしまったおもちゃをリユースショップへ売却したりと、一つひとつのものを少しでも長く使ってあげることが大切です。

 

リサイクル(Recycle)

リサイクルは「再生して利用する」という意味を持ちます。

 

ペットボトルや古紙などが主な資源であり、同じペットボトルとして使われることもあれば、トイレットペーパーやスタッキングボックス・衣類などに生まれ変わることもあります。

 

こうしたリサイクル製品を生み出すためには、私たち消費者が資源ゴミをしっかりと分別し、清潔な状態で出すことが重要です。

 

リフューズ(Refuse)

リフューズは「不要なものをもらわない(断る)」という意味の言葉です。

 

つい食べきれない量の食材をもらってしまったり、無料だからと割り箸や試供品をたくさん持ってきてしまったりする方も多いのではないでしょうか。

 

こういった不用品によるゴミの発生を防ぐため、マイバッグを持参してビニール袋の購入を控えたり、最低限の包装で販売されているものを選んだりすると良いでしょう。

 

リペア(Repair)

リペアは「直しながら長く使う」ことを指します。安価なものであればあるほど、気軽に捨てて新しいものを購入したくなってしまう方が多いはず。

 

接着剤などを使って自力で直したり、修理業者に依頼したりしながら、一つのものに愛着をもって長く使ってみてはいかがでしょうか。

 

ものの寿命が長くなる分、普段使っているものよりも少しランクの高いリッチなものを選べるようにもなるはずです。

 

ゴミ問題に対する世界の取り組み

 

最後に、日本をはじめとする世界各国では、ゴミ問題に対してどのような取り組みが行われているのかを確認してみましょう。

 

未だ日本が取り入れていない対策を知っておくことで、個人でできる取り組みも増えるはずです。

 

日本

日本では先ほどご紹介した「5R運動」を中心として、個人はもちろん各企業がゴミの削減に向けて取り組んでいます。

 

現在問題視されているゴミの約半分は一般家庭から、そして約半分は企業から出ているため、各々が削減に向けて取り組む必要があります。

 

ビニール袋の有料化を始め、私たち一般市民の目にも分かりやすいところで対策が始まっているのもポイントです。

 

アメリカ

アメリカではリデュース・リユース・リサイクルの3Rに加え、「ロット」と呼ばれる行動を勧めています。

 

これは「腐る」という意味の単語であり、主に生ゴミを腐らせ、土壌に還すことでゴミを削減する目的で行われているものです。

 

生ゴミだけを腐らせることで土壌汚染を防ぐとともに、肥料として食物の育成に活用できるため、まさに一石二鳥の取り組みといえるでしょう。

 

スウェーデン

日本では多くのゴミが埋め立てられて問題となっていますが、スウェーデンでは家庭ゴミのうち埋め立てられるのはわずか1%程度であり、埋立地の圧迫などの問題も起こっていないといわれています。

 

これはほとんどのゴミがリサイクルに回っているためであり、さらにリサイクル時に出る熱などを利用した発電機能を使い、エネルギーの無駄遣いを減らしているのもポイントです。

 

空き缶やペットボトルなどはデポジット制を導入しており、製品を購入する際に一部の料金を負担し、飲み終わったボトルを返却する際に返金を受けることで、ゴミの発生を防いでいます。

 

シンガポール

世界一清潔な国としても知られるシンガポールでは、ゴミのポイ捨てや不法投棄に重い罰金刑があるなど、ゴミ問題に対し積極的に取り組んでいます。

 

民間のアパートなどには特殊なゴミ収集システムが備わっており、空気の力で捨てたゴミを処理場まで運ぶことができ、人件費や環境汚染を最低限に抑えられているのが特徴です。

 

中国

人口が多く、その分出るゴミの量が多いことで知られる中国。

 

これまでは埋め立てによるゴミ処理が一般的でしたが、近年は埋立地の不足などを背景に、焼却によるゴミ処理方法への移行が進められています。

 

これまで各地域でバラバラだった条例を一つにまとめ、リサイクルの方法などを統一したことで、ゴミの削減に向けて住民たちの意欲も高まりつつあります。

 

ベトナム

ベトナムでは、事業所から出たゴミは全て生産者が責任を負う形を取っており、産業廃棄物の削減を目指しています。

 

一方で一般家庭にゴミの分別方法が浸透しきっていないため、プラスチックなど再生可能な素材がゴミとして出されてしまい、深刻な問題となっています。

 

現時点ではプラスチックゴミのおよそ7割が埋め立て処理されているといわれており、今後の発展に期待が寄せられています。

 

関連記事:リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説

 

まとめ

日本はもちろん世界各国で取り組むべきゴミ問題。さらにいえば、私たち一人ひとりがゴミを減らす工夫をすることで、地球を守ることに繋がるでしょう。

 

人間はもちろん動物や植物も含めたすべての命が過ごしやすい環境を作るため、5Rを中心に自分にできることを模索していきましょう。

リデュースとは?リユース・リサイクルとの違いやそれぞれができることを解説

 

 

誰もが聞いたことがあるであろう「地球温暖化問題」ですが、誰もが日々の生活の中で地球温暖化対策ができているかといわれればそうではないでしょう。

 

地球全体という大きな問題であるのと同時に、私たち一人ひとりが意識を正し、環境のために行動しなければなりません。

 

今回は私たち個人が環境のために行える行動の一つ「リデュース」についてご紹介します。

 

具体的にどんな行動をとるべきなのか、また「3R」であるリユースやリサイクルとの違いにも触れていきましょう。

 

リデュース(Reduce)とは?

 

「Reduce(リデュース)」とは、直訳すると「減らす」という意味の単語です。

 

環境問題においては、ゴミの出る量を減らすといった意味を持ち、私たち一人ひとりが意識しなければならない行動の一つです。

 

そもそも地球温暖化は様々な要因が重なってできていますが、その内の一つが「ゴミを償却する際に出る温室効果ガス」であるといわれています。

 

ゴミを正しく分別したり、不要なものを購入しないよう工夫したりといった取り組みに加え、そもそもゴミになるものを持たないといったリデュースの考え方が重要となります。

 

日本ではほとんどの地域でゴミ袋の購入に別途費用がかかる仕組みとなっているため、ゴミの量を減らすことで、家計の助けにもなるでしょう。

 

リデュース・リユース・リサイクル(3R)の違いや意味は?

小中学生の頃に教科書で学んだことがあるであろう「3R」。ゴミによる環境問題に関する対策として重要な考え方であり、先ほどご紹介したリデュースに加えリユース・リサイクルが当てはまります。

 

近年はここに「リフューズ(不要なものをもらわない)」や「リペア(修理しながら長く使う)」といったRを加え、5Rとして考えられることも増えてきました。

 

今回はこの中から、ゴミ問題の中心となる「3R」に関して詳しく見ていきましょう。

 

それぞれの違いを知り、生活の中で無意識に実践できるように学んでおくことをおすすめします。

 

リユース(Reuse)とは?

「Reuse(リユース)」とは、直訳すると「再利用」といった意味の単語です。

 

使い終わったものをそのままゴミとして出してしまうのではなく、洗ったり形を変えたりして再び使えるように工夫するといった意味を持ちます。

 

上の子が着た衣類を下の子が使うことも、不要なチラシを折ってゴミ箱して活用することもリユースの一部といえるでしょう。

 

3Rのうち、最初に取り組むべきだといえるのが「リデュース」、そして次が「リユース」です。

 

まずは自分の元から出るゴミを減らす努力をし、続けてゴミとして出す前に再度利用できないかを検討しましょう。

 

ものがものとして使われた後、さらなる使い道を探すことで、今あるものを大切にできるのもメリットといえます。

 

愛着のあるものはもちろん、普段であればすぐに捨ててしまうようなものを再利用することで、新たな出費を減らせるのもポイントです。

 

リサイクル(Recycle)とは?

「Recycle(リサイクル)」とは、「再循環」といった意味を持ちます。

 

ペットボトルや新聞紙などは、リサイクルされて再び製品として生まれ変わることを知っている方も多いのではないでしょうか。

 

ペットボトルが再びペットボトルとして使われるだけでなく、細かく粉砕した後に文具や衣類に生まれ変わることも多く、リサイクルの可能性は日々広がりを見せています。

 

リサイクルをする際にもっとも重要なのは、私たち一人ひとりが正しくゴミを分別し、決まったタイミングで捨てることです。

 

ペットボトルの回収はラベルやキャップを外して中を綺麗に洗い、乾かした状態で回収に出すのがベストです。

 

そのほかにも、空き瓶を色ごとに分けたり、新聞紙と雑誌を細かく分別したりと、決められたルールをしっかりと守る必要があります。

 

回収に出した資源ゴミを、実際にリサイクルをするのは業者の方々です。

 

しかしリサイクルは私たちの生活からスタートしていることを念頭に置き、限られた資源を効率的に利用できるように工夫しましょう。

 

関連記事:自然と共存して生きること。ドキュメンタリー映画『ビッグ・リトル・ファーム』 レビュー

 

リデュースを行うメリット

 

「リデュースを行うと良い」と頭では分かっていても、実際にどんなメリットがあるのか意識して行動できる方はそれほど多くありません。

 

リデュースを行うことで環境にどんな影響を与えられるのか、その具体例を知っておきましょう。

 

エネルギーの使用を抑える

私たちが普段使っているものは、全て作る際にエネルギーを必要としています。

 

食べ物も、日用品も、娯楽品も全て、何らかのエネルギーを消費することで形づくられているといえるでしょう。

 

もちろん必要なものを必要なだけ作ることは重要ですが、過剰消費を抑えエネルギーを節約することで、ものづくりの観点からも地球環境へ貢献できます。

 

また、不要となったものをゴミとして出す際もエネルギーが消費されています。

 

燃やせるゴミはゴミ自身が燃料となって燃えることで効率的に焼却されていますが、温度が適温に達しないときなどは灯油や都市ガスといった補助燃料が使われています。

 

リデュースによってゴミが減ることで、こういった補助燃料の消費も減り、限りある資源を大切に使えるでしょう。

 

二酸化炭素排出を抑える

私たちが出したゴミが、一体どのように処理されているのかご存じでしょうか。

 

リサイクルされる資源ゴミは各工場でそれぞれの姿へと生まれ変わりますが、燃やせるゴミや燃やせないゴミはそのままゴミとして処理されることとなります。

 

燃やせるゴミはまとめて焼却され、燃やせないゴミは埋立地へと運ばれ、ものとしての生涯を終えるのです。

 

燃やして終わりであれば環境に影響を与えることもなく、誰もが好きなようにゴミを出すことでしょう。

 

しかしゴミを燃やす際には「二酸化炭素」を中心とする温室効果ガスが発生し、地熱が放出されるのを邪魔してしまいます。

 

結果地表は徐々に温められ、海面上昇や生態系の異常などさまざまなトラブルを引き起こすのです。

 

つまり、リデュースによってゴミの量が減ると、必要以上に二酸化炭素が増えるのを防ぎ、結果として地球温暖化を食い止める効果が期待できます。

 

森林を伐採して植物による二酸化炭素の使用が制限されたり、自動車や船などの乗り物から二酸化炭素を含む排気ガスが放出されていたりと、地球温暖化を加速させる要因には様々なものがあります。

 

とはいえ明日から急に森林伐採や自動車の利用をやめることはできないため、私たち個人でもできる方法を探すことが大切です。

 

リデュースによってゴミの量を減らすことは、一般人でも取り組みやすい地球温暖化対策といえるでしょう。

 

省資源化によるコスト削減

ゴミを減らすということは、すなわち「無駄なものを作らずに済む」ということでもあります。

 

私たちが使い捨ての割り箸やスプーン・フォークなどを使う機会が減ると、生産量が減り、資源を無駄に消費することがなくなります。

 

割り箸やスプーン・フォークを作るために使っていたコストを抑え、別の製品に回すことも可能となるでしょう。

 

また、私たち日本人には「おもてなしの心」が備わっているため、どうしても入念な梱包でお客様に安心してもらうよう努力したり、丁寧に書かれた取扱説明書を付けたりといった工夫をする企業が多く見られます。

 

ここにリデュースの考え方を取り入れることで、梱包は必要最低限になったり、取り扱い説明書が簡素で分かりやすいものになったりと、紙資源に関するコストの削減に繋がるはずです。

 

ごみ処理費用削減

私たちがゴミを出すときに使うゴミ袋は、製品本体の価格に加え、「ゴミ証紙代」として処理費用が上乗せされています。

 

各自治体はこの証紙代の中からゴミの処理にかかる費用を捻出し、私たちの出したゴミを適切な形で処理してくれています。

 

リデュースの考え方を多くの人が取り入れることで、ゴミの量が減り、処理場や自治体の負担軽減に繋がります。

 

結果としてゴミの処理にかかる費用が減り、私たちが負担する証紙代の軽減を目指せるでしょう。

 

関連記事:リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説

 

わたしたちができるリデュースの取り組み

 

私たち一般人がすぐにでもできる取り組みがリデュースであり、3Rの中でも最初に取り組むべき課題だとされています。

 

生活の中でリデュースをどのように実現していくべきなのか、それぞれのシーンごとに具体例をご紹介します。

 

外出時にできるリデュース

外出時に意識したいリデュースは、まず「購入したものを無駄にしない」ことが大切です。

 

ランチやディナーで出た食事を残さずに食べきったり、目に付いたものを買うときは本当に必要かどうか一度検討したりと、後々ゴミに繋がる行動を減らすよう心掛けましょう。

 

ランチやディナーの量が多く残してしまいがちな方は、自宅からお弁当を持参するのもおすすめです。

 

また、外出時に出やすいゴミの例として挙げられるのが、ストローや紙ナプキン・使い捨ておしぼりなどです。

 

これらはマイストローやハンカチなどを持ち歩くことでゴミとして捨てられることを防げるでしょう。

 

買い物時にできるリデュース

買い物の際にどんなリデュースができるかというと、まずは普段から使っている日用品を「エコ」を謳った製品に変えてみるのがおすすめです。

 

詰替え用品などプラスチックを削減できるものや、リサイクル素材からできたもの、綺麗に洗うことで再びリサイクルできるものなど様々な製品が売られています。

 

こういった製品を積極的に選ぶことで、ゴミとして出るものを減らし、リデュースとしてのメリットが得られるでしょう。

 

また、近年急激に浸透しつつある「マイバッグ」も効果的です。

 

レジ袋の利用を極力抑え、何度も再利用できるマイバッグを使うことで、ゴミとして捨てられてしまうプラスチックの削減に繋がります。

 

気分の上がるようなデザインのエコバッグを一つ持っているだけで、普段のショッピングをさらに楽しめるのではないでしょうか。

 

自宅でできるリデュース

自宅で出るゴミを極力抑えるには、外出時にできるリデュースの中でもご紹介したように、食事をできるだけ残さず食べるといった取り組みが大切です。

 

出来上がった料理を完食するだけでなく、野菜を皮ごと使ったり、プラスチックのトレイを洗ってリサイクルに出したりと、1回の料理でも様々な場面でゴミを削減できます。

 

生ゴミは乾燥させて体積を減らしたり、畑にまいて堆肥として使ったりすることで、さらなるリデュースが期待できます。

 

加えて、整理整頓を心掛ける際に難しいのが「不用品の選別」です。

 

リデュースの観点においては、使えそうなものは直しながらなるべく長く使い、ものを大切に扱うことが大切です。

 

整理整頓を目指す際は「一年間使わないものは処分する」といわれることもありますが、やみくもに捨ててしまうのではなく、最後まで使い道を模索してみるのがおすすめです。

 

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まとめ

私たち一人ひとりが心がけることで初めて意味を持つ「3R」。

 

その中でもっとも先に行うべきとされる「リデュース」は、今後の環境をより良くするために必要不可欠な考え方です。

 

意識しなくても生活に取り入れられるよう、具体例を元にリデュースのイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。

リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説

 

地球温暖化など様々な環境破壊が進んでいる現代では、私たち一人ひとりが環境へ意識を向け、できることをしていかなければなりません。

 

中でも「3R」や「5R」などの考え方を抑えておくと、子どもから大人まで多くの方が分かりやすく環境問題に取り組めるでしょう。

 

今回はその中でも詳しく意味を知らない方も多い「Refuse(リフューズ)」について、意味や具体例を挙げながらご紹介します。

 

リフューズの考え方をスムーズに取り入れるために、自身の生活をイメージしながらチェックしていきましょう。

 

リフューズ(Refuse)とは?意味と基本的な考え方

 

「Refuse(リフューズ)」という単語は、直訳すると「拒否する」といった意味になります。

 

環境問題におけるリフューズは、そもそもゴミになるようなものを購入したり受け取ったりせず、家の中に不要なものを持ち込まないといった意味を持ちます。

 

捨てるかどうか悩むのではなく、そもそもゴミになるものが少ないため、家の中を綺麗に保ちやすいといったメリットがあります。

 

そもそもリフューズを含む「5R」と呼ばれる考え方は、それぞれの方法を用いてゴミを減らすためのものです。

 

燃やせるゴミは燃やす際に出る温室効果ガスが地球温暖化を促進してしまうことが問題視されており、燃やせないゴミは埋立地の不足や土壌の汚染などがリスクとして挙げられます。

 

リフューズの考え方を生活に取り入れることで、これらのゴミ問題を軽減し、長い目で見れば地球を守ることに繋がるでしょう。

 

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リフューズ(Refuse)以外の5Rとは

最初はリデュース・リユース・リサイクルの頭文字をとって「3R」と呼ばれていた環境問題における行動指針ですが、近年は先ほど触れたリフューズに加え、リペアを追加した「5R」が最適だといわれています。

 

企業や団体が取り入れるのはもちろん、私たち個人が積極的に行動しなければ、地球全体の環境を変えることはできないでしょう。

 

5Rそれぞれの意味と行動を知り、意識せずともできるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

 

リデュース(Reduce)

「Reduce(リデュース)」とは、ゴミの量を減らして地球環境を守るための考え方です。

 

ゴミになるものを買ったりもらったりしない、といった意味のリフューズと似ていますが、リデュースは無駄なものを買うのを控えるだけでなく、今あるものを限りあるまで使ったり、同じものを買う場合でもゴミが出ないように工夫したりといった考え方も含まれます。

 

例えば、新しいコスメが出るとついすぐに購入してしまい、まだ使えるはずだった古いコスメがゴミになってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

流行に左右されず今あるものを使いきってから新しい製品を購入することも、立派なリデュースの取り組みです。

 

また、私たちの身の回りには常に食べ物が溢れているため、つい食べられる分以上の食材を購入して腐らせてしまったり、食べきれなかった分を生ゴミとして出してしまったりしがちです。

 

買い物の際は必要なものをメモに書いてから行ったり、食材を小分けにして冷凍することで作りすぎを防いだりと、リデュースの考え方を取り入れてみると良いでしょう。

 

リユース(Reuse)

「Reuse(リユース)」とは、今あるものを寿命が来るまで長く使うことで、結果としてゴミを減らすといった考え方です。

 

リデュースの際に触れた内容と一部重複する部分がありますが、不要になったものをすぐに捨てるのではなくフリマアプリに出品してみたり、汚れを拭き取るためにティッシュペーパーではなく布巾を使ったりする行動も当てはまります。

 

やむを得ずものを購入する際は、繰り返し使える寿命の長いものを選び、愛着が湧くまで大切に使いましょう。

 

近年はリユースショップも多数登場しており、不要なものを売るだけでなく、その中でまだ使えそうなものを購入しながら過ごすこともできます。

 

特に衣類や食器などは不用品として売られていることも多いため、新品を購入する前に一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

リサイクル(Recycle)

5Rの中でもひときわ有名であり、子どもから大人まで多くの方が耳にしたことがあるであろう「Recycle(リサイクル」。

 

不要になったものを粉砕して別のものとして生まれ変わらせたり、ゴミを燃やす過程で出る熱を動力に発電したりといった行動が当てはまります。

 

ペットボトルや空き缶・空きビンなど、資源ゴミとして回収されるものはいずれも新たな姿に生まれ変わるために集められているのです。

 

私たちが出すゴミは燃えるゴミ・プラスチックゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミなどに分けられていますが、これらは全て行き先が異なるため、しっかりと分別しなければなりません。

 

プラスチックゴミや資源ゴミに異なるものが含まれていると、正しくリサイクルができなくなるほか、機械の破損や事故に繋がる可能性もあります。

 

リペア(Repair)

5Rの最後として挙げられる「Repair(リペア)」は、壊れてしまったものや古くなったものを修繕しながら、なるべく長く使う行動を指します。

 

元々の価格が安価であればあるほど、私たちは修繕よりも買い直しを選んでしまいがちです。

 

新しいものが手軽に手に入る環境であれば、使用する上で問題がないものでも、ゴミ箱行きとなってしまうことが多いでしょう。

 

例えば、シミができてしまった洋服がある場合は、無事な部分を切り取って別の衣類へと生まれ変わらせてみるのはいかがでしょうか。

 

専門のリペア職人がいる製品であれば良いですが、接着剤などを使って自力で直せるものもたくさんあります。

 

自分で直しながら使うことで愛着が湧きやすくなり、長年一つのものを大切に使うことに繋がります。

 

関連記事:グレートリセットがもたらす変革とは?経済・環境・社会の未来

 

リフューズ(Refuse)は断ること!断るためにできること

 

環境を守るために必要となる5Rの活動指針の中で、もっともスタートに適しているのがリフューズです。

 

「ゴミを減らす」という目的において、ゴミとなる可能性の高いものを手に取らず、「捨てる」という行為を減らすことができるでしょう。

 

まずはリフューズについてなかなかイメージができない方のために、具体的にできる対策を3種類ピックアップしてご紹介します。

 

1.必要のないものをもらわない・買わない

リフューズの考え方を生活に活かす際は、第一に「ものを増やさない」ことが大切です。

 

家族や友人などから使わなくなったものをもらう機会の多い方や、つい不要なものまで衝動買いしてしまう方は特に注意しましょう。

 

家に持ち込むものの数を減らすことで、結果としてゴミの数を減らすことに繋がります。

 

2.マイボトルを持ち歩く

気温の上がりやすい夏場はもちろん、冬であっても水分補給は欠かせません。

 

中には毎日のように使い捨て容器の飲料を購入している方も多いのではないでしょうか。

 

1年間毎日購入すると単純計算で365杯分のゴミが出ることとなります。

 

たった1人分のゴミだとはいえ、365個もの容器が積み重なっているのを想像すると、思ったよりも多いと感じるはずです。

 

リフューズの考え方を取り入れる際は、日々の水分補給をマイボトルに変え、1日に出るゴミを減らすことも大切です。

 

家でお茶を入れていくのはもちろん、コーヒーショップでドリンクをオーダーしても良いでしょう。

 

中にはマイボトルを持参するとポイントが貯まったり、数%引きになるなどのキャンペーンをやっていたりするショップも見られます。

 

3.マイバッグの持参

普段スーパーなどで買い物をする際、レジ袋の購入を断ってマイバッグへ入れるようになったという方も多いのではないでしょうか。

 

日本では2020年7月よりレジ袋が有料化され、プラスチック製品の削減に向けて大きな一歩を踏み出しました。

 

1枚あたり数円の費用が加算されるため、マイバッグを使うことで単純な節約にもなるでしょう。

 

近年は優れたマイバッグが多数登場しており、ワンタッチで畳めるものや抗菌作用のあるもの・買い物カゴに装着できるものなど様々な製品が見られます。

 

コンビニ用・スーパー用など、用途によって複数のマイバッグを用意しておくのもおすすめです。

 

リフューズ(Refuse)のメリット

 

従来の3Rに追加される形となったリフューズですが、まだまだ広く知れ渡っているとはいえません。

 

リフューズの考えを生活に活かすとどんなメリットがあるのか、メインとなる2つの点に絞ってご紹介します。

 

1.ごみの削減

私たちの生活は常に新たなものを入手し、使用してからゴミに出すといった繰り返しで成り立っています。

 

ものの種類によって、長く使えたり一瞬でゴミになったりと様々な運命を辿りますが、行きつく先はほぼ全てがゴミとなるでしょう。

 

リフューズの考え方を取り入れることで、使用する→ゴミになるといった繰り返しに加わるものの数が減り、結果としてゴミの削減に繋がります。

 

家の中がものでいっぱいになることがなく、整理整頓がしやすいのもメリットといえるでしょう。

 

近年話題の「ミニマリスト」なども、生活に必要なものを見極め、最低限のもので暮らすというリフューズを実現しているといえます。

 

2.節約につながる

リフューズは「人から不要なものをもらわない」といった行動だけでなく、自分で不要なものを購入しないといった意味も含んでいます。

 

買い物に出かける際は購入品リストを作るなど、目についたものをカゴに入れてしまわないように注意すると良いでしょう。

 

不要なものを購入することが減れば、余計な出費を抑えられ、家計の助けになるのもメリットの一つです。

 

近年は物価の高騰が留まるところを知らず、一般家庭にも大きな打撃となっています。

 

特に家計の多くを占める食費や日用品費を少しでも節約すべく、家族みんなでリフューズの考えを心に留めてみてはいかがでしょうか。

 

関連記事:掃除がメンタルヘルスに与える影響とは?心も部屋もスッキリさせる方法

 

まとめ

地球全体のことだと広く考えるのではなく、私たち一人ひとりが意識をして変えていかなければならない環境問題。

 

近年5Rに加わった「リフューズ」もまた、私たちが長く地球で暮らすために必要な考え方だといえます。

 

無意識のうちに5Rの考えを生活に活かせるようになるためにも、まずはリフューズから意識していきましょう。

自然と共存して生きること。ドキュメンタリー映画『ビッグ・リトル・ファーム』 レビュー

 

Humming編集部からお届けする映画レビュー。今回ご紹介するのは、世界中の映画祭で観客賞を受賞したドキュメンタリー映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』。この映画から私が得た気づきや感動を共有します。

 

ジョンとモリーは、カリフォルニア州サンタモニカの小さなアパートに住む若い夫婦。彼らには、「伝統的な方法で作物を育てる農場を持ちたい」という大きな夢がありました。シェフであるモリーは、栄養豊富な食材を育てる鍵は土壌にあると気がついたからです。個人で農場を持つという夢は遠く感じられるものの、状況を一変させたのは、トッドという犬との出会いでした。

 

トッドはよく吠える犬で、ジョンとモリーは騒音による苦情を受け、アパートを退去せざるを得なくなりました。新たな住まいを探している中、彼らは荒れ果てた234エーカー(東京ドーム約17個分)の農場に出会います。ここから、彼らの新しい物語が始まるのです。

 

このドキュメンタリーを見て、私は地球の持つ驚異的な回復力と自然の仕組みの精巧さに圧倒されました。たとえば、鶏がコヨーテに襲われた際、農場の犬が自然と鶏を守るようになり、コヨーテはゴーファー(ジリス)という害獣を駆除する存在へと変わっていきます。また、果樹が豊かになると、大量のカタツムリの発生に悩まされましたが、調査を進めるうちに、鶏がカタツムリを好んで食べることを発見。作物が害虫の被害にあった際も、化学薬品に頼らず、テントウムシが害虫を食べてくれるのをじっと待つ。自然のプロセスに耳を傾けて尊重することで、すべての問題が解決されていったのです。

 

農業に関する知識がほとんどなかったジョンとモリーに「自然の調和を信じて、忍耐強く見守ること」を教えてくれたのは、アランという農夫です。彼は自然の美しさを詩的に語る人で、「自然の調和を信じ、忍耐強く見守ることで、『共存の繊細なダンス』が始まり、命が互いに支え合う網の目が形成される。この過程は10億年以上にわたって続いている」と教えてくれました。アランの話を最初は半信半疑で聞いていたジョンは、時が経つにつれ、アランが語った内容が現実となっていく様子を目の当たりにするのです。

 

アランが癌で亡くなったり、彼らが大切に育てていた鶏がコヨーテに食べられたり、この物語は「死」についても描かれています。死んだ鶏を手に取ったジョンは、悲しみと苛立ちの中で「意思だけでは(問題を)解決できない」と語ります。しかし、自然界は弱肉強食の世界。生き残るために命をかけて狩りをする姿を、責めることはできません。

 

「シンプルであることは、必ずしも簡単ではない」「失敗から得られる小さな気づきが、生態系を作り上げるエンジンになる」とジョンは言います。数々の困難に直面しながらも、彼らは自然の力を信じ続け、多様な生き物たちが共存できる自然の生態系を築き上げました。多様な生き物の中にはきっと私たち人間も含まれているでしょう。

 

 

ジョンとモリーが農場で仲間を増やしていったように、私たちも夢や目標に向かって一歩踏み出すことで、同じ志を持つ人々と出会い、互いに影響しながら成長していくのだと思います。自然界では生態系。人間界ではコミュニティ。それらを築いていくことは、世界をより良くするために必要不可欠だと強く感じました。このドキュメンタリーには、農場の外での出来事はあまり描かれていません。欲を言えば、予算が底をついた時にどのように資金を調達したのか、農場の卵が市場で大ヒットした時に彼らの想いがどのように広がっていったのか、人間が創りだすコミュニティについてももっと知りたかったです。

 

この映画を通して、地球がどのように機能しているのか、また調和と混沌が共存する自然の美しさを垣間見れた気がします。私たちは飽食の時代に生き、便利さを追い求めるあまり、ファストフードや加工食品に頼りがちです。しかし、これからは自然の中で育った食材を味わう喜びをもっと感じたいと思いました。また、失敗を繰り返しても諦めず、理想の農場を追い続けるジョンとモリーの姿勢に、深く心を打たれました。

 

現在、ジョンとモリーが作ったアプリコット・レーン・ファームは繁栄し、自然の生態系について学べるツアーも行っているとのことです。「自然と調和して生きるということは、自然の不快さとともに生きるということだ」とジョンが映画の終わりに語った言葉は、人生そのものを象徴するメッセージだと感じました。

 

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掃除がメンタルヘルスに与える影響とは?心も部屋もスッキリさせる方法

 

なんか上手くいかない、何をやってもダメ。
悪いことが起こったというわけではないのに、どこか鬱々と気分が晴れない。

 

そう感じること、たまにありますよね。

 

そんなときは、一旦落ち着いて自分の周りを見渡してみましょう。
あなたの周り、ちょっと散らかっていたりしませんか?

 

実は身を置いている環境が片づいていないこと自体が、メンタルにも悪影響を及ぼすことがあるのです。
今回はそんな掃除とメンタルヘルスの関係、そして上手く習慣化させるコツについて紹介していきたいと思います。

 

掃除すると心も晴れる?

 

みなさんは、こんな経験ありませんか?

 

面倒だと思って嫌々はじめた掃除も、途中から楽しくなって「ここもあそこも!」と時間を忘れて没頭してしまうこと。

そして、ひと通り終えてピカピカになった部屋を見渡して、とても清々しく明るい気持ちになったこと。

 

理由を聞かれても上手く答えられないけど、掃除するととにかくスッキリ前向きな気持ちになる。

誰しも一度は、そんな経験をしたことがあると思います。

 

筆者もその一人です。

 

元々、細かいところまで考えすぎるタイプで、そのぶん落ち込みやすい性格なのですが、それを差し引いてもメンタルがずーんと沈みすぎていると感じることがありました。

 

どんよりした気分でうつむきながら歩く、仕事からの帰り道。

 

「なんで全部上手くいかないんだろう」

「あれもこれも気になるし、毎日ストレスだらけ」

「周りは十分やってるとか言ってくれるけど、何も出来てないのに…どこが?」

「絶対気を遣われてるだけじゃん…ああもうこの捻くれた性格も嫌になる!」

 

そんな独り言が頭を駆け巡り、メンタルはネガティブまっしぐら。

今にも泣きそうな顔で家に帰り、真っ暗な部屋の電気を点けたときのことです。

 

目に飛び込んできたのは、恐ろしく散らかった自分の部屋でした。

 

ベッドの上に勢いよく脱ぎ捨てられたパジャマ。

冷ます時間がなく、勢いよく床に投げ捨てられたヘアアイロン。

 

テーブルにはそのままの朝ごはんの食器と、飲みきれなかったコーヒーでくっきり茶渋がついたマグカップ。

 

当然、昨晩畳むのを後回しにした洗濯の山もそのままです。

仕事着を取り出すのに邪魔だったから、クローゼットの前からベッドの上に場所が変わっているだけ。

 

泥棒が入ったようなとまではいかないけれど、朝、ドタバタ身支度に走り回った自分がそこに蘇ってくる散らかりようでした。

 

そして思ったんです。

「分かった、まずこれだ」って。

 

ただでさえざわついてる心が、部屋を見た瞬間、さらにぞわっとしたから。

まずこのめちゃくちゃな空間を整えないことには、自分の心だってどうにもならないと悟ったのです。

 

そして地道に一つずつ片づけはじめると、このめちゃくちゃは朝だけのことじゃないとも気づくのです。

 

食器を下げにシンクに持っていくと、昨晩飲んだ水のグラスも洗っていなかったことに気づく。

ヘアアイロンを拾おうとすると、昨晩のドライヤーで抜けまくった髪の毛が床に散らばっていることに気づく。

 

洗濯物を畳んで片づけようとすれば、下着もパジャマもあと1セットしかない状態だったことに気づく。

アイロンをかけないといけない服が溜まっていることにも気づく。

だから仕事に着ていける服がなかったんだと気づく。

 

さらに部屋を見渡せば、あちこちに読みかけの本が置かれ、「何か」やった気になろうとノートやペンで作業した痕跡もそのままになっていることに気づく。

 

小さなことが全く整っていなかったことに、次々と気づいていったのです。

 

どちらかといえば綺麗好きなほうなのに、ここまでめちゃくちゃになっていることに気づいてすらいなかったことが衝撃すぎて、そこからは一心不乱に片づけに取り掛かりました。

 

片っ端から部屋を整える間、帰宅中に浮かんでいたような独り言は1ミリも顔をのぞかせませんでした。

 

代わりに、ようやく片づけ終わった瞬間には、清々しさと心地よい疲れに加え、ちょっぴり自信もこみあげてきました。

 

それ以来、メンタルが沈み、考え込んでしまいそうなときは、まず部屋の掃除をするように意識しはじめました。

 

目に見える汚れがなければ、普段はしない一歩踏み込んだ掃除をしてみる。

 

掃除中は余計な考えごとが浮かばないし、何より達成感があって終わると少し気分も上向く。

 

そんな経験を何度かしたことで、すっかり掃除が私のメンタル回復方法の一つになったのです。

 

 

 

掃除がメンタルにもたらす効果

 

私たちが経験則で感じているこの掃除とメンタルの関係、実は科学的にも証明されています。

では、具体的に掃除がメンタルにもたらす良い影響には、どんなものがあるのでしょうか?

 

 

ストレスが減る

 

先ほどの筆者の経験談のように、散らかっている部屋に心を乱されるというのは、実は科学的にも関連性が証明されています。

 

心理学の論文では、家が散らかっていると感じている人は、気分が落ち込みやすく、ストレスに応じて分泌される「コルチゾール」も増加すると発表されているんです。

 

逆に言えば、ただ片づける、掃除するというだけでもストレスは減らせるということですね。

 

 

幸せホルモンが分泌される

 

掃除の中でも特に、床を拭いたり、窓を磨いたりといった単純な反復作業で、幸せホルモンの「セロトニン」が分泌されることも分かっています。

 

セロトニンは脳の興奮を鎮静させ、気持ちをリラックスさせる効果があるので、淡々と掃除するうちに、イライラや不安感も落ち着いてくるわけです。

 

 

自己肯定感が上がる

 

整理整頓された部屋は、なんとなく明るくなった感じもして、気持ちも前向きになります。

そして何より、黙々と掃除を終えて、綺麗になった部屋を見渡すときって「よし、やりきったぞ!」という達成感も感じますよね。

 

こうした達成感は自己肯定感を高め、家族や友達など周囲との人間関係も上向いていきます。

実際、毎日の掃除の習慣は、精神療法としても効果が高いと言われています。

 

 

生産性や効率が上がる

 

周囲に物があふれていたり、雑多な環境に身を置くと、なんとなく日々の行動や意思決定も適当になっていくもの。

「ちょっとくらい」とか「明日でいいや」とか、小さな言い訳が増え、ついだらけてしまいます。

 

筆者の場合、ストレッチやトレーニングを習慣にしたくても、十分なスペースがないことを言い訳に先延ばししてしまうことがあります。

また、スペースがあったとしても、ヨガマットなど道具を探すのに時間がかかれば、その間にやる気は下がっていくもの。

 

仕事術なんかでも、よく、デスクを片付けるだけで生産性や効率がアップするなんて言われます。

それは片付いていれば、必要なものがすぐに取り出せ、やりたいことにすぐ取り掛かれるからですよね。

 

このように、掃除には私たちの心や行動にさまざまなメリットをもたらしてくれるのです。

 

 

 

機嫌を取り戻すお掃除のコツ

 

はじめてしまえば、芋づる式に良い効果がもたらされると分かっても、最初は掃除に取り掛かること自体面倒かもしれません。

 

そこで最後に、筆者が普段どのように「メンタルケアの一環としての掃除」を習慣化しているかをご紹介したいと思います。

 

大前提として、筆者は特別掃除が好きというわけではなく、基本は「掃除、面倒だな~」と取り掛かるまで時間がかかるタイプです。

なので、意識高く、頑張ってやるというようなものはないのでご安心ください。

 

 

毎日のちょっとした掃除

 

この掃除は「自己肯定感を下げない」ための習慣です。

 

筆者は、昔から髪の毛が良く抜けるタイプで、ドライヤー1回でもかなりの量が床に散らばります。

仕事から帰ってきて、部屋や脱衣所などあちこちに髪の毛が落ちていると、それだけでもげんなりしてしまいます。

 

なので、これだけはできるだけ毎日掃除するようにしています。

 

例えば、朝の身支度が終わったあと、ササッと掃除機かカーペットクリーナーをかける。

本当はドライヤーを済ませた後、つまり汚した直後にやるほうがスムーズだし時間にも余裕がありますが、やる気が出ないので朝に定着しました。

 

一人暮らしの狭い部屋なので、ものの3~5分程度で終わります。

 

なのに、それだけで帰ってきたときの気持ちが全然違うのです。

掃除したことでご機嫌になるというよりは、帰ってきたときにげんなりしないためなので「自己肯定感を下げない」ための掃除と位置付けています。

 

とはいえ、それでも時間の余裕がない日は、スパッと諦めます。

「帰ってきたときの自分のために!」とドタバタしてまでやったところで、結局心がざわざわしたまま家を出ることになり、一日の始まりのご機嫌を損ねるという逆効果になりかねません。

 

帰ってきて散らかっている髪の毛に一瞬げんなりはしますが、心の準備があるのでそこまでメンタルダウンすることはありません。

「まあそういう日もあるよね」と思いながら、簡単にそのまま掃除するか、潔く翌朝の自分に託しています。

 

 

週末のイッキ掃除

 

こちらは「自己肯定感上げるため」の掃除習慣です。

 

今さらなことを言いますが、家ってすぐ散らかるしすぐ汚れますよね。

埃はすぐ溜まるし、洗濯物もすぐ溜まるし、洗面台はすぐに水垢がつくし、トイレの便器はすぐ黒ずみます。

 

「え?こないだ掃除したのに?」と思うことが1週間に何度あることか。

 

でも筆者の場合、平日はなかなか時間が取れないので、見て見ぬふりをして、土日などに一気に家全体の掃除をするようにしています。

もしくは、平日でも少し余裕があれば1~2カ所だけでもまとめてガーッと掃除します。

 

ある程度の時間をとって、お気に入りの音楽やラジオをタイマー代わりにしながら、集中してピカピカに磨き上げる。

 

掃除がメンタルにもたらす効果のパートでもありましたが、確かに淡々と単純作業することで、気持ちもだんだん落ち着いてきますし、終わった後には心地よい疲れと達成感が味わえるんですよね。

 

たまに1日1ヵ所掃除すれば、無理なくずっとお家を綺麗に保てるという話もありますが、筆者の性格には合いませんでした。

 

例えば食器洗いにしても、コップ1個でも毎回洗って、常にシンクに何もない状態にするより、1日分溜めた食器を「よし!」と気合を入れ、片っ端から洗いあげるほうが好きです。

 

掃除や食器洗いがご褒美になるなんて、字面では考えづらいですが、日々の暮らしの中でそれを無意識に実感している人も多いのではないでしょうか。

 

 

掃除は「ルール」ではなくご機嫌を取るため

 

掃除タイプを2種類に分けて考えている筆者ですが、何よりもまず大事にしている考え方があります。

 

それは「ルール」にしないこと。

 

毎朝のササッと掃除も、週末のイッキ掃除も、あくまで自分の性格やライフスタイルには、そういう掃除の仕方が合っていると認識しているだけで「必須」とは思っていません。

 

忙しいとか気力がわかないとかで、1週間朝の掃除をさぼってしまうことも、週末に予定が続いて、気づいたら1ヶ月掃除できていないことだってあります。

それぞれの掃除を「ルール」にしていたら、今日も出来なかった、今週も出来なかったと自分を責めてしまいかねません。

 

そうではなく、掃除はあくまでご機嫌を取り戻すための手段。

 

そう考えておくと、日々汚れや散らかった部屋が目に飛び込んできても「そりゃメンタルも沈むよな…」と冷静に判断できますし、「忙しいけど、悪い流れを断ち切るために、この日だけは掃除デーにしよう」と戦略的にもなれます。

 

真面目な人ほど、ちゃんとしようと「ルール」にしてしまいがちです。

でもそのルールに縛られ、振り回されては本末転倒。

 

そうではなく、掃除の主導権はあなたが握ること。

 

ちなみに、そうは言っても汚れが気になるのに掃除ができなくて発狂しそうという人には、おすすめの回避法があります。

 

それは、視力が低い人限定になりますが、汚れが目立つところでは眼鏡やコンタクトを外してしまうこと。

 

当然ですが、そうすると髪の毛や部屋の隅の埃は一切見えなくなりますよね。

そもそも見えなければ、気にすることもなくなるという理論です。

 

実はこれ、昔どこかでたまたま聞いた年配の方のアドバイスの受け売りで、その方は「細かい汚れまで気にするほど残りの人生は長くない、だから掃除のときは眼鏡を外す」のだそう。

 

ふざけて聞こえるかもしれませんが、こういうクスッと笑える発想の転換で、普段頑張りすぎている自分を緩めるのは結構おすすめですよ。

 

まとめ

 

掃除というと面倒でやらなくていいに越したことはないことかもしれませんが、掃除で心もスッキリすると意識的に感じられるようになれば、少しずつ億劫な気持ちは小さくなっていくはずです。

 

じっとしたまま心のモヤモヤについて考えを巡らすと、それは不用意に膨らみかねません。

それよりも体を動かしながら、そのモヤモヤを目の前のゴミなどに投影して、物理的に掃除してしまえば、意外とすぐ心は晴れてくるかもしれませんよ。

 

無理のない範囲で、自分に合ったご機嫌お掃除方法を見つけてみてくださいね。

理想のひとり旅プラン。体も心も「私だけの時間」を求めて

 

家事や育児に仕事。目まぐるしい毎日。そんな私が夢見る、ちょっとわがままな2泊3日のひとり旅。

 

はたして理想のひとり旅は実現できるのか。そして、その先に待っているものとは……。日常から少し離れて、自分らしさを取り戻す旅の計画を一緒に想像してみませんか?

 

日常に埋もれる「私の時間」

結婚し、子どもを産み、育児に家事に仕事に、毎日が目まぐるしく過ぎていきます。

 

私にとってひとりの時間はとても大切。ひとりになれない日が続くと、心がざわついてイライラしがちになることも。

 

だからこそ、子どもたちがいない平日の昼間にジムに通ったり、単身赴任中の夫が帰国した際には夜の街に繰り出してバーでビールを飲んでみたり、定期的に自分だけの時間を作るように心がけています。

 

とはいえ、そんな「ひとり時間」にも、常に何かが付きまといます。ジムでトレーニング中も「もうすぐ子どもの帰宅時間だ」と時計を気にしたり、スマホの通知音に反応して「仕事の連絡かも」と慌てたり。頭の中には、やるべきことリストがテロップのように流れ続けているようです。

 

どれだけひとりの時間を確保しても、心はいつもソワソワ。果たして、これが本当の意味での「ひとりの時間」と言えるのでしょうか。

 

家族のこと、家のこと、仕事のこと、一旦全てを忘れて、完全に自分の世界に没頭できる時間を欲している自分に気がつきました。

 

そんな時、ふと頭をよぎったのが「ひとり旅」です。

 

2泊3日から挑戦したい、憧れのひとり旅

日々の喧騒から少し離れた場所で、ひたすら自分の好きなことに集中する時間を味わいたい。今の私が惹かれているのは、韓国への2泊3日のひとり旅です。

 

国内ではなく、飛行機に乗って異国の地に降り立つことで、物理的にも精神的にも日常から解放される気がします。また、休日+平日1日の日程なら、そこまで罪悪感を感じずに仕事を休めるし、子どもの学校のスケジュールを気にする必要もありません。

 

旅のプランは、あえてゆったりと。少しだけ奮発してちょっとおしゃれなホテルに宿泊。ホテルで朝食を堪能し、そのあとはゆっくりと部屋の湯船に浸かりながら、気になっていた本を誰にも邪魔されずに読み進める。お昼過ぎには街に繰り出し、垢すりで体を整えてから買い物を楽しむ。夜は地元の人たちが集う居酒屋でマッコリを味わって再びホテルへ。ホテルの部屋では、お酒を片手に読書したり、思いを文章にしてみたり。翌日は美容クリニックで気になっていた施術を受け、お土産を買って子どもたちの待つ家に帰る。

 

想像するだけで、思わず頬が緩みます。

 

ひとり旅、しかも海外。もちろん不安がないわけではありません。

 

いつも夫に頼りっぱなしの飛行機やホテルの予約。自分で問題なくできるだろうか?

街中で迷子になったらどうしよう?

言葉の壁は乗り越えられるだろうか?

ひとりになりたいと思いつつも、子どもたちに会えない寂しさや仕事をしないことへの不安が押し寄せてくるかもしれない。

もしかしたら、「家族や友達と一緒に行くべきだった」と後悔するかもしれない。

 

けれど、全てはやってみなければわからないこと。だからこそ、私は今、ひとり旅に挑戦してみたいと思っています。

 

 

ひとり旅で出会えるかもしれない新たな自分

ひとり旅には、日常を離れることで得られる大切な気づきがあるかもしれません。家族や仕事から少し距離を置いて、静かな場所で過ごしたり、知らない街を歩くことで、忙しい日々の喧騒から解放され、自分自身と向き合う時間が生まれるでしょう。

 

また、ひとり旅では、小さなことから大きなことまで、すべての決断を自分でしなければなりません。どこに行くか、何を食べるか……。その過程で、普段は見過ごしがちな自分の好みや価値観に気づくこともあるでしょう。

 

そして何より、不安や戸惑いを乗り越えて旅を終えた時には、「私にもできた」という達成感を味わえるのではないでしょうか。ひとり旅の経験は、日常に戻ってからも新たな挑戦への原動力となるかもしれません。

 

今、この瞬間を大切に

「子どもが大きくなったら、自分の時間はいくらでもできるじゃない」

 

確かに、そうかもしれません。しかし、今だからこそ感じられること、味わえることがきっとあるはずです。人生は思っているよりも短いかもしれないし、明日何が起こるかは誰にもわからない。だからこそ、やりたいことは先送りせず、近い未来に実現させたいなと。

 

「時間ができたら」
「お金がたまったら」
「自信が持てたら」

 

できない言い訳を繰り返していては、チャンスは永遠に訪れないかもしれません。

 

莫大な費用が必要だったり、誰かを傷つけたりすることでなければ、やりたいことは全てやりたい。最近そんな風に思います。なぜなら、経験したことは必ず自分の糧になると思うからです。

 

また、私が自分のやりたいことをやって楽しく過ごすことで、「人生は楽しいよ」「自分の好きなことをたくさんやって良いんだよ」、そんなことを子どもたちに伝えていけたら良いなとも思います。

 

夫の単身赴任が終わったら、私はひとり旅に挑戦する!「いつか」ではなく、2026年までに必ず実現させようと思います。無理やりスケジュールをこじ開けて、予約をしてしまえば、あとは行くしか選択肢はありません。

 

あなたは、どんな場所にひとりで旅してみたいですか?

瞑想はとっつきにくい?初心者の私が実感した無理なく始めて続けるコツ

 

いろんなことが目まぐるしく変わる時代。
心配ごとは次から次へ増えるし、とにかくストレスだらけの現代社会ですよね。

 

そんなときは「瞑想」が良いとは最近よく聞きますが、まったくの初心者だとちょっととっつきにくい部分があるのも本音ではないでしょうか。

 

今回はそんな初心者におすすめの「瞑想」のはじめ方、そして続け方のコツを筆者自身の体験を交えてご紹介します。

 

瞑想は正直ハードルが高い

瞑想には集中力を高めたり、ストレスを緩和したりと様々な効果があります。

これは決して精神論ではなく、実は瞑想は科学的根拠に基づいたものだということをご存知でしょうか?

 

実際、瞑想で勉強やスポーツの成績が向上したことを報告する研究もいくつかあるのです。

また、医療現場ではれっきとした治療法として活用されていたりと、海外では特に瞑想が身近で一般的な存在になっています。

 

最近は日本でも「瞑想」ということば自体はよく聞きますし、著名人やアスリートでも取り入れているという人は増えていますよね。

 

ただ、そうは言っても、まだまだ心理的ハードルが高いというのも、正直なところではないでしょうか?

まったく触れたことがない人にとっては、宗教っぽい、スピリチュアルっぽい、なんだか怪しいなど、とっつきにくさが拭えないかもしれません。

 

そもそも日本人にとっては宗教や信仰というもの自体、普段からあまり馴染みがないため、そういうを感じただけで反射的にブロックしてしまうのも無理もないことでしょう。

 

また、仮にそうした心理的ハードルを越えられたとしても、今度は意外と継続が難しいというケースもあるでしょう。
当サイト含め、ネットで検索すれば、瞑想のやり方を解説している記事はたくさんヒットします。

 

どの記事でも手順はおおむね同じ。

静かな場所であぐらをかいて目を瞑り、呼吸や自分の内側に集中するという、とてもシンプルなものです。

 

でもやってみると、シンプルなわりに継続は意外と難しいのです。

数回チャレンジしてみて少し良いかもと思ったものの、気づいたら習慣からフェードアウトしている。

筆者自身、そんな経験を何度もしてきました。

 

1,2回しただけでは効果を実感しないという意味では、瞑想は筋トレと似ています。

ただ筋トレと異なるのは、外見など何か目に見える変化が現れるのではなく、自分の感じ方や考え方といった内面が少しずつ変化していく点です。

 

瞑想がもたらしてくれる変化は、注意深く意識していないと見逃してしまうこともあります。

変化が感じられないことを、脳が意識の外に追い出してしまうのは自然なことですよね。

 

なんなら目に見えて変化が出る筋トレですら、それを感じる前に心が折れて辞めてしまう人も多いわけですから、目に見えた変化を感じにくい瞑想が続かないというのも、おかしなことではないでしょう。

 

とはいえ、メンタルが揺らぎやすい筆者は、この状況を変えるべく、どうにか瞑想を習慣にしようと何度もトライしつづけてきました。

 

辞めては再開してのサイクルを繰り返すなかで、だんだんと続けるコツや考え方が見えてきたので、同じような状況の方の参考になればと思いシェアしてみます。

 

 

☞メディテーションの意味とは?瞑想やマインドフルネスとの違いは?

 

瞑想へのハードルを下げるコツ

まず筆者は、一旦「瞑想」という概念そのものから離れてみました。

今から自分は「瞑想」をするのではなく「深呼吸の練習」をするのだと、ことばを変えてみたのです。

 

「瞑想」にハードルを感じるのであれば、そもそも「瞑想」だと思わなければハードルはグッと下がると思いませんか?

 

とんちのように聞こえるかもしれませんが、筆者の場合これが意外とハマりました。

 

呼吸については、瞑想に関する記事でもよく言及されるので、捉え方の違いが分からないと感じるかもしれません。

 

でもそういった記事の文脈では、あくまで「瞑想の中の呼吸」という位置づけですよね。

 

そうではなく、本当にただ純粋に「呼吸」だけにフォーカスする。

自分の行為が瞑想かどうかは一旦置いておいて、とにかく自分がどれだけ呼吸できているかに意識を向けるだけ。

 

 

「呼吸なんて無意識にしてるでしょ」と思うかもしれません。

 

ですが、実はしっかり呼吸できていないことって、結構あるのです。

 

特に現代人はストレスで呼吸が浅くなっていたり、強い緊張を感じたときは、無意識に数秒間息を止めていることすらあります。

 

でもご存じのとおり、呼吸は生きていくうえで無くてはならないものです。

浅い呼吸だと十分に酸素を体に取り込めず、いつまでも交感神経が優位になってリラックスできず、血圧も上がりやすくなってしまいます。

 

逆に言えば、しっかり深い呼吸ができれば、それだけで心や体の調子を少し上向けることができる。

 

たかが呼吸、されど呼吸なのです。

 

一度、仕事中など、普段の何気ない瞬間に自分の呼吸がどうなっているか意識してみてください。

「深呼吸の練習」の必要性を実感する場面が、きっとあると思います。

 

そして何より「瞑想」より、単なる「深呼吸の練習」のほうが、心理的ハードルも低く感じられませんか?

 

それは「深呼吸」であれば、私たちはすでに取り入れたことがあるからです。

 

人前で話すときの緊張をほぐす深呼吸、遅刻しないよう猛ダッシュしたあとに息を整える深呼吸、イラっとしたときに冷静さを取り戻す深呼吸。

 

誰しもどれか一つはやったことがありますよね。

 

 

ストレスを上手く解消する手段として、日々の呼吸に意識を向ける。

 

そう捉え方を変えただけでも、筆者の場合は何か小さなステップを乗り越えた感じがしました。

 

 

気持ちの問題といえばそれまでですが、習慣化のためにいかに脳を上手く騙すかも大事なコツの一つです。

 

 

 

☞深呼吸は脳にどんな効果がある?やりすぎは危険?

 

「深呼吸の練習」を習慣にするコツ

心理的ハードルが下がったら、次の課題は「継続」でしたよね。

ここでは現時点での筆者の考えるベストアンサーを紹介します。

 

まずは就寝前から始めてみる

まず、深呼吸の練習を始めるのに一番おすすめのタイミングは夜、できれば就寝直前です。

朝の活動前や、仕事の休憩中などちょっとしたスキマ時間でももちろん出来ますが、慣れないうちはどうしても、その後にやらなければならないことなど、あれこれ考えごとが浮かんできます。

 

その点、就寝直前なら、あとはもう寝るだけ。

やることが残っていない状態のほうがスムーズなので、入浴や歯磨き、スキンケアやストレッチなど、寝る前のルーティーンを全て終え、布団に入ってしまってからが特におすすめです。

 

横になって全身リラックスして、頭の中で数を数えながら、ただただ深呼吸を繰り返す。

最初はアプリなどのガイドに合わせて行うと、より集中しやすいでしょう。

 

☞おすすめのアプリ

Upmind

MEISOON(メイスーン)

 

就寝直前に布団の中で行うことの、もう一つのメリットは考えごと防止です。

 

夜は何か一つ考えごとが浮かぶと、それがあっという間にネガティブな方向に膨らんでいくもの。
その最初の考えごとすら浮かぶ前に深呼吸に集中することで、不安の渦に飲み込まれて寝付けなくなることを防いでくれます。

 

自分に合ったスタイルを見つける

と言ったものの、ライフスタイルは人の数だけ存在するので、必ずしも全員にとって就寝直前がベストタイミングとは限りません。

朝、家族全員を送り出したあとのほうが頭も心もスッキリしている、あるいはお昼休みに使う公園のベンチが結構リラックススポットという人もいるかもしれません。

 

大切なのは自分にとって一番続けやすいタイミングや場所、シチュエーションを見つけることです。

 

ツールに関しても同じことが言えます。

「瞑想アプリ」をインストールすることで結局またハードルを感じてしまうなら、リラックスできるBGMを小さく流しておくのでもいいでしょう。

 

筆者も先ほど紹介したようなアプリのガイドを活用していますが、日によっては音声が少し邪魔だなと思ったり、なんとなくペースが合わないと感じられたりもします。

 

そんなときはガイド音声なしのBGMだけにしたり、お気に入りのプレイリストをタイマー付きで流したり、まったく何も流さず頭の中だけで深呼吸したりと、その日の自分に合わせてスタイルを変えています。

 

習慣=毎日という思い込みを捨てる

継続、習慣ということばからは、どうしても「毎日やること」をイメージしますよね。
でも例えば、週1回しかジムに行ってなくても、それを何年も続けているならそれは立派な「習慣」といえますよね?

 

深呼吸の練習も、瞑想も同じです。

 

まずは心からリラックスできる、金曜の夜から取り入れてみるでもいい。
不定期でも、とにかく気がついたら深呼吸するでもいい。

 

極端なことを言えば、筆者みたいに辞めては再開しての繰り返しでも、継続していると言えると思っています。

 

眠れない夜が続けば「そうだ、最近深呼吸の練習サボっていたからだ」と思い出せるくらいには、十分頭と体に染みついているからです。

 

もちろん、アプリやカレンダーでリマインダーを設定して、毎日継続できることに越したことはありません。

 

ただそれで苦しくなったり、ストレスを感じたりしては本末転倒ですよね。

 

どれだけ健康によいことでも、義務に感じた途端、やる気を失うのは当然のことです。

 

もっとやりたいと思ったら毎日やってみる、逆に何年やっても毎日は無理と思うならやらない。

それくらいで十分です。

 

まずは気づいたときだけでもOKと自分に許可を出してあげて、ゆるく取り入れるほうが、結局スムーズに習慣化できるものです。

 

 

「深呼吸」を意識してみて感じた変化

 

最後に、とにかくゆるく細長く「深呼吸」や「瞑想」を続けてきた筆者が、少しずつ感じている変化にも触れておきます。

 

考えごとに飲まれることが減った

 

筆者は常に考えごとが絶え間なく湧き上がってくるタイプ。

 

考えごとには最悪のタイミングだといわれる夜は、むしろ一番考えごとをしてしまう時間で、見事に不安の渦に飲まれて眠れなくなるというのがデフォルトでした。

 

 

でも、ベッドに入った瞬間に「深呼吸の練習」をするというのを何日か続けると、そのままスムーズに入眠できる日が増えてきました。

 

始めたばかりは特にやり方がまだ身についていないので、自然とアプリのガイド音声に集中し、その時点で考えごとは強制終了されていたのです。

 

何度かそういう経験をすると、体や脳も慣れるのか、アプリを使わなくても数回深呼吸しただけで、フッと寝落ちすることもありました。

 

もちろん、いつも完璧にできるわけではなく、ガイド音声に慣れるとそちらに意識が向きにくくなったり、ストレスが重なった日は考えごとが我慢できなかったりと、気づいたらガイドが終わっていたという日もあります。

 

それでも「呼吸で考えごとの沼から脱出できる」という成功体験は記憶に残っているので、日中イラっとしたときも、まずは深呼吸してみようという、ある種のお守りを手に入れた感覚があります。

 

 

瞑想へのハードルが低くなった

 

「瞑想」ではなく「深呼吸の練習」という、より身近でとっつきやすい形に変換した結果、習慣としても馴染みやすくなったというのは、ここまででなんとなくお分かりいただけたかと思います。

 

ただ、予想外だったのが「深呼吸の練習」を続けた結果、とっつきにくさを感じていたはずの「瞑想」にも興味が出てきたことです。

 

以前は、自分の内面に集中するというのも、考えごとをそのままにして受け入れるのも、なんだかピンときていませんでした。

 

ましてや数十分も瞑想するなんて絶対無理だし、別世界の話だと思っていました。

 

でも「深呼吸の練習」をしてみると、意外と時間はすぐに経つし、もしかしたら思っているほどは難しくないのではと思えてきたのです。

 

しかも今は「就寝前の深呼吸で、気持ちよく入眠できる」くらいの効果ですが、もしもっと踏み込んで「瞑想」ができれば、根本にあるメンタルの揺らぎやすさも、本当に改善できるのかもしれないと感じはじめています。

 

初めて「瞑想」ということばに出会ったときとはまったく違う感覚で、明らかに心理的ハードルが下がっているのです。

 

ただ、やはりまだ一歩踏みとどまっている部分があるので、その障壁が何なのかを見極めながら、スムーズに一歩踏み出せるやり方や考え方を模索しているところです。

 

何かいい方法が見つかったらまた皆さんにもシェアしたいと思います。

 

まとめ

みんな良いと言っているから、流行っているからというだけで、無理して取り入れても瞑想の効果は発揮されません。

大切なのは自分が納得して、習慣にしていけるかです。

 

「瞑想」と捉えるか「深呼吸の練習」と捉えるか、どちらが良いかという話ではなく、自分自身が心地よく始めるため、頭と心が拒否反応を起こさないためにはどうしたらいいのか。

 

今回の記事がそんな道を探すヒントになれば幸いです。

 

瞑想やマインドフルネスに関連した記事は、やり方の解説やインタビュー記事などたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

☞幸福度が上がる瞑想方法。楽に続けられる、続けてこそ実感する!

☞マインドフルネスと瞑想の違いや初心者におすすめのやり方を徹底解説!

 

アニミズムとはどんな意味か簡単に説明|日本における例とは

 

日本には古くから神や仏を信仰する文化が根付いており、無意識のうちに神仏へ祈りを捧げたり、季節ごとの行事に参加したりしている方も多いのではないでしょうか。

 

神仏はそれほど私たちの身近にある存在ですが、これらは決して日本だけでなく、世界各国で様々な神仏が信仰されています。

 

今回はこういった特別な神仏以外に、私たち人間や動物・植物などの全てに宿る霊魂を信じる考え方「アニミズム」についてご紹介します。

 

詳しい意味を探ると共に、日本におけるアニミズムの在り方についても見ていきましょう。

 

アニミズムとはどんな意味?簡単に説明

 

アニミズムとは、私たち人間や犬・猫などの動物、植物などの全てには霊魂(アニマ)が宿っているとする考え方のことです。

 

アニマが宿るのは生き物だけでなく、家や車・土地・おもちゃなど身近にあるもの全てが対象とされています。

 

アニマが宿ることによってこれらの無生物には心が宿り、時には所有者に向けて、またある時にはその場所そのものに影響を与えてきました。

 

私たち人間も、幼い頃に「おもちゃを大切にしないとおもちゃが悲しんでしまうよ」「物を投げたり壊したりするとバチが当たるよ」などと言われた経験があるのではないでしょうか。

 

これらは無意識で出たものだとはいえ立派なアニミズムの一種であり、私たちの心に深く根付いているといえます。

 

生き物はもちろん無生物にもアニマが宿ると考えるからこそ、私たち人間はむやみに物を破壊したり、無駄にしたりせず生きることができます。

 

「宗教の一種」として敬遠するのではなく、アニミズムの考えが世界中の様々な宗教に影響を与える存在であり、いわば私たちが正しく生きるための道標となることを覚えておきましょう。

 

関連記事:ポリコレとは?その歴史や問題点、向き合い方を解説

 

アニミズムは日本にいつからある?神道との関係性とは

アニミズムの考え方は近年生まれたものではなく、古くから日本に根付いてきたものです。

 

その始まりを辿り、日本に伝わってきたルーツを知ることで、アニミズムを正しく理解できるでしょう。

 

19世紀にイギリスの文化人類学者によって提唱

「アニミズム」という言葉が誕生したのは、19世紀のイギリスだったといわれています。

 

文化人類学者として活動していたエドワード・B・タイラー氏が、世界各国で信仰されている宗教に通じるものとして提唱したのがアニミズムです。

 

この宇宙に存在する全てのものにはアニマが宿り、その結果私たちが自然の力を借りて生きられているとの考え方は、現在の社会においても大きな軸となっていることは間違いありません。

 

それぞれの物にはアニマが宿っており、相互に干渉はできなくても、それぞれの役割を全うしながら生きています。

 

寿命や生き方に違いはあれど、私たちはみな宇宙に生きる一つの生命であり、種類によって脅かされるべきではありません。

 

アニミズムの考えは物体そのものにアニマが宿るとされるため、私たち人間が死んだ後も、アニマそのものは体に残ると思われてきました。

 

そのため、土葬にする際は個人を偲ぶものを入れたり、「屈葬」と呼ばれる特殊な姿勢で魂が抜けるのを防いだりといった文化も生まれています。

 

日本では古代から神道に似た概念が存在

日本の宗教として特徴的なのは、キリスト教におけるイエス・キリスト、イスラム教におけるアッラーなどといった信仰の対象が限定されない「神道」ではないでしょうか。

 

神道は多神教であり、自然や土地など様々なものに神が宿ると考えるもの。

 

太陽には太陽の神が、風には風の神がいると考えられ、災害が起こると神の怒りを鎮めるための儀式が行われていました。

 

この考え方は古代から日本に浸透しており、その始まりは縄文時代に遡るといわれています。

 

その後こういった考えが正式に「神道」と呼ばれるまでには時間がかかりましたが、現代に至るまで大きく形を変えることなく語り継がれてきたのです。

 

関連記事:「本当の自分」が分からない?迷ったときに思い出したい考え方

 

日本におけるアニミズムの例

 

これまでご紹介したように、日本には様々な形でアニミズムの考え方が浸透しています。

 

さらにアニミズムを分かりやすくイメージするために、実際の例について見てみましょう。

 

八百万の神

日本の神道は種類が豊富なことでも知られており、身の回りに神のいないものはないといっても過言ではないほどです。

 

これらは総称で「八百万の神」と呼ばれており、どんなものにも神様が宿っているため、大切にしようといった考え方に繋がっています。

 

字で見ると「八百万」と書きますが、実際にピッタリ800万人の神様がいるわけではありません。八百万(やおよろず)とは、すなわち「数えきれないほどたくさん」という意味。

 

元々太陽や風などの自然現象を司るという神もいれば、長年大切に扱ってきた物に神が宿り、「付喪神」と呼ばれるようになったものまで様々な種類が該当します。

 

かつての日本は幾度となく飢饉に苦しめられ、多くの民が命を落としました。

 

「お米一粒にも神様が宿っている」ともいわれるように、食べ物を無駄にすることなく大切にいただくことも、アニミズムの考えに倣っているといえます。

 

お盆の送り火と迎え火

日本ではお盆になると亡くなった方の魂が帰ってくると信じられており、自宅に帰る先祖のために精霊馬を作ったり、お供え物をしたりしてお迎えします。

 

このとき先祖の魂が現世へ迷わずに帰ってこられるようにとの願いを込めて「迎え火」を、反対に帰るときも迷わずに行けるようにと「送り火」を焚くという伝統文化があります。

 

これもまた本質を紐解けば、既に亡くなっておりこの世に存在しないはずの先祖でも、魂だけは残っていていつまでも見守ってくれているといったアニミズムの考えに通じるものがあるでしょう。

 

古くからの慣習にも思える迎え火や送り火ですが、意外にもお盆の行事として広まったのは江戸時代頃だといわれています。

 

いつの時代も家族や友人など大切な人が亡くなったとき、その人の全てが失われてしまうとは考えたくないものです。

 

魂がいつまでも残っており、お盆のタイミングで帰ってきてくれると考えることで、親しい人の死を乗り越えてきたのではないでしょうか。

アイヌ民族の信仰

現代においても北海道の一部を中心に生活し、「アイヌ語」を使ってコミュニケーションをとるアイヌ民族。

 

数が減ってしまったとはいえ歴史ある民族の一つであり、日本語を話す人々とは異なる文化も多数築いてきました。

 

そんなアイヌ民族の間で信仰されている考えの一つに「精神文化」というものがあります。

 

これは八百万の神と同じく、身の回りにある全てのものに神が宿っているといった考え方です。

 

狩猟対象である動物や生活に使う道具・自然現象・人の病気に至るまで全てが神(カムイ)の意思で生まれたものであり、これらに尊敬の念を込めることで、これまで共存・繁栄をしてきました。

 

折り紙の鶴

親しい人が病気や怪我で入院したり、誰かの成功を祈ったりする際に、千羽鶴を作った経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

折り紙の鶴が千羽集まることはもちろん、人々の祈りと願いが込められた鶴を使うことで、贈られた人の不幸を癒すとされています。

 

千羽鶴の始まりは、長年生きることでも知られる「鶴」が、神にとって良いものだと考えられていたためです。

 

絵馬やお守りなどに鶴の絵が描いてある神社も珍しくないでしょう。

 

神に願いを聞いてもらい、そのお礼として鶴の入った絵や折り紙などを奉納することが、今でいう千羽鶴に繋がったといわれています。

 

御神木や神聖視される岩など

日本には今でも至るところに「パワースポット」があり、旅行のついでに巡ってみた経験のある方も多いはずです。

 

その中でも古くから神が宿るといわれてきた御神木や御神岩などは、神社を参拝する際に訪れたいスポットとして紹介されているケースも珍しくありません。

 

こういった古くから信仰されてきたものには人々の思いが込められているため、神の力も強く、信仰には大きな意味があるといわれています。

 

何も知らない人から見ればただの木や岩であっても、そこに神が宿っていると考えれば途端に神聖なものに見えてくるでしょう。

 

始まりは「ひときわ大きかったから」「〇〇に形が似ていたから」といった理由でも、それが長年人々の心を繋ぎ、神がいると信じられてきたことが大切なのです。

 

関連記事:多様性の時代に考える「美の基準」との向き合い方

 

アニミズムと汎神論の違いとは?

 

アニミズムと混同されやすい考え方の一つに、「汎神論」があります。

 

これは「この世における全てのものは神が作った」という考え方であり、神はこの社会そのもの、宇宙そのものであると捉えられます。

 

一つひとつの物に神が宿るのではなく、物も、人も、自然も全てが絶対神によって作られたものであり、その恩恵に感謝して生きていかなければなりません。

 

そして汎神論における神とは人の形をしておらず、いわば神という一種の概念でしかありません。

 

神があらゆるところに存在するといった点ではアニミズムと似ていますが、そもそも神は宿るものではなく、万物こそが神であるといった考え方が汎神論です。

 

まとめ

「アニミズム」というと耳なじみのない方も多いですが、その考え方自体は古くから私たちの中に強く根付いています。

 

今後も「宗教だから」と避けるのではなく、万物に神が宿るといった考えから、物や命を大切にすることを心掛けてみてはいかがでしょうか。

ポリアモリーは頭おかしい?浮気性との違いはなに?

 

近年は一言で「恋愛」といっても様々なタイプがあり、必ずしもたった一人の異性を愛することだけが恋愛とはいえない社会となってきました。

 

つい固定観念を元に自分とは違う存在を避けてしまいがちですが、その根底にあるのは相手のことをよく知らず、理解できていないのが原因です。

 

今回はそんな多様性の中で注目を浴びるようになった「ポリアモリー」という考え方についてご紹介します。

 

現代に至るまでポリアモリーがどのように生まれ、そして発展していったのかも併せて確認してみましょう。

 

ポリアモリーとはどんな意味?

 

ポリアモリーとは、合意の上で複数のパートナーとお付き合いをするといった考え方のことです。

 

この場合のパートナーとは必ずしも異性とは限らず、ゲイ・レズ・バイセクシュアルも含めて複数の人とお付き合いをしている場合はポリアモリーに当てはまります。

 

ポリアモリーは相手に黙って他の人とお付きあいをするのではなく、関係者全員が複数とお付き合いをすることに合意しているのが特徴です。

 

例えば、A子さんとB男さんがパートナーである場合を見てみましょう。

 

このうちA子さんがポリアモリーで新たにC太さんとお付き合いを始めるならば、A子さんとC太さんの関係をB男さんが知っていなければなりません。

 

さらにはC太さんも、A子さんには他にB男さんというパートナーがおり、これに合意しなければポリアモリーとはなりません。

 

一見嫉妬心が芽生えてしまいそうな関係性に見えますが、ポリアモリーの中では様々なシーンで交流が生まれ、大きな団体となっている場合も珍しくありません。

 

前述の例でいえば、A子さんをきっかけにB男さんとC太さんが仲良くなり、3人でデートをすることもあるでしょう。

 

さらにはB男さん・C太さんがお付き合いしている他のパートナーも含め、大人数が知り合いになることも多いのです。

 

また、ポリアモリーは身体の関係を結ぶことが必須ではなく、精神的な安定性を求めてお付き合いをしている方もたくさんいます。

 

身体関係がある場合・ない場合に関わらずこれらの関係は長期的に続くものであり、一夜の関係で終わるものではありません。

 

性欲を満たすために短期間の関わりを持ちたいと願う場合とは異なるため、ポリアモリーを実践している方と接するときは誤解しないよう注意が必要です。

 

もちろん、相手や自分に複数のパートナーがいるからといって、相手に「他の女性と会ってほしくない」「自分を優先してほしい」と願っても間違いではありません。

 

こういった嫉妬心を含めてパートナー同士で話し合い、納得した上で少しずつ関係性を深めていくのがポリアモリーの特徴といえるでしょう。

 

関連記事:ポリアモリーの特徴は?浮気と何が違うのか誤解されやすいポイントを解説

 

 

ポリアモリーという概念が生まれた原因・背景

私たち日本人からすると、ポリアモリーの考えはすぐに受け入れられるものではないかもしれません。

 

これは一重に国による文化の違いともいえますが、そもそもどうやってポリアモリーの概念が生まれたのでしょうか。

 

現在日本でポリアモリーが増えているのは果たして何故なのか、そのルーツを辿っていきましょう。

 

1990年代にアメリカで生まれた恋愛スタイル

ポリアモリーを実践し、多様な愛の形を追い求める人のことを「ポリアモリスト」と呼びます。

 

その始まりは1990年代のアメリカであり、この頃はフェミニズムの考えが広まりつつありました。

 

「家族は父親が絶対的な存在である」「異性同士のパートナーの場合は男性が優位に立つ」といった考え方に疑問を持ち、男性/女性とはこうあるべきだといった固定観念から脱却した人々が、それぞれ自由な恋愛観を持ち始めたのです。

 

こうした自由な恋愛観は、年代が進むにつれてアメリカ以外の国でも受け入れられるようになりました。

 

私たちの住む日本ではまだまだ浸透しているとはいえませんが、言葉の意味を知っている人が増えてきているのも事実です。

 

近年のアメリカではポリアモリストが増えた結果、お互いが合意の上で3人以上が家族として同じ家に住み、それぞれ異なる恋愛関係を紡いでいるのも珍しくありません。

 

ポリアモリストが集う「ポリーラウンジ」といった交流会が開かれるなど、誰しもが周りを気にすることなく恋愛を楽しめる社会に近づいているのです。

 

根底にあるのは「愛は無限である」という考え

ポリアモリーについての知識が少ない人にとって、彼らの生き方は不思議であり、想像できないものであるでしょう。

 

ポリアモリストであることを周りに公表できず苦しい思いをしている人や、後ろ指を指された経験のある人もゼロではないはずです。

 

しかしポリアモリーを紐解いてみると、根底にあるのは「愛は無限である」といったシンプルな考えであることが分かります。

 

たった一人のパートナーを大切にしたからといって、自分の中に眠る愛が全て失われてしまうわけではありません。

 

大切な人が複数いるのならば、それぞれに同じだけ愛を与え、大勢で生活することもできるでしょう。

 

「愛は一人に対して送るべきだ」という考えを持つ人にとって、ポリアモリーは不誠実に見えることもあるでしょう。

 

とはいえ愛は数値化できるものではないため、自分の愛を100%相手に与えているように見えても、実はそうではない場合も多いのです。

 

パートナーと子どもに平等な愛を与える人が多いように、ポリアモリーはパートナーが複数いて、それぞれに対し愛を投げかけているにすぎません。

 

ポリアモリーと浮気性の違い

 

ポリアモリーを語る上でもっとも誤解されてしまいやすいのが、浮気性との違いです。

 

「同時に複数の人を愛する」という意味を持つ両者ですが、大きく異なる点があるため、一括りにしてしまうのは間違いです。

 

ポリアモリーと浮気性の違いをしっかりと抑え、ポリアモリストに対して不要な誤解を抱かなくても済むようにしておきましょう。

 

合意と透明性があること

一般的に、パートナーに隠れて浮気をする場合、その事実がバレないように嘘や隠ぺいをしながらドキドキして過ごしているケースが多いのではないでしょうか。

 

万が一隠していた事実が明るみに出てしまえば、破局や離婚に繋がったり、慰謝料を請求されたりする可能性が高まります。

 

多くの人の間で「浮気は悪である」といった考えが広まっていることからも、浮気は不誠実でありすべきではない行動の一つといえるでしょう。

 

これに対しポリアモリーは、全てのパートナーが合意した上で関係が進んでいる状態をいいます。

 

A子さんにB男さんとC太さんというパートナーがいる場合、B男さんもC太さんもお互いの存在を理解していなければなりません。

 

ここには嘘や隠ぺいは一切なく、どこへ行っていたのか、この日は誰と会うのかなどの情報がしっかりと明かされており、透明性があるのもポイントです。

 

そのため、A子さんがB男さんと会っていても、C太さんが怒ったり悲しんだりすることは少ないでしょう。

 

時には3人が同じ場所に集い、コミュニケーションをとることで、浮気とは異なる関係性を築けるのです。

 

全ての相手に誠実であること

浮気や不倫でパートナーをだましている人は、少なからず嘘をつきながら、後ろめたい気持ちで生活をしていることでしょう。

 

通常、心が移ってしまったのならパートナーとの関係を清算してから次に進む必要がありますが、それをしないということは不誠実に他ありません。

 

しかしポリアモリーの場合、複数いるパートナーの全てに誠実であり、嘘や隠し事のない関係が築かれます。

 

「今日はB男さんと会うからC太さんとは会えない」「明日はC太さんの番」といったように、違うパートナーと会う際もしっかりと連絡しておく方が多いでしょう。

 

相手も順番でのデートに合意しており、揉め事が起こらないのも特徴といえます。

 

一次的な快楽が目的ではないこと

先ほども触れたように、ポリアモリーは長期的な関係を築くため、どのパートナーとも慎重なコミュニケーションが行われます。

 

これはたった一人のパートナーを愛する人も同じであり、真剣に交際したいと思えば思うほど、ゆっくりと時間をかけて関係を進展させていく人が多いのではないでしょうか。

 

こういったことから、ポリアモリーは恋愛感情を抱く相手が複数いるだけで、その他の部分は他の恋愛と変わらないことが分かります。

 

複数のパートナーを探しているからといって、身体だけの関係を望んだり、性行為をしたい・寂しさを埋めるために誰でもいいから話したいといった短期間の関係が目的ではないことを覚えておきましょう。

 

関連記事:ポリコレとは?その歴史や問題点、向き合い方を解説

 

日本に根付いている「モノガミー」について

私たちの住んでいる日本でポリアモリーがなかなか浸透しないのは、古くから「モノガミー」の考えが広まっており、固定観念として根付いているためだと考えられます。

 

古い時代も今も男性と女性が一対一で婚姻を結ぶのが常識であり、男性同士・女性同士の婚姻や複数婚は事実上できないこととなっています。

 

こういった考えは当たり前のように思われていますが、これもポリアモリーと同じく一つの概念であり、たまたま現代の日本で多くの人が受け入れているだけにすぎません。

 

イスラム圏にある国々は古くから一夫多妻制を導入しており、現代も「当たり前」として受け入れられています。

 

このような古くからの慣習をそのままに、新たな考え方も否定せずに取り入れることで、大勢が生活しやすい社会が生まれるのではないでしょうか。

 

ポリアモリーは「頭おかしい?」「気持ち悪い?」

 

ポリアモリーについてネット上で調べてみると、時に「頭おかしい」「気持ち悪い」といったキーワードがヒットすることがあります。

 

これまでに述べたように日本では複数婚が承認されていないため、ポリアモリーについて否定的な考えが多く出てきても不思議ではありません。

 

今後どのようにポリアモリーが広まるかは分かりませんが、現時点ではまだまだマイノリティであり、カミングアウトしにくい社会が続いているといえます。

 

筆者はポリアモリーと現代社会について、今後人々がさらに寛容になり、自分の気持ちを大切にしてほしいと願います。

 

自分は異性が好き、自分は複数のパートナーを持ちたいといったそれぞれの願いを大切に、周りの人々を良い意味で「気にしない」状態になれたら良いのではないでしょうか。

 

自分と違う意見をすぐさま受け入れるのは難しいため、まずは人それぞれ異なる意見を否定せず、多様化する社会で自由に生きられるような変化が起こることを期待します。

 

上記はあくまでも筆者一個人の考えであるため、必ずしも同じ意見を持つ必要はありません。

 

さらに時代が進み、誰もが「私は〇〇だ」とカミングアウトできる社会になれば良いと考えます。

 

関連記事:リトリートとは?目的、方法、注意点を解説

 

まとめ

性自認が多様化するにつれ、恋愛の仕方にも様々な方法が登場してきた現代。

 

ポリアモリーは決して浮気性のように不誠実なものではなく、多くの人と同じように愛し合うことで、モノガミーと同等もしくはそれ以上の経験ができるでしょう。

 

ポリアモリーをカミングアウトする著名人も多数いるため、まずはその人の生き方を見ながら、多様性を受け入れる準備を進めていくことが大切です。

アロマンティックとは?特徴やアセクシャルとの違いを解説

 

近年は男性・女性だけでなく、自身がそのどちらにも当てはまらないとする「性的マイノリティ」への理解が深まりつつあります。

 

とはいえ性的マイノリティはその特徴ごとに様々な種類に分けられており、一気にそのすべてを理解しようとするのは難しいでしょう。

 

まずは身近に感じやすい種類から言葉の意味を調べ、どのような方がいて、どのような悩みがあるのか学ぶことが大切です。

 

今回は数ある性的マイノリティの中から、日本に未だ浸透していないとされる「アロマンティック」についてご紹介します。

 

混同されやすいアセクシャルとの違いや、自身がアロマンティックであることはどう判断すべきなのかといった点にも触れていきましょう。

 

アロマンティックとは?

 

アロマンティックとは、端的にいえば「他人に恋愛感情を抱かない」人のことを指します。

 

恋愛感情を抱かないからといって周りに興味がないかといえばそうではなく、他の方々と同じように友人と楽しく過ごしたり、家族を大切にしたりといった愛情はあります。

 

あくまでも恋愛的な「好き」を感じないだけであって、「冷たい人だ」と誤解しないよう注意が必要です。

 

アロマンティックの方々は恋愛感情がどのようなものなのか分からなかったり、恋愛感情に嫌悪感を抱いたりする場合があります。

 

恋愛映画を見たがらなかったり、恋愛的な相談に乗るのを嫌がったりする方もいるため、無理に押し付けるのはやめましょう。

 

アロマンティックであると自認していなくても、恋愛関係の話が苦手な方もいるため、こういった相談をする相手はしっかりと見極めることが大切です。

 

また、恋愛ができない理由の中には、やむを得ないものもあるでしょう。

 

例えば「統一教会」や「エホバの証人」といった宗教団体は、一部で恋愛を禁止しています。

 

こういった理由があって恋愛をしないことを選んでいる場合は、アロマンティックには当てはまりません。

 

関連記事:Xジェンダーは思い込みなのか?恋愛対象や割合は?

 

アロマンティックの特徴

アロマンティックの概要が分かったところで、実際の特徴について詳しくご紹介します。

 

まずはアロマンティックの方々について正しいイメージを持つために、その他の性的マイノリティとどう異なるのか見ていきましょう。

 

恋愛感情を抱かない

アロマンティックは周りに恋愛感情を抱かないため、その類の経験がほとんどない場合が多く、恋愛話に積極的な姿勢を見せません。

 

とはいえ恋愛感情を抱かないだけであり、性的欲求の有無は限定されません。

 

アロマンティックでありながら性的欲求もない場合は、性的欲求を抱かない「アセクシャル」と重ね合わせ、「アロマンティック・アセクシャル」などと呼ばれます。

 

恋愛作品や恋愛の話題に共感できない

アロマンティックは自身の判断で恋愛を行わない方々であるため、他人の恋愛を見たり聞いたりするのが苦手な方が多いといえます。

 

アロマンティックを公表している方に無理やり恋愛話を持ち掛けたり、「恋愛経験がないの?」と過去を探るような話題をしたりするのはやめましょう。

 

もちろん中には他人の恋愛話くらいなら聞ける、といったアロマンティックの方もいるため、その人に合わせた対応をすることが大切です。

 

社会的なプレッシャーを感じがち

アロマンティックは他人と恋愛関係に発展するのを避ける傾向にあるため、生涯結婚をせずに過ごしたいと願う方も少なくありません。

 

しかしこの場合、理解の及ばない周囲の人々によって、「もう〇歳なんだから結婚すべきだ」と言われてしまうことがあります。

 

女性であれば、早く子を産むべきだと批判されることもあるでしょう。

 

また、結婚適齢期を過ぎても結婚をしていないことで、何らかの問題があるのではないかと偏見の目で見られてしまう場合もあります。

 

自分の意思で結婚をしていないのだ、といっても信じてもらえず、周囲の人間に対し不信感を持ってしまう方もいます。

 

恋愛感情を抱かないだけで他の感情は持ち合わせている

アロマンティックだからといって、周りの人に興味がないとは限りません。

 

私たちが恋愛的に好きではない方でも話したり遊んだりできるように、アロマンティックの方にも家族や友人がおり、同じように娯楽を楽しんでいます。

 

自分以外の他者と親しくなるために必ずしも恋愛感情が必要とは限らないため、「1人が好きな人」「周りに関心のない冷たい人」といった誤解を抱かないよう正しく理解することが大切です。

 

また、先程もご紹介したように、アロマンティックの中には性欲のみ持っている方もいます。

 

相手の了承を得て性行為のみをするパートナーになってもらうなど、工夫しながら自身の性欲と付き合っている方もいます。

 

関連記事:フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

アロマンティックとアセクシャルの違いは?

 

アロマンティックと似たような意味を持つ言葉として「アセクシャル」があります。

 

両者には似ていながらも明確な違いがあるため、それぞれの特徴をしっかりと学んでおきましょう。

 

アロマンティックとは、すなわち「恋愛感情がない」人のこと。そしてアセクシャルとは、「恋愛感情も性的欲求もない」人を指します。

 

両者は似ているようで異なっており、恋愛感情がなくても性的欲求はある方、そのいずれもない方、性行為がなくても恋愛関係だけはある方など様々な性的マイノリティがあることを覚えておきましょう。

 

  • アロマンティック:恋愛感情がない
  • ノンセクシャル:性的欲求がない
  • アセクシャル:恋愛感情・性的欲求の両方がない

 

→ロマンティック・アセクシャル:恋愛感情はあるが性的欲求がない

 

→アロマンティック・アセクシャル:恋愛感情と性的欲求の両方がない

 

  • リスロマンティック:恋愛感情はあるが相手から恋愛感情を持たれたくない
  • バイロマンティック:男性・女性のいずれに対しても恋愛感情を抱く
  • クワロマンティック:恋愛感情と友情の違いが分からない
  • パンロマンティック:性別(この場合は性的マイノリティも含む)に関わらず恋愛感情を抱く

 

アロマンティック診断をしてみよう

自身がアロマンティックであるかどうかは、他人に診断してもらうものではありません。

 

しかし何らかの目安があって初めて、自分の状態がアロマンティックであると実感できる方もいるでしょう。

 

続いては自身の状態を正しく把握するために、参考となるアロマンティック診断をご紹介します。

 

以下の中で当てはまる項目が多ければ多いほど、アロマンティックの要素が強いといえるでしょう。

 

  1. 異性に興味がない
  2. 他の人と同じように遊んだり話したりはできるがスキンシップが極端に苦手である
  3. 恋愛ドラマや恋愛映画のストーリーに共感できない
  4. これまでに恋愛的な意味で人を好きになったことがない
  5. 恋人になっても何をすれば良いか分からない
  6. 異性を自分だけのものにしたいという欲求がない

 

アロマンティックの人はモテる?

 

アロマンティックの方は、時折「モテる」と思われることがあります。アロマンティックとモテることがどうつながるのか、その理由を見てみましょう。

 

アロマンティックの方の中には、幼い頃から異性にモテることが多く、恋愛関係がこりごりだと感じてしまう方がいます。

 

モテるが故に同性から疎ましく思われたり、複数の異性とトラブルに発展してしまったりした経験があると、自分から積極的に恋愛するのを避けるようになるでしょう。

 

こういった場合、自分のことを好きだと言ってくれる人よりも、「興味がない」「友達としか思えない」といった人を選んで一緒にいるようになります。

 

また、男性の場合は特に、恋愛に対してガツガツしていない様子が異性にモテるといった風潮があります。

 

本人は恋愛に興味がなく、異性に対しガツガツとしていない様子が、逆に周りから見れば魅力的に映ってしまうのです。

 

こういった結果、アロマンティックであることでむしろ周囲から注目されやすくなり、恋愛関係に発展する可能性が高まるばあいがあります。

 

いずれにしても望まない関係はしっかりと断り、自分の気持ちを大切にすると良いでしょう。

 

関連記事:ボディポジティブとはどんな意味?日本や海外に与えた影響をご紹介

 

まとめ

未だ日本国内に浸透したとはいえないアロマンティックやアセクシャルの考え方。

 

公表している人はまだまだ少ないため、実は身の回りにもアロマンティックを自認している方がいるかもしれません。

 

今後さらに彼らのような性的マイノリティが生活しやすくなるために、今のうちから正しい理解を心掛けていきましょう。

Xジェンダーは思い込みなのか?恋愛対象や割合は?

 

近年は性について多様性を受け入れる動きが広まっており、様々な性の形が広く知られるようになってきました。

 

とはいえ未だ全てに広まったとはいえず、数の少ない性の種類について聞いたことがない方も多いのが現状です。

 

性差を受け入れるより前に、その特徴をしっかりと理解することが理解の始まりだといえるでしょう。

 

今回はその中から「Xジェンダー」について、特徴や恋愛対象なども併せてご紹介します。

 

身の回りにXジェンダーの方がどれほどいるのか、全体的な割合を元にイメージしてみましょう。

 

Xジェンダーとは?

 

「Xジェンダー」とは、すなわち「男性でも女性でもない性自認を持つ方々」のことを指します。

 

近年は様々なアンケートや問診などで、男性・女性・どちらでもないといった記載を見ることが増えてきました。

 

全ての人が必ずしも男性と女性に分けられるのではなく、どちらなのか自分でも分からない方、どちらの性も持ち合わせている方など、様々な方へ配慮した記載がなされています。

 

自らをXジェンダーだと認識していても、未だ周りに理解されず、公ではやむを得ず身体の性に合う方を選択している方も少なくありません。

 

男性・女性に当てはまる方がXジェンダーについてしっかりと理解し、自分たちと同じだと受け入れることで、Xジェンダーの方々が過ごしやすい社会になるはずです。

 

そしてXジェンダーの中にも様々なタイプがあり、単に一つの性と括られないことも重要なポイントとなります。

 

また、Xジェンダーと混同されがちな言葉として、以下のようなものが挙げられます。

 

  • トランスジェンダー:身体の性と心の性が一致していない方
  • クエスチョニング:自身の性がどれに当てはまるか分からない、もしくは意図的に決定していない方
  • ノンバイナリー:性自認だけでなく、性的表現も男女の枠組みにとらわれない方

 

特にノンバイナリーは、Xジェンダーと似通っており、どちらに当てはまるのか分からない方が多いものです。

 

Xジェンダーはあくまでも「性自認」について述べたものであり、自分がどう思うかに関連しています。

 

ノンバイナリーは性自認に加え、「男性・女性どちらの性としてふるまうか」といった性表現においても、二分化されない方々を指します。

 

Xジェンダーよりも自由度が高く、タイミングによって表現の方法が異なるのもノンバイナリーならではといえるでしょう。

 

関連記事:多様性の時代に考える「美の基準」との向き合い方

 

Xジェンダーの特徴

一言でXジェンダーといっても、その中には様々なタイプの方が存在します。

 

「Xジェンダー=〇〇」といった決めつけはできず、私たちの個性と同じように、様々な性自認・性的表現の方がいるのだと知っておきましょう。

 

続いてはXジェンダーの方々を大まかなタイプに分け、それぞれの特徴についてご紹介します。

 

中性

Xジェンダーの「中性」とは、自分が男性と女性のちょうど中間にいると感じる方を指します。

 

男性よりでも女性よりでもありませんが、「どちらでもない」というよりは、あくまでも「男女の中間」と感じているのが特徴です。

 

男性・女性・Xジェンダーと、第3の性として捉えると分かりやすいのではないでしょうか。

 

両性

Xジェンダーの「両性」とは、男性の要素と女性の要素をどちらも持ち合わせている方を指します。

 

どちらの要素も同じだけ持っている中間的な存在の方もいれば、男性より・女性よりと偏りのある方もいます。

 

性自認は男性よりでも、ファッションは女性よりのものを選ぶことが多いなど人によって特徴が異なるため、「Xジェンダーだからこうであるはず」といった固定的な観念は当てはまりません。

 

無性

Xジェンダーの「無性」とは、自分が男性でも女性でもなく、どちらの要素も持ち合わせていないと感じる方を指します。

 

中性や両性が男女いずれかの性を持っているのに対し、無性は男性・女性といった性別を一切持っていないため、第3の性として考えるのも良いでしょう。

 

不定性

Xジェンダーの「不定性」とは、時に男性よりの性になったり、またある時は女性よりの性になったりとタイミングによって性の状態が変わる方を指します。

 

これまでご紹介した中性・両性・無性の3種類を経験したことのある方や、1日ごとに性自認が異なる方もいます。

 

数ある性的マイノリティの中でも自由で、性別にとらわれない種類ともいえます。

 

Xジェンダーは思い込み?

 

自分の性が男性・女性のいずれにも当てはまらないと感じ、悩んでいる方はたくさんいます。

 

その中でも自身がXジェンダーであると理解できれば良いですが、「思い込みなのではないか」「自分だけがおかしいのではないか」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。

 

そもそもXジェンダーを始めとする性的マイノリティの数々は、誰かに認められて達成するものではありません。

 

自身が男性・女性のいずれにも当てはまらないと感じた場合、それはすなわち性的マイノリティであり、誰かに否定されるものではないのです。

 

同じ性自認をもつ方が見つからない場合は、無理に周りへ公表する必要もありません。

 

周りに受け入れられることは素晴らしいことですが、だからといって自分の全てを打ち明けなければならないわけではないでしょう。

 

もちろん、自身がXジェンダーだと強く信じていても、実際は別の性的マイノリティである可能性もゼロではありません。

 

一つの情報で自身の性自認を信じ込むのではなく、情報を広く求め、本来の自分と向き合ってみることが大切です。

 

ネット上に溢れている性的マイノリティの方々の意見を参考に、自分がもっとも当てはまる種類を探してみてはいかがでしょうか。

 

Xジェンダーを始めとする性的マイノリティはこの先さらに増え、男性・女性に限らず自由な性自認を持てる社会が来るはずです。

 

その時までに私たち一人ひとりが数ある性的マイノリティについて知り、彼らの意見に耳を傾けることで、深い理解につながるのではないでしょうか。

 

関連記事:フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

Xジェンダーの恋愛対象は?

Xジェンダーについて理解しようとする中で、多くの人が気になるのが「恋愛対象」ではないでしょうか。

 

男性は女性へ、女性は男性へ恋愛感情を抱くのが当たり前ではなくなった社会で、Xジェンダーはどのような恋愛をしているのか知っておきましょう。

 

パンセクシャル

パンセクシャルは「全体愛」という意味を持ち、相手の性自認や性表現が何であるかは関係なく、どんな状態の人でも平等に愛することができる方を指します。

 

これは男性・女性だけでなく、Xジェンダーのようにどちらにも当てはまらない方も含めて恋愛対象となります。

 

自分がXジェンダーだと感じ、男性・女性はもちろん同じXジェンダーの人にも好意を抱くという方は、パンセクシャルに当てはまるでしょう。

 

バイセクシャル

バイセクシャルとは男女どちらの性に対しても恋愛感情を抱く方のことです。

 

パンセクシャルと異なるのは、あくまでも男性・女性に対して恋愛感情を抱く場合であり、この中にXジェンダーのような性的マイノリティは含まれていません。

 

もちろん性的マイノリティの方が身の回りにおらず、男性や女性のみと関わっているために、自身をバイセクシャルであると考えている方も少なくありません。

 

バイセクシャルは男女にとらわれず相手の容姿や性格といった「その人そのもの」を見ることができる点が特徴です。

 

どちらかといえば男性/女性が好き、などと偏りがあることもあり、必ずしも好む男女の割合が平等であるとは限りません。

 

アセクシャル

アセクシャルとは、他人に対して恋愛感情を抱かない方を指します。友情や家族愛のような感情はあっても、性的欲求がない場合はアセクシャルかもしれません。

 

アセクシャルだからといって周りに関心がないとは限らず、あくまでも恋愛関係に発展しないことだけが特徴といえます。

 

アセクシャルに似た言葉として「ノンセクシャル」がありますが、これは恋愛感情を抱いていても、性的欲求だけがない場合を指します。

 

アセクシャルは「恋愛的な好き」も感じない方を指すため、両者の違いを正しく覚えておきましょう。

 

Xジェンダーの人の割合は?

 

Xジェンダーについて学んでみても、実際に身の回りに性的マイノリティの方がいなければ、具体的にイメージするのが難しいでしょう。

 

もちろん性的マイノリティだからといってそれを公開しているとは限らないため、実は身の回りにも様々な方がいて、性自認について悩んでいるかもしれません。

 

続いては全人口に対し、Xジェンダーの方がどのくらいいるのか、その割合についてご紹介します。

 

この調査結果はあくまでも概算であり、Xジェンダーに気が付いていなかったり、意図的に隠していたりする方を含めるとさらに多くなるといわれています。

 

日本では金沢大学・コマニー株式会社・株式会社LIXILの3つが合同で調査を行い、自身の性自認について問いかけました。

 

その結果トランスジェンダーであると回答したのが全体の2.0%、さらにその中でXジェンダーを自認しているのが52.2%だったと述べています。

 

すなわち、Xジェンダーを自認している方の割合は全体の1.0%ほどであることが分かります。

 

この数字を分かりやすく説明すると、100人の人が集まっているとき、少なくとも1人はXジェンダーとなります。

 

この数字を見ると、自分の周りにもXジェンダーがいる確率が高く、今後関わりを持つ可能性も少なくないことが分かるでしょう。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

まとめ

Xジェンダーは私たちの身近な存在であり、決して珍しい方々ではありません。

 

大切なのは彼らがXジェンダーであることを恥ずかしい・隠したいと思うのではなく、男性や女性と同じように公表できる未来を作ることではないでしょうか。

 

そのための第一歩として正しい理解を持ち、Xジェンダーについてしっかりと知ることが大切です。

怒る前に深呼吸。そのイライラは私にとって役立つの?『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』を読んで実践してみた

Humming編集部メンバーがお届けする書籍コラム。
今回ご紹介する書籍は『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門』。本書で紹介されているACTの手法を日常生活の一場面に取り入れてみました。

 

 

夏の陽射しが容赦なく差し込む8月のある日、私は自宅のリビングで息子と向き合っていた。

 

小学生の息子は夏休み真っ只中。

 

基本的に家で仕事をしている私は、7月・8月は息子と一緒に過ごす時間が長い。

 

午前中、私はノートパソコンに向かい仕事に励む一方、息子は夏休みの宿題をする。これが我が家の日課となっていた。

 

夏休みも終盤に差し掛かり、このままのペースでは息子の宿題は終わらない。私は「毎日、国語算数理科社会、それぞれ毎日3ページずつやらないと終わらないよな……」と焦りを感じていた。しかし、息子に焦る様子は全く感じられない。

 

 

25分集中して作業を行い、5分休憩するというポモドーロタイマーをセットして、それぞれがやるべきことをスタートした。しかし、息子は1問解いては立ち上がり、ボールを蹴ったり、ソファーに寝転んで漫画を読んだりと、集中力が続かない様子。本気でやれば1時間で終わるであろう問題に3時間程かかった。

 

丸つけを始めると、思わずため息がこぼれた。止めもハネも意識されずさらっと書かれた漢字。答えだけが記され、計算過程が全くわからない算数の回答欄。

 

「あのさ、毎回言っているよね。字をきれいに書こうね、式をちゃんと書こうねって」 私の言葉に、息子は「だって……」と小さな声で答える。 やりとりを繰り返すうちに、「何度言っても直す気がないなら、もう好きにしなよ。困るのは自分だよ」と投げやりな言葉を口にしてしまった。

 

ここ数日、同じようなやりとりが毎日繰り返され、私は疲れ果てていた。夜になると、さまざまな思いが頭の中をぐるぐると巡り、ひとり反省会が始まる。

 

「勉強させるのが辛い。そもそも無理やり勉強させることに何の意味があるのだろうか……」

 

「できていないところばかりでなく、頑張ったところに目を向けてあげたい」

 

「私がイライラしても状況は悪化するだけ。口出しせずに見守れたらいいのに」

 

そして最後には必ず、「せっかくの夏休み。息子となるべく笑顔で過ごしたいのに」という思いにたどり着くのだ。

 

 

子育てに悩む日々が続く中、

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」という1冊の本に出会った。マインドフルネスに興味を持ち、タイトルに惹かれてネットでポチッと購入した本だ。

 

 

この本で紹介されている心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)は、ネガティブな考えが浮かんだ時に、まず自分の状態を客観的に見つめ、その感情をありのまま受け入れること(アクセプタンス)が大切だと教えてくれる。そして、「この思考は自分にとって本当に役立つのだろうか」と自問し、自分にとって大切な価値に基づいて行動する(コミットメント)ことを勧めていた。

 

 

翌朝、「今日は絶対にイライラしないで子どもたちと笑顔で過ごそう」と決めて1日をスタートした。

 

しばらくすると、息子がリビングにやってきた。寝起きの息子に「おはよう」と声をかけ、ぎゅーと抱きしめる。「よく眠れたかな?」とたわいのない話をしながら、ソファーに横たわる息子の足をマッサージした。

 

しばらくすると、娘が起きてきて、すぐさまソファーの陣地争いが始まった。朝から繰り広げられる兄妹喧嘩に、思わず「いいかげんにしなさい」と怒鳴りそうになる。

 

しかし、ふと我に返る。「今日は笑顔で過ごすんだ!」

 

そして、本に書いてあったことを意識して、心の中でぶつぶつと呟いてみた。

 

 

「私は今怒っているという感情を持っている。朝から兄妹喧嘩が始まりすごくイライラしている。だけど、私が怒りを爆発させたところで、兄妹喧嘩が止まるわけでもないし、自分の気持ちがスッキリするわけでもない。むしろ子どもたちにひどいことを言ってしまって自己嫌悪に陥るかもしれないし、兄妹喧嘩が悪化するかもしれない。つまり、今私が持っている怒りの感情は私にとって良いことをもたらさない…….」

 

 

そして、兄妹喧嘩をよそに、目を瞑って3回大きな深呼吸をしてみた。鼻から吸う呼吸で、肺に空気が入っていく感覚を味わい、吐く呼吸でお腹の凹みを感じる。呼吸をするたびに、私の中に渦巻くネガティブな感情が少し外に吐き出された感覚を味わう。足の先から脳味噌まで酸素が行き渡り、イライラしているはずの私の口角がちょっぴり上がったように感じた。

 

 

「よし、いったんこの場を離れよう」

 

 

キッチンに向い、背後で兄妹の言い合う声が聞こえる中、私は黙々とスイカをカットし始めた。 「今、私はスイカを切っている」 目の前の作業だけに意識を向け、包丁を握る手の感触に集中する。

 

 

ダイニングテーブルに、スイカとヨーグルトとパンをセットして、「朝ごはんが用意できたよ」と子どもたちに声をかけた。

 

 

むすっとした顔で食卓に座る子どもたち。私は平然とスイカを口に運んだ。 「おぉ、今日のスイカ、甘くて美味しい!」

 

その言葉に反応するように、子どもたちもスイカを食べ始める。娘は両手を頬に当てて「おいしい〜」のポーズ。息子も親指を立ててグッドサインを送った。

 

普段なら兄妹の言い合いでイライラしてしまうところを、今日は冷静でいられた。そんな自分に心の中でガッツポーズ。

そして、朝ごはんを終えて娘を保育園に送り届けると、再び息子との時間が始まった。

 

「今日の目標は?」と息子に尋ねる。

 

「今日は15時までに1教科2ページずつやる!」

 

「自分で決めた目標を達成できるように頑張ってね」とソファーでゴロゴロ寝転んでいる息子に声をかけた。

 

タイムリミットの15時を迎えた。理科と社会と国語、1ページずつしか終わっていないようだ。算数に至っては手付かずだった……。

 

残念ながら、この時点で私の「今日は絶対にイライラしないで子どもたちと笑顔で過ごそう」という目標は達成できなかった。

 

「あのさ、自分で決めた目標くらいちゃんと守りなよ。もう少し集中して勉強するべきなんじゃない?…….」息子への説教が止まらない。

 

しばらく立って、怒りが少しおさまってきた頃に、深く呼吸をした。

 

「私だって、自分で決めた今日の目標守れてないじゃん」

 

「私が怒るほど、息子のやる気はなくなっていくよな……」

 

いろんな思考が頭を巡る。

 

再び深呼吸をして、今日の自分の言動を客観的に振り返ってみる。

 

本の内容を実行し続けることはなかなか難しい。

 

きっと私はこれからも子どもたちに怒ったりイライラしてしまうことがあると思う。だけど、その度にこの本を読み返し、「その思考は私の役に立つの?」と唱えて深呼吸をしてみよう。

 

書籍紹介:
幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 ラス ハリス (著), 岩下 慶一 (翻訳)

 

 

 

義母の死から悟った、生きることの真髄【Editor’s Letter vol. 11】

 

Humming編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。日々の暮らしで感じた気付きや、人生において大切にしていることを綴っています。

 

2ヶ月前、義母と一緒に楽しんだメキシコ旅行。しかし先日、彼女は突然この世を去りました。まだ77歳。アメリカ女性の平均寿命にも届かぬ年齢でした。

 

彼女と知り合って20年。共に紡いできた思い出が、まるで掌から零れ落ちる砂のように、あっという間に遠ざかっていくような感覚に襲われました。

 

今まで人生で経験した「死」の中で一番ショッキングだった義母の死。この突然の喪失は、私に深い衝撃を与えると同時に、人生の本質について深く考えるきっかけとなりました。

 

人生は沈むことが約束された船旅

 

義母の死を経験したことで、人生は沈むことが約束された船に乗って航海しているようなものだと気がつきました。

 

私たちが乗っている船は、嵐に遭遇するかもしれないし、船底に穴が空くかもしれない。最終的には、どの船も必ず海底へと沈んでいくのです。しかし、私たちはその運命を知りながらも、船に乗り込みます。

 

この避けられない終わりに対して、不安や恐怖を感じる方は多いでしょう。それは自然な感情です。しかし、人生には終わりがあるからこそ、私たちは日々の美しさや楽しさ、そして些細な喜びをより鮮明に感じられる。有限であるがゆえに、一瞬一瞬が輝きを増すのだと私は感じています。

 

全身全霊で今を生きたい

 

義母と共に過ごした時間は、長かったのか、短かったのか。

 

夫に出会って、恋をして、彼のことを心から尊敬するようになる中で、義母の子育てがあったからこそ、今の彼がいるのだと気がつきました。長女を授かってからは、義母のような母親になることが私の目標でした。どんな時も、私のことを尊重してくれ、笑いながらアドバイスをしてくれた義母。上手く子どもたちに接することのできない私を「そんなに自分に厳しくしなくてもいいわよ。あなたは毎日とても頑張っているじゃない」と優しく励ましてくれました。

 

子どもたちが幼かった頃は、毎年、数ヶ月もある夏休みを同じ屋根の下で過ごしたり、ハワイや日本国内を旅行したり、濃密な時間をたくさん一緒に過ごしました。それでも、義母との思い出を振り返りながら、私は自分に問いかけました。共に過ごした時間、彼女と真剣に向き合って話をできていただろうかと。

 

私たちは「ながら」生活をしがちです。スマートフォンを見ながら会話をし、他のことや、次の返答を考えながら人の話を聞き、未来の心配や過去を後悔しながら現在を生きています。まっさらな状態でいることは、実はとても難しいことです。

 

当たり前のように存在していた義母が突然いなくなってしまった。この別れを経験し、人生の儚さを痛感すると共に、限りある人生を後悔せずに生きるためには、 目の前の瞬間に全身全霊で向き合うことが大切だと実感しました。とはいえ、今を大切に生きられたとしても、きっと 「もっとこんなところに行けばよかった、こんな話をすればよかった、こんな料理を作ってあげたかった……」という感情は避けられないのかもしれません。

 

それでも、これからは、子どもが話しかけてきたときには、その子の言葉一つ一つに耳を傾け、抱きしめるように話を聞いてあげたいし、目の前にいる人、今この瞬間の事柄に100%集中したい。同時に、無理をして「聞いているふり」をするのはやめることにしました。余裕がないときは、「今はちょっと難しいけれど、これが終わったら話を聞くね」と素直に伝える。そうすることで、相手との関係もより誠実なものになるのではないでしょうか。

 

 

一方で、キャパシティには限界があります。今と真剣に向き合うためには、時間にも心にも余白が必要です。様々な情報やモノに溢れる現代、私たちは自分のキャパシティを超えた状態で生きているのではないでしょうか。そう感じた私は、35歳を過ぎた頃から、仕事を減らしたり、外出の予定を少なくしたり、余白を意識するようになりました。今後も予定を詰め込みすぎず、今を大切に過ごしていきたいと思っています。

 

 

関連記事:辞めることで起こったパラダイムシフト。実は色々なことをやりすぎていた?幸せの鍵はLess is More。 【Editor’s Letter vol.08】

 

死後の世界には何も持ってはいけない

 

もう一つ、義母の死を通じて感じたことは、モノやお金に執着することの無意味さです。

 

先日、遺品整理のために義母の家を訪れた時、日常が突然止まったかのような光景を目にしました。机の上に置かれていた図書館で借りたままの本、冷蔵庫の中の食べかけの食品、制作途中のアート作品、洗濯カゴに入ったままの洋服……、義母の生きていた証がそのまま残されていたのです。今にでも義母が帰ってきそうな風景がそこにはありました。

 

生きる上で、モノやお金は必要です。 しかし、どんなに集めても、築き上げても、死後の世界には何一つ持ってはいけません。この当たり前の事実を痛感し、頭をガツンと叩かれたような気持ちになりました。生まれてきた時と同じように、死ぬ時は誰しも一人ぼっち。自分の体さえも、この世に残して逝くのです。

 

「これも私の、あれも私の」
「それも欲しい、これも欲しい」
「お金がないと不安、もっと稼がなければ」

 

モノや人、お金に執着することに、どれほどの意味があるのでしょうか。最期には全てを手放す運命だということを忘れずに過ごせたのなら、多くの執着や固執をその都度手放せるような気がします。

 

自分にとって本当に大切なものは何か、今手に入れようとしているものは本当に必要なのかを自問し、心から求める必要最低限のものだけを大切にする。そんな生き方を心がけたいと感じました。

 

生と死の不思議、そして生きる意味

 

私たちはどんなに一生懸命生きても、最後には魂が抜け、体は動かなくなり、全てを置いて新たな世界へと旅立っていくのです。そして、この世で所有していたものは次々と片付けられていき、残されるのは、子や孫に引き継がれたDNAと、人々の記憶の中にある思い出だけです。

 

義母が病に倒れた時、誰もその深刻さを予想できませんでした。わずか1ヶ月半前、私たちは一緒にメキシコで春休みを楽しんだばかりだったからです。海水浴や洞窟探検、美味しいメキシカン料理を堪能した思い出が鮮明でした。

 

当初、検査をしても心拍の不安定さや酸素不足の原因は分からず、気管支炎と何かのアレルギー症状が重なったのかな……と思っていました。その後、大きな総合病院への移転で希望を感じ、血液検査の結果に絶望しました。それでも、心の底には「回復してまた帰ってくる」という想いがありました。「義母はこのまま帰らぬ人となってしまうんだ。一緒に過ごせる時間はあと1週間しかないんだ」という事実と向き合うことになったのは、組織採取をして検査結果が出た時です。巨大な迷路に迷い込んで、どんなに工夫しても、もがいても、どうやっても抜け出せない。そんな途方もない感覚に襲われました。「このまま死んでしまうなんて絶対に嘘だ」と何度も疑ってみたり、今自分が生きているこの現実を夢のように感じたり、「頭が混乱するとはこのような感覚なんだ」と客観視してみたり。

 

私たちは無意識のうちに、明日も明後日も明明後日も、人生が永遠に続くかのように思い込んでいます。しかし、つい先日まで一緒に楽しく過ごしていた義母の突然の死は、その思い込みを一瞬にして覆しました。

 

義母との別れは、深い悲しみと寂しさをもたらすと共に、私たちが日々「生かされている」ことの意味を深く考えさせてくれました。限りある人生だからこそ、今この瞬間を大切にし、愛する人としっかり向き合い、自分にとって本当に必要なものを見極めて欲張ることなく過ごしていきたいです。

 

生かされていることの意味を考えさせてくれたこと。これは、義母が遺してくれた最後の贈り物なのかもしれません。

子どもの愛情不足サインとは?今すぐできる対処法で親子の絆を深めよう

 

今日もたくさん子どものことを怒ってしまった……。
私の愛情、ちゃんと子どもに伝わっているかな……。

 

子育てをしていると、罪悪感や不安を感じることがありますよね。

 

愛情は目に見えるものではありません。形で図ることもできません。さらに、人によって愛情の受け取り方も様々。だからこそ、子どもへの愛情が足りているかどうかを判断するのは難しいものです。

 

この記事では、よくある子どもの愛情不足サインや、愛情を伝えるための子どもとの関わり方のヒントをお伝えします。

 

子どもの発育に必要不可欠な親の愛情とは?

 

子どもの健やかな成長には、親の愛情が欠かせません。まず大切なのは、子どもに安全と安心を与え、その存在をありのままに受け入れることです。

 

ありのままを受け入れるとは、他の子と比較することなく、その子の個性を認め、成長を喜ぶことです。

 

また、子どものさまざまな要求や気持ちをくみ取り、受け止め、応えることも大切です。子どもの感情や行動を否定せず、まずは受け入れる姿勢を持つことで、子どもは「自分は大切にされている」と感じ、安心して成長していけるでしょう。

 

同時に、成長に合わせて自立を促すことも重要です。例えば、幼児期なら自分で服を選んで着替える、小学生なら学校や習い事の支度を自分で行う、お風呂掃除やゴミ捨てなど家事を手伝うなど、年齢に応じて責任ある行動を任せていきます。

 

適切な制限を設けることも愛情表現の一つです。就寝時間やスマートフォンの使用時間を決めるなど、子どもの健康や安全を守り、規則正しい生活習慣を身につけさせます。

 

親自身が良い手本となり、子どもの成長を温かく見守り、必要な時にサポートすること。そして、言葉や行動で愛情を伝えること。これらを通じて、子どもは自分が愛されていると実感しながら、健やかに育っていくでしょう。

 

愛情不足のサインとは?

 

では、親からの愛情が不足していた場合、どのようなサインが子どもに現れるのでしょうか。よくある2つの変化をご紹介します。

 

やる気が出にくくなる

子どもは愛されていると感じると、いろいろなことに挑戦する元気が湧いてきます。一方で、愛情不足の場合、朝布団から出るのが辛くなる、好きだった習い事に行きたがらなくなるなど、やる気が低下することがあります。

 

愛情を確かめる行動をとる

子どもは、自分が本当に愛されているのかを不安に感じた時、親の愛情を確かめるためにお試し行動をとることがあります。

 

例えば、いつもより「抱っこして」と甘えん坊になる、わざといたずらをして親を困らせる、親の言うことを全く聞かないなど。「親はこんな自分でも愛してくれるのか?」を試しているのです。

 

さらに愛情不足の状態が続くと、大人になってからも様々な影響が出る可能性があります。

 

 

  • 自己肯定感の低下
  • 他者を信頼することが難しく、深い人間関係を築くのに苦労する。
  • 他者からの評価に過度に依存し、自分の価値を見出すのが難しくなる。
  • 特定の人に過度に依存したり、逆に誰とも深い関係を持てなくなったりする。

など。

しかし、これらの状態は、親の愛情不足だけが原因なわけではありません。

 

例えば、入学・転校・引越し、兄弟の誕生などの環境の変化、受験勉強や友達関係でのストレス、子ども自身の性格や気質など、さまざまな要因が関係していることがあります。

 

そのため、子どもの変化に気がついた時は、「愛情不足かも.」「私のせいだ」と自分を責める必要はありません。大切なのは、子どもの様子をよく観察し、子どもの変化に気づき、寄り添う姿勢を持つことです。

 

 

愛情不足かも?と感じた時の4つ対処法

 

最近子どもの癇癪が激しい……。
なんだか様子がいつもと違うな……。
もしかして、愛情不足……?

 

違和感を感じた時には、以下の4つを心がけてみましょう。

 

「大好きだよ」「ありがとう」言葉で愛情を伝える

 

言葉で愛情を伝えることは、親子関係を深める最も簡単で効果的な方法です。「あなたのことが大好きだよ」、「生まれてきてくれてありがとう」と素直に表現することで、子どもに直接的に愛情を伝えることができます。

 

子育てをしていると、ついつい子どものネガティブな面に目を向けがちです。しかし、意識的に子どものちょっとした頑張りや良いところに目を向けて言葉で伝えてあげると良いでしょう。また叱る必要がある時でも、まず子どもの気持ちを聞き、理解しようとする姿勢を示すことが大切です。

 

スキンシップを大切にする

 

スキンシップは子どもに安心感を与える重要な愛情表現です。学校に行く前にギュッと抱きしめたり、寝る前に頭を撫でたり、時にはオイルでマッサージしてあげるのも効果的です。

 

肌と肌が触れ合うことで、愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されます。このホルモンは、心身のリラックスを促し、ストレス軽減にも役立ちます。

 

そのため、スキンシップをすることで、子どもに愛情が伝わるだけでなく、親もより穏やかな気持ちで子育てに向き合うことができるでしょう。

 

1日10分でもOK。子どもに100%集中する時間を持つ

子どもと向き合う時間を意識的に確保することも効果的です。大切なのは時間の長さではなく質。

 

例えば、毎日10分間、その子のためだけの時間を確保する。目を見て話を聞いたり、一緒にお絵かきをしたり、その子が望むことを叶えてあげる時間が持てると良いですね。

 

質の高い時間を親子で過ごすことで、子どもは「自分は大切にされている」と感じることができるでしょう。

 

自分自身がご機嫌でいること

親自身が心身ともに健康でないと、子どもに十分な愛情を注ぐことは難しくなります。だからこそ、親自身がご機嫌でいることが大切です。美味しいものを食べたり、趣味を充実させたり、たまにはひとりでリラックスする時間を持つことも大切です。

 

また、親がイキイキとした姿を見せることで、子どもも自分を大切にすることを学んでいくでしょう。

 

完璧を目指さない、親子で成長することが大切

毎日笑顔で愛情たっぷりに子どもと接したいと思っていても、思い通りにいかないのが現実です。

 

疲れて余裕がなくなり、子どもにイライラしてしまうときや、仕事に追われて子どもの話をゆっくり聞いてあげられないときもあるでしょう。

 

しかし、親だって人間です。完璧な人間などいません。だからこそ、自分の不完全さを認めつつ、愛情を伝えながら、親も子どもと一緒に成長していく。それこそが、最高の愛情表現になるのかもしれません。

 

ポリアモリーの特徴は?浮気と何が違うのか誤解されやすいポイントを解説

 

現在の社会は、男性・女性といった枠組みを超えた様々な恋愛観が受け入れられ始めています。

 

LGBTQ+と呼ばれる性的マイノリティの方々に対しても、専用のトイレが作られたり、アンケートにて性別を答える必要がなくなったりといった配慮が見られることが増えてきました。

 

一方、1990年代頃から始まったとされる「ポリアモリー」は、未だ世界中に受け入れられているとは限りません。

 

今回はポリアモリーの特徴や招きやすい誤解、本人たちがどのような悩みを抱えているのかについてご紹介します。

 

ポリアモリーとは?

 

ポリアモリーとは、複数の相手と恋愛関係にあり、その状態が許容されている状態を指します。

 

一見浮気のようにも思えますが、複数の相手とそれぞれ合意の上で恋愛をしているため、本人たちの中では何ら問題がないのが特徴です。

 

周囲に偏見の目で見られることも多く、ポリアモリーであることを隠している方も少なくありません。

 

日本は古くから一夫多妻制の国であるため、ポリアモリーに対して良い印象を抱かない人が多いという特徴があります。

 

そもそもポリアモリーという言葉を知らず、単なる浮気だと感じている方も多いでしょう。

 

ポリアモリーの方々は、こうした偏見の目にさらされながらも、自身の好む生き方を貫いているのです。

 

そもそもポリアモリーは、1990年代頃をきっかけに広まり始めました。

 

ギリシャ語の「ポリ(複数)」と、ラテン語の「アムール(愛)」を組み合わせた造語であり、浮気や不倫とは異なる形態として確立されています。

 

ポリアモリーの生き方を実践している人のことを「ポリアモリスト」、ポリアモリストが形成する家族を「ポリファミリー」などと呼びます。

 

日本では「複数愛」などと呼ばれることも多いため、覚えておくと良いでしょう。

 

関連記事:フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

ポリアモリーの特徴

ポリアモリーが一般的な浮気や不倫と違うのは、大きく分けて3つのポイントがあるためです。

 

それぞれの特徴をしっかりと理解し、ポリアモリー特有の考え方を理解していきましょう。

 

全員が合意している

ポリアモリーの特徴として挙げられるもののうち、もっとも大切なのが「それぞれの関係を全員が知っている」という点です。

 

A子さんがB太さん・C男さんの両方と付き合っていた場合、B太さんとC男さんはお互いの存在を知っており、さらに合意している状態がポリアモリーです。

 

中にはB太さんとC男さんがA子さんの予定を細かく把握しており、「今日は違う相手と会う日だな」と理解している場合もあります。

 

A子さんはB太さん・C男さんのいずれにも存在を隠す必要がないため、自然のままに振舞えるのが特徴です。

 

B太さんに対し、「昨日はC男さんと〇〇をした」と報告することもでき、ストレスのない関係性を築けるでしょう。

 

また、A子さんというパートナーがいるB太さん・C男さんは、それぞれ別の女性とお付き合いしている可能性もあります。

 

完全なるポリアモリーでは、B太さん・C男さんのそれぞれがお付き合いしている女性も、この複数愛を理解し、合意していなければなりません。

 

ポリアモリーに合意できる人はそれほど多いとは限らないため、ポリアモリスト同士が惹かれ合い、大きなコミュニティとなる可能性も高いでしょう。

 

持続的関係

ポリアモリーは必ずしも身体の関係があるとは限りません。

 

複数の相手がいることを合意していたとしても、一夜限りの関係ではポリアモリーとは呼べないでしょう。

 

何ヶ月、何年と関係が続くかは人によって異なりますが、いずれも持続的な関係を目的としており、一般的な恋愛と同じように時間をかけて信頼関係を構築しているのです。

 

また、ポリアモリストの中には相手へ恋愛感情を抱いている人もいれば、精神的な安心を求めていたり、経済的に支え合ったりする目的の人もいます。

 

結婚をするつもりはないが老後に一人で暮らすのは心配だという方や、子育てに自信がなく大勢で協力してやりたいと願っている方なども、ポリアモリーに当てはまるでしょう。

 

相手を所有しない

ポリアモリーでは、相手とパートナー関係にあるのみで、そこに束縛する目的はありません。

 

いくら複数愛に理解を示していても、相手は独立した考えを持った個人であり、尊重されるべき存在です。

 

「自分には複数のパートナーがいるが、あなたには自分だけを見ていてほしい」といった考えがあったとしても、相手の考えを理解した上で、お互いが納得できる答えを見出すのが特徴です。

 

ポリアモリスト同士の間では強固な信頼関係が構築されていますが、その根底にあるのは入念なコミュニケーションです。

 

相手の気持ちを知り、自分の気持ちを包み隠さずに伝えることで、お互いを尊重した関係性を築けるのではないでしょうか。

 

ポリアモリーへの誤解

 

ポリアモリーには複数のパートナーがいますが、日本ではまだまだ一般的な考えではありません。

 

それ故に周りへポリアモリストであることを明かすと、あらぬ誤解を生む可能性があるでしょう。

 

ポリアモリーに関する誤解は、口に出してしまうと相手が傷つくようなものばかりです。

 

相手の恋愛観に疑問を持った場合でも、安易に口に出すことはせず、ポリアモリーに関して正しい知識を付けることが大切です。

 

性に奔放

ポリアモリーは必ずしも性行為をするための関係ではありません。

 

身体的な快楽よりも精神的な安心を求めてパートナーを増やす人も多く、性に奔放であるとはいえないでしょう。

 

中には数々のパートナーと性行為に及ぶ方もいますが、これは私たちが特定のパートナーを選ぶのと同じで、愛する人と身体を重ねたいという思いから来る行動です。

 

数々の異性と性行為に及びたいだけならば、短期間の間にパートナーをコロコロと変えたり、一夜限りの関係を求めたりするでしょう。

 

ポリアモリーは通常の恋愛と同じく、会話やデートを重ねてお付き合いへと発展させていきます。

 

信頼関係を構築して初めて性行為へと繋がっていくため、慎重に性行為へ及ぶ方もたくさんいます。

 

複数でのセックスがすき

複数のパートナーがいるポリアモリストは、パートナー同士がお互いの存在を知っていたり、時には複数人で会ったりする場合があります。

 

大勢が属するコミュニティができている場合も多く、同じ考えを持った人が集うため、コミュニケーションも弾みやすいでしょう。

 

しかし、パートナーが大勢いるからといって、大勢で性行為へ及ぶわけではありません。

 

複数のパートナーと順番に会い、それぞれ1対1で性行為に及ぶ方がほとんどです。

 

もちろんグループセックスに同意していれば複数で性行為に及ぶ可能性もありますが、それが全てではないことを覚えておきましょう。

 

長く続かない

前述のA子さんを例に挙げて考えてみましょう。

 

A子さんにはB太さん・C男さんというパートナーがいますが、B太さんには別にD美さんという女性が、C男さんにはE奈さんという女性がそれぞれパートナーになっている場合があります。

 

この場合、A子さんがD美さん・E奈さんに嫉妬してしまい、関係がこじれてしまうのではと考える方も多いのではないでしょうか。

 

もちろん、ポリアモリスト同士の恋愛であっても、嫉妬により関係が終わってしまうことがあります。

 

しかしこれがすべてではなく、念入りなコミュニケーションの元、嫉妬の感情とうまく付き合っている人もたくさんいます。

 

ポリアモリストだからといって長続きしないとはいえず、一般的な恋愛と同じレベルで破局の可能性があるだけなのです。

 

遊びたいだけ

ポリアモリーを自認する方の多くは、精神的な安心を求めてパートナーを増やしています。

 

信頼関係を構築した上で性行為に及ぶことはあっても、身体だけで繋がる関係ではないことを覚えておきましょう。

 

真剣に考える対象が多いというだけで、真剣さの度合いは一般的な恋愛と変わらないため、ポリアモリー=遊びといった考えは間違いです。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

ポリアモリーの悩み

ポリアモリーを自認し、信頼できるパートナーができても、実際にはさまざまなデメリットに悩まされている方が多いでしょう。

 

ポリアモリストだからといって好き放題に生きている、と考えるのは間違いで、一人ひとり異なる悩みを抱えているものです。

 

続いてはポリアモリーならではの悩みをご紹介し、一人ひとりを理解するための準備をしていきましょう。

 

周囲が理解しづらい

先ほどもご紹介したように、日本をはじめとする各国では複数愛の考えが広まっておらず、周囲の理解が得られにくいといった特徴があります。

 

中には精神的な病を抱えているのではと、精神科や心療内科の受診を勧められた経験のある方も多いようです。

 

ポリアモリーを自認するパートナーと出会えた場合でも、家族や友人からの理解が得られず、泣く泣くパートナーとの別れを選ぶ方もいます。

 

婚姻制度に向かない

ポリアモリストにとって、婚姻制度はどのように利用すべきか頭を悩ませるポイントとなります。

 

日本では2人目のパートナーと結婚することはできないため、複数のパートナーがいる場合、誰と結婚すべきか迷ってしまうことも多いでしょう。

 

逢えて誰とも結婚せずにいたり、書類上は1人を選んで結婚をし他のパートナーとは事実婚をしたりといった対応を選ぶ方もいます。

 

誤解されやすい

周囲に理解されにくいのと同時に、誤解されやすいのも注意したいポイントです。

 

先ほどご紹介したような性的誤解を中心に、周りから傷つく言葉をかけられたり、不思議だからといって避けられたりする場合があります。

 

こういった差別は「自分とは違うものを排除する」といった人間の行動が根底にあり、なかなか完全になくせるものではありません。

 

ポリアモリーを理解するために

 

ポリアモリストであると公表している人はもちろん、未だ周りに公表できずに困っている人がより過ごしやすい環境を整えるためには、ポリアモリーについてしっかりと理解することが大切です。

 

身の回りにポリアモリーを自認する方がいたとき、そうでない方と同じように接するためにも、理解すべきポイントを学んでおきましょう。

 

ポリアモリーについて知る

ポリアモリーの大きな特徴として、「複数人のパートナーと対等に、誠実な関係を結んでいる」という点が挙げられます。

 

この根底を理解していないが故に、浮気症ではないかと悪口を言ったり、理解ができないと突っぱねたりしてしまうでしょう。

 

まずはポリアモリーを自認する人々と交流し、その考えについて知ることで、彼らが不誠実な目的で恋愛をしているのではないことが分かるはずです。

 

嫉妬と向き合う

ポリアモリーは複数のパートナーがいるため、精神状態によっては嫉妬の気持ちが沸き上がってしまう場合があります。

 

この嫉妬心は見て見ぬふりをしていても始まらず、誠心誠意向き合うことで自分自身の感情を整理することができます。

 

どうして嫉妬してしまうのか、パートナーにどうしてほしいのかといった希望を口に出し、モヤモヤとした気持ちと向き合ってみましょう。

 

また、嫉妬心が芽生えたときは、相手とコミュニケーションの機会を増やしてみると良いでしょう。

 

素直に嫉妬していることを伝え、相手の気持ちを考慮した上で、お互いが納得できる解決策を見出すことが大切です。

 

浮気との違いを理解する

記事の冒頭からここまでご紹介してきた内容を見ると、ポリアモリーが浮気ではないことが理解できるでしょう。

 

とはいえ文字や言葉で説明を受け理解した気になっていても、実際にポリアモリストを目の前にしたとき、心が受け付けない場合も考えられます。

 

どうしても本来の意味でポリアモリーが理解できないと感じた場合は、ポリアモリーを避けるのではなく、反対に積極的な対話をしてみるのがおすすめです。

 

「ポリアモリストの1人」として捉えるのではなく、「〇〇さん」といった個人で考えることにより、その人の本質を理解できるようになるでしょう。

 

個人が恋愛に関してどのように考えているのかを知ることで、複数愛全体に対してではなく、目の前の一人へしっかりと向き合えるようになります。

 

多様性と向き合う

今回ご紹介したポリアモリーは、多様性の中の一部です。男性が男性に恋をしたり、女性が女性に恋をしたりと、現代にはさまざまな恋愛の形があります。

 

ポリアモリーについて学んだことをきっかけに、様々な恋愛の多様性と向き合ってみると良いでしょう。

 

関連記事:ノンバーバルコミュニケーションと対人関係|恋愛においての重要性とは

 

まとめ

未だ日本では一般的ではなく、様々なシーンで誤解を生みやすいポリアモリー。

 

しかし彼・彼女たちの間では、一般的な恋愛よりも念入りなコミュニケーションが行われ、お互いへのリスペクトが存在しています。

 

彼ら全体を受け入れようと努力するのではなく、一人ひとりに目を向けて理解を目指すことで、あらゆる恋愛観と向き合えるでしょう。

gd2md-html: xyzzy Fri Aug 02 2024

ナラティブとは?ナラティブアプローチを利用して良好な関係構築

 

ナラティブ(narrative)とは「物語」という意味を持つ単語ですが、ビジネスシーンでしばしば使われる言葉でもあります。

 

ナラティブの考え方を用いることで問題をスピーディに解決できるようになるほか、対人関係を円滑に保つためにも重要です。

 

いかなるコミュニティに属する場合でも、ナラティブアプローチを利用し、誰もが活動しやすい環境を整えてみてはいかがでしょうか。

 

今回はそんなナラティブがどのように生まれ使われるようになったのか、歴史から理解するためのポイントまでを総合的にご紹介します。

 

実際に生活の中でナラティブアプローチを利用すべく、基本的な流れについても学んでおきましょう。

 

ナラティブの意味は?

 

ナラティブとは、日本語に訳すると「物語」という意味があります。

 

私たちがイメージする童話のような物語とはいくつかの違いがあり、耳にしただけでは理解が難しい場合もあるでしょう。

 

まずはナラティブの本質的な意味と、同じく物語という意味を持つ「ストーリー」とは何が違うのかをご紹介します。

 

ナラティブの概要

ナラティブという言葉は、ビジネスシーンや医療現場など様々な場面で使われています。

 

職種によっては聞き慣れない場合もありますが、本来はどのようなシーンにおいても活用できる考え方といえるでしょう。

 

大まかな意味は知っていても、実際に生活の中で活用できている人は少なく、まだまだ浸透しきっていないのも特徴です。

 

ナラティブの語源はラテン語であり、話す・関連づける・説明するといった意味を持ちます。

 

つまり、ビジネスシーンや医療現場においては、ナラティブ=物語の力を使って他者へ分かりやすく物事を説明し、購買意欲を掻き立てたり、自分に合う医療を選択しやすくしたりできるのです。

 

ナラティブを利用する側は自分の主観ではなく、俯瞰的な視点で説明ができるため、自分の理解を深められるのもポイントといえるでしょう。

 

ナラティブアプローチを用いて説明すると、製品やサービスの概要を淡々と説明するのに比べ、相手の心が動きやすいという特徴があります。

 

多くの対象に対して一貫した説明をするのではなく、目の前にいる相手のことだけを考えて話ができるのもメリットの一つです。

 

ナラティブとストーリーの違い

ナラティブと同じような意味を持つ単語として挙げられるのが「ストーリー」です。

 

どちらも物語という意味を持ちますが、両者には明確な違いがあるため、改めて確認しておきましょう。

 

ストーリーとは、起承転結がハッキリしており、主人公視点で進む物語を指します。

 

私たちが普段から触れている小説や漫画・映画などは、ストーリーを意識して作られているものが多いでしょう。

 

主人公視点での世界観は誰が見ても同じように捉えられやすい一方、主人公以外のところで起きている物事に関しては理解が及びにくいというデメリットがあります。

 

一方のナラティブは、主人公を含めた出来事の全てを俯瞰的に見ながら、話し手と聞き手が同時に物語を追っていくのが特徴です。

 

これから先の未来に何があるのかは分からず、話が進むにつれて様々な事象が明らかとなります。

 

ナラティブはいわば人生のようでもあり、未だ完結していないのもポイントです。

 

ナラティブはいつから使われるようになった?

ナラティブの考え方が使われるようになったのは、元を辿れば1960年頃のフランスにさかのぼります。

 

この頃のフランス文学には様々なシーンでナラティブが使われており、読者をより深く物語の世界に取り込み、没頭させられるとして話題になりました。

 

そんなナラティブを実生活で活用するようになったのは、1980~1990年代が始まりだといわれています。

 

元は臨床心理学で利用されたことから始まり、一人ひとりの抱えている問題を物語形式で語ることで、様々な視点から解決策を見出すために活用されました。

 

現在も利用者側・患者側に立つとなかなか気が付かないものの、生活の中でナラティブが利用されている場面は多々存在します。

 

関連記事:ポリコレとは?その歴史や問題点、向き合い方を解説

 

ナラティブを理解するために

 

ナラティブを実生活で利用するためには、本質を正しく理解しなければなりません。

 

背景にある社会構成主義

ナラティブが実際の生活で利用されるようになったのは、1980~90年が最初だといわれています。

 

文学作品から飛び出したナラティブは、社会構築主義をベースとして発展していきました。

 

今あるすべての出来事は人間の頭で想像したことだ、と考える社会構築主義は、現在の社会にも広く根付いています。

 

例えば、片思いをしている男性がいたとします。彼の中でその思いは単なる恋ですが、周りがどう思うかによって状況は大きく変化するでしょう。

 

周りが彼の思いを応援すると「純愛」になりますが、彼の思いがストーカーだと思われてしまえば、それは「犯罪」になってしまいます。

 

こういった社会全体の考えが出来事の本質を左右するのも、社会構築主義の特徴です。

 

しかし私たちは誰もが、少なからず物事に関するフィルターを持っています。

 

上記のケースでいえば、物事の本質を見ないまま、「男性なのだからどうせストーカーだろう」などと決めつけてしまうことも多いでしょう。

 

こういったフィルターによって本質が曲げられてしまうことがないよう、俯瞰的に物事を見ながら、もっとも正しい答えを見出していくことがナラティブの役割なのです。

 

ドミナントストーリーとオルタナティブストーリー

ナラティブを理解するためには、ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーについて学ぶ必要があります。

 

ドミナントストーリーとは、直訳すると「支配的な物語」という意味を持ちます。

 

ドミナントストーリーは問題を抱えている当事者が感じる内容がすべてであり、他の可能性については触れていません。

 

「〇〇はこうである」といった思い込みが反映されているため、当事者は変えることができないと信じており、考えが凝り固まってしまっているのも特徴です。

 

これに対しオルタナティブストーリーは、「代替の物語」という意味の単語です。

 

固定されたドミナントストーリーに対し、様々な可能性を考慮したオルタナティブストーリーを考えることで、問題に対しあらゆる視点で解決策を講じることができます。

 

ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーを語る際に例として挙げられやすいのが「アリとキリギリス」の物語です。

 

私たち日本人は幼い頃からの固定観念で、「働き者のアリと怠け者のキリギリスの話」だと思い込んでいます。

 

これはドミナントストーリーであり、一見これ以外の解釈はないようにも思えます。

 

しかしオルタナティブストーリーの考え方では、キリギリスは怠け者なのではなく、短い寿命を謳歌するために歌い暮らしていたのかもしれない、と考えます。

 

キリギリスには病気の友人がおり、彼を勇気づけるために歌うのをやめなかったのかもしれません。

 

物語の中に書かれていない可能性にも注目し、新たな可能性を考えることが、オルタナティブストーリーの役割です。

 

モノローグとダイアローグ

モノローグは「一人で語ること」、ダイアローグは「対話をすること」と訳されます。

 

物語をモノローグで語ると、視点が偏り、ドミナントストーリーのように意味合いが固定されがちです。

 

語り手の世界観がすべてとなるため、聞き手にも同じようにその世界観が引き継がれるでしょう。

 

これに対しダイアローグで物語を語るとき、語り手同士の会話の中では、これまでに見られなかった新たな考えが生まれる可能性があります。

 

その瞬間から物語はあらゆる可能性を含み、どのような展開になるか予想できなくなるでしょう。

 

関連記事:憂鬱からワクワクへ。働き方の変化は人生を変える

 

ナラティブアプローチとは?

 

ナラティブが話し手と聞き手によって紡がれる物語である、と説明を受けても、それがビジネスシーンや医療現場でどのように活用されるのか分からない方も多いものです。

 

まずはナラティブを使ったアプローチ方法がどのような目的で導入されているのか、その役割について確認していきましょう。

 

ナラティブアプローチの概要

ナラティブアプローチとは、自分と相手が対話する中で様々な可能性を見出し、問題解決へと駒を進めていく方法です。

 

自分の思い描くドミナントストーリーを大切にしながら、相手の意見を取り入れてオルタナティブストーリーを展開することで、あらゆる可能性に気が付くでしょう。

 

このとき自分と相手は必ず対等な関係であり、どちらの意見も同じく尊重されなければなりません。

 

シーンによっては、対話の相手が医師と患者であったり、専門家と一般人であったりと、知識量に差がある可能性も考えられます。

 

こういった場合でも両者が対等であることは変わりなく、お互いを尊重しながら対話をすることが大切です。

 

どんな目的で導入されている?

ナラティブアプローチが導入されている場面として分かりやすいのは医療現場です。

 

医師と患者、もしくは看護師と患者がナラティブアプローチによって対話を行うことで、単なる病気の内容とその治療法を話し合うだけでなく、患者の生活や金銭面への負担、精神状況を踏まえた最適な治療方法を見出すことができます。

 

医師や看護師側は患者目線での物語を聞くことで、今までに気が付かなかった可能性を考慮し、より負担の少ないケア方法を提案できるでしょう。

 

これはビジネスシーンでも同じであり、カスタマーを主人公として物語を作成することで、企業側が気が付かない可能性を見出し、より顧客に合った満足度の高いサービスを実現できます。

 

同じように、教育や福祉シーンでも活用の幅が広がる考え方だといえるでしょう。

 

ナラティブアプローチの流れ

ナラティブアプローチに関する知識が深まったところで、実際に生活の中で利用する際の流れを確認してみましょう。

 

今回はビジネスシーンを例に挙げ、問題解決に行き詰まり、良い案の浮かばない状態であると仮定してご紹介します。

 

ドミナントストーリーを聞く

ナラティブアプローチの目標は、ドミナントストーリーをオルタナティブストーリーへと書き換え、その中であらゆる可能性を見出すことです。

 

まずは悩んでいる相手とそれぞれドミナントストーリーを作り、お互いに発表し合いましょう。

 

同じ問題に対処しているにもかかわらず、人によってドミナントストーリーの内容が異なるため、これだけでも新たな気づきがあるかもしれません。

 

この際に大切なのは、相手がどんな内容を言ったとしても、否定せずに聞くということです。

 

話の途中で口を挟んだり、「ここは〇〇の方が良い」などとアドバイスしてしまうと、ドミナントストーリーの意味がなくなってしまうでしょう。

 

問題を外在化する

続いて、ドミナントストーリーを元に問題を外在化していきます。

 

目に見える形で問題を提起することで、より分かりやすく解決策を講じられるようになります。

 

今回の場合、もっとも大きな問題は「売れる製品が作れない」ことだとします。

 

試作品をいくつ作っても上司にOKをもらえなかったり、販売にこぎつけた製品も思うように売れなかったりといった問題が出てくることでしょう。

 

続いて、その中からもっとも重要な問題を選びます。今回は製品を売る前に、まず社内でOKが出るような製品案を作らなければなりません。

 

ここに焦点を絞り、第一の目標を立てることで、効率的に問題を解決できるようになります。

 

反省的な質問をする

続いて、お互いに対し反省的な質問を行います。

 

時間をかけて編み出した製品案にどうしてOKがもらえないのか、改善すべき点について反省会を行いましょう。

 

このときの反省点は、具体的であればあるほど良く、さまざまな可能性を見出しやすくなります。

 

例外的な結果を見出す

質問を投げかけた方は、返答に対しどのような結果が見出せるのかを考えます。

 

「〇〇という製品が良いと思ったが、却下された」という反省点の中にも、実は予算面で却下されていてもデザインは好評を得ていたり、成功には至っていないものの着眼点は良いと褒められていたりする場合があります。

 

こういった気づきにくい例外的な結果を見出してあげることで、これまでに気が付かなかった視点から問題にアプローチできるようになります。

 

オルタナティブストーリーを構築する

ここまでのステップをクリアしたら、いよいよドミナントストーリーに対するオルタナティブストーリーを構築します。

 

これまでに出た例外的な結果を全て含め、ありとあらゆる道筋を考慮した物語を作りましょう。

 

実は初期段階で褒められた内容が、製品の完成に大きく貢献してくれる場合もあります。

 

「〇〇はダメだ」と言われた内容が、実は「△△ならば良い」と捉えることで、新たなアイディアが浮かぶこともあるでしょう。

 

こういった考えを一人で行うのではなく、対話形式で整理しながら行うことで、より効率的な問題解決に繋がるのです。

 

ナラティブアプローチのメリット

 

ナラティブアプローチを定期的に取り入れることは、様々なメリットを生み出します。

 

今回はナラティブアプローチ導入の参考となるよう、メインとなる3つのメリットをご紹介しましょう。

 

良好な関係を築きやすい

ナラティブアプローチは他者との対話があって成り立つため、コミュニケーションの機会が増え、対人関係が良好になりやすいのが特徴です。

 

話し手と聞き手の関係は必ず対等となるため、普段の地位や立場に関わらず、平等に話ができるでしょう。

 

これまでに会話の機会が得られなかった相手とナラティブアプローチを行うことで、新たな信頼関係の構築にも繋がります。

 

解決策の幅が広がる

ナラティブアプローチを使って問題に対応することで、これまで気づかなかった解決策を取り入れ、様々な面から取り組めるのがメリットといえます。

 

目上の人から「こうしなさい」と命令されるのではなく、相手との対話の中でお互いに気づいた可能性を試していくため、自分の意にそぐわない方法であってもスムーズに受け入れられるでしょう。

 

能動的に実行しやすくなる

ナラティブアプローチを使って見出された解決策に対しては、話し手と聞き手の両方が納得した上で出てきたものであることが多く、より能動的に実行されやすいでしょう。

 

他者から「こうしなさい」と指示されたことよりも、自分で動こうと決めた解決策の方が、よりやる気が湧いてくるのではないでしょうか。

 

あらゆるシーンでナラティブアプローチを取り入れることで、日頃の作業効率が上がったり、問題に対しポジティブに対応できたりするのもメリットの一つです。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

まとめ

ナラティブを使ったアプローチ方法は、医療・教育・福祉などの専門分野はもちろん、ビジネスシーンでも多く使われる手法です。

 

私たちの身近にある問題を総合的に解決できるようになるため、日頃から積極的に取り入れると良いでしょう。

 

相手との対等な会話ができる点から、その場の雰囲気を改善し、人間関係を良好に保てる点にも注目してみてはいかがでしょうか。

gd2md-html: xyzzy Fri Aug 02 2024

ポリコレとは?その歴史や問題点、向き合い方を解説

 

社会にはびこる様々な差別をなくすべく、あらゆる場面で平等が呼びかけられている現代。

 

その中でもひときわ耳にしやすいのが「ポリコレ」ではないでしょうか。聞いたことはあっても本来の意味を知らずに使っている方も少なくありません。

 

今回はそんなポリコレが持つ本来の意味を始め、海外と日本におけるこれまでの歴史や、現在指摘されている問題点についてご紹介します。

 

私たちがポリコレとどう向き合うべきなのか、今後の見通しについても確認していきましょう。

 

ポリコレとは?

 

ポリコレとは、「ポリティカルコレクトネス(political correctness)」を略して呼びやすくした単語です。

 

直訳すると「政治的な正しさ」となりますが、現在は政治以外の場面でも使われることが多いでしょう。

 

ポリコレが訴えるのは、私たち人間があらゆる違いに悩まされず、皆平等に生きられるような社会です。

 

人種・性別・年齢・国籍・学歴・障害の有無など、私たちは様々なシーンでマイノリティを除外してしまいがちです。

 

マイノリティに当てはまる人々を直接傷つけようとしていなくても、無意識のうちに行う差別が人々を傷つけているかもしれません。

 

ポリコレはこういった差別が自然と行われている社会を正し、誰もが周りを気にすることなく生きられるのが正しい社会の在り方だとしているのです。

 

ポリコレの考え方は古くから人々の間に根付いていましたが、社会全体を巻き込む運動となったのは、一人ひとりの中に差別に対する意識が芽生え始めたためだと考えられます。

 

この運動がさらに広がりを見せ、誰しもが差別に対し否定的な考えを持つことで、ポリコレは決して特別な運動ではなくなるでしょう。

 

ポリコレの歴史

ポリコレの歴史は、海外と日本で大きな違いがあります。

 

いち早くポリコレの考え方が広まり始めた海外に対し、日本の場合は近年になって初めて社会的現象となりました。

 

両者の違いを見比べながら、今後のポリコレがどう展開していくのかを予想してみましょう。

 

海外

世界的なポリコレの発祥は、およそ1900年頃までさかのぼるといわれています。

 

白人とそれ以外の人種で対立を深めていた地域が多い中、アメリカを中心に差別に対する否定的な考えが広まり始めます。

 

代表的な変化として挙げられるのが、それまで差別の対象であった「インディアン」が「ネイティブアメリカン」と呼ばれるようになったこと。

 

目に見える変化があったことで、多くの人が無意識のうちに行っていた差別に気が付くようになったのです。

 

また、ポリコレがアメリカ発祥とする説に対し、ロシア革命が発祥とする考え方もあります。

 

こちらはポリコレが持つ本来の意味である「政治的平等」を訴えるための運動であり、どちらが正しいかは分かっていません。

 

しかし、いずれにしても海外でのポリコレは1900年代と早い段階で広まっており、白人優位主義から脱却することをメインに訴えたものでした。

 

これが転じて、女性の権利を訴える「ウーマン・リブ運動」など、様々な運動へと繋がっていったのです。

 

日本

1900年代にポリコレの考えが広まった海外に対し、日本では2010年代に入ってようやく変化が訪れます。

 

インターネットが広まるにつれてポリコレが浸透し始め、性別や年齢・地位・居住地など様々なシーンで行われる差別について考えられるようになりました。

 

日本で起こったポリコレの中でも、ひときわ注目を集めたのが男尊女卑に対抗する考え方です。

 

男性は外で働き女性は家事・育児をするといった考え方に問題があるとして、女性であっても社会に進出し、職場で相応の地位を獲得する権利があると訴える人が多く現れました。

 

この考え方は、現在も多くの方が訴える「フェミニズム」の始まりでもあります。

 

関連記事:フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

ポリコレの身近な具体例

 

「ポリコレ」という言葉は知っていても、具体的にどのような変化があったのか詳しく理解している方は少ないでしょう。

 

私たちの身近な場所でも、ポリコレの考えによって様々な変化を遂げたものが多く存在します。

 

これらが差別を是正するために変化したことを知り、ポリコレについて正しく学ぶことこそが、差別のない未来づくりに必要なことだといえます。

 

人種における表現

先ほどもご紹介したように、アメリカの先住民は今まで「インディアン」と呼ばれていました。

 

大航海時代、アメリカをインドと間違えて上陸したことからつけられた呼称であり、現在はポリコレの考えにのっとって「ネイティブアメリカン」へと変更されています。

 

日本人にとってインディアンとネイティブアメリカンの問題はそれほど身近ではないため、今もインディアンと呼んでしまう方がいますが、差別の歴史を肯定することに繋がるため注意が必要です。

 

また、白色人種・黄色人種・黒色人種の間で行われる差別も顕著であり、特に黒色人種が被害を受けるシーンが多く見られました。

 

その際、黒色人種は「ブラック」と呼ばれて差別の対象となっていましたが、現在は「アメリカンアフリカン」と改められています。

 

日本では色鉛筆やクレヨンのカラーに「肌色」という呼称が使われていましたが、すべての人に当てはまる肌の色ではないといった考えから、「うすだいだい」「ペールオレンジ」などと呼ばれるようになっています。

 

さらに、近年の美容業界では、「美白」の表現に疑問を唱える方が増えています。

 

白であれば美しいといった考えを改めるべく、日本では花王株式会社が先頭に立ち、「美白化粧品」などの表現を中止すると発表しました。

 

性別における表現

性別における表現は、これまで何も考えずに使ってきた方も多いことから、なかなか呼称を改めにくいのが現状です。

 

この根底にあるのは、「男性はこういった仕事に就くことが多い」「この仕事は女性向きである」といったナチュラルな差別。

 

性別を問わず自分の目指す仕事に就けるよう、下記のような表現の変更が行われています。

 

  • カメラマン→フォトグラファー
  • ビジネスマン→ビジネスパーソン
  • 保母→保育士
  • 看護婦→看護師
  • スチュワーデス→キャビンアテンダント

 

「マン」と名の付く職業は全て男性を想起させるため、「パーソン」への変更が進められています。

 

「スポーツマン」なども、現在は「アスリート」と呼ぶ機会が増えているでしょう。

 

反対に女性を想起させる保母や看護婦なども、男性を含めた呼称として改められています。

 

指向・思想における表現

マジョリティとマイノリティの差が顕著になりやすいのが「性別」です。

 

LGBTQ+を始め、すべての人が男性と女性に分けられることはなくなり、書類の性別欄にも変化が見られるようになりました。

 

「男性・女性・その他・回答しない」など、必ずしも男性と女性のどちらかから選ばなくても良くなったのは、ポリコレによる大きな変化といえるでしょう。

 

さらに、夫婦のうち男性の方を「主人・亭主」と呼んだり、女性の方を「嫁・奥さん・家内」などと呼んだりすることも、差別的だとして改定が進んでいます。

 

現在はLGBTQ+同士、または片方がLGBTQ+であることも多いため、相手の性別に関わらず「パートナー」と呼ぶのが一般的です。

 

映画・ゲームでも使われている?

近年ポリコレに配慮して作られた作品として有名なのが「リトル・マーメイド」ではないでしょうか。

 

原作は白色人種だと思われる主人公の人魚・アリエルが、実写版では黒色人種の俳優を起用したことで一躍話題となりました。

 

また、キャラクターを作成して遊ぶタイプのゲームでは、基本となるスキンカラーの種類を増やし、様々な人種に対応できるよう工夫されたものが多数登場しています。

 

「主人公=白色人種」といった固定観念を捨てることで、誰しもが物語の主人公になることができ、人種における差別をなくす取り組みが広がっています。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

ポリコレの問題点

 

近年の社会において重要な考え方であり、良い結果を生むことが多いとされるポリコレ。

 

影響力の強い芸能人やインフルエンサーはもちろん、一般人であってもSNSなどで考えが瞬時に広まり、多くの人の目に触れるようになりました。

 

しかし、ポリコレの考え方は時として問題点を生む場合があります。

 

自分の考えが誰かを傷つけてしまわないよう、現時点で問題視されているポイントについて学んでおきましょう。

 

言葉狩り

ポリコレの考え方が広まるにつれ、様々な言葉が改められてきました。

 

先ほどご紹介した「マン→パーソン」の変化など、普段使っている言葉から大きく変更されたものもあり、未だに馴染めずにいる方も少なくありません。

 

様々な言葉が変化するにつれ、言葉狩りの動きが加速しているのが第一の問題点といえます。

 

マイノリティを差別する意味で使う場合は良くありませんが、無意識のうちに使ってしまった言葉や、これまでに改定の対象ではなかった言葉に対して、過剰な拒否反応を見せる方が増えています。

 

たった一度その言葉を使っただけでも、「差別主義者」として批判の的となり、辛い思いをした経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

ポリコレを広める上で大切なのは、私たちが自然と差別を避け、平等な社会を目指すことです。

 

特定の言葉を嫌うあまりに使った人を激しく非難していては、新たな差別が生まれる原因にもなりかねません。

 

表現の自由

言葉狩りにも通じる問題点として挙げられるのが「表現の自由」です。

 

あらゆる方面に配慮するあまりに使える言葉が減り、これまでとは違った表現をせざるを得ないシーンが増えてきています。

 

これから新しく生まれる作品に対してはもちろん、今まで脚光を浴びた作品を書き直すよう求める声もあり、各所で議論がなされています。

 

小説・漫画・映画・音楽・絵画など、さまざまなアートで表現の自由が約束されています。

 

ポリコレに配慮するあまりにアートの道をあきらめたり、素晴らしい作品が世に出ないまま埋もれてしまったりするのは良くありません。

 

ポリコレの考えと言葉狩り、そして表現の自由の3つがバランス良く存在するために、行き過ぎた排除をやめ、他者に対し優しい気持ちで接することが大切だといえます。

 

嫌気がさしている

ポリコレに積極的な動きを見せる方がいる一方、それほど興味がなく、どちらでも構わないといった立ち位置の方も少なくありません。

 

中にはポリコレを訴える声が大きすぎるあまりに、嫌気がさしている方も多いでしょう。

 

正しく広まるべきポリコレの考え方が、「何だか面倒くさいもの」として捉えられてしまうと、本当の意味で差別をなくすことはできません。

 

テレビをつけたり新しいゲームをしたり、本を読んだりといった娯楽がすべて過剰なポリコレで埋め尽くされてしまっては、本来の楽しみ方ができずに不満を感じる方が増えてしまいます。

 

先ほども触れたように、ポリコレと既存の考え方のバランスを取り、どちらに対しても配慮することが必要だといえます。

 

ポリコレとバランスを取る

「ポリコレ=面倒なもの」といったイメージを払拭し、誰しもが自然とポリコレの考え方ができるようにするには、現時点で使われている言葉や文化とのバランスを取らなければなりません。

 

下記でご紹介する2点のポイントを参考に、正しい意味でポリコレの考えが広まるように工夫することが大切です。

 

自由な対話

ポリコレに配慮すべく、日常的に使ってきた言葉の多くが使えない状態は自由とはいえません。

 

大切なのは相手に配慮する気持ちであり、特定の言葉を使ったからといってただちに悪であると決めつけるのは早計です。

 

実際に会話をする場合はもちろん、SNS上で顔の見えない相手へコメントをする場合も、相手はもちろんどんな人の目に留まっても良いような書き方を心掛けましょう。

 

批判的思想

ポリコレに対して批判的な気持ちを持っていても、それが完全に悪だとは言い切れません。

 

ポリコレが間違った道へ成長しないためにも、常に批判的な思想は必要だといえるでしょう。

 

もちろんポリコレ同様に攻撃的なワードを用いて相手を傷つけるのではなく、理論的な意見でポリコレの問題点を取り上げ、より良い方向へと導くことが大切です。

 

関連記事:多様性の時代に考える「美の基準」との向き合い方

 

まとめ

近年も成長の一途を辿るポリコレの考えですが、SNSを通じて批判を受けたり、特定の表現に対し過剰に反応してしまったりといった問題点にも注意が必要です。

 

大切なのはマイノリティに対する差別を避けると同時に、今ある表現方法に柔軟な考えを持ち、バランス良く改善を目指すことではないでしょうか。

 

一人ひとりの考えが異なるのは自然なことであるため、誰しもが自分なりに差別に対する考えをまとめ、小さな行動を積み重ねていくことが重要です。

gd2md-html: xyzzy Wed Jul 31 2024

アフターコロナの新たな居場所:渋谷区が目指す新しい地域のかたち

 

東京の渋谷といえば、大都会の象徴として知られていますが、その一角に、意外にも住民主体のまちづくりが進むエリアがあるのをご存じでしょうか。その名も「ササハタハツ」—笹塚・幡ヶ谷・初台駅周辺エリアからなるこの場所には、渋谷区民の約4割が暮らしています。ここで繰り広げられているのは、一般的な都会のイメージを覆すユニークなプロジェクトです。
アフターコロナで孤独感が増す人々が多い今、そしてオンラインで何でもできる時代に突入した今、そんなまちづくりがどのような役割を果たしているのか。ササハタハツまちラボの上田事務局長に、その取り組みについて詳しくお話を伺いました。

 

ーーササハタハツまちラボが2021年から行っている「388 FARM MARCHE」(ササハタハツファームマルシェ)。最近では、5月に行われましたね。

はい、5月12日に第6回目を開催しました。出店数が過去最高の29団体となり、当日は約 2500名が来場してくれました。大人から子供まで幅広い世代に来場していただきましたね。まちラボは、我々が活動をするというよりも、まちづくりをしたいというコミュニティの人たちのために、活動ができるように枠組みを作るなどの支援をしています。

 

ーー海外でよく見るフリーマーケット(屋外の蚤の市)では、地元の人が無農薬野菜や手作りジャムなんかを売ったりしていますが、「388 FARM MARCHE」も、そういったイベントでしょうか?

ご飯ものを売っている店もありますが、「388 FARM MARCHE」は少しユニークなところがあります。というのも、このイベントでは自分が住むこの地域でこれをやってみたいという人たちが集まり、プロジェクトを作っているからです。地域にこういう課題があるからその解決のための取り組みたいという人だったり、自身の趣味をもう少しつきつめて地域にも貢献したいという人たちの集まりでもあります。

 

ーーアフターコロナの今、孤独を感じる人が増えているという調査結果も出ています。まちラボの取り組みでは、孤立しやすい一人暮らしの人や高齢者をサポートすることも意識しているのでしょうか?

私たちがサポートしている団体で、特にそういった課題に一役買っていると感じる団体をいくつか紹介させていただきますね。「ママぷらキッズ&ベビー」さんは、妊産婦さんのための運動トレーナーの資格を持った方で構成された団体で、乳幼児親子のための取り組みを展開しています。去年は産後ママのために、赤ちゃんと一緒にできるレッスンや大学の先生を 監修につけて軽い運動プログラムを考案しています。他にも、放課後の子どもたちの居場所を提供したり、夏休み期間中の居場所も提供しています。コロナ禍も活発に活動していた団体で、大勢の方が参加しており地域に大きく貢献していると感じます。

 

 

ーー子育て世代のお母さんは、近所とのつながりがないと孤立しがちなので、こういった活動は助かりますね。

他には「ササハタハツ花コミュニティ」という6~7年活動しているところがあります。皆が集まれる場所づくりのためという目的で始まり仲間をどんどん増やしていきました。最近では、活動の規模も拡大し参加者はさらに増え、メンバーたちで様々な企画の担当者を巡回しています。主催者によれば、参加者同志が自然につながっていったとのことでした。この団体は、高齢者、ハンディキャップ持った方、そしてお子さん向けの活動を主に行っており、口コミで広まり人がどんどん増えていったそうです。私たちは、こういう団体が活動を幅広く実施・発信するためのお手伝いをしています。

 

ーーこういう地域のイベントは、楽しそうだと興味を持ちながらも地域に知り合いもいなく参加を躊躇する人もいるのかなと思います。そう感じている人たちは、まちラボの取り組みをどう活用できるでしょうか?

我々の課題でもあるのですが、「388 FARM MARCHE」をやっていると、少し見るだけでそのまま通り過ぎる人もいます。忙しくて時間がないということもあるかもしれませんが、今後は、より外へ開かれたイベント空間の作り方・オープンな雰囲気醸成が必要なのかもしれません。 ですから、イベントに気軽に立ち寄ってもらうための仕掛けづくりは、今の課題ですね。

 

 

一部の人たちだけのイベントではないと理解してもらうための新しい取り組みに「ササハピゼミ」があります。これは、地域で活動をしてみたいけれど具体的にどうやったらいいかわからないという人を対象に、地域で活動した経験のある人たちを講師として迎えた講義と地域のまちづくり活動に実験的にチャレンジするプログラムです。活動のための手段などのアドバイスを行い、地域の新陳代謝を促すためのこの取り組みを、今年度から新しくスタートしました。

 

ーーアフターコロナとなってオンラインで人と接する機会が増え、パソコン一台あれば人とコミュニケーションがとれます。オンラインで誰とでも会える今の時代に、まちラボの活動がコミュニティに歓迎されるのはなぜでしょう?

我々も「対面がベストだ」とは考えていません。その場に行かないと体験できないこともある一方で、多くの人に気軽に参加してもらいたいという理由で、オンライン形式にしているイベントもあります。対面とオンラインのどちらかを選ぶということではなく、その人の生活スタイルにあった形で、参加しやすいものを選んでいけばいいのではないでしょうか。

 

ーまちラボがサポートしている対面ならではという活動はありますか?

リアルならではということですと、渋谷区緑道・道路構造物課の事業で玉川上水旧水路緑道に設置した「仮設FARM」というコミュニティ農園があります。これは、緑道にプランターを置き、公募で選ばれた利用者(キャスト)70名が運営しているものです。キャストの人たちが水やりや栽培などの手入れをしている時に、ふらっと立ち寄った犬の散歩をしている人がひと声かけてくれたり、散歩をしている幼稚園の子どもたちが通り過ぎて、実際に野菜を触ってもらえたり、そういうコミュニティが生まれています。そういう場面を見ると農園というリアルの場があってこそ生まれるコミュニティがあるなと感じます。このあたりがリアルで行うことの意義ですね。

 

ーー日本全国にコミュニティのつながりを強めるための取り組みありますが、ササハタハツまちラボのユニーク性や強みというと、どういうところがあります か?

渋谷区にあるササハタハツのエリアは、渋谷区内の人口の約4割が住んでいる地域です。住宅街でありながら、新宿駅にも近くアクセスしやすい場所にあります。そういったところは強みであり特徴ですね。

 

また、まちラボが発足する前の2017年度~2019年度にかけて、「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」という多様な人々が集まり、お互いの強みを引き出すためのワークショップや対話を行ってきました。当時の「地域のために何かしたい」「活動したい」といった想いが活動となり、活動同士が繋がり、相乗的にこのエリアのまちの価値を高めています。まちラボのプロジェクトが活発に動いているのも、地域の皆さんが自発的に自分ごととして、これをやりたいと感じている人が多いからです。

 

ーー前回のインタビューでは、ササハタハツは若い人や高齢者など一人暮らしが多いエリアのため、そういう人たちへのアプローチが課題とのことでしたが、この2~3年で進展はありましたか?

まちづくりの活動の間口はもっと広げていきたいと考えており、去年度から「388 Area Makers(ササハタハツエリアメイカーズ)」という枠組みを作っています。ここでは、すでに活動している人、まちまちづくりに興味がある住民の方など、誰でも参加できるミートアップを開催しています。今後さらに多くの人にも参加してもらえるような機会をどんどん作っています。まちづくりは、住民が積極的に自分ごととして関わることで初めて、継続していけるものだと思います。まちラボは、今後も、地元の皆さんのまちづくりの活動を支援していきます。

 

 

ササハタハツまちラボ事務局長として、ササハタハツに関わる全てのみなさんがワクワク・イキイキとやりたいことに取り組めるよう、まちラボ事務局を運営していきます。

前回のインタビュー記事:https://humming-earth.com/mirai/shibuyaku-report/

国境を越えて、生理を理由にチャンスをあきらめない社会を作る【ベアジャパン 髙橋くみさんインタビュー】

 

生理の日はできることも限られ、気分も落ち込むなど、多くの女性が生理との付き合い方に悩んでいます。そんな女性特有の悩みの解消を目指しているのが、高機能吸水ショーツブランド「ベア ジャパン(Be-A Japan)」。今回のインタビューでは、ベアジャパンの代表取締役CEO、髙橋くみさんに、生理に関するご自身の体験談や、アフリカでの新しい取り組みなどについて伺いました。

 

「メディアでは『生理セミナーをしている人』と思われているかもしれません」と笑顔で話す髙橋さんからは、「生理が理由で女性があきらめることのない社会」を作るという確固たる意志と自信が感じられました。

 

ーー髙橋さんが今取り組んでいらっしゃる「女性の幸せ・生き方」について関心を持ったきっかけはありますか?

ロンドンの大学では哲学部だったんです。人権について学んでいく上で、女性の人権や人種差別についてよく考えるようになりました。その後日本に帰国し、外資系の映画会社とアパレル会社で働いてきました。外資ということで日本の伝統的な会社に比べれば自由で、ジェンダーの平等という部分は守られていたように思います。それでも、お茶くみは女性の仕事でした。大学までは、男女一緒に評価されて勉強していたのに、いざ社会に出ると、男女で違いがでてくる社会なのかと強く感じたことが、きっかけのひとつです。

 

ーー海外生活が長い髙橋さんから見て、女性の生き方という点で、海外らしいエピソードなどありますか?

私は小学校5、6年生をオーストラリアのメルボルンで過ごしました。中学が日本で、高校はオーストラリアの女子高、大学はロンドン、日本に帰って結婚、出産後にアメリカのロサンゼルスに渡る、そんな人生を送ってきました。そこで思うのは、海外生活が長いと言うと、「日本は海外に比べてすごく遅れていますよね」と言われることが多いということ。でもオーストラリアでもイギリスでもアメリカでも、女性の人権が日本より進んでいるのかというと、そうでない部分がたくさんあると思っています。

 

ーー日本のほうが進んでいると思うのはどんなところでしょう?

日本は、海外に比べて宗教の影響が少ないところだと感じます。例えば、アメリカでは今、中絶の問題があり、カトリック教徒だと避妊の話題すら嫌がる人もいます。その一方で、我々の生理セミナーをテレビや新聞で紹介いただく機会が増えていますが、それは、日本では宗教が大きな問題として扱われないからというのも理由のひとつだと思うんです。ですから、宗教が関わるようなトピックでは、アメリカではNGとされることが多く、女性の権利という点では、意外とアメリカはとても進んでるように見えて実は進みきれていないと感じることがありますね。

 

ーー生理に関して、海外でのびっくり体験はありますか?

ワオ!と感じた体験で言うと、オーストラリアで小学校6年生の時のことが思い出されます。クラスの女の子が使用した経血がついた生理ナプキンを校庭で体育の授業中に落としたことがあったんです。多分、トイレで捨てられずナプキンをそのままポケットに入れていたので落ちてしまったのでしょう。 「これはなんだ」とみんながわーっと近寄って、担任の男性の先生が真っ赤になり、彼もナプキンを拾えなくて大騒ぎ、という事件が起きました。その後、その女の子は登校拒否になってしまったんです。

 

ーーそれは、その子にとって辛い出来事ですね。

話しているだけで涙が出てきちゃうほどかわいそうですよね。彼女にとってトラウマだろうしクラスのみんなにとっても、記憶に残る出来事だったと思います。家に帰って、私の母に話したら、生理はあなたにもみんなにもくることなんだから、先生が平然と対応していれば、そんなことにはならなかったよね、とすごく怒ったんですね。

 

ーー生理がタブーであるのは、日本だけではないということですね。

このオーストラリアでの出来事はいまだに思い出します。どこの世界においても、アフリカでも オーストラリアでも日本でもアメリカでも、生理はどことなくタブーなんです。特に男性は見たこともなければ、触ったこともなければという世界ですからね。こういうことが学校で起きた時、すぐに対応できる先生がいるかというとなかなかいないのではないかと思います。そういう経験を踏まえると、どこの国でも生理がタブーであることは変わりないし、1人1人、女性も男性も含めて、意識を変えていくことで、少しずつ良くできるんじゃないかなと思っています。

 

ーー3年以上続けて生理セミナーを開催されていますが、生理について女性が話しやすい環境が整ってきたという実感はありますか?

この4年でだいぶ変わってきたと思います。私たちがこのブランドを始めた時に、生理に関するトピックの企画書をテレビ局に提出しプロデューサーさんとお話をさせていただきました。でも、「地上波で生理の話は無理」と言われてしまい、2局からお断りされたんですね。これが4年前のことです。でも今は、我々の生理セミナーの活動もテレビ局に取材いただいたり、新聞で一面カラーで掲載されたりと、すごく変わってきています。

 

 

先日は、男子校で行った生理セミナーの記事がヤフーニュースのトップになり700件以上のコメントをもらいました。4年前、ベアの活動がヤフーニュースに掲載された時も900件ぐらいコメントがつきましたが、「なんて卑猥な」など、ネガティブコメントばかりでした。それが、今回のコメントはポジティブなものばかり。ご自分の経験を共有してくれたり、そこに返信してコメントで盛り上がっているのを見て、この4年でずいぶん変わったなと感じました。

 

ーー生理セミナーを通して、生理への若者の意識の変化などは感じますか?

そうですね。高校生は生理がタブーだという先入観もなくポジティブに素直に聞いてくれることが多いです。逆に大学生だと、恥ずかしがったり、生理ナプキンを見せると茶化してみたりということがありますね。ですから若い頃から、生理は自然現象として女性に起こるもので、生理がなければ人間は生まれない、大事な生殖機能だということを知ることが大切だと感じます。

 

ーー髙橋さんのお母さまはシングルマザーの経験もあるそうですが、シングルマザーに育てられた経験は、高橋さんの人生観に影響を与えていますか?

女性が社会に出ることはとても大事なことだと思います。女性が収入を得ること、自立することの大切さというのは、母を通じて強く感じました。我々の会社は女性のみで、子供がいるメンバーもすごく多いんです。子供を育てながら仕事をするってすごく大変なことだと思うのですが、 社会として男性も女性もともに自立できることが大事だと思える社会になったらと期待しています。

 

ーーベアが取り組んでいるエチオピアのプログラムについて教えてください。

社名の『Be-A(ベア)』は、“Girls Be Ambitious” のBeとAをとってつけました。“Boys Be Ambitious(少年よ大志を抱け)”という有名なフレーズがありますが、男の子だけじゃなく女の子や女性も大志を抱ける、という想いで、“Girls Be Ambitious”をブランドのメッセージとして掲げています。

 

我々のこのエチオピアの活動というのは、弊社が行う「Girls Be Ambitiousプロジェクト」の一つです。このプロジェクトは女性が生理だからといってあきらめない、そんな社会、世界を作っていけたらという想いで行っています。そのために大事なことは、生理に関する知識をきちんと正しく広めていくこと。100人いたら100通りの生理があります。生理痛がある人もない人もいる、眠たくなる人もいればそうでない人もいる、生理の量も人それぞれです。生理についてのそういう情報があまり知られていません。女性も男性もそういう情報をもっと知ることで、あきらめない社会が作れると思っています。2つ目は、生理用品はいろいろなものが出てきていますが、自分に合った生理用品に巡り合えていない女性や、生理用品が使えないという女性も世の中にたくさんいるということ。生理であきらめない社会のためには、生理のもれを気にせず生理期間中も快適に過ごせることが大事です。この2つを主に、我々は活動しています。

 

 

ーーエチオピアでも、生理が理由であきらめている女性が日本のように多いんですね。

エチオピアは生理ナプキンを使える女性が36%のみ。それ以外の女性はボロ布などを当てているという現状があります。生理ナプキンを買っている女性も快適に過ごしているわけではなく、ビニール素材のようなむれやすい作りのナプキンを使っています。平均年収が1000ドル未満の国で、生理ナプキンが1パック160円と値段も高いんですね。女性たちにお話を聞くと、頻繁にナプキンの交換もできず極限までナプキンを使っているそうです。その結果かぶれたりもれることがよくあると聞きました。トイレットペーパーも高級品なので、学校や職場のトイレにないのが当たり前の世界。私たちも実際エチオピアを訪問し、トイレットペーパーのない状況で生理期間を過ごすのは不快だろうと感じました。

 

ーーそういう状況のエチオピアを、ベアジャパンはどのように支援しているのでしょう?

先日、エチオピアを訪問した際に、吸水ショーツを寄贈し生理セミナーも行いました。さらに、吸水ショーツ製造のためのトレーニングを始めます。このプログラムは国連人口基金さんにご賛同いただいて、ご一緒させていただいているプロジェクトです。エチオピアの女性が自分で吸水ショーツを作れば雇用も生まれます。ですから、エチオピアの女性がエチオピアで作った吸水ショーツで過ごせる社会を作るために取り組んでいます。ちょうど今年の4月にトレーニングが始まったところです。

 

 

ーー髙橋さんがベアの商品や生理セミナーを通して伝えたいメッセージとは?

「Girls Be Ambitious」というブランドのメッセージそのものですが、私たち人間は生まれたらみんなが大志を持って良いと思うんです。将来、「ボーイズ」とか「ガールズ」とか性別が関係なくなる社会を作りたいですね。今は我々は「女性である」ことに集中して 「Girls Be Ambitious」というプロジェクトをやっていますが、何年後かには、「わざわざガールズと言わなくてもいいよね」「昔はそう言わないといけない世界だったんだね」といえる時代になって欲しいですね。ですから、我々のベアという社名にも、あえて「ガールズ」は使っていません。そういう社会が私たちが目指すべきゴールですね。

 

前回のベア ジャパンインタビュー記事はこちら:

https://humming-earth.com/mirai/interview03/

 

ベアジャパン公式HP:https://withbe-a.com
GBA公式HP:https://girlsbeambitious.com/

憂鬱からワクワクへ。働き方の変化は人生を変える

 

Hummingライター 大浦沙織のコラムをお届けします。

 

「明日からまた仕事か…」
会社員時代は憂鬱だった日曜日の夜。

 

しかし、フリーランスになった今、日曜日の夜はワクワクしながら眠りにつき、月曜日の朝、仕事に向き合えることに喜びを感じています。

 

正社員という安定を手放すことで出会えた、新しい働き方。

 

私がフリーランスライターになるまでの道のり、そしてこの選択を通じて得た気づきをお伝えします。

 

安定した会社員から、フリーランスへ

8年前、私は新卒で勤めた会社を辞めました。きっかけは、パートナーの海外転勤。

 

もしこの転機がなければ、今でも会社員を続けていたかもしれません。安定した職を手放す勇気が私にはなかったからです。

 

退職後、しばらくは子育てに専念していました。しかし、育児休業から職場に戻る友人たちを羨ましく思ったり、増えない預金残高を見て焦りを感じたり、徐々に「自分の収入が欲しい」「社会とつながりたい」という思いが強くなっていったのです。

 

とはいえ、子どもはまだ小さいし、我が家は転勤族。今の自分には外に働きにでることは難しいと思い、在宅でできる仕事を探すことにしました。「娘の2歳の誕生日に開業する」。これだけを決めて、様々な可能性を探っていきました。そして、最終的に巡り合ったのがライターの仕事です。

 

会社員を辞めてから、安定した職を手放したことに不安を感じることもありました。しかし、今思うのは、会社員を辞めたからこそ、今の働き方に出会えたということです。

 

予期せぬ出来事が、人生の大きな転機となり、新たな可能性を開いてくれました。

 

「とりあえずやってみる」行動することで未来を切り開く

「際立ったスキルや経験がない私に何ができるのだろうか……」と悩んでいた時、“ママが1ヶ月でWebデザイナーに”という広告が目に留まりました。

 

「これだ!」と運命を感じた私は、未経験からWebデザイナーを目指すことに決めました。生後3ヶ月の娘を抱っこしながらWebデザインスクールに通い、その後、Webデザイナーとして活動を開始。

 

しかし、「私はWebデザイナーを名乗って良いのだろうか……」というモヤモヤした感情が拭えずにいました。

 

そんな中、Webデザインの勉強と並行して始めたブログ運営で、文章を書く楽しさに目覚めました。次第にデザインよりも執筆の仕事に惹かれるようになり、SNSで見つけたライター募集に思い切って応募することに。

 

そして、勇気を持ってWebデザイナーという肩書きを手放し、「ライター」として活動していくことを決意しました。不思議なことに、「ライター」と名乗ることには違和感がなかったのです。

 

この経験から感じたことは、好きも嫌いも、得意も苦手も、実際に手を動かしてみなければわからないということ。気になったらやってみれば良いし、やってみて何か違うと思ったら辞めれば良い。行動することで、可能性が広がることを体感しました。

 

ガムシャラ期を乗り越え、見えてきた仕事の基準

駆け出しの頃は、執筆ジャンルや報酬を気にせずに仕事を受け、目の前の案件に必死に取り組みました。

 

当時の仕事時間は子どものお昼寝中と家族が寝静まった明け方のみ。スキルも未熟だったので、何をするにも時間がかかり、キャパオーバーに。締め切りが頭から離れず、ストレスから動悸に悩まされることもありました。

 

しかし、必死に行動することで、少しずつ自分のやりたいことがわかってきたり、自分なりの価格表が作れるようになったり、仕事を選ぶ基準ができてきたのです。

 

人は歳をとります。睡眠時間を削って働き続けるのは限界があるでしょう。だからこそ、ガムシャラに行動した後には、どんな仕事に関わりたいのか、どんな条件なら気持ちよく働けるのか、どんな人と一緒に働きたいのか……、自分と向き合うことが大切です。

 

せっかくフリーランスになったのだから、自分が心地よいと感じる働き方を追求していきたいです。

 

現状維持は後退。学び続けることが大切

「現状維持は後退だと思っている」というフリーランス仲間の言葉が、私の心に深く刻まれています。

 

AIが急速に進化し、多くの仕事が変化していく今の時代。私たち自身も常にアップデートしていく必要があります。

 

私は意識的に学びの時間を確保するようにしています。例えば、尊敬する先輩ライターさんのライティング講座を受講したり、書くこと以外の武器を増やすためにカメラの勉強を始めたり。また、AIツールも積極的に活用しています。学び続けることで、自分の可能性が広がると信じているからです。

 

さらに、心と体の健康維持も重要だと考え、今年からジム通いを始めました。隙間時間に行こうとすると優先順位が低くなりがちです。そこで、ジムに行く日を事前にスケジュールに組み込み、日々の仕事に埋もれないよう心がけています。

 

もちろん、目の前の仕事をこなすだけで精一杯な日もあります。しかし、自己投資の時間を大切にすることは、長期的には仕事の質を高めることにも繋がるのではないでしょうか。

 

働き方が変われば、人生が変わる

フリーランスになって実感したのは、働き方の変化が人生を大きく変えるということ。今の私にとって、働く時間と場所を自分でコントロールできるフリーランスの生活はとても心地よく、働くことが楽しいです。

 

もちろん、いきなり継続の案件がストップしたり、毎月の収入が安定しなかったり、「この先もフリーランスを続けられるかな……」と不安になることもあります。しかし、未来のことは誰にも分かりません。

 

だからこそ大切なのは、目の前の仕事に全力で取り組むこと、出会えたご縁を大切にすること、自己成長を止めないこと、そして、新たなチャンスを逃さないよう適度な余白を持つこと。

 

これらを意識しながら、私はこれからも文章を綴っていきます。

多様性の時代に考える「美の基準」との向き合い方

 

いつまでも美しくありたい。
そのために日々入念にスキンケアをおこなったり、食生活や運動にも気をつける。
でもときどき、誰かがつくった「美の基準」を追い求めていることにふと気づき、疑問を感じる。

 

ありのままでいいと言われる時代に、人の目を気にして頑張る必要があるのか、そんな想いがよぎることもあるでしょう。

または多様性が認められる一方で、これまで軸にしていたものが揺らいだように感じる人もいるかもしれません。

 

風の時代を生きる私たちは「美しさ」とどう向き合えばいいのでしょうか。

 

日本における美の基準

ありのままで美しいという考えが急速に広まりつつも、依然、何らかの「美の基準」が存在していることは確かです。

 

たとえば「ボディポジティブ」に共感はしていても、どこか言い訳や諦めにも思えて飲み込みきれなかったり。

たとえば「適正体重」が統計的に病気になりにくいと証明されていても、「実際太めに見える体重だから…」と受け入れられなかったり。

 

無意識に刷り込まれた「美の基準」というのは、なかなか脱ぎ捨てられないものです。

 

美の基準は国や地域によっても様々ですが、日本で言えば、細身で色白、あるいは目鼻立ちがくっきりした人をいわゆる美人と定義する傾向にあります。

もう一歩踏み込むと、ただ細身ならいいという訳でもなく、ほどよい肉付きで健康的に引き締まったボディラインといった感じでしょうか。

 

ごく一部ですがこうして羅列してみると、なんとも細かい注文ですよね。

 

もし「これらを全て兼ね備えた美人と結婚したい!」と声高に言う人が身近にいたら、つい「それは贅沢だよ」と諭したくなるかもしれません。

 

でも世間では、こうした特徴を兼ね備えたタレントやモデルが、街中の広告塔を飾っているのも事実です。

 

一方で、当然こうした「一般的な美の基準」に当てはまらなくても、美しいと言われる人もたくさんいます。

 

ただ、よくよく思い返してみると、それを形容するのに単に「美しい」ということばだけではなく、何かしら違うことばをくっつけることも多い気がするのです。

例えば、個性的とか、エキゾチックとか、あるいは素朴な顔立ちとか。

 

たしかに「美しい」ということばだけでは、あまりに漠然とするため、キャッチーにしたいのが主な理由だとは思います。

ただ、何となくその裏側に「いわゆる「美の基準」とは少し違うけれど…」というニュアンスも含まれる気がするのは、筆者がひねくれすぎでしょうか。

 

いずれにせよ、私たちのマインドの奥底に何かしらの「美の基準」が刷り込まれていることは、それに従うかどうかは別としても多くの人が同意することでしょう。

 

厄介なのは、それを誰が決めたのかも、その根拠も大してはっきりしないことです。

 

“なんとなく”美しいと思ったから、あるいは”みんな”が美しいと言っているし、たしかにそんな気もするから。
美しさの定義とは、それくらいとてつもなく「ぼんやりしたもの」です。

 

頭ではそう分かっているのに、ついつい引っ張られて、がんじがらめになってしまう。

 

ありのままを肯定する「ボディポジティブ」という考えが現れたのも、実体の見えない「美の基準」に振り回され、疲れ果てた結果なのかもしれません。

 

 

美しさを追い求めることも肯定されるべき

 

多様性が叫ばれるようになった一方で、今度は逆に「美の基準」を追い求める人が揶揄されることもあります。

「ありのままで良いのに、なぜそこまで必死になるの?」と。

 

スキンケアや生活習慣に細かいこだわりがある人、いついかなる時もメイクやファッションに手を抜かない人。

あるいは、年を重ねてもダイエットや体型維持に励み続ける人を見て「若作りして、みっともない」という風潮だってあります。

 

だけど、必死に美を求めて何が悪いのでしょう。
筆者は、ありのままを受け入れるのと同じくらい、美を追い求めることだって肯定されるべきだと思うのです。

 

それが本当の意味での多様性ではありませんか?

 

正直、筆者は、できれば人から綺麗とか、美人とか、可愛いとか、言ってもらえるならどしどし言ってもらいたいタイプです。

他人の評価を求めたくなるのは、自己肯定感が低い証拠と思う人もいるかもしれませんが、美しさを求める理由は必ずしもそれだけとは限りません。

 

きっかけは「人の目」でも、そうして小ぎれいにした自分がふとショーウィンドウ越しに目に入ると、純粋にテンションが上がるのです。

それでさらに人からも褒めてもらえるなら、これほど自分のご機嫌取りにぴったりな方法はないなと思うのです。

 

もちろん、疲れていたり気分がのらなければ、徹底的に手を抜いて外出することもあります。

 

ただ、そんなぼさぼさ姿の自分が目に入ると、さっきとは反対にパッと目をそむけたくなる。

なんとなく堂々とできなくて表情は曇るし、誰に何か責められたわけでもないのに、自分がどんどん惨めに思えて、そそくさと逃げ帰りたくなる。

 

そのたびに美しさ」とは、誰のためでもなく自分のためにあるのだと実感するのです。

 

傍からみたら理解できないこだわりがあったって、常に抜かりなく着飾ったって、いくつになってもストイックに美を追求したっていい。

どうしても手に入れたい理想のパーツや体型があるなら、メスを入れてもらったっていいのかもしれない。

 

だってそれは全部、自分が「ご機嫌」になるためにやっているのだから。

 

一見、外見の美しさを追い求めているだけに見えても、これらの行動は「内面」にも大きな変化をもたらします。

それは単に美しくなったから自信がつく、という話だけではありません。

 

自分の理想に近づくためには、何かしら行動を変える必要があって、さらにそれには「マインド」の改革が必要です。

 

たとえば運動の時間を増やす、間食や夜更かしを控える、ちょっとした外出でも身なりを整えるように意識する。

あるいは、食品やコスメをちょっと良いものに変える、そのぶん他の支出はちょっと我慢する。

 

どれも今までとは違う方向へ舵を切ること、つまり負荷がかかるし、時には踏ん張らないといけないことばかりです。

そんなことせずに自分を甘やかしたって、誰も咎めません。

 

それでもあえて律するのは、そうして努力を積み重ねたという事実そのものが、何より自信につながり、気持ちも前向きになることを知っているからです。

 

もちろん人から美しいと言ってもらえるのは嬉しいことですが、そう思ってもらえるかはコントロールできないこと。

一方、自分で自分に美しいと言ってあげられるか、そのために努力できるかはコントロールできること。

 

ストイックに美を追求する人は、この辺りを身をもって実感しているのだと思うのです。

 

だからこそ自分のために努力している人を、周りが揶揄したり引き止めたりする権利はないと思うのです。

 

また、こういう文脈で「追い求める」のなら、筆者は実体や根拠のよく分からない「美の基準」ですら、効果的に機能すると考えます。

ぼんやりとでもスタンダードがあれば目指すものが分かって頑張れますし、もしくはそれを軸に自分にあった「美の基準」を相対的に見いだせたりするからです。

 

だから、必ずしも「美の基準」=悪いことではない。
当然、ひたむきに「美の基準」を追い求める人がいたっていい。

 

そういう人たちを時代遅れと揶揄していては、いつまでも本当の意味での多様性にはたどり着けません。

 

 

人の美の基準に茶々を入れない

 

誰でもない「自分のため」に美を追い求めるのであれば、同じように美を追い求めている「誰か」にあれこれ口出ししたり、首を突っ込むべきではありません。

 

自分の権利だけを主張して、周りの人にもそれを認めないのは不公平ですよね。

 

ただ、頭ではそう分かっても、これは意外と難しいことだったりします。

 

時代の風向きも相まって、誰かの外見に意見することは、場合によってはハラスメントと捉えられかねませんが、実は自分でも気づかないうちにやっているものです。

 

たとえば「あなたはこういう体型だから、こういう服のほうが似合う」とか「肌の色味的にこっちのアイシャドウのほうがいい」とか。

おそらく、その多くは「良かれと思って」口をついたことばでしょう。

 

もう一つ、個人的に例にあげたいのが、痩せ型の人に対することばです。

 

「ガリガリじゃない、もっとしっかり食べないと!」
「あなたは太るくらいがちょうどいい」

 

何を隠そう、筆者自身、これまでの人生で幾度となく言われてきたことばです。

そして、未だに肯定的に受け止められないことばでもあります。

 

自分のために美しさを求めることはいいことと言いましたが、求めたからといって全て手に入るかは別の話です。

 

筆者の場合、自分でももう少し肉付きが良いほうが美しく見えるし、そうなりたいと思っています。

けれど、体質的になかなか太れません。

 

でもそれを「太りたい」と口にすると、嫌味だとか贅沢な悩みだと叩かれ、かと思いきや、もっと食べないと不健康に見えるなんて言われるのです。なんともおかしな話ですよね。

 

「ボディポジティブ」とは、太っていても痩せていてもいい、そういう概念のはずです。

ですが「プラスサイズ」ということばが広まった一方で、その対義語と思われることばはあまり聞きません。

 

太っている人をみて、何かことば飲み込むよう意識する人は増えたかもしれませんが、痩せている人に対しても同じことをする人はどのくらいいるのでしょうか。

「太ったね、痩せなよ」というのはハラスメントと言われかねませんが、「痩せすぎだよ、ちゃんと食べてる?」というのもハラスメントと言われるとピンとこない人が多いのではないでしょうか。

 

ただ、かく言う筆者も、無意識に人の「美しさ」に関して口出しをしてしまうことがあります。

あろうことか、自分と同じように瘦せている人に対して、一番嫌う「もっと食べて!」という声をかけることすらあります。

 

それくらい人は、知らないうちに誰かの「美の基準」に茶々を入れていることがあるのではないでしょうか。

私たちは、自分のことには口を出されたくないくせに、他人のことには口を出したがる。

 

このことに意識的であるべきだと思うのです。

 

では外見に関することは、今後一切口にすべきではないのかというと、そういうわけではありません。

 

純粋に褒めたいときだってありますし、似合うと思うものをフラットに提案したいときだってあります。

実際、それが本人の自信に繋がったり、気づいていない魅力を引き出したり、プラスの面だって当然たくさんあります。

 

ただ、相手がそのことばをどんな形で受け取りそうか。

ことばを発する前に、それを想像する必要があります。

 

「美の基準」は、国や地域、時代によってだけではなく、私たち個々によっても異なります。

 

褒めたつもりが嫌味に捉えられたり、良かれと思っての提案が逆に自信を削いだりすることは、往々にして起こることです。
「相手のため」が必ずしも正しいとは限らないことを、忘れたくないものです。

 

まとめ

 

こうして二歩も三歩も引いて見てみると、私たちが振り回されがちな「美の基準」とは、他でもない「私たち」が作り上げているということがよく分かります。

 

だとしたら、そのしがらみから解放されるためには、やはり私たち自身が少しずつ変わるしかありません。

 

ただ、ありのままの自分を受け入れるのも、自分のなかに軸を持つのも、人の考えに口を出さないのも、全て聞こえはいいですが決して今すぐ簡単にできることではありません。

 

いろんな価値観に触れながら、たくさんもがきながら、ときに誰かと本音をこぼし合いながら、少しずつ変わっていけたら十分なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

時は金なり。 ドラッグのように中毒性のあるスマホとの付き合い方を見直そう【Editor’s Letter vol.10】

Humming編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。

日々の暮らしで感じた気付きや、人生において大切にしていることを綴っています。

 

 

 

現代人の必需品とも言えるスマートフォン(以下、スマホ)。手のひらサイズの小さな端末が、私たちの生活に革命的な変化をもたらしました。

 

スマホさえあれば、世界中の誰とでもリアルタイムで連絡が取れ、わからないことはすぐに調べることができる。社会の情報インフラとして欠かせない存在になった一方で、私たちはいつの間にかスマホに依存し、大切なことを見失ってはいないでしょうか。

 

通知音が鳴るたびに手が伸びる。無意識のうちにスマホを見てしまう。家族や友人との会話中もついついスマホをチェックしてメールの返信を優先してしまう。そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 

「便利な道具」のはずのスマホに振り回され、本当に大切なものから目を背けてしまっていないか、一度立ち止まって考えてみませんか。

 

今回は、私がスマホと距離を置いた理由とそれがもたらした変化についてお話しします。

私を変えた10日間のデジタルデトックス

私がスマホと距離を置きはじめたきっかけは、10日間のリトリート。リトリート中はデジタル機器の使用が一切禁止されていたため、強制的にスマホと距離をとることができたのです。最初は手持ち無沙汰でしたが、日が経つにつれ、スマホがないことによる変化に気づき始めました。目の前の出来事、例えば食べている料理の味や、鳥のさえずり、足元を横切る蟻などに自然と意識が向くようになったのです。情報が過多に入ってこない、余白がある暮らしの心地よさに気づくようになりました。

 

リトリートを終えて10日ぶりにスマホを手にした時の衝撃は忘れられません。まず、画面の明るさが以前よりもはるかに眩しく感じました。さらに、スマホに自分のエネルギーを吸い取られているかのような不思議な感覚に襲われたのです。実際、スマホを数十分見ただけで頭痛がするようになりました。

 

その経験に驚き、携帯やパソコンの画面に長時間集中することで、多くのエネルギーを消耗していることに気がついたのです。そこで、意識的にスマホを使う時間を制限することに決めました。

 

子どもたちと一緒にいる時間は極力スマホを触らない。寝る時はリビングの棚にスマホをしまい、次の朝メディテーションが終わるまでは触れない。さらに、メールやメッセージの通知をOFFに設定しました。スマホに自分の行動を支配されるのではなく、自分が必要な時にのみ、スマホを手にするようにしたのです。

 

 

スマホを手放したら、人生が変わる?!

スマホを使う時間と使わない時間の境界線を作ることで、私の生活にはポジティブな変化が表れました。

 

例えば、寝る前の準備。これまではスマホで調べものをしたり、動画を見たりしながら、顔を洗って、歯磨きをして、着替えをしていたので、1時間ほど時間がかかっていました。それが今では半分以下の時間で終わるようになり、余白が生まれました。

 

いかにスマホという機械に時間を奪われていたかを体感すると共に、本来の自分のキャパシティの広さに気がついたのです。

 

また、寝る前にスマホを見なくなったことで、自律神経が整い、メディテーションをしてから眠りにつくまでの時間も短くなり、睡眠の質も高まりました。

 

さらに、人との関わり方にも変化が表れました。以前は子どもたちに話しかけられた時に、「このメールの返信が終わるまで待って」と言うことが度々あったのです。今思えば、「あなたより、スマホの中の出来事が大切」と表現しているようなものです。しかし今では、目の前にいる相手との時間を何よりも大切にできるようになりました。

 

すると、学校での出来事や友達とのトラブル、 姉妹喧嘩のこと、自分が感じていることなどを、子どもたちから話してくれることが増えました。私がスマホに集中している代わりに、本を読んだり、趣味のアートやパズルをしていることで、話しかけやすい空間ができたのだと思います。

 

また驚くことに、私がスマホを手放したことで、これまでは頻繁に行われていたスマホやタブレット端末を模倣した遊びを子どもたちがしなくなったのです。子どもは良くも悪くも周囲の大人の姿を見て育つもの。もし子どもたちにスマホに支配された人生を歩んでほしくないのであれば、まずは周りの大人が手本を示す必要があると強く感じました。

 

 

「伝える」ことで、スマホを使わないデメリットを乗り越える

 

とはいえ、スマホを使う時間を制限することで、急な予定変更や緊急の連絡に気づきにくくなるというデメリットもありました。どちらかと言えば、自分自身への影響というよりも、相手に対してのデメリットと言えるかもしれません。

 

そのため、よく連絡を取り合う仕事相手や友人には、24時間以内の返信を心がけながらも「私は自分の都合のいいタイミングで連絡するから、あなたも即座に返信しなくて大丈夫。お互いに無理のないペースでやり取りしましょう」と伝えるようにしています。逆に返事を急ぐ時には、「こちらは急ぎの用件なので、できるだけ早めの返信をお願いします」と伝えることもあります。

 

また、特定の時間帯はスマホを確認し、子どもの学校関連の連絡事項や、仕事上の緊急の連絡にはなるべく対応できるよう心がけています。

 

 

必要以上にスマホに時間を奪われないために

 

スマホが私たちの生活に欠かせない存在となり、即レスが善とされる現代社会において、スマホと距離を置くことは勇気のいることかもしれません。

 

しかし、完全にスマホを断つことが難しくても、使う時間と使わない時間の境界線を決めて、上手く付き合うことはできると思うのです。例えば、週末や家族団欒の時間、自分の趣味に没頭する時間はスマホから離れる。一方で、仕事上の連絡や緊急の用件には適切に対応するなど。

 

人生において、時間ほど貴重なものはありません。スマホやパソコンなどの電子機器は私たちの生活を便利にしてくれる、いち道具です。私たちが使う側であり、道具に支配されるようになっては元も子もないのです。

 

必要以上にスマホに時間を奪われなくなることで、本当に大切なものに時間を使えるようになり、新しい発見や気づきが得られるかもしれません。それはきっとあなたの人生をより豊かなものにしてくれるでしょう。

 

「本当の自分」が分からない?迷ったときに思い出したい考え方

 

本当の自分が分からない

「本当の自分」って何なんだろう。

 

ふと、そんな問いが浮かぶことってありませんか。

 

親の前、友達の前、職場、パートナーに見せる顔、どれも全部少しずつ違う。

 

真面目なしっかり者のときもあれば、子どものように甘えたくなるときもある。善良に生きていても、たまに道を踏み外すことだってある。

 

SNSが当たり前になった現代では、その「顔」の数はさらに増えています。

 

仕事用、プライベート用アカウント、何も考えずつぶやける、誰にも教えていない裏アカウント。複数アカウントを使い分け、それぞれ違う自分を見せている人も多いのではないでしょうか。

 

私たちはこんな風に、相手や環境に合わせていろんな顔を使い分けます。

 

「誰か」のイメージ通りの私でいなきゃ、がっかりされるかもしれないから。それで離れていってほしくないから。

 

でもそれに疲れ果て、途方に暮れるときもあります。

 

こんなの私じゃない、素の自分に戻りたい。そもそもいろんな顔を使い分けるなんて、相手も自分も騙しているのと同じではないか。

 

ずっと変わらない「本当の自分」を貫けたら、どんなに楽だろうか。
だけどもうどれが「本当の自分」なのかも分からない。

 

そんな葛藤を、誰しも一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。

 

そもそも本当の自分って?

そもそも、私たちが探し求める「本当の自分」ってどんなものなのでしょうか。

 

自分のなかにある、唯一無二の、確固たる存在。なんとなく、そんなイメージがあるかもしれません。

 

だからこそ、今は「本当の自分」からかけ離れているとか、周りにも自分にも嘘をついているというような考えが浮かび、私たちは苦しくなります。

 

でも本当に、「本当の自分」とはたった一つしか存在しないのでしょうか。

 

一歩引いてその定義を見つめ直してみると、少し心持ちが変わるかもしれません。

 

「周り」によって形成される

 

あなたという人間は、あなた自身が感じて考えるからこそ存在しています。
そういう意味では、本当の自分とは「自分のなか」で形成されるように思えるかもしれません。

 

でも、その感じて考えるということ自体、必ず「周り」と関わっているはずです。

 

仕事がデキる人に見られたいから、ちょっと背伸びして頑張ろう。家族や親友の前では、ポンコツなところを見せたって平気。

仕事の日は小ぎれいな身なりをするけど、近所のコンビニは伸びきったTシャツでいいや。誰も私を知らないから旅先では、いつもと違う行動や選択をしたくなる。

 

大人になるとよく「自分で考えて行動しろ」と言われますが、どんなに自分で考えたとしてもその起点はあくまで周りの人や環境にあります。

 

あの人は雑談多めのほうが仕事の話がスムーズに進む、この人は真面目なタイプだから端的に伝えたほうが良い。

 

SNSだって同じで、見ている人のタイプを考えて、投稿する内容を調整します。

 

そんな風に、私たちは常に周りとの関係のなかで自分の立ち居振る舞いを決定しています。

 

だから「本当の自分」とは、たしかに「自分」ではあるものの、「周り」によって形成される相対的なもの。
相手や環境によってアメーバのように変化する、そもそもの輪郭があいまいなものなのです。

 

「複数」存在する

 

世の中には多重人格や八方美人ということばがあり、これらはどちらかというとネガティブな使われ方をします。
誰にでも良い顔をして相手を騙している、そんなニュアンスが含まれていますよね。

 

さらに、これを裏返すと、あたかも「本当の自分」がたった1つしか存在しないようにも思えます。
常に「本当の自分」でいるべきで、それが人として誠実な振る舞いだ、そんな風にも聞こえてきます。

 

だから私たちは、自分が「いろんな顔」を持っていることに嫌気が差し、「唯一無二」の本当の自分を見つけようともがく。

 

でも本当の自分が「周り」によって形成されるのであれば、極端に言えば、関わる人や身を置く環境の数だけ「自分」が存在する可能性があります。

ここから「唯一無二」の本当の自分を定義するのは、かなりハードルが高く感じられませんか?

 

かといって、いきなり「本当の自分」が複数あることを受け入れろというのも簡単ではありません。だから私たちは悩んでいるのですよね。

 

では、その「いろんな顔」を全てくっつけたのが「本当の自分」と考えるのはどうでしょうか?

 

どれだけいろんな顔を使い分けたとしても、その組み合わせだけは唯一無二です。

 

切り取った一部もその集合体も、どれもが紛れもなく「本当の自分」です。それぞれの仮面を別人と捉えてしまうか、仮面を上手に使い分ける一人の人間と捉えるか。

 

近くでみるか俯瞰でみるか、問題は視点にあります。

 

そう考えると、全部ひっくるめて「本当の自分」だということが、少しずつ腑に落ちてくるのではないでしょうか。

 

「時間」とともに変化する

 

本当の自分を見失ってしまう要因は、もうひとつあります。それは本当の自分とは「時間」とともに変わるということ。

 

子どもの頃と大人になった今の自分では、考え方はかなり違うはずです。

 

子どもの頃は分からなかったことが分かるようになり、子どもの頃はシンプルだったことが複雑に見えることもあります。大事なことと、そうでもないことの基準も変わっているかもしれません。

 

もっと短いスパンでそれを感じることもあるでしょう。人生において、昨日と今日の価値観が180°ひっくり返ることは、別に不思議なことではありません。

 

そうした感じ方や考え方の変化にふと気づいたとき、私たちはうろたえてしまいます。「私はこんな人間ではなかったはず」あるいは「これまでなんて人間だったんだろう」と。

 

でも、過去と今の自分、どちらかが間違っていたのかというと、そうではないはずです。

 

子どもの頃は子どもなりに、昨日の自分は昨日の自分なりに、そのときの環境や状況に則した「自分」でいたはずです。その環境や状況が変わったから今の自分も変わった、ただそれだけの話です。

 

本当の自分が「周り」によって形成されるものである以上、時間の経過とともに、環境や付き合う人が変われば「本当の自分」も変わる。

 

「確固たる」本当の自分が見つからないのは、ある意味、当然のことなのです。

 

 

本当の自分を見失ったときのヒント

 

「本当の自分」とは、何か1つ決まった枠があるわけではないということが、少しずつ理解できてきたかと思いますが、心から腑に落ちるまでには時間がかかるかもしれません。

 

それに理解したからといって、悩みがすぐに解消されるわけでもないでしょう。はっきりとした輪郭がないものに、不安を抱くのはごく自然なことです。

 

大切なのは、その不安に飲み込まれず、体勢を立て直すスイッチを知っているかどうかです。
そのスイッチは人それぞれですが、ヒントになりそうな考え方をお伝えしておきます。

 

いろんな顔の「良い面」に気づく

 

私たちが確固たる「本当の自分」を探してさまよってしまうのは、そのほうが楽だから。

ものづくりに例えて考えてみましょう。
規格が決まった工場生産なら、同じ品質のものを一度に大量生産できますが、職人の手作りだと、どうしても微妙な差が生じるうえ生産量も限られます。労力、効率を考えると、どう考えても工場生産に軍配が上がりますよね。

 

工場生産のように、本当の自分にも「規格」があれば、周りに合わせて繊細に調整する必要もなく、余計なストレスも減りそうな気がする。だから、私たちはその型を探したくなる。

 

では、時間も労力もかかる職人の手作りはダメかというと、そんなわけはありませんよね。1つ1つ微妙に違う風合いは「味」と評価され、多くは生産できないことは「希少性」という価値になります。

 

だとしたら「本当の自分」も、少しずつ違う顔を「味」、それぞれを見せる相手が限られることを「希少性」ととらえても良いのではないでしょうか?

 

自分だけに見せてくれる顔があると、人はちょっと嬉しくなります。逆に、いつもとは違う顔や、自分には見せない顔があることを知ると、より惹かれてしまうことだってあります。

 

いろんな顔を使い分けるのはたしかに疲れますが、それで作られるあなたの魅力があることにも気づいてくださいね。

 

そしてもう一つ、あなたがいろんな顔を使い分ける理由にも目を向けてください。

 

相手が気持ちよくいられるように、その場の空気が良くなるように、そして自分が傷つかないように。そのためにはどう振る舞えばいいか、知恵を絞る

 

もがきながらもいろんな顔を使い分ける背景には、そんな優しさがあると筆者は考えます。だって、周りのことも自分のこともどうでもいいなら、こんな面倒で疲れることはしないはずです。

 

たくさんの顔を持つ人は、それだけ優しさや知恵を持っている。

 

こうしたいろんな顔を持つことの良い面に気づけると、少し「本当の自分」探しの呪縛から解放されるのではないでしょうか。

 

「不安の原因」を深掘りしてみる

 

人は意外と、不安の原因を明確に理解していないものです。

 

漠然と将来が不安、なんとなくこのままじゃ良くない気がする。そんなことってよくありますよね。

 

「本当の自分」を見失い不安に襲われているときも、その可能性がゼロではありません。そもそもあなたは、なぜ「本当の自分」を見つけたいと感じているのでしょうか。

 

もしかしたら、何か現状に不満があるのかもしれません。

 

たとえば、職場では人間関係も仕事もそれなりに上手くいっている。お給料も生活も安定して何不自由ないはずなのに、何となく満たされず「本当の自分」ではない気がする。

 

実はその背景には「もっとバリバリ仕事をしたい」という野望、あるいは「もっとミニマムな自給自足の暮らしのほうがいい」といった気持ちが隠れているのかもしれません。

 

あるいは、あなたは今すごく疲れているのかもしれません。

 

たとえば、ストレートな性格の人が空気を読んで振る舞うことは、出来なくはないけれどかなり疲れることです。

 

それが今までは職場だけで十分だったのに、何らかの環境の変化で、家庭や友だちと会うときもそうしなくてはいけなくなった。気づいたら、ずっと自分にとって疲れる顔ばかりしている。

 

だから気張らずいられる「本当の自分」に戻りたい。

 

こんな風に「本当の自分」探しには、そこに至るまでの原因や過程があるはずです。ただその多くは、ほんの些細な出来事だったり、じんわり変わっていくものだから気づきにくい。

 

そんなときは、一度紙に書き出して心と頭を整理することも大切です。

 

なぜ「本当の自分」を見つけたがっているのか?
現状に何か不満があるのか?それとも単にいっぱいいっぱいなのか?
その原因はどこにあるのか?自分で解決できることなのか?

 

一つずつ地道に深掘りしていくと、意外と具体的な解決策にたどり着くかもしれません。

 

たとえば、転職活動や異動願い、業務量の調整。あるいは新しい習いごとや家族旅行、旧友との他愛もない話だったり、その解決策は十人十色です。もちろん解決策によっては、すぐには実行できないかもしれません。

 

でも少なくとも、実体のない唯一無二の「本当の自分」を探し求めるより、遥かに地に足がついていて手を伸ばしやすいものではないでしょうか。

 

 

本当の自分は揺らいで当然

 

いろんな顔があることに嫌気が差しているのに、それ自体を肯定しろだなんて”とんち”のように感じられる内容だったかもしれません。

 

でも、無理矢理「本当の自分」という枠を作り上げ、そうでないときの自分を否定して苦しむよりは、肩の荷は少し下りるのではないでしょうか。

 

少しずつ、自分のいろんな顔、そしてそのいろんな顔を持つ自分自身の魅力にも、気づいていってあげてくださいね。

 

NVCを実践して、よりよい人間関係を築こう!事例で学ぶ非暴力コミュニケーション

 

子どもがいうことを聞いてくれなくてイライラする。

最近夫婦喧嘩ばかりでしんどい。

部下の教育に頭を抱えている。

 

このように、家庭や職場での人間関係のストレスに悩まされている方も多いのではないでしょうか。

 

そんな時、「NVC(非暴力コミュニケーション)」を実践することで、対人関係の問題が改善されたり、解決への糸口が見つかったりするかもしれません

 

本記事では、NVCついて、具体的な例を交えながら解説していきます。人間関係が好転するヒントを探してみてください。

 

NVC(非暴力コミュニケーション)とは

「また同じミスを繰り返すの?」
「言うことを聞かないなら、もう知らない!」
こんな風に、ついカッとなって相手を責めたり、見放したりする言葉を発してしまった経験はありませんか?

 

私たちが日常的に使用する言葉は、時として暴力的に相手や自分自身を傷つけることがあります。

 

そこで注目したいのが、1970年代にアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱されたNVC(非暴力コミュニケーション)です。

 

NVCは、あらゆる人間関係を、支配や対立、緊張、依存の関係から、自由で思いやりあふれる関係へと変革する方法です。また、私たちの生き方や人生の目的を根本から見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

 

NVCでは、相手の言動に反射的に反応するのではなく、以下の4つの要素を用いて自分の感情を見つめ直し、相手の感情にも耳を傾けることを提案しています。

 

 

NVC4つの要素

 

1. 観察(observation)

NVC第1の要素「観察」は、自分の状態を左右する外的な事実を、「評価を交えずに」明確に認識することです。

例えば、散らかった部屋を見て「あなたは片付けが苦手なのね」と言うのは、観察ではなく評価です。「脱いだ洋服が床に散らばっている。本は開いたまま机に置かれている」のように、事実だけを観察するのです。

 

2. 感情(Feeling)

NVC第2の要素では、自分の「感情」を表現します。ただし、自分の感情と「いまの自分が思っていること」を区別する必要があります。

例えば、友人との約束が急にキャンセルされたとき、「友達は私のことを大切に思っていないのかもしれない」と考えるのは感情ではなく、相手の行動を自己流に解釈していると言えます。

一方、「約束がキャンセルされてがっかりした。楽しみにしていたから残念だ」というのは、自分の内面の状態を率直に表現した「感情」です。

 

3. 必要としていること(Need)

NVC第3の要素は、感情の根底にあるニーズを見極め、表現することです。

例えば、パートナーの帰りが遅いことに不満を感じたとき、心の底には「もっと一緒に時間を過ごしたい」といったニーズがあるかもしれません。

 

4. 要求(Request)

NVC第4の要素は、自分のニーズを満たすために、相手にどのような行動を求めるのかを明確に伝えることです。

 

例えば、パートナーとのコミュニケーションに不満を感じていた場合。「もっと私の話を聞いて」という曖昧な言い方ではなく、「私が話している時は、スマートフォンを見ずに目を見て聞いて欲しい」と具体的にリクエストを伝えます。

 

ただし、急ぎでクライアントに返信をしなければいけないなど、相手にも事情があるでしょう。相手の立場に立って理解を示しつつ、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

 

この4つの要素を意識してコミュニケーションを取ることで、私たちは評価や判断に注意を向けるのではなく、自分の本当の望みを見極め、明確に表現できるようになります。

 

また、相手の言動の裏にある感情や必要性にも目を向けられるようになることで、お互いを尊重し、相手をより深く理解することができるでしょう。

 

NVCを使った具体的なコミュニケーション例

NVCを実践する前後では、コミュニケーションの質が大きく変わります。具体的にどのように変化するのか、以下の2つの例を見てみましょう。

「お片付けしなさい!」と子どもに怒鳴ってばかりいる母親のケース

 

NVCを取り入れる前の伝え方

また片付けをしていないじゃない。

あなたのだらしなさにはうんざりよ。

今すぐ片付けなさい!

 

NVCによる伝え方


この1週間、あなたのブロックやぬいぐるみ、絵本が部屋の床に散らかったままだったわね。(事実)

部屋が散らかっていると、私は悲しくて困ってしまうの。(感情)

家族みんなが快適に過ごせる、整理整頓された空間を大切にしたいからなの。(ニーズ)

一緒に片付けをしない?ブロックは専用の箱に入れて、ぬいぐるみは棚に並べて、絵本は本棚に戻してもらえると嬉しいわ。(リクエスト)

 

締め切りを守らない部下に困っている男性の上司のケース

 

NVCを取り入れる前の伝え方

また締め切りに遅れたのか。

何度同じミスを繰り返すんだ。

君の仕事ぶりには呆れ果てるよ。

次からは必ず期日を守れ。

 

NVCによる伝え方

 

 

先月提出してもらった企画書は締め切りの2日後、今回のレポートは期日を1週間過ぎてからの提出だったね。(事実)

正直、がっかりしているし、チームの信頼関係が損なわれないか心配だよ。(感情)

チームのスケジュール管理と生産性を維持するためにも、締め切りを守ることが不可欠だと考えているんだ。(ニーズ)

次回のプロジェクトから、もし締め切りに間に合いそうにない場合は、早めに相談してくれると助かるよ。毎週月曜日の定例ミーティングで進捗状況を報告してもらえれば、問題解決に向けて一緒に取り組めると思うんだ。(リクエスト)

 

このようにNVCの4つの要素を意識することで、自分の感情やニーズに向き合い、それを言葉にすることができます。そして、相手の状況を尊重しつつ、明確にリクエストをすることで、お互いを思いやり、理解し合える関係性を築くことができるでしょう。

 

NVCを習得するには練習が必要 

NVCを身につけるには、日々の生活の中で意識的に実践することが大切です。イライラや怒り、悲しみなどのネガティブな感情が湧き上がってきた時こそ、NVCを練習するチャンスと捉えましょう。

 

ネガティブな感情の奥底には、「相手に理解してほしい」「自分の気持ちを知ってほしい」といった切実な願いが隠れていることがよくあります。そのため、一時的な感情に任せて相手にぶつけるのではなく、自分の感情の根源にあるニーズを見極め、それを具体的な言葉で伝えることが重要です。

 

また、自分のニーズを理解するだけでも、ネガティブな感情は和らぐものです。NVCの4つの要素を意識することで、自分自身でニーズを満たす方法が見つかるかもしれません。

 

自分の気持ちに正直に向き合い、相手の立場に立って考えるコミュニケーションを心がけることで、人間関係はより豊かになっていくでしょう。

 

参考書籍:「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」マーシャル・B・ローゼンバーグ著

グレートリセットがもたらす変革とは?経済・環境・社会の未来

 

私たちが生きる現代社会は、これまで目覚ましい発展を遂げてきました。

 

特に第二次世界大戦から現代に至るまでの発展は、日本だけでなく世界中が生きやすい社会づくりを目指してきたといえます。

 

一方、さまざまな発展の裏で危機的状況に陥っている人々や環境があるのをご存じでしょうか。

 

今回はこれらの危機に対応すべく考え出された「グレートリセット」とは一体どんなものなのか、また実際にグレートリセットが起こった場合はどんな変化があるのかについてご紹介します。

 

グレートリセットとは?

 

グレートリセットとは、2020年に開かれた世界経済フォーラムにて、クラウス・シュワブ教授が発表した論文に登場した言葉です。

 

その名の通り「重大な初期化」という意味を持ちますが、具体的には何をどう初期化するのでしょうか。

 

そもそもグレートリセットの考え方は、さまざまな点で便利になった現代社会において、それらの仕組みを一度リセットすることでより良い社会作りを目指す、といったものです。

 

そもそもの始まりは世界中で猛威を振るった「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」であり、私たちは非常に大きな打撃を受けました。

 

感染者数が少なくなった今もCOVID-19による影響は色濃く残っており、今後どう改革が行われるのか、また同じようなパンデミックが起こらないためにはどうすべきなのか議論がなされています。

 

グレートリセットが推奨されているのはCOVID-19に関連する内容だけではありません。

 

まずは経済・環境・社会の側面に焦点を当て、それぞれどのようにグレートリセットを行うべきなのか見ていきましょう。

 

経済的グレートリセット

経済の面でグレートリセットが必要とされているのは、主に労働者の雇用に関する問題が原因です。

 

世界は時代が進むにつれてロボットなどさまざまな技術を取り入れ、人の負担を軽減すべく進化してきました。

 

近年ではAIの広まりによって、「近いうちに失われる職業」が話題となるなど、私たち人間が担うべき職に変化が訪れています。

 

AIは正確かつスピーディな作業が可能であるため、単純作業がメインである職業は人間よりも効率的に仕事ができるでしょう。

 

さらには自動運転が進めば、タクシーやバスの運転手などもAIで代用される可能性があります。

 

こういった企業によるAI雇用が積極的に行われると、雇用の機会が減るどころか、現在働いている人々が職を失うリスクが高まります。

 

AIを運用する職種などが増える可能性も同時に高まりますが、職を失った人々が必ずしもAIを運用できるとは限りません。

 

また、現代社会で問題視されているのが「違法労働」です。

 

賃金の発生しないいわゆる「サービス残業」を強要したり、契約時の賃金とは大幅に異なる収入で働かされていたり、指定された日に休みがとれず過労で倒れたりとさまざまな問題が発生しています。

 

これらの問題はここ数年で始まったものではありませんが、労働基準監督署なども全ての企業の実態を把握しきれず、現在に至るまで問題が浮き彫りになっていないところも多数存在します。

 

そのため、一度グレートリセットを行い全てを白紙に戻すことで、新たな雇用方法を模索しようというわけです。

 

環境的グレートリセット

誰しもが自分のことと受け止め、行動していかなければならないといわれているのが「環境問題」です。

 

例えば生態系に大きな影響を及ぼす海洋プラスチック問題は、このまま進むと2050年にはプラスチックごみが魚の量を上回ると予想されています。

 

浜辺でごみ拾いなどのボランティアに協力してくれる方もたくさんいるものの、海全体のごみを減らすには至っていません。

 

また、地球温暖化も大きな問題の一つです。自動車などの乗り物から出る排気ガスはもちろん、可燃ごみを燃やす際にも大量の二酸化炭素が発生します。

 

これらのガスは通称「温室効果ガス」と呼ばれ、地球の温度を上げて生態系を壊すほか、海面上昇により島国が水没するなどさまざまな影響を及ぼします。

 

これらの環境問題はもはや、私たち一人ひとりが異なる方向を向き、自分にできることをするだけでは歯止めが利かない事態へと陥ってしまいました。

 

グレートリセットにより現在のシステムを白紙に戻し、地球全体で環境を守る方法を考えなければなりません。

 

社会的グレートリセット

グレートリセットで状況を大きく変えなければならないのは、私たちを取り巻く社会も同じです。

 

私たち人間は誰もが皆平等であり、同じような生活を送れるはずです。

 

しかし現在の社会はというと、性別や国籍・民族などを理由に所々で差別が行われ、悲しい思いをしている人が多数存在しています。

 

誰もが根底では「差別をしてはいけない」と分かっていても、経済状況によって生き方に違いが出たり、障害の有無によって生活が異なったりする点は避けられません。

 

日本人ばかりのコミュニティに一人だけ外国人がいる場合、急に日本人と同じように対応できる方は少ないでしょう。

 

悪意を持って行われる差別はもちろんのこと、自然に生まれる不平等をなくし、誰もが同じように社会と関わりを持てる日々を目指す必要があります。

 

グレートリセットによって固定観念や刷り込みを白紙に戻すことも、差別をなくす第一歩といえるでしょう。

 

関連記事:クリック募金とは?動物や環境に関係する募金サイトまとめ

 

グレートリセットが起こったらどうなる?

 

さまざまな問題を抱えている私たちは、グレートリセットによってどのような変化と直面することになるのでしょうか。

 

単なる「改革」とは異なり、これまでに築き上げてきたシステムが全てゼロからの出発となるため、当然変化の度合いも大きいはずです。

 

経済・環境・社会のそれぞれにおいてどのような変化が期待されているのか、詳しく見ていきましょう。

 

経済面

私たちに関係の深い面でいえば、それぞれの企業が実態を透明化し、一人ひとりに対し公正に対応することが大切です。

 

もちろんこれは一企業だけでなく、社会全体あるいは世界中が、国際的な問題に対し同じように取り組まなければなりません。

 

そのために創設された国際機関や国際会議を有効に利用し、世界全体が同じ方向を向いて協力し合うことが大切です。

 

また、これまでは企業が自身の利益を優先とする「株主資本主義」であったのに対し、今後は従業員や顧客・取引先など企業に関わる全ての人が利益を得られるよう配慮する「ステークホルダー主義」へ変わっていくことが予想されます。

 

これにより違法労働や賃金の未払いが減るだけでなく、未だ株主資本主義を貫く企業が目立つようになり、社会全体の労働環境が改善へと向かっていくでしょう。

 

企業が自身の利益だけを重視せず、全体を見据えて経営できれば、市場は公平性を保ちやすくなります。

 

AIの導入によって職を追われても、社会全体で新たな雇用を生み出し、生活難民を減らすことにも繋がるでしょう。

 

環境面

私たちが地球を守るための第一歩として、燃やしたり埋め立てたりするごみを減らし、再び使えるものは使う、といった「3R」の考え方があります。

 

  • Reduce:リデュース|物の耐久性を高めたり過剰包装をやめたりしてごみを減らす
  • Reuce:リユース|詰替え用製品を選んだり不用品を売ったりして物を再び使う
  • Recycle:リサイクル|資源ごみを再生利用し新たな製品として使う

 

これらはあくまでも資源物やごみが出ることを前提として考えられていますが、新たな取り組みとして必要なのが「サーキュラーエコノミー」です。

 

ごみを資源に回して再生利用するのではなく、そもそも現在ある資源の中でやりくりすることで、新たな廃棄物を減らす効果が期待できます。

 

これまで私たちは、プラスチックという素材を「便利なもの」としか考えてきませんでした。

 

それゆえにプラスチックを資源として利用することも、新たにプラスチック製品を生み出すことも悪だとは思わず、意識せずに過ごしてきたはずです。

 

サーキュラーエコノミーの考えが広まれば、プラスチックの有用性を再認識することに繋がり、「限りある資源」としてより大切に使えるようになるでしょう。

 

また、ロシアがウクライナを侵攻したことによって、天然ガスをはじめとする資源の価格が高騰し話題となりました。

 

こういった資源には限りがあり、近い将来枯渇することが分かっています。

 

石油・天然ガス・石炭などに依存せず、新たなエネルギー生成の方法を見出すことこそ、環境を守るために重要です。

 

これらの天然資源に頼らずに生きるとなると、私たちの生活はさまざまな方法で生み出された電力によって支えられることとなるでしょう。

 

自動車のエネルギー源がガソリンから電気や水素へ変わりつつあるように、さまざまな面で変化が訪れるといえます。

 

社会面

社会面におけるグレートリセットは、人々の間に渦巻く差別の種を無くし、誰もが平等に生きられることを目指します。

 

第一に経済的な問題などが原因となる「教育」において、いかなる状況に置かれた子どもであっても、同じ年齢で同じ教育を受けられるように均等化することが大切です。

 

これは大人の場合「就労機会の均等化」に当たり、雇用がない・能力が足りずに雇ってもらえないといったトラブルを無くし、誰でも仕事に就きお金を稼げることを目標としています。

 

また、これらの目標を達成するためには、人々がお互いの違いを理解し、協力し合うことが大切です。

 

私たち人間は自分と違う相手に対し「よく分からない」「怖い」といった感情を持ち、それが差別へと繋がっていきます。

 

人種を超えたコミュニケーションを得ることで、相手を深く理解し、身体の違いや考え方の違い・生活の違いなどを受け入れることが重要といえます。

 

関連記事:ドネーションとは?寄付との違いや考え方を解説

 

グレートリセットを実現させるには?

グレートリセットは個人で行うものではないため、実際に行うためには世界中の国々が理解を示す必要があります。

 

そのため、具体的に何を行うのかも含め、話し合いには長い時間がかかるでしょう。

 

2050年までに「脱炭素」が完了し、二酸化炭素の排出量がゼロになる未来を目指して環境活動が行われるなど、私たちの身の回りでも少しずつ変化が始まっています。

 

こういった未来を現実のものとするためには、私たち一人ひとりの意識改革が重要だといえるでしょう。

 

グレートリセットに備える

 

グレートリセットは良いことばかりのように思えますが、実際はリセットによって何が起こるか分からない点に注意が必要です。

 

長い時間がかかるといわれているため、事前にできる限りの準備をしておきましょう。

 

第一に、グレートリセットが起こることで経済に影響が及び、資産の価値が大幅に変わる可能性があります。

 

今保有している資産が、数十年後もそのままの価値であるとは限りません。

 

今のうちから資産運用に関する正しい知識を身に着け、リスクを分散するためにもさまざまな方法で資産を分けておくと良いでしょう。

 

また、一部の人にとってはグレートリセットによって大きく職務内容が変わったり、場合によっては職を変えることとなったりする場合があります。

 

慣れ親しんだ仕事から全く新しい仕事へ変わる際は、少なからずストレスがかかることでしょう。

 

同じ状況に置かれている人と情報を共有し、協力し合って生活することが大切です。

 

関連記事:寄付による税金の控除とは?ふるさと納税との違いも解説

 

まとめ

現在のさまざまなトラブルを一掃すべく打ち出された「グレートリセット」案。

 

便利になった日常の裏で誰かが困っている現状を打破するため、私たちの生活は大きな転換期を迎えるでしょう。

 

世界中が手を取り合って行われるグレートリセットですが、影響を被ったり、環境に慣れたりするのは私たち一般市民です。

 

あらかじめ正しい知識を身に着け、来たるその日まで準備をしておくことが大切です。

日常に潜むグルーミング被害|子どもだけでなく大人の被害も

 

私たち大人だけでなく、子どもであっても常に注意しなければならないのが「性被害」です。

 

ある日突然被害に遭うケースも多い一方で、親しいと思っていた間柄の人間が牙をむき、消えない傷を負わせる「グルーミング」も問題となっています。

 

子どもは十分に自分を守ることができないため、大人が性被害の実態とグルーミングについてしっかりと理解し、大切な我が子を守らなければなりません。

 

今回は幼い子どもをターゲットとする場合はもちろん、大人であっても被害を受けやすいグルーミングについて、具体例を交えながら理解を深めていきましょう。

 

子どもたちを守るためには一体どうしたら良いのか、私たちがとるべき行動についてもご紹介します。

 

グルーミングとは?

 

グルーミングとは、元々動物が行う毛繕いを指す言葉です。

 

猫が互いの体をなめ合ったり、猿がノミ・ダニを取ってあげたりする行為が該当し、本来悪い意味を持つ言葉ではありません。

 

彼らのグルーミングは仲間としての絆がそうさせるだけでなく、相手と円滑にコミュニケーションを築き、群れの中で過ごしやすくする目的でも行われています。

 

一方、今回ご紹介する人間のグルーミングは、正式にいえば「性的グルーミング」「チャイルドグルーミング」などと呼ばれるものです。

 

目についた子どもを急に襲うのではなく、まずは警戒心を解くために低姿勢で対応し、子どもが慣れてきた頃を見計らって性行為に及びます。

 

性行為までどれだけ時間をかけようと、親しくなる最終目的が性行為であるならば、それは性的グルーミングに当てはまるでしょう。

 

恐ろしいのは、自分にとってかけがえのない存在となった大人が、ある日突然不快な行動を迫ってくる点にあります。

 

子どもにとって信じていた大人に裏切られることは、直接傷をつけられるのと同様に苦しいものとなるでしょう。

 

中には「この人がやることならば間違いはないはず」と、性行為そのものを容認してしまう子もたくさんいます。

 

長い時間をかけ、特別な信頼関係を築いた加害者に対し、子どもは「この人を失いたくない」と思うようになります。

 

性行為に嫌な気持ちを覚えても、不満をいうことで加害者が悲しんでしまったらどうしよう、と考え、口をつぐんでしまう子も少なくありません。

 

こういった子どもの純粋な心を利用し、未成年に対し犯罪を犯すことこそが、性的グルーミングのもっともたる悪といえるでしょう。

 

また、性的グルーミングの対象となるのは幼い子どもだけではありません。

 

性行為を最終目標として被害者の心を懐柔しようと近づく行為は、青年であっても、大人であっても性的グルーミングに当てはまります。

 

「もう大人だから」と油断せず、自分に近づいてきた相手が何を目的としているのか、冷静な頭で判断しなければなりません。

 

さらに、性被害の対象となるのは「女性」だけではないことを覚えておきましょう。

 

幼い男児はもちろん、成人男性であっても被害に遭うケースが増え続けています。

 

加害者は女性であったり、同じ男性であったりとさまざまであるため、「自分には起こらないだろう」など他人事のように捉えてしまうのは危険です。

 

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性犯罪におけるグルーミング

 

性犯罪におけるグルーミング、すなわち性的グルーミングがどうして恐ろしいのか、さらに深堀りしてみましょう。

 

先程もご紹介したように、性的グルーミングの対象となるのは幼児から20代・30代の大人までさまざまです。

 

男性・女性に関わらず被害に遭いやすいため、全ての人が身を守る行動をとらなければなりません。

 

「自分だけは大丈夫」と安心せず、周りの人とコミュニケーションをしっかりととり、信頼できる相手かどうかの見極めを行いましょう。

 

近年性的グルーミングによる被害が増えているとはいっても、その数は被害全体のほんの一部だといわれています。

 

なぜなら、性的グルーミングは被害者自身が被害を受けていることに気が付かず、関係がダラダラと長引きやすいためです。

 

相手に嫌われたくない子どもが周りに被害を訴えないことも、相手が自分を好いてくれているがゆえの行為だと勘違いしてしまうことも、性的グルーミングが野放しになってしまう理由といえるでしょう。

 

また、性的グルーミングにおける被害者と加害者の関係は、周りから見ても違和感がなく、被害に気が付きにくいといった点も特徴の一つです。

 

加害者は頭を使って少しずつ被害者との関係を深めていくため、「急に距離が縮まり親しくなった」「過剰なスキンシップが行われている」といった不自然な点もなく、単に仲の良い関係性だと思われてしまいやすいのです。

 

性犯罪というと、無理やり行為に及ぶ姿であったり、電車内で痴漢を行ったりといった一方的なものを想像しやすいでしょう。

 

そのため、一見仲が良く見える性的グルーミングでは、「もしかして性犯罪ではないか」といった考えに及ばず、発見が遅れる可能性が高いのです。

 

大切なのは私たちが性的グルーミングについて正しい知識を得て、常に「もしかして」といった気持ちでいることです。

 

子ども、もしくは大切な人の変化にいち早く気が付くためにも、普段からコミュニケーションの習慣をしっかりとつけておきましょう。

 

グルーミング被害の例

 

続いて、子どもが対象となる性的グルーミングについて、具体的な例をご紹介します。

 

学校におけるグルーミング

学校における性的グルーミングでは、加害者となりやすい存在として「教師」が挙げられます。

 

子どもと距離が近くても周りが違和感に気が付きにくく、また子どもも教師を全面的に信頼しやすいため、時として性被害が起こる場合があります。

 

学校ではさまざまな子どもが生活しているため、その中からより従順で言いなりになりやすい子どもを選ぶことも容易です。

 

集団生活になじめず1人でいる子どもなどは標的になりやすく、周囲が気づいたときには既に手遅れであるケースも珍しくありません。

 

もちろん、学校には教師以外にも養護教諭・守衛・部活の監督やコーチなどさまざまな大人が働いています。

 

特別練習だといって呼び出したり、特定の生徒のみに声をかけていたりするケースも多いため、周りは注意して見守っていかなければなりません。

 

インターネットを利用したグルーミング

インターネット上で行われる性的グルーミングを「オンライングルーミング」と呼びます。

 

主にSNSなどを通じ、感情を吐露する投稿に目をつけ、共感したり寄り添ったりするところから始まります。

 

家族や友人との関係が上手くいっていない子や、希死念慮のある子などは、SNS上で出会った大人に心を開いてしまうケースが多いでしょう。

 

オンライングルーミングでは、実際に会って性行為に及ぶ前に、身体の写真を撮って送らせる・ビデオ通話で性的な行為を強要するといった犯罪も目立ちます。

 

写真や動画をインターネット上で流出されないよう、その後長い間言いなりになってしまう子も多いため、子どもたちにはネットリテラシーをしっかりと身に着けてもらわなければなりません。

 

地域活動などを利用したグルーミング

近所に親しくしている大人がいたり、よく訪れる公園で頻繁に会う大人がいたりする場合、これらが性的グルーミングに繋がっている可能性も考慮しなければなりません。

 

遊んでいる子どもに近づいて「何をしているの?」「一緒に遊ぼう」などと声をかける事案は後を絶ちませんが、毎日行く公園に同じ大人がいると、子どもも次第に心を開いてしまいやすいでしょう。

 

お菓子をくれる・車に乗せるといった行動だけでなく、単なる声掛けであっても子どもに注意を促す必要があります。

 

家庭内におけるグルーミング

親が子どもを守るのは当たり前のことだと思われていますが、中には家庭内で性的グルーミングが行われるケースもゼロではありません。

 

家庭内のことだからこそ、「まさかそんなことをしないだろう」といった考えが念頭にあり、被害に気が付くのが遅れる可能性があります。

 

家庭内での性的グルーミングでは、兄弟姉妹・従兄弟・祖父母・親戚などさまざまな関係性の大人もしくは年上の兄弟が加害者になり得ます。

 

中には親が直接子どもを懐柔し、性的な行為に及ぶケースもあるでしょう。

 

こういった実態は近年の日本で実際に行われているものであり、決して過去の出来事ではありません。

 

家庭内での性的グルーミングが悪質なのは、「子どもは何があっても親を信頼している」という点にあります。

 

成長した子どもが親を避けることはあれど、幼児や児童など親なしで生きていけない子どもたちは、親に何をされても文句を言わずに耐えてしまうでしょう。

 

性的グルーミングだけでなく、虐待や育児放棄なども、子どもの純粋さを利用した悪質な犯罪です。

 

関連記事:知らず知らずに起こっている?ハラスメントの種類や防止方法を紹介

 

子どもだけでなく、大人の被害は?

 

性的グルーミングは子どもだけでなく大人も被害に遭う可能性があります。

 

大人も子どもと同じく、自分が被害に遭っているのに気が付きにくいのが特徴です。

 

性的グルーミングは一種の「洗脳」であるため、被害者自身がどう行動するかだけでなく、周りがいち早く気が付いてあげることが必要不可欠です。

 

また、大人の場合は「性的グルーミング」ではなく、洗脳によるさまざまなグルーミングにも注意しなければなりません。

 

今回ご紹介する具体的なグルーミングの例を参考に、周りの友人や同僚を少し気にかけながら生活してみると良いでしょう。

 

職場におけるグルーミング

大人の性的グルーミングで多いのが、職場内で起こるものです。

 

上司が特定の部下だけを贔屓していたり、ミスをすると必ず助けてくれる同僚がいたりと、一見良いことのように思える環境が性的グルーミングに繋がる場合があります。

 

「あの時助けてもらったから」といった恩があると、いざ性行為が行われそうになっても断り切れず、ダラダラと関係が続きやすいのも特徴です。

 

また、職場におけるグルーミングの中には、パワハラのようなケースも見られます。

 

「あの人は良くしてくれるから残業を強制されても仕方ない」「あの時助けてくれたから仕事をしっかり教えてもらえなくても仕方ない」など、理不尽な対応を関係の深さで黙らせようとするのです。

 

自分が周りとは異なる対応をされていると感じた場合、その人との関係がどうであろうと周りに相談することをおすすめします。

 

オンライン詐欺

インターネット上で行われる性的グルーミングも、子どもだけのものではありません。

 

大人の場合は出会い系サイトなどを通じて知り合い、関係を深めながら最終的に性行為へと繋がっていくケースが多く見られます。

 

また、性的ではないグルーミングの一種として、仲良くなったと思った相手から詐欺へ加担するよう指示されたり、実際に自分が詐欺に巻き込まれたりするケースもあるようです。

 

「友達を作りたいといって近づいてきたにもかかわらず高額なブレスレットを買わされそうになった」「心配していると見せかけて高額な保険に入らされそうになった」など、さまざまな詐欺に巻き込まれないよう注意が必要です。

 

洗脳

純粋な人や周りに裏切られた経験のない方などは、自分に良くしてくれた相手が悪いことをするはずがない、と思ってしまいがちです。

 

優しい心を持った人であれば、違和感を覚えつつも「信じてあげなければ可哀想だ」と傍に居続けてしまうこともあるでしょう。

 

こういった良心につけ込むことの上手い加害者は、次第に被害者を洗脳し、自分の言うことを聞くように変えてしまいます。

 

不都合なことでも黙って従い、言われるがままにお金を出したり性行為に及んだりする存在を作るべく、さまざまな手法で近寄ってくるでしょう。

 

恋愛詐欺

大人のグルーミングに多いのが「恋愛詐欺」です。

 

あたかも本当に自分のことが好きであるかのように対応しながら、実はお金目当てであったり、性行為が目的であったりと被害者の気持ちを弄ぶ行為が問題視されています。

 

中には「恋愛詐欺マニュアル」と題し、相手を言葉巧みに騙す方法をまとめて販売する手口もあるようです。

 

恋愛詐欺もまた、被害者は加害者に恋をしてしまっており、自分から距離を置くのが難しいという特徴があります。

 

金銭のやり取りや性行為はあれど、自分に寄り添うような言葉やお金のかからないデートなどがほとんどない場合は、グルーミングを疑うと良いでしょう。

 

お金を取るだけ取って音信不通になったり、妊娠後に姿をくらませてしまったりする悪質な手口も存在します。

 

長期間付き合っていても結婚の話題が出なかったり、しっかりと避妊をしてくれなかったりする場合も、今後のお付き合いを冷静に検討することをおすすめします。

 

グルーミングから子どもたちを守るためにできること

大人のグルーミングは自己防衛が鍵となりますが、子どもたちは十分に自分を守ることができません。

 

まずは子どもとコミュニケーションをとる機会を大切にし、お互いが何でも言い合える関係を目指しましょう。

 

具体的な被害について相談してもらえなくても、ほんの少しの変化や違和感で被害が判明する場合もあります。

 

また、子どもと普段近しい関係にある大人は誰なのか、親がしっかりと把握しておくことも大切です。

 

子どもだけで訪れた公園で知らない人と交流していないか、ネット上で知らない人とやり取りしていないか、逐一チェックしておきましょう。

 

インターネットの場合は適宜制限をかけるなどして、不特定多数の人と関われないように工夫しておくことも大切です。

 

このような対策は、時々子どもに「ウザい」と思われてしまうことがあります。

 

やはり大切なのは、コミュニケーションをとるのが当たり前の毎日を作っておくこと。

 

過干渉・過保護だと思われないために、子どもが自分の方から1日の出来事を話してくれるようにしておくことが重要です。

 

関連記事:自己肯定感が低い子供の特徴とは|注意すべき親の発言や行動

 

まとめ

幼い子どもからティーンエイジャー、大人まで幅広く対象とした悪質なグルーミング。

 

特に子どもの場合、一度の被害で心が壊れ、精神状態が不安定になってしまうケースも珍しくありません。

 

親はもちろん周りの大人が一体となり、悪質な犯罪から子どもを守りましょう。

リトリートとは?目的、方法、注意点を解説

 

私たちが生きている現代社会は、誰しもがしっかりと休息をとり、身体だけでなく心にも寄り添ってあげなければなりません。

 

常に忙しく目まぐるしい毎日を送っていると、徐々に疲労が溜まり、完全に回復できなくなってしまうでしょう。

 

そんな忙しい毎日を生きるすべての人に見てほしいのが、近年話題となっている「リトリート」です。

 

今回はそんなリトリートの意味や目的に加え、行うことでどんな利点があるのか詳しく見ていきましょう。

 

実際にリトリートを行うときの注意点についても確認し、正しく効果を得られるよう工夫してみてください。

 

リトリートの意味

 

日々忙しい毎日を送っている現代人の中には、当日溜まった疲れをその日中に癒せず、疲労を抱えながら頑張っている人もたくさんいます。

 

出勤日に頑張りすぎてしまうと、休日にいざ好きなことをやろうと思っても、なかなか重い腰が上がらないのではないでしょうか。

 

そんな現代人に必須ともいえるのが、今回ご紹介する「リトリート」。

 

「Retreat(退却)」、あるいは「Retreatment(再治療)」という単語から来ており、普段の毎日から一度退却して身体と心を癒そうといった取り組みです。

 

「そんなことをする時間があったら仕事をしたい」など、タスクに追われて休むことを考えられなくなっている方も少なくないでしょう。

 

しかし、リトリートをしないままどれだけ頑張っていても、疲れによってパフォーマンスが低下し、より良い仕事ができません。

 

脳・身体・精神の全てが適宜休息をとることこそ、効率的な仕事ができるようになるのです。

 

そんなリトリート、実は「これをするべき」といった具体的な行動が決まっているわけではありません。

 

ひとたび日常から離れ、深くリラックスできることならば、どんなことでもチャレンジできます。

 

今回ご紹介するのは、数あるリトリートの中でも比較的メジャーであり、誰しもが挑戦しやすい方法です。

 

自分が深くリラックスできる方法を見つけるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

 

関連記事:エプソムソルトでバスタイムにスキンケア|おすすめの商品を紹介

 

リトリートの目的

 

これまでメンタルヘルス分野で重視されてきた「Rest・Relaxation・Recreation」の3つにリトリートが加わったことで、より一人ひとり異なる状況に対応し、全ての人が過ごしやすいよう変化しました。

 

  • Rest(レスト):休息|身体や心を休め、疲れを癒す
  • Relaxation(リラクゼーション):くつろぎ|のんびりとした時間の中、穏やかな気持ちで過ごす
  • Recreation(レクレーション):余暇活動|疲労を癒すために気晴らしとして行う娯楽
  • Retreatment(リトリートメント):再治療|普段と違う環境に身を置き心からリラックスする

 

これらは精神学上でも重要な行いとされ、働き盛りの世代はもちろん、全ての世代が定期的に取り入れるべきだとされています。

 

周りが見えないほど仕事に没頭しなければならなかったり、家事や育児に追われて少しずつ疲れや鬱憤が溜まってしまったりする前に、上記3つのRに加えてリトリートの考えも取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

ストレス解消とリラックス

リトリートで得られる効果のうち、もっとも大きなものに「ストレス解消」があります。

 

私たちが抱えているストレスの内容はさまざまですが、大切なのはストレス源から一度距離を置き、余裕をもって対応することです。

 

人間関係であったり、忙しすぎる仕事内容であったりと、どんなストレスであっても対面し続けていては解決に至らないでしょう。

 

リトリートで日々の喧騒から離れ、ストレス源のことを考えずにゆったりとした気持ちで過ごすと、頭の中が整理され物事を正しく判断できるようになります。

 

心には十分なキャパシティが生まれ、ゆとりをもってストレス源と向き合えるでしょう。

 

自己成長

リトリートでゆったりとした時間を過ごしていると、頭はスッキリと冴え、さまざまな物事について深く考えられるようになります。

 

自分を取り巻く環境を見直すのはもちろん、自分自身の行いについても考えを巡らせ、より良い自分を目指せるでしょう。

 

改めるべき短所だけでなく、伸ばすべき長所についても考えることで、自分を認めながら成長へと繋がります。

 

心と体の健康促進

リトリートで充実した余暇を過ごすことで、身体的なストレスも解消されやすくなります。

 

特に頭痛や肩こり・腰痛など慢性化しやすい不調がある方は、悪化する前に休養をとり、身体を労わる時間を設けることが大切です。

 

さらにはストレスが溜まった状態を長く続けることで、精神的な不調を訴える方も少なくありません。

 

うつ病などで外出が難しくなる方もいれば、適応障害やパニック障害などストレスが身体の不調となって現れる方、原因が分かりにくいのが難点である自律神経失調症に悩まされる方などさまざまなケースが考えられます。

 

リトリートではこういった身体・精神の両方をケアし、さまざまな不調を防ぐためにも有効だとされています。

 

生活している環境によっては定期的にリトリートを行い、健康な身体を目指すことが大切です。

 

人間関係の改善

私たち人間が相手と良好な関係を築けるのは、適切なコミュニケーションと相手への思いやりがあるためです。

 

どんなに親しい間柄であっても、横柄な態度で接していれば心を開いてもらえなくなるでしょう。

 

こういった人間関係を円滑に進めるためにも、定期的なリトリートが必要だといえます。

 

自分の考えを整理し心に余裕を作ることで、相手のことを考えるスペースが生まれ、正しく評価ができるでしょう。

 

余裕のなさから生まれるすれ違いが減れば、今まで以上に相手の良さにも気が付きやすくなるはずです。

 

関連記事:仕事でストレスを感じたらやばい?原因や解消方法をご紹介!

 

リトリートのメリット

 

上記で挙げたさまざまな目的を元に行われるリトリートですが、1人で行う場合は誰にも邪魔されることなく、自由な時間を思い切り楽しめるのがメリットといえます。

 

周りに気を遣う必要がないため、ポジティブなことはもちろん、ネガティブなことについても納得いくまで考えられるでしょう。

 

普段は文句を言えない相手であっても、リトリート中ならば思う存分嫌だったことを思い返し、今後の対策を練ることも可能です。

 

また、リトリートは必ず一人でやらなければならないわけではありません。

 

気の置ける友人や家族、同じ環境に身を置く人たちと一緒にリトリートを行い、問題解決に向けてゆっくりと考えてみるのもおすすめです。

 

普段過ごしている中ではなかなか伝えられないことも、環境が変わると言い出しやすくなることもあるでしょう。

 

リトリートの選び方のポイント

 

リトリートにはさまざまな方法があり、自分が無理なくできるものを選ぶ必要があります。

 

まずは代表的なリトリート方法を参考に、やりやすいものから試してみると良いでしょう。

 

ヨガ

ヨガは体幹を鍛えて適度な柔軟を行うことで、凝り固まった身体をほぐす効果が期待できます。

 

ヨガをしている最中は深くリラックスした状態となるため、余計なことを考えたくない方や、身体を動かすことに集中したい方にもおすすめです。

 

また、デスクワークをしている方などは特に、日頃汗をかく機会が少なく運動不足に陥っている場合があります。

 

激しい運動を集中的に頑張るのではなく、ヨガのように長く続けやすいものを選ぶことで、運動を習慣化し健康的な身体を目指すことにも繋がります。

 

デジタルデトックス

デジタルデトックスとは、一定期間インターネットを遮断するリトリート方法です。

 

スマートフォンやPCなどを見ていると、さまざまな情報が頭に入ってくるため、脳が疲れやすいのが特徴です。

 

さらには画面が発するブルーライトによって、ドライアイや眼精疲労が進む点にも注意しなければなりません。

 

暇さえあれば電子機器を触ってしまうという方は、1日1時間から無理のない程度でデジタルデトックスを始めてみましょう。

 

ぼんやりと過ごすも良し、紙の本を手に取って活字に触れてみるも良し、スマートフォンに触れないこと以外は何をしても大丈夫です。

 

数あるリトリート方法の中でも自宅で簡単にできるため、旅行に行っている時間がない方や、今すぐに始めてみたい方にもおすすめです。

 

温泉

温泉は自宅の湯船とは異なり、素敵な風景とさまざまな効能を楽しめる点が魅力です。

 

名湯といわれる温泉を巡るのはもちろん、隠れた秘湯を訪れてみるのもおすすめです。

 

親しい間柄の友達や家族と共に、温泉旅行を計画してみても良いでしょう。

 

単なる温泉旅行と異なるのは、温泉以外の予定を詰め込み過ぎず、あくまでもリラックスできる旅にする必要がある点です。

 

ついあれもこれもと行きたくなってしまいますが、緻密なスケジュールを立てるのはやめ、現地で目についたものを楽しむ程度に留めましょう。

 

肩の力を抜いて旅を楽しめば、普段目に留まらない現地の魅力に気が付けるかもしれません。

 

森林浴

森林のもたらすリラックス効果は、緑の少ない土地で暮らす人々にとってかけがえのないものです。

 

山に近い場所に住んでいても、木々の中でゆっくりと過ごす毎日を送っている方は少ないでしょう。

 

特別な持ち物も必要なく、単に木で囲まれた場所を訪れるだけでも、心がスッと鎮まるのを感じられるはずです。

 

森林浴がなぜ良いのかというと、木から発生している「フィトンチッド」という成分により、血圧が下がったり自律神経のバランスが整ったりするためです。

 

森林浴をした日の夜は、普段よりも眠りにつきやすく、良質な睡眠をとれるでしょう。

 

リトリートの注意点

 

さまざまな利点のあるリトリートですが、行う際はいくつかの注意点を抑えておく必要があります。

 

第一に、リトリートは無理なく続けることが大切です。ストレスが溜まって疲れを感じているからといって、「やらなければ」と自分を追い込むのはNGです。

 

忙しい毎日の中で旅行の時間を確保するために無理をしてしまい、結果として身体を壊してしまっては元も子もありません。

 

また、リトリートを行っている最中は、ストレス源について冷静に考えられる状態がベストです。

 

考えを巡らせているうちに気持ちが焦り、よりストレスが発生してしまっては意味がありません。

 

「リトリートに来ているのだからなるべく早く問題を解決しなければ」と考えるよりも、「束の間の休息だから何か楽しいことを考えよう」と、気楽な気持ちでチャレンジすることをおすすめします。

 

関連記事:アロマテラピーのやり方や効果とは|おすすめのアロマディフューザーを紹介!

 

まとめ

日々頑張っているすべての人へ、定期的に試してほしいリトリート。

 

手軽にデジタルデトックスを行ってみたり、思い切って遠方へ行って静養してみたりと、自分に合った方法を見つけましょう。

 

電池で動くおもちゃは定期的に電池の交換が必要であり、充電式の家電は使った分だけ電気を貯め込まなければ動きません。

 

人間も明日を頑張るため、適度な休息をとりながら生活することが大切です。

フェミニズムとは? 歴史、問題、そして解決策

 

男性は外で働き、女性は家事や育児・介護などを担うのが自然とされていたこれまでの日本。

 

時代が変わるにつれ、今や働きに出るのも家事や育児をするのも性別を問わず行うべきだとし、男性と女性の差を埋めるための思想が広まってきました。

 

男女平等を訴えるこの考えは「フェミニズム」と呼ばれ、さまざまなシーンで呼びかけられています。

 

今回はこのフェミニズムについて詳しく知るとともに、これまでどんな歴史を辿ってきたのかや今後の課題などをご紹介します。

 

フェミニズムとは?

 

「フェミニズム」という言葉を辞書で調べてみると、「女性と男性の権利を同等のものとするための主張や運動のこと」だとされています。

 

由来となったのは女性らしさといった意味を持つ「フェミニン(feminine)」であるため、女性が声を挙げて主張することだと思われがちですが、実はそれが全てではありません。

 

正しい意味を理解しないままに言葉だけが一人歩きしてしまうと、さまざまな場面でトラブルを生んでしまうでしょう。

 

フェミニズムが掲げるのはあくまでも「男女平等」であり、「男性軽視」ではありません。

 

これまで軽視の対象であった女性が声を挙げることで、男性の立場が追いやられるのではないかと思う人がいますが、本来の意味は性別を問わず人々がみな同じ土台に立つことです。

 

男性を追いやって女性がさまざまな権利を得ても、いずれ男性が声を挙げる時代が来て、問題が繰り返しになってしまうでしょう。

 

昔と比べると、現代は女性の立場が男性へ近づきつつあるといえます。

 

しかしそんな中でもフェミニズムの考えが重視されているのは、私たちが産まれたときから刷り込みのようにジェンダーに触れ、それが当たり前だと思ってしまっているためでしょう。

 

男の子なら青や緑が好きな子が多く、屋外で走り回って遊ぶ。

 

女の子ならピンクが好きで、おままごとやお絵描きをして遊ぶ、といったように、知らず知らずのうちに固定観念として刷り込みが行われているのです。

 

そんな固定観念は大人になっても頭を支配し続けるでしょう。

 

仕事と家事・育児の割合だけでなく、男性は昇進をしても女性は変わらないままであったり、一度産休をとると元のポストに戻れなかったりと職場内環境にも大きな影響を及ぼします。

 

「女性は男性よりも賃金が低いものだ」「産休をとっても良いように重要な仕事は任せない」といったナチュラルな差別は、現代になっても減ったとはいえません。

 

フェミニズムの考えは、一部の人が声を上げ続けているだけでは意味がありません。

 

男性・女性や年齢を問わず、全ての人が意識しなくても男女平等を掲げられるよう、フェミニズムについて深く理解しなければならないのです。

 

関連記事:マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

フェミニズムの歴史

 

現代は男性・女性を問わずフェミニズムについて知っている人が増え、後は個人や企業がフェミニズムに対しどう考えていくかが問題となっています。

 

そんなフェミニズムの思想がいつ生まれ、現代までどのように変容してきたのか、詳しい歴史をご紹介します。

 

第一波フェミニズム

18世紀以前の世界では、政治に参加するのも、民衆を率いるのも全て男性でした。

 

女性は家業を手伝ったり、家事・育児をしたりして過ごしており、夢を持ったりいつもと違うことに挑戦したりする人はおらず、みな同じような人生を歩んでいたでしょう。

 

この頃の女性たちには男性に比べて教育が行き届いておらず、限られた知識の中で生きていました。

 

学校に行きたいと思っても、許されるのは土地や資産を持ったごくわずかな家の娘のみ。

 

一般家庭に生まれた娘たちは、自然と生まれた瞬間から生き方が決められてしまっていたのです。

 

ことの始まりは1789年8月に発表された「フランス人権宣言」。

 

「第1条 人は、自由かつ諸権利において平等なものとして生まれ、そして生存する。」から始まり、階級制度に悩んでいた人々にとって奇跡のような宣言でしたが、これが主に男性のみをターゲットとして作られていたことをご存じでしょうか。

 

自由や平等を謳っておきながら、男性と女性はこれまで通り顕著であり、女性は人権宣言後も男性の下で生活をしなければなりませんでした。

 

これに異議を唱える形で起こったのが「第一波フェミニズム」です。男性ばかりが自由を宣言し、どうして女性は自由に生きられないのかと考えた女性たちが、フランスを中心に抗議運動を開始したのです。

 

第一波フェミニズムでは女性にも参政権を与えることをメインに訴えが続けられ、20世紀にかけて女性が政治に参加する国が増えていきました。

 

このとき日本は明治時代であり、作家であり思想家の平塚らいてうらがフェミニズム運動を行っていました。

 

島国であるはずの日本が世界に取り残されることなく、同じ時代に女性の権利を求めるために声を挙げていたことは、その後の日本にとってかけがえのない一歩であったといえるでしょう。

 

第二波フェミニズム

長いフェミニズムに関する歴史の中で、第二波と呼ばれるのが1960年頃に起こった「ウーマン・リブ(女性解放運動)」です。

 

1945年に第二次世界大戦が終了してから、女性たちは男性との差を全て解消し、平等に生きることを目的として声を挙げ始めました。

 

これは性差によって起こる差別全てを対象としており、「男性だから」「女性だから」といった根本的な差を埋めるために行われたものです。

 

第二波フェミニズムの大きな特徴として挙げられるのは、フェミニズムと同時に「ウーマニズム」の考えが広まった点にあります。

 

女性らしさといった意味を持ち性差に関する差別をなくすフェミニズムに対し、ウーマニズムは「女性に対する差別全て」をなくすためのものです。

 

ウーマニズムの中には、性差による差別、人種による差別、年齢による差別など全ての不平等が盛り込まれていました。

 

この時期にスポットが当てられていたのは、女性が男性に比べて力が弱く、性的な問題においてはまだまだ弱者であったという点です。

 

望まぬ妊娠をしても中絶する権利が認められていなかったり、繰り返す性生活の中で身体を壊しても病気だと認められなかったりと、女性たちはさまざまな不平等の上で生活をしていました。

 

第二波フェミニズムによって女性たちは、徐々に中絶の権利や避妊の権利が与えられ、男性と同じく自分を大切にしながら性を意識できるようになっていくのです。

 

第三波フェミニズム

圧倒的な不平等の元、男性との差を埋めるために行われてきた第一波・第二波フェミニズム活動。

 

一方の第三波フェミニズムは1990年代に始まり、「女性とはこういうものである」といった固定観念から脱却するための活動として広まりました。

 

過激なロックバンドが「女性」という枠を超えて活動し始めると、一般人たちも次々に自分たちの手法で「ありのままの自分」を表現するようになったのです。

 

第三波フェミニズムの波は世界各国に広まり、現在までその考えが色濃く受け継がれています。

 

「女性は男性の三歩後ろをつつましく歩くべきだ」といったステレオタイプを捨て、どのような夢を追っても、どのような生き方をしても良いのだとする考えは、女性だけでなく男性にも大きな影響を及ぼすものでした。

 

フェミニズムの影では「男性は常に家を空けて仕事に勤しむべき」「男性は弱音を吐くべきではない」といった固定観念に苦しんでいた男性も多かったのです。

 

現在

現在の世界は、フェーズでいえば第四波フェミニズムの中にあります。

 

長い歴史をもつフェミニズムの考え方ですが、今もなお男女の差が完全になくなったわけではありません。

 

近年はスマートフォンの普及率も高水準をキープしており、若い世代を中心にSNSで考えを共有するシーンが増えました。

 

職場で男性との扱いに差を感じて嫌な思いをしたり、性暴力をふるわれた経験があったりと、これまで女性たちが自分の中に秘めていた悩みを匿名で打ち明けられるようになったのです。

 

世界のどこかに自分と同じ経験をした人がいたり、気持ちに寄り添ってくれる人がいたりするだけでも、抱え込んでいた辛さがふっと楽になるでしょう。

 

第四波フェミニズムでは、SNSにて「#MeToo運動」が行われました。

 

これはSNS上で性暴力の被害を訴え、隠された実態を明らかにすることで、社会全体でトラブルを防ぐ目的で行われたものです。

 

さらには日本国内で「#KuToo運動」なるものも始まり、出勤時にハイヒールを履くことを義務付けられるのはおかしい、といった考えも広まりました。

 

これまでのフェミニズムと異なるのは、芸能人など声の大きい存在だけでなく、一般人からこのような考えが広まるケースがある、といった点です。

 

私たちの誰もがフェミニズムに関係があり、辛い思いを発信することで団結力が生まれます。一人で悩まずに同じ悩みをもった人を見つけることで、社会全体の抑止力に繋がるでしょう。

 

関連記事:社内で円滑にコミュニケーションをとるコツや成功事例を紹介

 

フェミニズムの抱える問題

 

フェミニズムを語る上でもっとも注意しなければならないのは、ある「誤解」についてです。

 

これは一部の過激派に属する人々が、「男女平等」ではなく「女性重視・男性軽視」を訴えているためだといえます。

 

女性優先車両に間違えて乗ってしまった男性を袋叩きにして追い出したり、何もしていないのに痴漢の容疑をかけられた男性に対し「男性だから仕方ない」と批判してみたりと、さまざまな場面でフェミニズムを履き違えた男性軽視が行われています。

 

この側面だけを見てしまった人々は、フェミニズムの正しい意味を理解できず、「やっかいな人々」だと勘違いしてしまうことも多いのです。

 

2024年にSNS上で話題となったのは、「男児は何歳まで女性用トイレを使って良いのか」といった内容です。

 

防犯上幼い子どもが母親と一緒に女性用トイレを使うシーンも多い中、何歳であっても男性であることには変わりないため、女性用トイレに入ることを禁じてほしいといった声が上がっていました。

 

中には1人で歩けない乳児であっても男児であれば女性用トイレに入るべきではない、といった声もあり、賛否両論を生んでいます。

 

繰り返しになりますが、フェミニズムとは男女が平等な立場で生きられる世界を求める考え方です。

 

女性ばかりが優遇され、男性が損をする社会は平等ではありません。

 

大切なのは一部だけを見て「アンチ・フェミニズム」になるのではなく、正しい方法で平等を目指すことにあるのではないでしょうか。

 

関連記事:夫婦仲が悪い原因は?子供に与える影響や改善する方法をご紹介

 

フェミニズムの正しい知識を身につけよう

 

フェミニズム運動について正しく知るためには、まず識者の執筆した本を読むことから始めましょう。

 

先程も触れたように、SNSで一部の人の声ばかりを見ていると、考えが偏る原因となります。

 

フェミニズムの考え方も人によって細かく異なるため、根底となる知識を得た後、自分なりにフェミニズムについて考えてみるのが大切です。

 

また、フェミニズムを自分と関係のないことだと考えず、「自分ならどうするか」を考えるのも良いでしょう。

 

あなたが女性であれば、これまでに性差が理由で差別された経験や、そのときに感じたモヤモヤした気持ちについて振り返ります。

 

あなたが男性であれば、妻・兄弟・友人・母親など身近なところにいる女性にどう対応しているのかを振り返りましょう。

 

フェミニズムの考えを正しく広めるためには、女性だけでなく男性の力も必要不可欠です。

 

まずは自分の属する小さなコミュニティの中で、男性・女性にとっての差別が起きていないか考えることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

さまざまな歴史の中で現代まで発展してきたフェミニズム。

 

社会全体という大きなコミュニティを変える前に、身の回りからできることを始めましょう。

 

男性だから、女性だからといった考えを捨てるとともに、未来を生きる子供たちがより過ごしやすい社会づくりが必要です。

21日間のジャーナリングで人生を変えよう

 

※この記事は、アメリカの記事を日本語に訳したものです。

https://level.game/blogs/can-writing-affirmations-for-21-days-change-your-life?lang=en

 

「You Can Heal Your Life(あなたは人生を癒すことができる)」というアメリカの作家ルイーズ・ヘイの不朽の言葉には、世界中の人の人生を変えた深い真実が隠されています。それは「アファメーションの力」。つまり、シンプルで前向きな言葉によって、あなたの考え方そのものを変え、夢や願望を実現するための土台を作ることができるのです。数えきれないほどの自己啓発が実験されてきたが、21日間のアファメーションは、私たちを変革するための力強い方法であることがわかってきた。

 

このアファメーションは単なる希望的観測ではありません。ポジティブな自己イメージを築き、自分にふさわしい人生を引き寄せるために、潜在意識を書き換える方法なのです。

 

アファメーションとは

 

アファメーションとは、潜在意識をポジティブにし、ネガティブな思考を取り除き、自信を高めるためのポジティブな文言のことです。常にアファメーションを繰り返し、それを信じることで、ポジティブな変化を起こすことができるのです。「私は〇〇です」という言い方のアファメーションは、あなたの存在意義、そして能力を肯定し、あなたの自己肯定感を高める強力なツールです。こういったアファメーションは、あなたの幸福度を高めポジティブな人生を促すでしょう。

 

21日間のアファメーション・チャレンジ

 

ポジティブなアファメーションのやり方としては、毎朝5つのセリフを自分に語りかけるという方法があります。21日間アファメーションを書き続ける理由は、新しい習慣を作るには21日かかるという調査結果に基づいています。この21日間は、あなたの脳をポジティブ思考へといざなうための神聖な期間なのです。毎朝、5つのセリフを自分に語りかけることで、自分の強い決意を確認し、素晴らしい1日の幕開けとなります。

 

アファメーションの文言を作る

 

効果的なアファメーションを作るには、「私は〇〇だ」というフレーズから始めましょう。例えば、「私は愛と尊敬を受けるに値する人間だ」とか、「私は自分が思っている以上に強い人間だ」などです。こういうアファメーションは、個人的なもので、前向きな内容で、明確な言い方でなければいけません。さらに、現在形で唱え続けることで、あなたの心は、それがすでに起こっていることであり、未来のことではないと考えるようになります。例えば、もっと創造性を高めたいという人は、「私は想像力に満ちている」というアファメーションの後に文章を書くと、革新的なアイデアが次々と出てくるでしょう。

 

アファメーションを書くメリット

 

アファメーションを唱えるのではなく、実際に書くことで、あなたの精神的、感情的、そして肉体的な幸福にも大きな影響を与えることができます。主な効果をいくつか紹介しましょう。

 

精神的健康の向上: アファメーションは、しばしば不安やうつにつながるネガティブな思考を打ち消すのに役立ちます。ポジティブな結果に焦点を当てることで、より楽観的に物事を考えられるようになります。

 

自信がつく: 自分の存在意義を定期的に肯定することで、自己肯定感を高めることができます。「私は〇〇」という言葉は、自分への自信を強めるのに特に効果的です。

 

集中力が高まる: アファメーションを書くことで、目標を常に頭の片隅に置いておくことができ、目標達成に必要な行動を取りやすくなります。

 

ストレスの軽減: ポジティブなアファメーションは、思考を、心配事をからポジティブな視点へとシフトさせることで、ストレスを軽減することができます。

 

願望実現: 引き寄せの法則は、肯定的な思考に集中することで、肯定的な人生をもたらすことができるでしょう。アファメーションは、まさにこういった願望実現のためのツールです。

 

人間関係: 人間関係についてポジティブな発言をすることで、周囲の人と思いやりをもった協力的な環境を育むことができます。

 

自己回復: ヒーリングのためのアファメーションは、病気や怪我ではなく、健康や癒しに意識を集中させることで、回復や幸福感を促進することができます。

 

つまり、21日間アファメーションを書き続けることは、大きな自己成長と変容をもたらすための、とてもパワフルな取り組みなのです。この取り組みに必要なのは、ポジティブに変化したいという意欲と、毎日数分だけ行うという決意だけ。このアファメーションを毎日行うことで、人生のあらゆる分野において数えきれないメリットを受け取ることができるでしょう。

 

 

アファメーションを始めるために必要なもの

 

21日間のアファメーションを書き続けるために必要な道具はペンと紙で十分です。最も重要なのは、心をオープンにし、新しいことにトライする意欲、そして自己改善への決意です。自己肯定感、健康、キャリア、人間関係などの分野で、あなたが深く共感できるアファメーションの言葉を選びましょう。

 

アファメーションを日常生活に取り入れる

 

アファメーションを日常生活に取り入れるのは簡単です。日記に書いたり、鏡の前で声に出したり、瞑想中に心の中で繰り返したりして取り入れましょう。大切なことは一貫していることです。例えば「私は毎日癒されています」のようなアファメーションの時は、まるで癒しているような静かな時間に唱えると、特に効果があります。

 

アファメーションを書くメリット

 

アファメーションを日常生活にとりこむことは、自分の成長のためにも効果があります。これによって、自分の意思を固め、思考と行動を一致させ、自分は成功に向かっているというマインドセットを育てることができるでしょう。

 

以下の21日間モデルと、アファメーションの例を参考にしてみてください。

 

Day 1: あなたがなりたい自分をイメージしてください。

例: 私は自分を誇りに思い、自分のユニークな性格を称えます。

 

Day 2: 誰かを助けたときのことを書き、それがどんな気持ちになったかを書いてください。

例:私は人の人生に前向きな力を与えています。

 

Day 3:  あなたが今直面している課題を思い浮かべ、それをどう克服するかを考えてください。

例:私には、心が折れても立ち直る力がある。

 

Day 4: 1年後の自分を思い描いてください。

例:私は明るく成功した未来に向かっています。

 

Day 5: あなたの人生で乗り越えた困難な時期について、どのように乗り越えたかを書いてください。

例:私の人生には明確な目的がある。私はとても恵まれている。

 

Day 6: あなたが達成した目標と、それを達成した方法を書いてください。

例: 私は、日々の努力を重ねて目標を達成し、成功を祝うことができます。

 

Day 7: 失敗が教えてくれた貴重な教訓を振り返ってください。

例:私はどんな経験からも学び、成長します。

 

Day 8:  あなたにインスピレーションを与えてくれる人について書いてください。

例:私は友の偉大さに刺激をうけ、自分も人にインスプレーションを与えられるよう努力します。

 

Day 9: あなたが恐れていることを思い浮かべ、それにどう立ち向かうかを考えてください。

例: 私は強くて、立ち向かう勇気を持っています。

 

Day 10: あなたにとっての夢とその意味を書いてください。

例:私は夢を追い求め、一歩一歩夢に近づいています。

 

Day 11: 他人が言ってくれたあなたへの誉め言葉と、あなたをそれをどう感じたかを振り返ってください。

例: 私は自分の努力や資質を評価され、認められている。

 

Day 12: あなたの人生で変えたいことについて書いてください。

例:私は自分の人生を自分でデザインしている。

 

Day 13: 自分が信じられないほど誇らしく感じた瞬間について書いてください。

例: 私は自分の業績を誇りに思っています。

 

Day 14: あなたが身につけたい習慣とその理由を考えてください。

例:私は毎日、新しく前向きな習慣を身につけています。

 

Day 15: あなたにとって大切な人間関係について書いてください。

例:すべての人間関係で私は愛に満たされています。

 

Day 16: あなたが勇気を示した瞬間を振り返ってください。

例:私は勇気があり、自分が信じるもののために立ち上がる。

 

Day 17: 楽しみにしていることについて書いてください。

例:私は未来が楽しみです。

 

Day 18: あなたが学びたいスキルとその理由を考えてみてください。

例:私は人生のあらゆる分野で常に学び、成長しています。

 

Day 19: 今日、どのように自分に優しくできるかを書いてください。

例:私は自分に優しく、癒してあげる価値があります。

 

Day 20: あなたが安心できる場所について書いてください。

例:私は家族と仲間と一緒にいる時に安心できる。

 

Day 21:この20日間を振り返り、あなたがどういう成長をしたかについて考えてみてください。

例:私は自分の今までの道のりに感謝し、すべての学びを受け入れます。

 

アファメーションを書く時間

 

アファメーションを実践する方法は1つだけではありません。例えば、アファメーションを書くのに最適なのは、1日のうちで邪魔が入らず集中できる静かな時間帯です。多くの人は朝が理想的だと感じているようです。毎朝5行だけ書きながら自分に語りかけることは、自分のマインドに人生の目的意識と前向きな気持ちを植えつけるとても効果的な方法です。ただ人によってはアファメーションを夜に書きたいという人もいるでしょう。いずれにせよ大切なことは、静かな時間を選び、継続して行うことです。

 

アファメーションだけでなく、毎日瞑想を実践したり、ストレッチをして体調を整えたり、集中力や睡眠のために音楽を聴いたりするのも良いでしょう。ぜひあなたもアファメーションを試して、人生をさらにポジティブに変化させましょう。

マイノリティ・マジョリティとは? 多様な社会の理解を深めるために

 

2024年現在、日本の総人口は1億2千万人を超えており、誰しもが自分以外の誰かと関わりながら生きています。

 

そんな大人数のコミュニティで生きるためには、自分の考えだけでなく、周りの考えを柔軟に受け入れることが大切です。

 

今回は「多様性」の考え方が進む現代において、さまざまな場面で目の当たりにするマイノリティ・マジョリティについて考えてみましょう。

 

よく見られるマイノリティの種類や具体例を挙げながら、社会に与える影響や問題点に着目してご紹介します。

 

マイノリティ・マジョリティとは?

 

マイノリティ(minority)とは、ある事象において少数派となる考え方やその人々を指す言葉です。

 

元となったマイナー(minor)という単語には「それほど重要ではない」という意味がありますが、マイノリティの場合は重要かそうでないかといった意味は含まれず、単に数が少ないという意味を持ちます。

 

例えば、自分と相手の2人が話していて意見が対立した場合、どちらかがマイノリティとなることはありません。

 

しかし10人のうち1人が異なる意見を唱えた場合、それはマイノリティといって良いでしょう。

 

一方、マイノリティの対義語として挙げられるのがマジョリティ(majority)です。

 

こちらも元となったメジャー(major)には「重要」という意味がありますが、マジョリティの場合は単に「多数派」という意味になります。

 

人気アイドルグループの楽曲名にも使われた単語であるため、耳なじみのある方も多いのではないでしょうか。

 

マイノリティとマジョリティについて話し合うとき、しばしば「マイノリティ=差別の対象」と捉えられる場合があります。

 

本来の言語にそのような意味がないにもかかわらず、どうしてこのような考えが生まれてしまうのでしょうか。

 

続いての見出しでは、マイノリティの具体的な例を挙げながら、社会におけるマイノリティの立ち位置についてご紹介します。

 

関連記事:ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの重要性を徹底解説!

 

マイノリティの種類

 

一言でマイノリティといってもその種類はさまざまです。

 

あるコミュニティにおいて多数派だった人も、別のコミュニティに行けば少数派になることがあり、自分がマジョリティ・マイノリティのどちらに属するのかは場所・時間・人数などによって変わります。

 

これからご紹介するマイノリティの数々は、一部では批判の的となることもあり、社会問題として問題視されています。

 

自分の属する方だけでなく、周りの意見も柔軟に取り入れ、広い視野をもって問題に取り組むことが大切です。

 

性的マイノリティ

性的マイノリティ、別名「セクシャルマイノリティ」は、マジョリティ・マイノリティに関する問題の中でもひときわ議題に上がりがちです。

 

これは相手が性的マイノリティであることが分かりやすく、「自分とは違う」といった意識が芽生え、差別の対象となりやすいことが原因といえます。

 

近年、性的マイノリティに属する人々は、「LGBTQIA+」と表されることが増えてきました。

 

  • L:レズビアン|女性を恋愛対象とする女性のこと
  • G:ゲイ|男性を恋愛対象とする男性のこと
  • B:バイ|男女どちらも恋愛対象となる人のこと
  • T:トランスジェンダー|身体の性別と反対の性自認を元に恋愛をする人のこと
  • Q:クエスチョン/クィア|性自認や性的嗜好が定まっていない人のこと
  • I:インターセックス|性的な特徴を持つ部位が一般的な男女の状態に当てはまらない人のこと
  • A:アセクシュアル|誰にも恋愛感情を持たない人のこと

 

上記7つの分類に当てはまらないさまざまな性自認・性的嗜好を含める意味でも、最後に「+」マークをつけて表記されているのを多く見かけます。

 

中には身体の性別は男性・性自認は女性・なおかつレズビアンであるという、一見して男性が女性に恋をしているのと見分けのつきにくいケースも見られます。

 

また、男性と女性のどちらにも当てはまらない存在「Xジェンダー」なども増えつつあります。

 

全方向に愛情を持ち、性別を問わず恋愛ができる「パンセクシュアル」も、近年話題に上がることが多いでしょう。

 

男性は女性を、女性は男性を愛するのが「マジョリティ」とするならば、これらの性的マイノリティはまだまだ少数です。

 

しかしLGBTQIA+全体で考えると、人口の約1割程度が当てはまるといわれています。

 

社会的マイノリティ

社会的マイノリティに当てはまるケースは多種多様であり、誰が該当すると一概にはいえません。

 

端的にいえば、社会の大きな圧力の中で少数派に押しやられ、発言の権利が失われたり、差別の対象となったりすることが多いといえます。

 

社会的マイノリティの例として挙げられるのは、ホームレスや貧困層などの経済弱者、身体的・精神的を問わず障害を持つ人たち、女性などです。

 

特に古い時代は女性への差別がはなはだしく、仕事をする権利が奪われていたり、政治的発言権がなかったりすることも珍しくありませんでした。

 

こういった社会的マイノリティの考え方をなくし、性別・経済状態・身体的特徴に関わらず同じ生活ができるように配慮していくことが大切です。

 

エスニックマイノリティ

エスニックマイノリティは、日本語に訳すと「少数民族」となります。

 

私たちが暮らす日本においては耳なじみの薄い方も多いのではないでしょうか。

 

世界には190ほどの国がありますが、民族に分けるとその数は数千に上るといわれています。

 

これらの中には継承する人がいないためになくなりかけている民族もあれば、他民族との結婚を重ねて消滅した民族もあり、その数は常に変動を続けているといって良いでしょう。

 

日本の場合で考えてみると、大きく分けて3つの民族が存在します。

 

北海道を中心とするアイヌ民族、本土を中心とする本土人、さらには沖縄を中心とする琉球民族です。

 

これらのうち、もっとも数が多いのは本土人です。つまり日本においては、アイヌ民族と琉球民族がエスニックマイノリティに当てはまるといえるでしょう。

 

日本を出て世界に目を向けてみると、日本人は「アジア人」として一括りにされ、黄色人種として差別の対象になることがあります。

 

肌の色での差別は2020年代に入っても未だなくならず、私たちにとっても決して例外ではありません。

 

気が付かないうちに差別・偏見を持っていないか、一人ひとりが改めて問題に目を向けて考えてみることが大切です。

 

宗教的マイノリティ

近年、若い世代を中心に宗教への興味が薄れ、無宗教を掲げる人も増えてきました。

 

今も日本全体を見れば仏教がもっとも多く、日本ならではの神道が続きます。キリスト教など世界的に多くの信者がいる宗教も、日本の中ではわずか数パーセントしかおらず、宗教的マイノリティに当てはまるでしょう。

 

無宗教である人も含め、宗教的マイノリティが時として争いを生むケースもあります。

 

世界ではイスラーム過激派が猛威を振るったことをきっかけに、一般的なイスラム教徒が差別の対象となり、身体的・精神的に傷を負った事件もありました。

 

宗教的マイノリティでは、「相手のことを良く知らない」「何を考えているか分からない」といった理解の不足から差別や偏見が起こります。

 

日本国内では関心の薄い問題であるとはいえ、世界的に見れば大きな問題の一つといえるでしょう。

 

カースト制度

インドで行われているカースト制度について、教科書などで見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

カースト制度では国民を以下の5階級に分け、それぞれが異なる扱いを受けています。

 

  • バラモン:司祭
  • クシャトリア:王族
  • ヴァイシャ:庶民
  • シュードラ:隷属民
  • ダリット:不可触民

 

現在インド憲法ではカースト制度が明確に否定されていますが、国民の中では未だに色濃く根付き、差別の対象となっています。

 

バラモン・クシャトリア・ヴァイシャの3つは上流階級とされていますが、シュードラは下流階級、ダリットに至っては他の階級とコミュニケーションをとることさえ許されていません。

 

ダリットが少しでも触れたものは不浄であるとされ、他の人が触れるのを禁じているため、「不可触民」と名付けられたといわれています。

 

これはインドの制度ですが、日本でも一部の地域で同じような風習があり、兼ねてから問題視されてきました。

 

それがいわゆる「部落差別」。

 

始まりは江戸時代といわれており、武士や百姓・町人に分類されなかった一部の人たちが差別を受け、その子孫が今もなお差別に苦しんでいるのです。

 

勘違いされがちなのは、これらの人たちは江戸時代で単に差別に苦しんでいたかといえばそうではありません。

 

一部の人々は農林業・水産業に従事し、また一部の人々は芸能業に従事するなど、私たちの生活に欠かせない職業に就いていたのです。

 

つまり彼らの子孫も何ら差別されるいわれはなく、このような差別をなくそうとする試みが続けられています。

 

経済的マイノリティ

経済的マイノリティとは、その名の通り「経済的に苦しい人々」「貧困層」などを指す言葉です。

 

時にはホームレスや生活保護受給者であったり、時には年収200万円以下の人を指したりと、場合によってその対象は異なります。

 

例えば、オフィスでデスクワークを行う人を「ホワイトカラー」、現場で身体を使って作業する人を「ブルーカラー」と呼んだ時代がありました。

 

これは単に来ている服装のことだけでなく、大学を卒業していなければホワイトカラーにはなれない、一生懸命勉強しなければブルーカラーになってしまう、といった差別的意味合いで使われることも多かったのです。

 

これに伴い、「ホワイトカラー=高給取り」というイメージが広まりました。

 

一定以上の収入がある人々が貧困層をあざ笑うとともに、体力を使う仕事を見下す人も増えてしまったのです。

 

現在はというと、現場で働く人々はそれぞれ異なる資格を持っていることも多く、さまざまなスキルを要する仕事が増えてきました。

 

これに伴い、職業による差別が徐々に薄れてきたといえるでしょう。

 

関連記事:友達を作る場所はどこ?社会人で遊ぶ友達がいないのはやばい?

 

マイノリティ・マジョリティの使い方と具体例

 

これまでご紹介してきたマイノリティはごく一部であり、私たちの身の回りでもさまざまなシーンで使われています。

 

マイノリティ・マジョリティの具体例を元に、それぞれのイメージを膨らませてみましょう。

 

マイノリティの具体例

私たちがイメージしやすいマイノリティに、「左利き」があります。

 

右利きに比べて数の少ない左利きは全体の1%ほどしかおらず、どちらになるかは脳の発達の影響が大きいといわれています。

 

左利きだからといって差別を受けるケースはそれほど多くないものの、ハサミやお玉が使いにくかったり、駅の改札を通りにくかったりといった不都合を感じる方も多いようです。

 

これらの不都合全てに対応するにはまだまだ時間がかかると思われますが、今もなお右利き・左利きに関わらず過ごしやすい設備の導入が検討されています。

 

左利きと聞くと、「頭が良い」と思われるケースも珍しくないでしょう。

 

左利きの場合は右脳が発達しており、アーティスティックな感性を持っている方も多いようです。

 

さらには日常生活で右手を使わなければならない場面も多く、左右の脳をどちらも使っているために処理能力が速いともいわれています。

 

とはいえこれらの違いは微々たるものであり、個人差も考慮しなければなりません。

 

「左利きなのにテストの成績が悪い」などといった考えは差別の元となるため、利き手に関わらず同等に考えることが大切です。

 

マジョリティの具体例

日本人がマジョリティとなるケースとして挙げられるのは、主に日本に住んでいる場合です。

 

そしてこの場合にマイノリティとなるのは、日本に移り住んできた外国人やハーフの方々です。

 

学校や職場においてコミュニケーションが難しく、孤立してしまうケースも少なくありません。

 

こんなとき、マジョリティである日本人がとるべき行動は、マイノリティを特別扱いすることではありません。

 

日本語でやり取りができないのならば翻訳アプリを使い、生活スタイルに違いがあるのならば寄り添い、周りの日本人と同じように接することが大切です。

 

関連記事:人間関係が「めんどくさい」「疲れた」と感じる心理や対処法を解説

 

マイノリティ・マジョリティの影響

 

マイノリティ・マジョリティの問題は、いかなる場合であってもゼロにすることはできないでしょう。

 

人々の間で考えが割れたり、出身や職業が違ったりする限り、多数派・少数派の違いはどうしても出てきてしまいます。

 

問題なのは、時としてマジョリティがマイノリティの考えや生活スタイルを圧倒し、差別の対象として捉えてしまうといった点です。

 

経済的マジョリティでは家を失う心配がなく、カースト制度上では差別を受ける心配がないなど、マジョリティには一種の特権があります。

 

これは本人の意思に関わらず自動的に付与されるもののため、気が付かないうちにマイノリティを差別したり、下に見たりしてしまうこともあるでしょう。

 

私たちが重視しなければならないのは、「マイノリティ=悪」といった考えを根本から捨てることです。

 

自分と違うからといって悪いわけではなく、数が少ないからといって軽視して良いわけではありません。

 

冒頭でも述べたように、私たちはいつでもマイノリティ・マジョリティの両方に属しています。

 

考え方を変え、多数派・少数派に関わらず相手の認識を受け入れることが大切だといえるでしょう。

 

まとめ

マイノリティとマジョリティが対立してしまうのは、コミュニケーションが不足し、お互いを理解できていないことが原因です。

 

視野を広く持ち、相手の考えを受け入れることこそが、根本的な差別をなくす第一歩となるでしょう。

 

私たち人間に与えられたコミュニケーション能力は、相手をけなすためにあるわけではありません。相手を理解するためにその言語を使い、より良い社会を目指していくべきだといえます。

恐れるのは死よりも後悔。今を大切に生きる意味

 

Humming編集部 條川純のコラムをお届けします。

 

誰もが必ず経験する「死」。私たちは、大切な人を失う痛みを味わい、いつかは自分自身もこの世を去ります。

死ぬことは怖いというイメージがありますが、本当に死は恐れるべきことなのでしょうか。

 

最近知った友人の病気や、過去に大切な家族を癌で亡くした経験、そしてテレビやネットで耳にする著名人の訃報など、身近な出来事をきっかけに、私は死について考え続けてきました。そんな中で培ってきた私の死生観について話してみたいと思います。

 

恐れるのは「後悔」を残して死を迎えること

40歳を目前に、この先の人生を考えると共に、死を意識するようになりました。そして気がついたのは、私は死ぬことよりも、後悔を恐れているということです。

 

後悔のない人生を歩むためにも、私は他人を尊重し、思いやりを持って接することを大切にしたいと改めて感じています。そうすることが、自分自身の幸福につながると確信しているからです。

 

また、他人からの評価にとらわれるのではなく、自分自身に集中したいと思っています。

 

例えば、スマートフォンやソーシャルメディアに依存する生活を送っていると、他者と自分を比較してしまったり、「いいね」の数が気になったり、本当に大切なことを見落としがちです。

 

どんな情報でも簡単に手に入り、遠く離れた人ともオンラインでコミュニケーションが取れる便利な時代。だからこそ、大切な人に直接会ったり、旅に出て新しい経験をしたり、リアルな交流や体験を大切にしたい。直接的な人とのつながりや、五感を通して得られる生の経験には、かけがえのない価値があるはずです。

 

人生は一度きり。後悔のない人生を歩むために、自分と向き合い、今この瞬間を大切に生きていきたいです。

 

大切なひとの死を乗り越えるために

生きている間には、大切な人とのお別れを経験することがあるでしょう。私たちは、愛する人を失った時、計り知れない悲しみと喪失感に襲われます。

 

以前、親しい友人が親を亡くした時のことを思い出します。彼は耐え難い悲しみに襲われ、その対処法を見出すことができずに、自分自身を傷つけてしまったのです。悲しみの渦から抜け出せない彼を見て、私は死を乗り越える方法について考えさせられました。

 

現代社会では、家族が亡くなった後、残された親族はすぐに書類作業や法的手続き、請求書の支払いに追われ、死を受け入れる余裕がないことが多いように感じます。

 

大切な人を失った時には、思い出の場所を訪れたり、写真を眺めたり、故人を偲ぶ時間を持つことが大切です。また、「故人は最後に何を伝えたかったのだろう」と考えたり、「今の自分の生き方を故人が見たらどう思うだろう」と自らを振り返る内省の時間も必要でしょう。心の傷は簡単には癒えないものです。適切なケアを怠ると、その傷は長い間心の奥底に残り続け、私たちを苦しめる可能性があります。

 

悲しみに寄り添い、故人との思い出を大切にしながら、徐々に新しい日常を築いていくことが、大切な人の死を乗り越えるための健全なプロセスなのかもしれません。

 

避けては通れない「死」という現実

死は人生の一部であり、恐れるべきことではありません。むしろ、死を受け入れることで、今この瞬間を大切に過ごすことができるでしょう。

 

大切な人を失ったとき、或いは自分自身の死に直面したとき、悲しみや喪失感にとらわれるのは自然なことです。しかし、そこにとどまるのではなく、亡くなった人との思い出や、自分がこれまで歩んできた人生の旅路を振り返り、感謝の意を込めることが大切なのではないでしょうか。

女性のためのソープに込めた情熱と信念。「女性はもっと自分を大切にしてあげて」【高倉健社長インタビュー 03】

 

フェムケアという言葉が一般的になる前からこのカテゴリーの商品を手掛けてきたたかくら新産業。同社の挑戦は当時ほとんど知られていなかった経皮吸収という概念に着目したことに始まります。ハミングは今回、フェムケアの先駆者とも言える同社の社長、高倉健さんにインタビューしました。10年以上前からこの分野に取り組んできた高倉さんが、フェムケアを通じて伝えたいメッセージ、日本の女性たちがデリケートゾーンのケアを重視すべき理由をお聞きしました。

 

ーオーガニック商品を扱うたかくら新産業ですが、フェムケア商品も10年以上前から販売されていますね。どうしてこのフェムケアのアイテムを取り入れたのですか?

 

弊社はオーガニックのブランド始めて18年ぐらいになります。オーガニックを扱っていくなかで気づいたのは、ケミカル品を悪だと考える人がいるということです。私たちは、ものすごくストイックにオーガニックを追及していますけど、ケミカルが悪とは思っていません。それをちゃんと伝えたいと思いました。今では、経皮吸収という言葉をよく聞きますが、この言葉をを日本に普及させたのは私だと自負しています。なぜなら、私はまだこの言葉が日本で広まる前から経皮吸収に着目していたからです。

 

オーガニック原料が豊富なオーストラリアで商品を作ろうということになり、オーストラリアの工場に視察に訪れた時のことです。そこで妻が以前に乳がんになったという話をしたら、デオドラントに気をつけているかと聞かれました。「デオドラントに入っているアルミニウムで乳癌リスクが3倍高くなる」「脇はすごく吸収しやすい部位だから、脇に使うものは気を付けて」と教えてもらったんです。日本に戻り、オーストラリアで聞いた「吸収しやすい部位」について文献を探していたら、イギリスで行われた経皮吸収率の調査データを見つけました。

 

物質が皮膚を通してどのくらい吸収されるかを経皮吸収率と言いますが、これは身体の部位によって違います。腕の内側を1としたとき、頭皮が3.5倍、脇は3.6倍、下顎は14倍も吸収します。では、デリケートゾーンはどうなんだろうと調べたら42倍だったんです。その時にオーガニックに変えるべきなのは、経皮吸収率が一番高いデリケートゾーンでそのための商品を作らなければと思ったのです。

 

ーなるほど。そういう理由で、経皮吸収率が高い部位に使えるオーラルケアやデオドラント商品も扱っているのですね。

 

私の会社はフェイシャル商品は1個も作っていません。でも、フェイシャル商品はオーガニックにしても意味がないというわけではありません。ただ、私は人のまねが嫌なんです。誰もやってないことをやりたいですね。

 

ー「ピュビケア オーガニック」の最初の商品はイタリアで作られたとのことですが?

 

「ピュビケア オーガニック」がスタートしてから、ブランドのリニューアルは4回していますが、1番最初の商品は、デリケートゾーン商品の開発が進んでいたイタリアで製造しました。例えば、イタリアには、娘が生まれると母親がデリケートゾーンのアイテムの使い方を教えるという文化があるんですね。ある時イタリアの出張で泊まったホテルにあったトイレのビデの中にデリケートゾーン専用のソープが設置されていたのです。それなのに歯ブラシは置いていませんでした。イタリアは、歯ブラシよりもデリケートゾーンのケアの方が優先度が高いのか!と、とてもびっくりしました。翌日、工場でその話をしたら、イタリア人の従業員たちに「デリケートゾーン専門ソープなんて当たり前だよ」と言われました。日本人は身体の全ての部分をボディーソープで洗うと言ったら、「オーマイガッド!」と驚かれましたね。(笑)

 

ーイタリアでは、身体を同じソープで洗うことが驚かれてしまうことなんですね。

 

この体験から、デリケートゾーンを大切にするイタリアの習慣を日本にも伝えることが大事だと思いました。しかし、フェムケアアイテムは販売当初は全く日本では売れませんでした。なぜかというと、当時、デリケートゾーンの市場には生理用品しかなかったからです。デリケートゾーン用のソープもミルクもなく、そもそもそういうカテゴリーが存在しなかったので、日本人は誰も知らないわけですよね。そこで「デリケートゾーン・アンバサダー講座」を開催し、デリケートゾ―ンのケアが女性にとってどんなにメリットがあるかを伝えていきました。こういった試みを続けていくと、ケアすることのメリットを徐々に知ってもらえるようになり、フェムケア商品を手にする方が増えていきました。

 

 

ー「ピュビケア オーガニック」が他社のフェムケア商品とは違うところは?

 

まずは、徹底的にエビデンスと安心面にこだわっているところですね。我々は徹底的にオーガニックのものを使っています。例えば、膣の中には善玉菌と悪玉菌がいて、善玉菌がたくさんいると膣内環境が良くなり生理痛もひどくなかったり様々なトラブルになりにくいのです。でも、この膣をゴシゴシと化学品の入ったせっけんで洗うと善玉菌を殺してしまうんです。だから私たちは徹底的な天然成分、オーガニック原料にこだわっています。

 

また、ソープの泡にもかなりこだわっています。女性のデリケートゾーンの3大悩みは、かゆみ、かぶれ、匂いと言わますが、その半分が雑菌によるものです。さらにアンダーヘアがあると、どうしても雑菌が付着しやすくその状況で、織物シートや生理ナプキンでフタをしているとまさに雑菌パラダイスの状況です。ですから弱酸性の優しい成分で、優しく洗うことが大事です。これが私たちが泡に徹底的にこだわる理由です。

 

2023年の「ピュビケア オーガニック」のリニューアルでは、世界で初めて、カンジダを予防する商品を出しました。カンジダを性感染症だと思っている方が多いんですが、実はセックスをしてうつるのではなく、カンジダは常在菌でほとんどの人が身体に持っている菌なんです。それがストレスや食事が原因で発症しますが、今まではこのカンジダを予防する方法がありませんでした。

 

そこで注目されたのがナマコ由来の「ホロトキシン」という成分です。約10年前から研究開発をしている先生とご縁があり、膣カンジダの患者にも効くのではないかということで共同研究をすることになりました。その結果「ホロトキシン入り」のデリケートゾーン用ソープが誕生しました。膣カンジダの症状が出た患者さんにこのソープを使ってもらったところ、88%が継続して使いたいと答え、70%以上がカンジダのかゆみが減ったと答えました。

 

ー膣カンジダにアプローチするソープが生まれるまでには、長い道のりがあったんですね。

 

私たちは「ケアからキュア」を目指しています。ただケアしてきれいにするのではなく、キュアという治療に近いこともしていきたいんです。私たちは、デリケートゾーンのパイオニアとして、いつもトップを走っていたい。トップを走るためには、同じような商品を作っていても仕方ないので、病気が治る「キュア」という意識をもってものを作っています。他社とは次元が違う商品を作っています。

 

ーフェムケアについて男性の高倉さんがこんなにオープンに話してくれることに驚きました。日本では男性が触れにくいトピックだと思うのですが、どうして高倉さんはこれほど率直に話せるのでしょうか?

 

日本でデリケートゾーンのことをこんなに語れる男性は私くらいでしょう。(笑)女性向けのセミナーでもよく話しますが、男性の私が登壇して最初はびっくりされます。でも私自身は恥ずかしいという意識が全くなく話すので、聞いている女性たちも最後にはたくさんの質問をしてくれます。ものづくりをする時に私が一番大事にしてる言葉を紹介させてください。それは「ミーニング(意味、意義)」という言葉です。私はミーニングがないものは作りたくないし売りたくないと考えています。デリケートゾーンが流行っているから、デリケートゾーンが儲かると思って売るというようなことはミ―ニングがないと考えます。

 

だからしっかりとしたエビデンスがあり、お客様に納得して喜んで使ってもらえるものを作りたいと思っています。そういう思いで、産婦人科の先生、助産師さんたちとも話をする中で、女性の気持ちを聞いて、女性にとって1番良いものを作ろうという気持ちでやってきたので、 男性であることは自分にとってそんなに特殊なものだとは思っていません。

 

ー女性の性や、女性の性器を含めた身体と心のウェルビーングに対しての意識改革について日本の社会にどのような変化が必要だと思いますか?

 

男性のデリケートゾーンは『息子』と親近感のある名前で呼ばれる一方で、女性は『あそこ』と言われる。これは日本でデリケートゾーンの話をすることがタブー視されてきたことを示しています。でも、女性にしか赤ちゃんが産めない、そんなとても大事な場所なのにタブー視されているのはおかしくないですか?だから普通にオープンに語れる世の中になった方がいいと思っていて、そういう社会を作るためにいろんなことを少しずつやっています。

 

ー「ピュビケア オーガニック」商品を世に出すことで、日本の女性に送りたいメッセージとは?

 

女性は自分のことをもっと大事にしてほしいというメッセ―ジですね。女性は母性が強いのでどうしても他人優先になりがちです。結婚していたら旦那さん優先、恋人だったら彼氏優先、子供がいたら子供優先というふうに、自分のことをほったらかしでケアできていない方が多いと思うんです。デリケートゾーンはとても大事な場所なのに、見たこともないという女性が多いですよね。産婦人科の先生とよくお話をするんですが、デリケートゾーンに恥垢が溜まっていたりとケアができていない女性が多いそうです。それは自分のデリケートゾーンをしっかりと見ていないからなんですよね。膣はとても大事な臓器の1つなので、外見などの表面上だけではなく、しっかりと自分をケアして愛してほしいですですね。 

 

ーたかくら新産業がこれから挑戦しようとしていることはありますか?海外進出なども視野に?

 

日本だけでなく世界中の方に幸せになって欲しいので、海外に商品を輸出する海外展開を考えています。ここ5~6年で食品の開発もしてきました。外側にだけ良いものを使っても身体の中は変わらないので、まずは中から変えていかないといけないんです。だから、食べ物に関しても世の中をひっくり返そうと思っていて、ホールフードつまり一物全体食という良い原料をそのまま摂るということを推奨した商品を作っています。人間が何千年も食べているような自然なものを食べていれば副作用もないでしょう。現代は、便利という名のもとに保存料がてんこ盛りに入った加工食品ばかりを食べてきたから病気やうつ、または睡眠障害のある人が多いのです。こういった状況を変えるためにホールフードの食品を作っていきたいです。日本には、こういうものをを作っている人がまだほとんどいないので、なかなか広がりませんが、セミナーを開催したりして日本でもっともっと広げていけたらと考えています。

 

Interview 01

Interview 02

 

 

Profile
高倉健(たかくらけん)
1964年京都府生まれ。たかくら新産業代表取締役社長。西武百貨店渋谷店SEED館の企画担当を経て独立。世界中の化粧品や雑貨ブランドの輸入販売を経て、たかくら新産業を発足。オーガニックブランド「メイドオブオーガニクス」を立ち上げる。
takakura.co.jp/

30代は人生の転換期!?恋愛・健康・性事情まで赤裸々対談

 

Humming編集部の永野 舞麻と條川 純。もうすぐ40歳を迎える2人が、歳を重ねる中で感じた変化や40代への展望を赤裸々に語り合いました。全く異なるライフスタイルを送る2人に共通していたのは、歳を重ねるごとに感じたポジティブな変化。

 

恋愛観、健康、セックス論まで、等身大の姿を映し出す赤裸々トークをお楽しみください。

 

プロフィール

Humming編集長 永野 舞麻

1984年生まれ。16歳までを日本で過ごした後、海外へ移住。大学で出会ったアメリカ人の夫と結婚し、現在はカリフォルニア在住。3児の母。

高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。

今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。

 

Humming編集部Project Coordinator 條川純

1984年生まれ。アメリカ生まれ、アメリカ育ち。現在はひとり暮らしをしながら、生涯を共に過ごせるパートナーを探している。
ハミングを通して、自分自身と他者への優しさと共感を広めることをモットーにしている。

 

ライフスタイルは十人十色

ーお二人は同じ年ですが、結婚して3人のお子さんがいる舞麻さんと、ひとり暮らしをしている純さん。ライフスタイルはそれぞれ異なりますよね。人生には様々な選択肢があると思いますが、結婚や家族についてどのような考えをお持ちですか?

 

アメリカでは約2人に1人が離婚する時代。離婚は大変そうなイメージがあるので、必ずしも結婚にこだわらず、おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒に人生を歩んでいける方と巡り会えたら幸せだと思います。私はそれほど子どもが欲しいとは思っていないので、時間をかけてじっくり相手のことを知りながら、この人だと思える人に出会えたら良いですね。

 

ただ、年を重ねるほどに自分の気が強くなっているので、そんな私を好きでいてくれる男性がいるのかな……と不安に思うこともあります。理想の相手を探している間に、おばあちゃんになっていたらどうしよう。

 

舞麻私はアメリカ人の夫と結婚して14年目になります。夫とは20歳の時に出会って、同棲も遠距離も経験してから結婚しました。

 

とはいえ、元々結婚願望があったわけではありません。私の両親は離婚しているので、どうせ離婚するくらいなら入籍しなくても良いと思っていたのです。しかし、頻繁に日本とアメリカを行き来していたので、入国審査で手間取るようになり、スムーズに入国するためにという全くロマンチックでない理由で入籍しました。笑

 

ー純さんは相手のことをよく知ってから結婚を考えたいとのことですが、舞麻さんも同棲・遠距離を経験して、相手のことをよく理解してから結婚に至ったのでしょうか?

 

舞麻よく恋愛は3年と言われますよね。誰と恋に落ちてもいつかは冷めるのなら、いつか恋心が冷めた時も、家族として尊敬し愛していける人がいい。それを考えた時にこの人なら!とそう思えたことが夫との結婚の決め手になりました。とはいえ、20年以上連れ添っていても、今でも「この人無理!」と思うこともありますよ。お互いを思いやりながら微調整を続けています。

 

ー微調整とは?

 

舞麻例えば、私たち夫婦は良い関係を保つために別居したこともあるんです。長い間一緒にいると、自分と相手の境界線がなくなってしまい、相手のことなのに、まるで自分のことのように恥ずかしく感じたり、問題視したり、一心同体のようになってしまったからです。一心同体と聞くと聞こえがいいのですが、とてもお節介になってしまったんですね。絶対にこうした方がいいとか、こんな言い方をしない方がいい、とか。

 

物理的な距離をとることで、お互いを尊重できるようになり、新鮮な気持ちになれました。当時の私たち夫婦にとって別居は必要な選択でした。

 

実は、結婚前に遠距離恋愛をしていた時は、オープンリレーションシップを試したこともあるんです。

 

※オープンリレーションシップとは、パートナー以外の人とも身体的・精神的な関係を持つことを、お互いに合意している恋愛形態のこと。ただし、それぞれのカップルによってルールは異なり、お互いの合意の下で行われる。

 

ーオープンリレーションシップ?!それはアメリカではよくあることなのですか?日本だとあまり耳にしないかもしれない。

 

アメリカでは30〜40代のカップルでオープンリレーションシップをする方が多いと耳にします。実際に私の友人にはオープンリレーションシップを試している夫婦が2組いますよ。オープンな関係になることで、お互いに感謝できるようになり、相手を愛する理由を思い出せたそうです。お互いに納得しているのであれば、良い刺激になるのかもしれないですね。

 

舞麻確かに、ずっと一緒にいると、相手の存在に有り難みがなくなり、馴れ合いになってしまうこともありますよね。我が家は今はオープンな関係は望まないけれど、別居したことでお互いを思いやれるようになった経験があるので、相手と一定の距離をとることの大切さは理解できます。

 

ー夫婦やパートナーと一定の距離をとることは、より良い関係を築くための1つの手段なのかもしれないですね。

 

 

歳を重ねるほどに深まる、セックスの満足度

 

ー女性のセクシュアリティについても扱っているハミングだからこそ、お二人の性生活についてもお聞きしたいと思います。年齢を重ねるにつれて、性に対する考え方に変化はありましたか?

 

性に対する考え方は、20代と30代で、ものすごく変化しました。正直、20代の頃はセックスがあまり好きではなかったんです。痛かったし、そもそも自分の体が好きではなかった。性欲に対して恥ずかしさもありました。しかし、30代半ばからは、セックスを楽しいと思えるようになってきました。

 

ーそれはどうしてでしょう?

 

新しい人とセックスするたびに、新たな発見があるからです。アメリカ男性の多くは、女性が満足することを最優先に考えてくれるんです。だからこそ、私が喜ぶことを積極的に聞いてくれます。そのおかげで、自分の要望を相手に伝えられるようになり、セックスがより楽しめるようになってきました。

 

舞麻私は出産するたびにセックスが気持ちよくなったんです。一人目を出産した後、産む前とは全く違う感覚を味わいました。そのため、出産によって快感が増すものだと思っていました。しかし、純さんの話を聞くと、年齢を重ねたことや経験を積んだことも、セックスの満足度に関係しているのかもしれませんね。

 

時々、私はセックスそのものを楽しんでいるのか、それとも愛されている、求められていると感じることに喜びを覚えているのか、区別がつかなくなることがあります。肉体的な気持ちよさだけではなく、自分の存在が相手に求められている感覚に心地良さを感じます。

 

その気持ちすごくわかります。私も長く付き合った相手とのセックスは心が満たされます。

 

ーセックスは、体だけでなく、心も満たされる行為ということですね。歳を重ねるに連れてセックスが楽しめるようになる、歳をとるのも悪いことばかりじゃないですね。

 

健康面での不安を感じる40代。瞑想で今と向き合う

 

ーお二人とも、歳を重ねることについて、不安に感じることはありますか?

 

歳をとるに連れて、体が思うように動かなくなっていくことが怖いです。大好きな旅行に行けなくなったら本当に悲しいと思うんですよね。

 

高齢になると足腰が弱くなるとよく聞くので、35歳からジムに通って本格的に筋トレを始めました。また、バランスの取れた食事を心がけるようにもなりました。

 

舞麻私は自分がどんな更年期を迎えるのかが少し不安ですね。私よりも少し年上のママ友でホットフラッシュなどの症状に苦しんでいる方がいて、自分ももうすぐそうなるのかな……とか。先日読んだ本には、更年期は女性ホルモンの減少によって心臓病や動脈硬化のリスクが高まると書かれていて、さらに不安が増しました。

 

ー歳を重ねると、健康面での不安が増えてきますよね。そういった不安とはどのように向き合っていけば良いのでしょうね。

 

舞麻私は、不安を感じた時には、瞑想する時間を増やすようにしています。

 

なぜなら、瞑想することで過去や未来のことを考えるのではなく、今この瞬間に集中できるからです。起こるか起こらないかわからない未来に不安を感じるよりも、今、確実に起こっていること、例えば自分の呼吸に意識を集めることで気持ちがだいぶ楽になります。

 

私も最近瞑想をするようになりました。Hummingに関わるようになってから、メンタルケアの大切さを実感しています。

 

過去の経験が自信に繋がり、自分を好きになる

 

舞麻私は瞑想やカウンセリングを受けて自分と真正面から向き合うようになってから、自分のことをだんたんと好きになれました。

 

特別に美人なわけでもないし、モデルのようなスタイルでもない。出産の痕である妊娠線もちょっとあるし、時には家族に厳しく当たってしまうこともあります。それでも、自分と向き合うことで、過去の経験や嫌いな癖など全てを含めた今の自分を受け入れ、認めてあげられるようになりました。

 

瞑想だけでなく、ジャーナリングやヨガなど、自分と向き合う時間を大切にしている人は、そのままの自分のことを受け入れられている気がします。

 

私も歳を重ねるにつれ、少しずつ自分と向き合う余裕がでてきたなと。若い頃は、背が小さく、腰幅が大きいことにコンプレックスを抱いていましたが、今はジムに通ったり、瞑想したり、自分磨きに力を入れることで昔よりも自分を好きになれました。

 

また、これまでお付き合いしてきた男性から「あなたは美しいね」と褒めてもらえた経験が積み重なり、自信に繋がっていると感じています。

 

舞麻私は子育てを通して自信がついたかな。責任を持たなければいけない大切な存在ができたことで、強くなれたんです。私はこんなに大事な命を世に送り出したんだぞって。出産・子育てを経験したことで、宇宙の偉大さというか、自分のちっぽけさに気がついて、謙虚にもなりました。

 

ーお二人とも、恋愛や出産・子育てなどを経験することで、自分に自信を持てるようになったのですね。

 

自分に自信が持てるようになったからか、30代後半からは人間関係も楽になりました。人生は短いのだから、合わない人と無理に付き合う必要はないなと。

 

今いる友達は私に何かあればすぐに駆けつけてくれる、心の通い合った大切な存在です。たくさんの友達がいなくても、深い絆で結ばれた友達がいることに満足しています。

 

 

40代のビジョン。自分の幸せ・他者への貢献

 

ー最後になりますが、これから迎える40代。どのように過ごしていきたいですか?

 

40代はマイペースに楽しく生きたいですね。最近同棲していた彼氏とお別れしたので、引っ越しをして1人暮らしをはじめました。これまで1人暮らしの経験があまりなかったので、今は1人の空間を味わいながら、自分と向き合いたいです。そして、自分らしさを大切にしながら、仕事も頑張って、さらに生涯を共に過ごせるパートナーと出会いたいですね。

 

舞麻私は20代は働いてお金を稼ぐことに集中していて、20代の終わりから30代は子育て、そして30代半ばからは内面的なことやスピリチュアルなことに目を向けてきました。

 

これから迎える40代は自分磨きを続けながら、ボランティア活動などを通して、人のために活動していきたいです。

 

ホスピスでのボランティアや、シングルマザーが子育てしやすいような環境づくりのサポートなどに関わりたいと思い、登録を進めています。

 

私は自分のために、舞麻さんは誰かのために。だいぶ違いますね……。笑

 

舞麻自分のための時間も大切!

 

ーお二人のお話を伺って、30代半ばを境に、人生に対する姿勢や価値観に変化があったように感じました。過去の経験が自信に繋がり、自分らしい生き方を追求できるようになる。まさに、30代〜40代は人生の転換期と言えるかもしれませんね。これから迎える40代での変化も楽しみですね。

プレイセラピーのやり方や対象となる子供の特徴は?成功事例も紹介

 

私たち大人が誰かとコミュニケーションをとるときは、言語を使って繊細な気持ちの変化までしっかりと伝えられるでしょう。

 

しかし子供の場合はそうもいかず、抱えている気持ちを100%読み取るのは難しいものです。

 

そんな子供たちの精神状態を把握すべく考えられたのが「プレイセラピー」です。

 

日本語に表すと「遊戯療法」とも呼ばれており、子供にとってさまざまな効果があるといわれています。

 

今回はそんなプレイセラピーのやり方や対象となる子供の特徴をご紹介しながら、一体どんな効果をもつ療法なのかを探っていきましょう。

 

プレイセラピーとは?

 

プレイセラピー(遊戯療法)とは、私たち大人が子供の心を理解するために生み出された方法の一つです。

 

子供に対する療法は種類が豊富で、どの療法が合っているかはやってみなければ分からない部分も多くあります。

 

カウンセラーと対話しながらカウンセリングを受けてみましょうといわれても、問いかけに答えられず上手くいかない子も少なくないでしょう。

 

知らない人の前では緊張してしまったり、自分の気持ちを言葉で表すのが苦手だったりする子供に対し効果的だといわれているのがプレイセラピーです。

 

子供に好きなように遊んでもらい、その様子を観察することで抱えている気持ちを汲み取るために行われています。

 

一般的な会話形式のカウンセリングでは緊張してしまう子も、普段遊び慣れたおもちゃがあったり、初めて見るおもちゃに触れたりするうちに自然な態度で接してくれるようになるでしょう。

 

カウンセラーが時には見守り、また時には一緒に遊んでくれることで、子供もゆっくりと慣れていけるでしょう。

 

プレイセラピーの効果や狙いは?

プレイセラピーは、一見子供がただ遊んでいるようにも見えるため、どんな効果があるのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。

 

プレイセラピーでは、最終的な目標を「子供が自己表現できるようになる」などといった点に定めて行われます。

 

緊張しがちな子供は肩の力を抜いて他人と関われるように、他人に対し攻撃的な態度をとってしまう子供は気持ちを抑えて他人と関わりやすくなるようにするなど、状況に応じて声掛けの内容を変えていくことが大切です。

 

最初は黙って遊んでいるだけだった子供も、遊びを通して大人と心を通わせられるようになり、次第に同年代の子供と上手に関われるようになっていきます。

 

コミュニケーションに不安要素のある子供の中には、やりたいことがあってもどう声をかけて良いか分からなかったり、そもそも自分がどうしたいのか分からなかったりとモヤモヤした気持ちを抱えている子も少なくありません。

 

遊びを通して自分と向き合い、「自分はこう考えている」「自分はこうしたいと思っている」といった考えがまとまることで、他人との関わりもスムーズにできるようになるでしょう。

 

関連記事:自己肯定感が低い子供の特徴とは|注意すべき親の発言や行動

 

プレイセラピーと似ている言葉との違い

 

プレイセラピーと似ている言葉には、「療育」や「遊び」があります。

 

一見遊んでいるだけに見えるプレイセラピーが、これらとどう異なるのか見ていきましょう。

 

療育とは、精神障害・身体障害・知的障害とさまざまな状態の子供が受けるものです。

 

その内容は子供によって異なりますが、いずれもそれぞれの子供が悩みを解決し、今後社会に出る際に困らないような状態を目指すために行われます。

 

身体障害がある子には運動療法を、知的障害がある子には知育療法を行うなど、子供に合わせた方法を選ぶことが大切です。

 

遊びとプレイセラピーは似て非なるものであり、遊びの中で声掛けを行いながら悩みの改善を目指すのがプレイセラピーです。

 

通常の遊びではケンカをしたときや泣いているときにのみ声掛けをすることも多いですが、プレイセラピーでは子供の様子を見ながら常に声掛けをしていくのが特徴です。

 

子供にとっては普段の遊びと変わらないため、より肩の力を抜いて過ごせるのがメリットといえるでしょう。

 

プレイセラピーの対象となる子供の特徴

プレイセラピーを行うのに適しているとされるのは、おおむね3歳頃から小学校卒業程度までの子供たちです。

 

自分の言葉で少しずつ気持ちを伝えられるようになれば、プレイセラピーを受けても効果が見られやすいでしょう。

 

また、プレイセラピーの対象となる子供たちは、チック症や吃音症・場面緘黙症などで会話を避けがちな子や、暴力がみられ他人との関わりが上手くいかない子、不登校の子などさまざまです。

 

年齢に応じて言葉が出にくい子であったり、自閉症・ADHD・アスペルガー症候群などの診断が下りた子であったり、一人ひとりに合った内容で声掛けを行うことで効果が得られやすくなります。

 

療育の一部として行われるケースも珍しくありません。

 

これらの悩みを抱えた子供たちは、家でお父さん・お母さんや兄弟と関わっているだけでは悩みが改善されない場合があります。

 

プレイセラピーを上手く取り入れることで、子供へ負担をかけずにコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。

 

関連記事:自己肯定感が低い原因はプライドが高いから?親のせい?高める方法とは

 

プレイセラピーのやり方

 

プレイセラピーを行う際は、大まかな流れに沿って子供一人ひとりへ対応していきます。

 

まずは子供に日頃過ごしているのと同じ状態で、リラックスして遊んでもらうことから始めます。

 

これにより子供が抱えている悩みを明らかにし、どういった対応が必要なのかを浮き彫りにしていきます。

 

普段周りとうまく話せずに一人でいることが多かったり、気に入らないことがあると手が出てしまったりと、実際の様子を見ることで対応策を考えやすくなるでしょう。

 

続いて、これらの行動を起こすとき、本当は子供がどう考えているのかを考えます。

 

一人でいるからといって周りと遊びたくないわけではなく、本来であれば声をかけて混ぜてもらいたいと思う子もいるでしょう。

 

手が出てしまうのにも理由があり、どうやってイライラした気持ちを発散すれば良いか分からないだけかもしれません。

 

こういった一人ひとりの状況を踏まえ、ここでようやくプレイセラピーの目標を立てられます。

 

「自分で他人を遊びに誘えるようになる」「イライラしたときは一旦落ち着き、手を出さないようになる」など、無理のない範囲で目指すべき姿を考えることが大切です。

 

この目標を達成するためにどのような声掛けを行うべきか、時にはお父さん・お母さんも含めて話し合いが行われます。

 

プレイセラピーでの声掛けは特別難しいものではなく、「お友達を誘うときは何て言ったら嬉しいかな」「叩くと自分の手も痛いから、一度深呼吸してみよう」など子供の気持ちに寄り添うことが一番大切です。

 

一日で目標を達成する必要はまったくないため、始めたばかりのときは子供と他愛ない会話をするのも良いでしょう。

 

一緒に遊んでいる中で「この人が楽しい」と思ってもらえれば、自然と会話が続き、気持ちを伝えてくれる子も少なくありません。

 

関連記事:子供だけでなく家族全員の幸せを考える。悩める親の心を救う確かなメッセージ【保育士 てぃ先生のIt’s My Story】

 

プレイセラピーの成功事例

 

プレイセラピーを行っている医療機関や療育施設は非常に多く、成功する場合もあれば別の方法が合う場合もあります。

 

今回は江戸川大学で行われたプレイセラピーについて、伊藤渚氏がまとめた論文をご紹介します。

 

本件は小学校2年生の女子児童が学校へ行きたくないと訴えたことで、母親が心配して教育相談を受けたことが始まりです。

 

周りとのコミュニケーションが上手くいかず、時には手が出て周りと衝突し、2年生に上がったタイミングで学校へ行けなくなってしまいました。

 

泣いたり怒ったりといった情緒の不安定さが見られ、時には自傷行為に及んでしまうこともあったようです。

 

当初女子児童はプレイルーム内でのびのびと過ごすことができず、自由にして良いといわれても周りに迷惑をかけないように振舞ったり、ゲームをしても大人を勝たせたりといった「気遣い」が見られました。

 

髪を口に入れる様子から、落ち着かないことがあっても上手く言葉に出せず、気持ちを閉じ込めてしまうことが伝わってきます。

 

時間をかけるにつれ、女子児童はゲームで勝ちにこだわったり、のびのびと遊ぶ様子が見られたりするようになりました。

 

学校でトラブルがあった際にどう考えていたのか、自分の感情も素直に伝えてくれるようになったといいます。

 

「本当は一緒に遊べる友達がほしい」といった願いも口にするようになり、次第に自傷行為や暴力が少なくなっていきました。

 

最後まで見られた会話内での「攻撃的表現」においては、大人がごっこ遊びの中で攻撃的な言葉で傷つけられている役を演じることで、自分の周りの環境を客観的に見られるようになりました。

 

次第に学校での友達ができ、無事肩の力を抜いて生活できるようになるまで、時間はかかったものの彼女が得たものは大きかったといえるでしょう。

 

このように、プレイセラピーは解決までに長い時間を要することも少なくありません。

 

逆に言えば、時間をかけて行うことでその子の本質が見えやすくなり、信頼関係を築くことで子供の本当の気持ちを理解しやすくなるのです。

 

どんな子供でも心の中ではさまざまなことを考え、悩み、葛藤しながら生きています。これらの考えを大人が汲み取り、自然な形での放出を目指すことが重要です。

 

引用元:人との関わりがうまくいかない子どもとのプレイセラピー【PDF】

 

プレイセラピーの効果がない子供はいる?

「こんな子供はプレイセラピーを受けるべきではない」といった明確な指針は存在せず、やってみて初めて効果がなかったり、別の方法が合っていることが発覚したりする場合もあるでしょう。

 

また、自閉症やADHD・アスペルガー症候群といった発達障害が診断されている子供にとって、プレイセラピーが他者との関わりをスムーズにすることはあっても、発達障害そのものを克服できるかといえばそうではありません。

 

子供にとって良い方法を組み合わせて試し、時間をかけて他者との関わりを促してあげることが重要といえるでしょう。

 

まとめ

プレイセラピーは通常のカウンセリングとは異なり、遊びながら子供の自立を促せるものです。

 

堅苦しい話し合いが苦手な子も、好きなことで遊べる時間となれば、肩の力を抜いて過ごしやすいのではないでしょうか。

 

あくまでも療法の一種として、目標とする状態まで長い時間をかけて進んでいくことが大切です。

ボディポジティブとはどんな意味?日本や海外に与えた影響をご紹介

 

男性・女性といった性差や年齢に囚われず、ありのままの自分を愛せるように変化しつつある現代。

 

「こうであるべき」といった理想像は次第に崩れ、誰もが自分を愛せるような世界が来ることが理想とされています。

 

今回はそんな世界の変化の中で、自分の体をまるごと愛するために生まれた考え「ボディポジティブ」についてご紹介します。

 

今ある理想像を壊し、自分の体のどこが好きなのかを考えることで、さまざまな良い影響を及ぼします。

 

良い点だけでなく、ネガティブな意見についてもチェックし、ボディポジティブへの理解を深めましょう。

 

ボディポジティブとは?

 

ボディポジティブとは、2010年代に世界へ広まった言葉だといわれています。

 

それ以前にも体の特徴を愛し、人と比較せずに自分を愛そうとする人々はたくさんいましたが、「ボディポジティブ」という言葉が人々の心を動かしたのも事実です。

 

ボディポジティブのきっかけは、白人至上主義であった世界に対し反論を唱えた人々が、SNS上で「#BodyPositive」をつけて抗議を行ったことが始まりです。

 

白い肌、堀の深い顔、スリムで高身長な体型が美しいとされてきた世界において、これらに当てはまらない場合でも自らの体を愛せるようにとの願いを込めて広まりを見せました。

 

当初は一般人の間で行われていた投稿が、次第に著名人の間でも広まるようになり、結果として世界中で唱えられることとなったのです。

 

2015年頃になると、アニメ映画の主人公をふくよかな女性に設定したり、有名ブランドがプラスサイズモデルを起用したりといった変化が見られるようになりました。

 

そして2020年代に入り、これまでに美しいとされてきた価値観は徐々に崩れつつあり、マジョリティ・マイノリティに関わらずありのままの自分を受け入れられる人が増えてきています。

 

関連記事:20年間の「やせなきゃ」から解放された私が考える『ボディポジティブ』

 

ボディポジティブが注目されている理由

 

一般人の間で声が挙げられていたボディポジティブの考え方が世界中に広まることとなったのは、著名人が注目したのが始まりといえます。

 

一般人であればそのつぶやきは小さなものであり、目に留まる人も少ないのが現実です。

 

しかし著名人となれば話は別であり、称賛する声もあれば、同時に批判の声も多数集まることでしょう。

 

これまでにボディポジティブの考えを支持すると公表した著名人の多くは、「太っている」「美しくない」「見たくない」といった批判をはねのけ、堂々と自分を愛している人ばかりです。

 

そんな凛とした姿に心を打たれ、これまで自分に自信を持てずにいた人が心動かされることもあるでしょう。

 

ボディポジティブの広まりには、勇気をもって声を挙げた人々だけでなく、著名人の覚悟も欠かせないものであったといえます。

 

そんなボディポジティブの考え方は、これまで統一された容姿を目標としていたファッション・メイク・ヘアスタイル業界に大きな影響を及ぼしました。

 

さらには性差や年齢の壁とともに、今後の世界を変える大きな転換点として考えられるようになったのです。

 

女性が抱える身体のコンプレックス

 

ボディポジティブでは太っているか痩せているかといった単純な問題だけでなく、多くの人がコンプレックスとして捉えているさまざまな問題から解放され、ありのままの自分を受け入れることを目標としています。

 

例えば体重が急激に増えた場合などに見られる「ストレッチマーク」や、脂肪とは異なり凸凹とした見た目を気にする人が多い「セルライト」なども多くの女性が悩むポイントです。

 

ダイエットをして体重が減ってもこれらの症状が消えなければ、結果として自分の体に自信を持てないままになってしまうこともあるでしょう。

 

また、生まれたときから体にあるシミやあざのことを「バースマーク」と呼びます。特に顔などの目立つ部分にあるものは、取り去りたいと思う女性も多いはず。

 

中には美容外科や美容皮膚科・形成外科などに通い、治療を受けている方も多いのではないでしょうか。

 

誕生に絡めていえば、体内の赤ちゃんが成長するにつれ皮膚が引っ張られて起こる「妊娠線」もコンプレックスになりやすいポイントです。

 

本来赤ちゃんを守り育ててきた証となる妊娠線は決して恥ずかしいものではありませんが、線のない肌に比べて醜く感じてしまい、露出を極端におさえようとする方も少なくありません。

 

また、性別に関係なく起こりやすい「シミ」も、セルフケアではなかなか消えずコンプレックスとなりやすいものです。

 

これらのコンプレックスは他人に悪影響を及ぼすものでも、ただちに健康に害があるものでもありません。

 

これらの症状がある状態を「健康に生きた証」として捉えて受け入れることこそ、ボディポジティブの始まりといえるでしょう。

 

関連記事:デジタル修正はもう不要! ありのままのあなたが美しい

 

ボディポジティブが与えた影響

ボディポジティブの考え方は世界各国に広まり、各地に大きな影響を及ぼしました。日本でもボディポジティブの影響は大きく、私たちの生活は徐々に変わりつつあります。

 

今後の変化を受け入れるためにも、ボディポジティブが各国に与えた影響を見てみましょう。

 

海外

流行の最先端をゆく名立たるブランドたちは、ボディポジティブの考え方を受けて次々にプラスサイズのアイテムを取り入れるようになりました。

 

これまでサイズの大きな女性は専用のブランド内でしかファッションを楽しめず、自然とコーディネートの幅は狭まり、窮屈な思いをしていた人も多かったはずです。

 

有名ブランドが次々に行動を起こしたことで、今では数多くのブランドが豊富なサイズ展開のアイテムを販売しています。

 

これに伴い注目されるようになったのは、これまで厳しい基準を設けられていたファッションモデルたちです。

 

彼女たちはいわば「痩せすぎ」といわれるような条件を課せられており、中には栄養不足による死亡例があるなど状況は極めて悪いものでした。

 

ボディポジティブの考えが広まった後は、各国でモデルに対する厳しい体重制限を緩和し、モデルの低体重化に歯止めがかかったり、プラスサイズモデルが登場したりといった変化が訪れました。

 

さらにはディズニー映画をはじめ、「主人公は白人である」というイメージを払拭した作品が多く登場しました。

 

2023年に公開された「実写版 リトル・マーメイド」では主人公アリエル役にアフリカ系アメリカ人のハリー・ベイリー氏が起用されて話題を呼んでいます。

 

日本

世界に少し遅れ、日本でもボディポジティブに関するさまざまな意見が飛び交いました。

 

女優・タレントとして活躍する渡辺直美さんが「PUNYUS」を立ち上げたことも大きな変化の一つで、痩せている女性・太っている女性のいずれも同じファッションを楽しめるのが魅力です。

 

また、ボディポジティブに当てはまるのは体型の差だけではありません。

 

コスメブランド・資生堂では、病気で両足を切断した経験を持つローレン・ワッサー氏をモデルに起用。

 

障害の有無にかかわらず誰もが同じようにファッションやコスメを楽しみ、好きな人生を歩むための大きな一歩となりました。

 

ボディポジティブにネガティブな意見がある理由

 

ボディポジティブを素敵な考えだとする一方、受け入れられないなどのネガティブな意見も多いのが現状です。

 

やはり「美しさとは〇〇である」といった固定観念が人々の中から抜けておらず、自分の求めるものと差があるのが理由といえるでしょう。

 

肌の色が白く痩せていて、歯並びが綺麗で顔立ちが整った女性を多くの人が目指すあまり、理想像とかけ離れた存在を無意識で避けてしまうのです。

 

また、「ボディポジティブを理由に自分を磨くのを諦めているように思える」といった意見も多く見られます。

 

多くの女性が少しでも美しくなりたいとダイエットを頑張ったり、日々のスキンケアを欠かさずに行ったりしていますが、それを行わずに「この状態が美しい」という女性を受け入れられない方も多いのではないでしょうか。

 

さらに、プラスサイズボディの女性に対し、「美しさは関係なく、そもそも不健康である」といった声もあります。

 

肥満は現代人にとって生活習慣病の大きな原因となるため、標準体重をキープするべきだと考える方も多いでしょう。

 

ありのままの自分を受け入れた結果、病気になってしまっては元も子もないため、健康に影響を及ぼす場合は医師と相談の上生活を見直すことも必要だといえるでしょう。

 

関連記事:ボディポジティブ:体重計も投げ出して、ありのままを受け入れる

 

ボディポジティブ以外にありのままの自分を受け入れる方法

 

ボディポジティブに限らず、ありのままの自分を受け入れる方法はたくさんあります。

 

「セルフ・コンパッション」は、自分を労るといった意味の言葉です。

 

周りの人に優しくできる人は多くいますが、自分自身を心から労れる人は少ないでしょう。

 

気持ちを紙に書き出して整理したり、目を閉じて自分自身を見つめるための瞑想を行ったりしながら、周りの人と同じように自分を気遣い、褒め、認めることが大切です。

 

同じような意味の言葉として、自分を愛する「セルフラブ」があります。

 

自分と深く向き合い良いところを探すために、常に視野を内側に向け、自分中心に考えてみると良いでしょう。

 

良いことがあったときは素直に自分を褒め、ミスをしたときは次へつなげるために自分を励まします。何も成果を得られなくても、1日を頑張って生き抜いた自分を認めてあげましょう。

 

「アファメーション」は自己暗示の一種であり、理想を既に達成していると思い込むことでポジティブな気持ちになれる方法です。

 

「私は成功している」「周りに好かれている」と既に理想が叶ったような文章を作り、自分に向かって宣言することで、心に深く刻み込むことができるのです。

 

具体的な自分の成功がイメージできるようになり、前向きな毎日を送れるようになるでしょう。

 

まとめ

ボディポジティブの考え方は、決して世界中の全員に広まったわけではありません。

 

しかし「自分はダメだ」と思い込むよりも、「そんな自分も好き」と思えた方が、明るく素敵な明日を過ごせるのではないでしょうか。

 

多くの女性が既にボディポジティブの考えを受け入れ、コンプレックスを自身へと変え、新たな明日へ踏み出しています。

 

今気になるコンプレックスが理由で前を向けなくても問題ありません。さまざまな世界で活躍する女性たちが、あなたへ勇気と自信をもたらしてくれるでしょう。

まずは自分を大切に。子育てには”Boundary(境界線)”が必要?! 【Editor’s Letter vol.09】

Humming編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。

日々の暮らしで感じた気付きや、人生において大切にしていることを綴っています。

 

 

私が母親になったのは12年前。

 

右も左もわからない初めての子育て。

 

「〜しなければいけない」
「〜するべきだ」

 

自分で作ったルールにがんじがらめになり、子どもと笑顔で接することができない自分を責め続けていました。

 

そんな私は自分自身と周りとの”Boundary(境界線)”を意識するようになったことで、親子関係に変化を感じるようになりました。

 

親子であっても、同じ人間ではない。私は私。あなたはあなた。

 

自分と他者との間に境界線を引くことは、自分のために、そして相手のためにも大切なことなのです。

 

欲求を押し殺して子どもを優先するのが良い親なのか?!

長女が小さかった頃、私は自分の欲求と限界に気がつけませんでした。自分を押し殺してでも、娘の希望全てを叶えてあげるのが良い母親だと思っていたのです。

 

子どもはなるべく泣かせてはいけない。

離乳食は一から全て自分で作らなければいけない。

赤ちゃんに着せる衣類は肌に優しいオーガニック素材にこだわるべきだ。

自分の全てを子どものために捧げよう。

 

当時の私は誰に強いられたわけでもないのに、自分でルールを作り、「子どものためにもっとできるはずだ」「良い母親でいなければ」と自分を追い込んでいました。

 

しかし、私が良い母親になろうと頑張るほどに、子どもにも夫にもプレッシャーを与え、家族みんなを苦しめていたことにだんだん気がつきました。

 

他者への優しさは自分を満たしてあげてから

長女が4歳になると彼女自身の主張を言葉にすることも増え、イライラを抑えられずに娘を怒鳴ってしまったり、時には手を挙げそうになったりすることが増えました。

 

自分の全てを子どものために捧げているのに、結局は私が娘のことを傷つけているのかもしれない……。そんな自分に落胆し、子どもが寝静まった夜にひとり涙を流すこともありました。

 

その現状を変えたいと思い、夫に勧められて始めたのがセラピーです。

 

セラピーの時間は毎回子育ての話からスタートしました。当時の私はとにかく子育てのことを話したかった。また、幼少期のトラウマが自分の子育てを通じてフラッシュバックするように溢れ出てきていたので、そのことについても先生にたくさん話を聞いてもらいました。私がどんなに自己嫌悪に陥ったネガティブな話をしても「あなたはこんなにもお子さんのことを愛しているじゃない」「あなたは頑張っているよ」「そんな辛いことが子どもの頃あったのね」と、先生は私の良いところを見つけて言葉にして伝えてくれたり、幼少期に感じた私の想いに同調してくれたのです。

 

定期的に自分の内を言葉にすること、そしてありのままの自分を誰かから受け止めてもらえることで、まるで玉ねぎの皮が1枚1枚剥がれていくように、自分が本当に求めているものが見えてきました。

 

たとえば、朝はゆっくりお白湯を飲んだり、趣味のアートをしたり、自分のためだけに時間を使いたい。日中だって疲れた時はゆっくり休憩したい。私には家でのんびりする自分のための時間が必要だったのです。

 

自分自身が満たされない状態で、周りに手を差し伸べるのは難しいことです。酸素がない状態で酸素ボンベを付けずに他者を助けることはできないですよね。まずは自分の欲求を満たしてあげる。そうすることで誰かのためにも優しさやパワーを注げるということにようやく気がつけました。

 

自分のための時間がもたらす変化

それ以降、私は常に子ども優先という自分の考え方を改め、自分のための時間も大切にするようになりました。

 

たとえば、朝6時半までは自分のためだけに時間を使う。「朝6時半まではママは自分の時間を過ごすから、それまでは自分のことは自分でやってね」と子どもたちには伝えています。子どもたちも理解してくれ、早起きした時には、自分でフルーツやグラノーラを食べるようになりました。

 

日中に少し休憩したい時は、子どもたちには「このカップの中のお茶が空っぽになったら手伝うね」とか「時計の針が30分になったらお話を聞くね」とか「このアラームが鳴るまではママにひとりの時間をちょうだいね」などと伝え、自分のための時間を意識的に確保しています。

 

子どもたちにイライラして冷たい言葉をかけてしまいそうな時には、「今は優しい気持ちで会話ができそうにないから、落ち着くまで別のところに行くね。落ち着いたら必ず戻ってくるからね」と伝えて歩き去ることもあります。子どもたちが不安を感じないように「必ず戻ってくる」ことを伝えることが大切です。

 

その他にも、掃除や洗濯などの家事は子どもたちと一緒に行い、子どもたちがいない時間は仕事や趣味に全集中。お手伝いは子どもの自主性を育み、自尊心を高めるとも言われています。子どもといる時間に一緒に家事をやることで、自分の時間が増えて、子どもたちの成長にも繋がる。まさに一石二鳥です。

 

このように自分のための時間を作ることで、常に誰かのために何かをやっている状態から解放され、イライラすることが減り、子どもとの関係も良い方向に変化していきました。

 

私は私。あなたはあなた。”Boundary”の重要性

子育てに関する書籍やセラピーを通じて学んだことは、どんなに親しい間柄であっても、「私は私」「あなたはあなた」と境界線を引くことの大切さ。

 

境界線=”Boundary”。

 

”Boundary”を大切にすることで、パートナーや子どもを「一個人」としてみることができ、尊敬や尊重の気持ちを忘れずに接することができます。

 

また、相手からも自分の境界線を踏みにじられることがなくなり、自分の欲求に早く気がつき、満たすことができるでしょう。

 

私は子育てに境界線を意識するようになってから、心に余裕が生まれ、子どもや夫に怒りや悲しみをぶちまけてしまうことが少なくなりました。

 

もし、あなたが子育てを辛く感じているなら、”Boundary”を意識して、相手と同意できる境界線を見つけ、それを上手く言葉にして、自分のための時間も大切にして欲しいです。

 

自分を大切にできるからこそ、他者に対しても真に優しくなれる。私はそう感じています。

デートナイトでロマンチックな夏にしよう

 

あなたはデートナイトって聞いたことありますか?

 

デートナイトとは、夫婦やカップルが特別な時間を共有し、お互いの関係を深めるために設ける時間です。通常は、外出して食事や映画、コンサートなどのエンターテイメントを楽しむことが一般的ですが、場所やアクティビティはそれぞれの好みや予算に合わせて選ぶことができます。

 

あなたが、「パートナーとコミュニケーションがとれていない」「相手との絆をもっと深めたい」「ロマンチックな関係に戻りたい」こういったことに悩んでいるのなら、デートナイトをとりいれてみることをおすすめします。

 

アメリカで重視される夫婦の関係

アメリカに住んでいた時に、私がびっくりしたのは、子供がいる夫婦が、金曜日の夜を「デートナイト」と決めて、その夜だけはベビーシッターを雇い、夫婦だけでディナーに出かけていることでした。

 

日本人の母親としては、子供をおいて、夫婦だけで外出するなんて、無責任だな~、そんなこと私にはできない、と感じていました。

 

アメリカの夫婦は、このデートナイトに限らず、日々の生活のいたるところで夫婦の関係を大切にしています。その一つは、子供が生まれても、新生児の時から子供と夫婦の寝室を分けるところです。夫婦の寝室は夫婦だけの神聖な空間であり、子供と共有する場所ではありません。

 

日本人の感覚だと、ちょっとやりすぎではないかと思うこともありますが、こういった習慣は、アメリカ人カップルが年を重ねても、いつもロマンティックな関係を築いている秘密なのだなと感じました。

 

デートナイトのメリット

デートナイトは、夫婦関係をより健全で充実したものにするための素晴らしい手段だと感じます。

 

まず、忙しい日常生活の中でデートナイトを設けることで、夫婦間の絆を深める時間を確保できます。仕事や家事に追われる日々から解放され、お互いに専念できる時間は、感情的なつながりを強化し、夫婦の絆を深める助けとなります。

 

さらに、デートナイトは日常のルーティンに変化を与え、新たな刺激や冒険を与えるものでもあります。新しい場所に行ったり新しい体験をすることは、夫婦間の興味を刺激し、お互いをよりよく理解する手助けとなります。また、デートナイトではリラックスして笑い合ったり、共通の趣味や関心事について話し合ったりすることで、コミュニケーションの質を高めることもできます。

 

また、デートナイトは夫婦の個人的な幸福感を向上させる効果もあります。仕事や家庭のストレスから離れ、お互いを大切に思う時間を共有することで、リラックスして楽しいひとときを過ごすことができます。その結果、夫婦の幸福感があがり、良好な夫婦関係の構築につながるのです。

 

 

忙しい毎日にどう取り入れるか

メリットがたくさんありそうなこのデートナイト。あなたの忙しい日々の生活に取り入れやすくするためには、どうしたらよいでしょうか。

 

まず、日程を計画しましょう。忙しいスケジュールを考慮して、週に一度または二週間に一度の頻度でデートナイトを設けることを目指してみてはどうでしょう。カレンダーに予定を入れることで、デートナイトを優先しようと意識できます。

 

子供がいる場合は信頼できるベビーシッターや家族に頼ることを考えましょう。子供の世話を頼むことで、夫婦二人だけの時間を確保することができます。予算に合わせて経済的な選択肢を考えることも大切です。高価なデートではなく、予算に合わせたアクティビティや場所を選びましょう。

 

さらに、日常生活の一環としてデートナイトを取り入れることもできます。例えば、家での特別なディナーや映画鑑賞、散歩やドライブなど、外出しないデートも楽しむことができます。デートナイトは特別なイベントだけでなく、日常の中に組み込むことで継続しやすくなります。

 

最後に、お互いの関心や好みを考慮して、アクティビティや場所を選ぶことも大切です。共通の趣味や興味を持つイベントに参加したり、新しい経験を共有したりすることで、より充実したデートナイトを楽しむことができます。

 

デートナイト10のアイデア

  1. 近くの海、湖、川などに出かけて、子供の頃の水遊びにまつわる思い出をお互い話してみるのはどうでしょう。もちろん、泳ぐことも忘れずに!
  2. 2人でエクササイズのクラスを受けて一緒に汗をかいてみましょう。
  3. 遊園地に出かけ、子供に戻ったように2人で楽しみましょう。
  4. 夏は屋外コンサートに最高の時期。外で音楽を一緒に聞き、忘れられない夜を過ごしましょう。
  5. ポラロイドカメラを持って、お気に入りの町にくり出しましょう。お互いに写真を撮りあって、2人だけの写真マップを作ってみましょう。
  6. 行きたいレストランのリストを「この夏に制覇するレストラン」として作り、デートナイトのスケジュールの予定を立てましょう。
  7. 家でテイクアウトを食べながら映画を見ることが最高の時もありますよね。ジャンケンで勝った人がテイクアウトと映画を選び、2人で家でのんびりと楽しみましょう。
  8. ハイキングに出かけ、日の出や日の入りを楽しみましょう。
  9. プラネタリウムに行って、デート気分を楽しみながら宇宙について一緒に学びましょう。
  10. 2人で実現したい夢のリストを一緒に作って、2人の未来プランをたてましょう。

 

デートナイトをとりいれていつもと違う夏に

10のリストから、どれかさっそくやってみたいと思うものはありましたか?

 

私自身、子供が生まれても夫とは「父と母」ではなく「あなたと私」として、お互いいつまでもドキドキするような関係を維持したいと思い、月1くらいの頻度で、2人でデートナイトに出かける時間をとっています。意識的にこういった時間を作ることのメリットは、予想以上でした。

 

デートナイトは夫婦関係をより良くしながらお互いの幸福感をあげるために重要です。忙しい日常から離れ、お互いを大切にする時間を作ることで、より深い絆を築くことができます。

 

あなたもぜひ、デートナイトを取り入れてみてはいかがでしょう。

フランスのセックスセラピストに聞く、セックスを楽しむために一番大切なこと【カミ―ル・バタリオンさんインタビュー】

 

フランスは、性についてオープンな国として知られています。しかし、カップルたちも様々なセックスの悩みを抱えているようです。今回、ハミングは長年セックスセラピストとして活躍するカミール・バタリオンさんに話を伺いました。

 

カミールさんは、10代の頃に性の問題に関心を持ち、カップルのセックスライフの悩みに真摯に向き合ってきました。フランスでは比較的リベラルな価値観が浸透していますが、それでもセックスの悩みは避けられないのが実情のようです。

 

カミールさんは、セックスの悩みを抱えた時の最初の一歩は、パートナーとのコミュニケーションだと言います。フランスから届くカミールさんのアドバイスは、あなたのセックスライフをより豊かにするヒントとなるでしょう。

 

ーなぜセックスセラピストになろうと思ったのですか?

 

よく聞かれる質問です。16歳の時にセックスセラピストに関する本を読んで感銘を受けたのがきっかけです。その本から、カップルにとって性的なつながりが大切であることがわかったので、性的な悩みを持つ人を手伝うような仕事をしたいと思いました。ただ、当時は性に関する仕事に詳しい知り合いなどもいないし、そういうことに関心を持つこと自体をを恥ずかしく感じていました。「まあ、年をとって40歳くらいになった時にまた考えようか」なんて思っていました。でもその後、アメリカのサンフランシスコで暮らす機会があり、ここで「他人がどう見ているかを気にしないマインド」を身に着けて、25歳の時に長年の夢だったセックスセラピストになることができました。

 

 

ーあなたの肩書は「セクソロジスト」ですが、「セックスセラピスト」との厳密な違いはありますか?

 

国によって異なりますが、フランスでは、セクソロジストは大学で研究をする人、セックスセラピストは大学ではなく私的な機関などでその分野についてのスキルを習得した人です。そういった訓練方法の違いがありますが、どちらも、セックスに関する皆さんの悩みを解決するためのお手伝いをするということに変わりはありません。

 

ーあなたのクライアントがセックスに対して感じる一般的な悩みや課題について教えてください。

 

私のクライアントのほとんどは主に3つの理由から私のところを訪れます。性欲がないこと、次の2つは女性に多いんですがセックスに痛みを感じること、そして、セックス中にオーガズムを感じることができないという3つです。

 

ーそれらの悩みは、どのような原因から生じることが多いと考えますか?

 

その理由には社会的なプレッシャーと心理的なプレッシャーの2つがあります。まずは、「セックスとはこうあるべき」と私たちの考えをコントロールしようとする社会からの圧力です。セックスに関する「正常」がどういうものか、身体のイメージ、性的表現などに関しての見えない圧力がありますよね。それから、心理的な面では、セックスライフにブレーキをかけてしまうのがストレス、不安、トラウマなどの心理的な圧力です。これは、自己肯定感とも関係してきますね。

 

ー フランスでは、セックスや性に対して日本よりもオープンなイメージがありますが、それは正しいですか?そういうセックス観は、フランスのカップルの性生活にどのような影響を与えていると思いますか?

 

私はフランス人でありさらにセクソロジストという仕事をしているので、「あなたは、きっとセックスを愛する最高の恋人だろう」と言われます。(笑) もちろん、フランス人の中にはセックスが大好きな人もいますが、そうでない人だってもちろんいて、これは個人によりますね。ただ、フランスではセックスに関してオープンに話すことができて、セックスに関して話題にすることが普通のこととして一般的に受け入れられているという文化がありますね。

 

テレビや雑誌などのメディアでは性に関する話題がつきないし、インターネット上で多くの人が友達とセックスについて話していますよ。特にフランスの女性はセックスについて話すのが大好きなんです。あとは、フランスの学校の性教育の状況も年々改善されているように思います。フランスでは、積極的に学校で性教育が行われていますよ。

 

ーセックスについてなかなか話題に出しにくいというカップルたちにはどういうアドバイスをしますか?

 

多くの人がセックスについて話しにくいと感じていると思います。だって、恋愛関係にある相手とセックスについて話すなんてこれ以上居心地が悪いことはないですよね。多くの夫婦やカップルがセックスについて話すことができないでいるのが現状です。

 

でも、ここで大切なことは何よりもコミュニケーション。恥ずかしがり屋な人にとってコミュニケーションをとることが難しいことはよくわかります。でも、コミュニケーションがとれなければ、相手を理解することすらできません。だから、まずはコミュニケーションの大切さを忘れないでほしいです。でも、私のセッションに来る女性たちの中には、パートナーとセックスの話なんて一度もしたことがないと言う人もたくさんいます。「セックスライフで取り組むべき課題があることはわかっているのに、話せないんです…」と。こういうカップルほど、まずは最初の一歩として、会話を始める必要があります。

 

そして、相手とセックスについて話すことができれば、それはとても意義深くて素直に相手に向き合える時間となるでしょう。セックスについて率直に話すことができないカップルが、お互いが幸せになれるセックスをすることはとても難しいと思います。

 

 

ーセックスという行為は、男性を喜ばせるものというイメージがあります。

 

セックスについて考えるとき、私たちは気持ち良い前戯、男性の勃起、陰部への挿入などを思い浮かべると思います。つまり、「セックス=挿入行為」というイメージがあるんです。私がクライアントに伝えたいのは、このセックスに関するイメージを変えましょうということです。セックスには、挿入するという行為以上の意味があります。

 

例えば、実験でわかっていることの1つは多くの女性が、身体の別の部位へのやさしい刺激によって快感を得られるということがわかっています。例えば、クリトリスですね。まずは、一般的な私たちが持つセックスのイメージを変える必要があります。

 

ーなるほど。私たち女性がセックスをもっと楽しめるようになるためのアドバイスはありますか?

 

女性がもっとセックスを楽しめるようにするには3つあります。セックスでの自己肯定感を高めること、セックスに関する知識を身につけること、そして自分の身体をもっと知ることです。

 

1つ目のセックスにおける自己肯定感とは、自分の身体に自信を持つことです。それができると自分がどういったセックスをしたいかを相手にも伝えられるようになります。そうすれば、セックスをもっと楽しめるようになるでしょう。セックスにおける自己肯定感を高めることを最優先に取り組んでみてください。

 

2つ目は、セックスの知識をつけることです。これによって自分の体が何をすれば喜ぶのかを理解することにつながります。つまり、セックスの時間を存分に楽しむために必要な、あなただけのツールを見つけることができます。

 

3つ目は自分の身体をよく知るということです。身体がどんな刺激を欲しているのか知って、その刺激を受け取り楽しめるようにしましょう。セックスを本当に楽しむためには自分の身体についてもっと知ることが大切なんです。だから、本当にセックスを楽しむためには、体がどう感じているかを意識して、必要に応じてセックスの仕方を調整していきましょう。

 

セックスを楽しめていないな、と感じたら、相手とセックスをする前に、自分で練習しておきましょう。セックスの最中にどうやって呼吸をしたらいいかを意識してみたり、セルフプレジャーをしてみたり、あなたの体を探求しておけば、相手とセックスをするときにずっと楽になります。

 

ーすでに結婚している夫婦たちにも、セックスセラピーのセッションを受けることを勧めますか?

 

もちろんです。最近は、結婚する前にセッションを受けに来るカップルも増えているんですよ。「来年結婚するんだけど、自分たちの関係がちゃんと軌道にのっていけるかを確認したくて」「セックスについて、もっとちゃんと話し合っておきたいから」と言ってセッションに来られます。

 

研究結果でも出ていますし、私が今まで見てきたケースでも言えることですが、結婚や妊娠などの人生のビッグイベントの前でも、気になる悩みを抱えていたら、早めにセッションに来るほうが、後から取り組むよりも早く解決できることが多いんです。なぜなら、それによって問題を解決するためのツールを早い段階で手に入れることができ、自信がつき、自分で何とかできるようになったり、周りに助けを求めることができるようになるからです。どんなカップルにも、少なくとも年に一度は、セッションを受けることをお勧めします。

 

セッションに来ると、パートナーとセックスについて話さざるおえない状況になりますよね。パートナーとセックスについて話すことのメリットは、その会話をすることで「2人の関係が重要である」というあなたの意思を相手に伝ることになることです。そうでしょう?私たちの関係はとても重要だから、これを優先課題として今まさに取り組んでいると伝えているようなものです。その結果、セックスに対する満足度も自然と高まるでしょう。

 

ーセックスについて話すことがまだ恥ずかしいと感じている方へのメッセージはありますか?

 

あなたがセックスを楽しみたいのなら、まず大切なことは自分が何を望んでいるかを知ることです。それがわかれば、自分の体を探求することも、自分がどういったことをしたいのかを表現することも恥ずかしくなくなります。

セックスに関する著名な研究者であるエミリー・ナゴスキーさんはこう言っています。「あなたにひとつだけ覚えておいてほしいことがある。人生はセックスを楽しまないで過ごすににはあまりにも短いものです。だからセックスを存分に楽しもう」本当にその通りだと思います。人生は一度きり。セックスを楽しまないなんてもったいないですよ。

 

Profile:
カミ―ル・バタリオン

性別や性的指向に関係なく、個人やカップルが親密さの課題を克服し、スローセックスアプローチを通じて自己や他者とのより多くの喜びとつながりを育む新しい道を切り開く手助けをしています。フランスで心理学の学士号を取得し、ベルギーで家族と性の科学の修士号を取得しました。
Podcast:  A Frenchie talks about sex
https://www.camillebataillon.com/en/sex-therapy/

今日から始める、不安解消のための瞑想法

 

インターネットやSNSの発達により、私たちは世界中の情報を瞬時に手に入れられるようになりました。便利な反面、膨大な情報に振り回されてしまうことも……。

 

SNSで流れる友人の幸せそうな投稿を見て、自分の人生と比べてしまったり、ニュースで報道される出来事に不安を感じたり、気がつかないうちに心が疲れてしまうことがあるのではないでしょうか。

 

そんなときには、一度立ち止まって、自分自身と向き合ってみることが大切です。心の中に溜まったざわつきを手放し、内なる平穏を取り戻す。その1つの手段が「瞑想」です。

 

 

そもそも、瞑想とは

 

瞑想とは、自分自身の心と向き合い、内面を見つめるための方法の一つ。自分の心の状態を客観的に観察するためのツールと言えるでしょう

 

瞑想の方法は様々ですが、基本的には、静かな場所に座り、目を閉じ、呼吸に意識を向けることから始まります。瞑想中は、仕事の心配事、昨日の出来事、今日のやることなど、様々な考えや感情が頭の中に浮かんでくるものです。

 

最初はこれらの雑念を追い払おうとしがちですが、瞑想の目的は、雑念を無理に消し去ることではありません。むしろ、雑念をそのまま受け入れ、まるで空を流れる雲を眺めるように、客観的に観察することが大切なのです。

 

例えば、仕事の心配事が頭に浮かんできたら、「私は仕事の心配をしているな」と認識し、その考えにはあまり深入りせず、ゆっくりと呼吸に意識を戻します。このように、雑念をあるがままに受け入れ、静かに観察する練習を重ねることで、次第に自分の心の動きを客観視できるようになっていきます。

 

とはいえ、「瞑想を日々の生活に取り入れたい」と思っても、何から手をつけたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、誰でも気軽に始められる簡単な瞑想法をいくつかご紹介します。

 

初心者OK。今日から始める5つの簡単瞑想方法

 

1日5分、何もしない時間を作る

 

忙しい現代社会では、仕事に家事に育児と、毎日やることが山積みで自分と向き合う時間が後回しになりがちです。

 

だからこそ、意識的に自分と向き合う「無になる時間」を日々の中に取り入れてみましょう。最初は5分間でも大丈夫。継続することで少しずつ変化を感じることができるでしょう。

 

例えば、寝る前や起きる前の5分間、ベッドの上に寝転がり、目を閉じます。吸う息で腹部を膨らませ、吐く息で腹部を凹ませる。呼吸は心を落ち着けるための強力のツールです。ゆっくりと深呼吸をしながら、呼吸に意識を向けてみましょう。

 

最初のうちは、5分間でも長く退屈に感じるかもしれません。しかし、これを習慣づけていくうちに、次第に瞑想に集中できるようになり、心が落ち着いてくるはずです。

 

感じたことをノートに書き出す

 

 

朝目覚めた直後、まだボーっとしている間に、頭の中に浮かんでくる様々な思いを、そのままノートに書き出してみましょう。これは「モーニングページ」と呼ばれる手法で、頭の中をスッキリとさせ、一日をフレッシュな気持ちで始めるのに効果的です。

 

ノートを開いたら、思いつくままに書き始めます。例えば、「昨日は夜遅くまで仕事をしていたから、まだ眠い…」「今日は友人との約束があるから、楽しみだな」「最近運動不足だから、今日は公園を散歩しよう」など、何でも構いません。

 

大切なのは、文章の形式や見た目にこだわらず、自分の感情や思考を自由に表現すること。スペルの間違いや文法の誤りを気にする必要はありません。目安は3ページ。頭の中を言葉にして、ペンを走らせてみてください。

 

「モーニングページ」を毎朝続けていくことで、自分の思考パターンや感情の変化に気がつけるようになるでしょう。

 

ヨガをする

 

ヨガは心身のバランスを整える古代からの知恵です。ポーズに合わせて深く呼吸をすることで、体に酸素を十分に取り込み、老廃物を排出できます。同時に、呼吸に意識を向けることで雑念が消え、心が静まっていくのを感じられるでしょう。

 

今では、YouTubeでも様々なヨガのレッスンを気軽に受けることができます。

 

「朝ヨガ」や「夜ヨガ」といった、時間帯に合わせたプログラムや「自律神経を整えるヨガ」など、特定の目的に特化したプログラム、また、5分や10分といった短時間で完結するレッスンも多数あります。

 

これなら忙しい日々の中でも、隙間時間を見つけてヨガができるでしょう。ヨガを通して、心身のバランスを整え、不安感を和らげていきましょう。

 

瞑想グッズを取り入れる

 

 

瞑想を始めるにあたって、専用のグッズを取り入れるのも一つの方法です。香りや視覚的なアイテムなど、自分に合ったグッズを探してみましょう。

 

たとえば、アロマディフューザーを使って、お気に入りの香りを部屋に広げるのも効果的です。ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のある精油を使えば、心が落ち着き、瞑想に集中しやすくなります。

 

他にも、ビー玉が流れるオブジェを眺めているだけで今に集中できる商品なども販売されています。視覚的に心を落ち着けるアイテムを自宅に飾り、「無になる習慣」を作るのも一つの方法です。

 

 

不安に襲われたときは、瞑想の力を借りよう

 

不安感に襲われたとき、私たちは「あの時こうしていれば…」「もし〜だったらどうしよう」といった考えを繰り返し、ネガティブな思考から抜け出せなくなることがあります。

 

そんなときこそ、瞑想の力を借りてみましょう。深呼吸をして今この瞬間に意識を向け、不安な感情をそのまま受け止めるのです。

 

最初は難しく感じるかもしれませんが、毎日5分でも自分自身と向き合う時間を持つことで、徐々に瞑想が習慣化され、不安への対処法が自然と身についていくでしょう。

 

心の平穏を取り戻す第一歩は、自分自身と向き合うことから始まるのです。

「腟のケアは40代からでも遅くない」 鍼灸師の栗本夏帆先生に聞く腟ケアの最初の一歩

 

あなたは、腟まわりのケアをしていますか?ハミングは今回、『うるおいの腟レッチ』の著者で、鍼灸師の栗本夏帆先生に、腟のケアについて聞きました。生理痛やセックスレス、更年期障害のことと同じように、腟についてもっとオープンに話すことが大切だという栗本先生。どうして腟ケアが必要なのか、具体的にはどんなことから始めたら良いのか、また最近のお勧めのフェムケアアイテムについて教えていただきました。

 

ーー 栗本先生には2022年にもインタビューをさせていただき、(インタビュー記事はこちら)病気になる前に対策をとる“未病治”という考え方を教えていただきました。この“未病治”の意識はどうしたら日常生活に取り入れることができるでしょう?

 

“未病治”というのは病気になる前の段階のことです。例えば、 ぎっくり腰になってからではなく、ぎっくり腰にならないようメンテナンスのために鍼治療をしておくというふうに、病気になる前に予防することを“未病治”と言いますが、この考え方はぜひ多くの方に知ってほしいと思います。“未病治”のために実際にできることとしては、まず自分自身のことを知るということでしょう。例えば、自分の腟がどういう状況かを鏡で見ておく、ということ。そうすると、何か変化があった時にすぐ気づけて病院に行こうとか、保湿をしてみようとすぐの判断ができ、大きなトラブルになる前に気づけるようになります。

 

ーー “未病治”のためにも腟のケアが大切なんですね。ただ、多くの女性にとって、腟は普段の生活で見る機会もなく、あえて刺激せずとも静かに守っておけばいいのではと考える人も多いように思います。なぜ、腟ケアが必要なのでしょう?

 

腟まわりは意識をして取り組まないと鍛えることが難しく、また年齢とともにどうしても衰えててしまう部分だからです。加齢とともに筋力が衰えると血流も悪くなり、乾燥するので、傷つきやすくなります。その結果、感染症にかかったりとトラブルの原因になってしまうんですね。だから、将来的にこういうトラブルが起きるんだよということを知っておいたうえで、今できることは何かと考えることが重要です。筋力が衰えることで起きる臓器脱や子宮脱という怖い病気がありますが、こういった病気の予防にもなります。日常生活の悩みとして多いのは尿漏れがありますね。腟ケアは尿漏れの予防にもなります。

 

ーー 栗本先生は腟まわりのケアとして、清潔にする、保湿する、 筋力をつけるの3つが大切だとお話されています。今まで腟まわりのケアを意識したことがない人が、まず最初にできることは何でしょう?

 

まずは清潔にするということですね。最初は、ソープを切り替えるのが1番取り入れやすいと思います。お風呂で腟まわりを洗うソープを、刺激が弱くデリケートゾーンのph値に合わせたタイプのものを使うということからスタートしてみると良いでしょう。腟専用のソープにするのが面倒だったり、コスト的に厳しいという方は、腟まわりのph値に合わせた全身にも使えるソープがあるので、そういうものに切り替えるのも良いでしょう。そうするだけでも腟まわりの乾燥を防げますし、清潔にすることを自然と意識して洗えるようになるでしょう。そうすると、臭いや蒸れもなくなり、雑菌の繁殖から起きる病気の予防につながります。

 

 

ーー 栗本先生は、腟を清潔にするためにはアンダーヘアをカットした方が良いと提言されていますが、なぜでしょう?海外では、女性のアンダーヘアの脱毛が一般的でびっくりしました。

 

私はアンダーヘアは全部なくて良いと思っています。なぜなら、その方が腟まわりをきれいに洗えて、保湿もしやすく、さらに蒸れません。またこの部分の変化にも気づきやすくなり、良いことづくしです。日本でも最近はVIO脱毛のように、昔よりは脱毛が認知されていますが、海外では性やフェムテック系の知識がより浸透していますね。生理を迎える時に親がちゃんと話したり、学校でもピルが普通に販売されているところもあったりと、小さい時から性について触れる機会が多いと、アンダーヘアをカットすることも自然にできるのではないかと思います。

 

ーー 前回のインタビューでは、 腟まわり専用ソープをおすすめのフェムケアアイテムとしてご紹介いただきました。最近の栗本先生のおすすめのアイテムは?

 

私が最近はまっているのが、「アミ―コットンライナー」という使い捨ての布のおりものシートです。

 

他のおりものシートと何が違うかというと、通気性が一般のおりものシートの176倍以上と言われていて、夏など暑い時に感じる蒸れを全く感じなくなったんです。最近もまとめ買いしましたよ。

 

ーー 腟は年齢とともに衰えるとのことですが、これから更年期を迎える世代の女性にとって、今さら腟ケアは遅いのではと感じる人もいます。そういった年代でも、腟ケアを始めて効果はあるのでしょうか?

 

効果はあります。ですから、気づいた時にすぐに始めてもらいたいですね。何歳からでも遅くないですし、40代から始めておけば、50歳前後で来る更年期への心の準備にもなります。腟まわりのことを知ることで、更年期の症状の勉強にもなりますから、腟ケアは40代からでも全く遅くないですよ。

 

ーー 栗本先生は、子どもが小さい時からの性教育の大切さについてお話されています。私も7歳の娘に生理について伝えたいと思うのですが、どう話したら良いのかわかりません。親が子どもと性についてもっと気軽に話ができるようにするには、どんな工夫ができると思いますか?

 

私は小学生くらいの時から、母親に「どうやって生まれたの?」などとよく聞いていたんです。その好奇心に対して親から「そんなこと聞いちゃダメ」と言われていたら、その時の私は子どもなりに、これはあまり聞いてはいけない内容なのだと思ったでしょう。私の親にはそういう意識が全くなかったことがとても大きかったですね。だから、お子さんが疑問に思った時に、親はそれにふたをしないということがポイントかなと思います。子どもの好奇心を大切にしてあげて、性について当たり前のように話してみるのが良いのではとは思います。

 

ーー 親が、性について話してはいけないって思っていると、それは子どもにも伝わるので、まず親の意識から変えていかないとですね。

 

まずは、親御さんが知識を得るというのが大事だと思います。そうしていけば、「お母さんは今日こういうことを知ったよ~」という感じで、お子さんと共有することができます。「女性の体にはこれからこういうことが起きるから、こういう風に準備していこうね~」などと、知識として伝えていくのが良いと思います。

 

 

 

ーー 栗本先生が総括をされているグラン治療院には「フェムケア鍼灸」というメニューがありますが、これはどういった鍼灸ですか?

 

はい、「フェムケア鍼灸」は更年期や生理痛の症状などに悩まれている方のための身体全身の鍼灸治療です。女性特有のこういった悩みに、鍼灸が効果があるということを知らない方がすごく多いので、それを知ってもらうきっかけに「フェムケア鍼灸」という名前にしました。この鍼灸では、女性ホルモンを調節したり、体の水分バランスや気の流れを整えたりと、悩みに沿ったツボを整えることができます。女性の悩みにフォーカスした鍼灸院として、2022年の10月には、池袋にyuragi鍼灸院がオープンしましたが、現在はこちらでフェムケア鍼灸をご提供しています。

 

ーー 「オンライン鍼灸」もありますが、鍼灸はオンラインでも受けられるのですか?

 

はい。「オンライン鍼灸」はオンラインでつながって、私たちが指示するつぼにシールを貼っていただくという方法です。予約いただいた段階で、ご自宅にツボ刺激ができるシールをお送りをし、ご予約日にそのシールを使って、悩みのツボを相談しながら、ここに貼りましょうと指導をさせていただくのが「オンライン鍼灸」です。こちらは、新型コロナ禍にスタートしましたが、遠方の方、小さなお子さんがいる方や介護中の方などひとりで気軽に外出できない方のニーズに答えられていると感じますね。

 

 

ーー グラン治療院が予定している、今後の新しい取り組みはありますか?

 

はい。骨盤底筋群を鍛える機械の導入を進めています。骨盤底筋群を鍛えることで、尿漏れ予防にもなるのですが、ここは自分ではなかなか鍛えにくい身体の部分なんです。この機械に座ると磁気の刺激を受けて筋肉が動くので、実際にどのあたりに力をいれれば骨盤底筋群を鍛えられるのかわかり、自分でもトレーニングがしやすくなります。この機械は、現在(2024年5月現在)は横浜スパイアス院でキャンペーン価格にて体験ができます。今後は他の店舗でもこの機械を導入し、座るだけで骨盤底筋が鍛えられるメニューを用意していく予定です。

 

栗本さんの書籍:『うるおいの腟レッチ』

栗本夏帆 著 ¥1,760/光文社

 

Profile

栗本夏帆(くりもとかほ)

鍼灸師、温活士、鍼灸院『グラン』統括院長。(一社)日本鍼灸協会理事、(一社)日本フェムテック協会常任理事なども務める。女性の心と身体の健康のための学びや相談の場を提供し関連商品のアドバイザーや、フェムテックの啓蒙を行っている。著書に『うるおいの腟レッチ』(光文社)。

https://biyoshinkyu.net/

Instagram @kaho_kurimoto

40歳を目前に考える、限られた人生の過ごし方

 

Humming編集部 條川純のコラムをお届けします。

 

久しぶりに会った友人の子どもの成長に、時の流れの速さを実感する今日この頃。40歳を間近に控え、これまでよりも時間の尊さを感じるようになりました。

 

私は少し前、2年間交際した彼との別れを経験しました。彼は優しく、私のすべてを受け入れて愛してくれた人。しかし、一緒にいる期間が長くなるに連れて、彼の内面の複雑さを知り、別れを選ばざるを得ませんでした。

 

けして傷つけられたわけではなく、それどころか彼からたくさんの優しさをもらっていた私。別れを意識しはじめてからは、「私がわがままなだけなのかも……」「ありのままの彼を受け入れるべきなのでは……」と罪悪感を感じることもありました。

 

しかし、悩んだ末に自分の本心に従うことを決め、その結果、彼を深く傷つけてしまったのです。

 

この経験を機に、過去を振り返り、これからの人生の過ごし方を深く考えるようになりました。

 

Humming編集部Project Coordinator 條川純

1984年生まれ。アメリカ生まれ、アメリカ育ち。現在はひとり暮らしをしながら、生涯を共に過ごせるパートナーを探している。
ハミングを通して、自分自身と他者への優しさと共感を広めることをモットーにしている。

 

 

流れのままに生きてきた39年間

これまでの人生を振り返ると、私は大きな人生の決断に関して、いつも流れに身を任せるタイプでした。特に恋愛においては、相手の優しさに惹かれ、深く考えることなくお付き合いを始めることが多かったのです。

 

そういった傾向は、中高時代に感じたコンプレックスが影響しているように思います。私は中学高校の4年間を日本のインターナショナルスクールで過ごしました。そこにいたのはスラリとした美人ばかり。アメリカで生まれ育ち、これまで食事のカロリーや自分の体型を気にせずに過ごしてきた私とはまるで異なっていたのです。

 

さらに、日本ではスリムで可愛い女の子が男の子から人気を集めていました。いつも友達の影に隠れる私。当時は自分自身をまるで「みにくいアヒルの子」のように感じ、寂しさを感じていたのです。

 

そんな経験から、男性に優しくされると嬉しさのあまり、深く考えずにお付き合いをしてきました。「私のことを好きになってくれなんて……」という思いが強かったからです。

 

若さゆえの未熟さから、最終的には自分のことも、相手のことも傷つけてしまうこともありました。

 

とはいえ、良いことも悪いことも経験したからこそ、今の私がいる。これまでの自分の選択を後悔しているわけではありません。

 

しかし、40代を間近に控え、さらに彼との別れを経験したことで、今後の自分はどんな人生を歩んでいきたいのかを深く考えるようになったのです。

 

40歳を目前に考える自分の生き方

広くて綺麗な豪邸に住んだり、高級車を所有したり、ブランド物で着飾ったり、私はそういったことを望んでいるわけではありません。私が求めているのは自分の心に正直に生きること。

 

仕事においては、情熱を注げる環境を自ら選び、目標に向かって全力で取り組みたい。そして、おばあちゃんになるまで働き続けるのが理想です。

 

恋愛面では、一生を共に過ごしたいと思える相手と出会い、愛し合い、サポートし合って穏やかに生きていきたい。

 

そして、人生の終わりを迎える時には、自分に対して「頑張ったね」と言えるような、後悔のない人生を歩みたいと強く願っています。

 

そのためにも、これからは流れに身を任せて生きるのではなく、キャリアも友情も恋愛関係も、これまでよりも慎重に選択していきたい。人生はあっという間に過ぎ去っていくから、限られた時間をより有意義に過ごしたいからです。

 

特に恋愛においては、付き合ってから「なんだか違うかも……」ということが起こらないよう、お付き合いをする前にもっと相手のことを知る努力をしたいと思っています。

 

人生の主人公は自分自身

自分が本当に大切にしたいものは何か。
どんな人生を歩みたいのか。

 

40歳を目前にした今、私はこんな問いを自分自身に投げかけています。

 

人生は有限。私たちは毎日着実に死に近づいています。死を意識して生きていくことは、不吉なことや悪いことではないと私は思います。むしろ、限られた時間をどう生きるかを考える良いきっかけになるのではないでしょうか。

 

どんなに慎重に生きていても、人生には思わぬ出来事や困難があるでしょう。それでも、失敗を恐れずに挑戦し、うまくいかない時は方向転換する勇気を持つ。そして何よりも自分らしく生きることを大切にする。人生の主人公は自分自身なのだから。

 

あなたはどんな人生を歩んでいきたいですか?

 

辞めることで起こったパラダイムシフト。実は色々なことをやりすぎていた?幸せの鍵はLess is More。 【Editor’s Letter vol.08】

Humming編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。日々の暮らしで感じた気付きや、人生において大切にしていることを綴っています。

 

 

 

 

綺麗な服を着飾るのが好きだった。

人脈を作るために積極的にランチに出かけた。

出張で世界中を飛び回っていた。

 

振り返れば、私はいつも自分の表面的なことを磨くことに力を注ぎ、忙しない日々を過ごしていました。

 

どちらかと言えば、派手で騒がしくて、外交的。そんな私が今では約1年間の時を経て、段々と外出を極力減らし、家の中で静かに瞑想をしています。

 

内と向き合う時間を大切にする。自分が大切だと思っていたことを辞めることを決断する。選択肢が少なくなることで、迷いが減り、穏やかな心で過ごせる時間が増えました。さらに、これまで気がつかなかったことに目が向けられるようにもなったのです。

 

40歳を目前にして起こったパラダイムシフト。

 

そのきっかけは何だったのか?内と向き合うことで現れた変化とは?私の体験談をお話します。

 

現状を受け入れ潔く辞めた海外出張

 

数年前までの私は、仕事や旅行で世界中を行き来したり、知人とランチに出かけたり、忙しない日々を送っていました。頻繁に会議のために日本へ、ケニアへ映画の撮影に行った帰りに、ロンドンに寄ってミーティング。来月も出張と家族旅行を合わせてニュージーランドへ行く予定になっていました。毎月スケジュール帳はいつもぎっしりと予定で埋め尽くされていました。

 

先月、予定していた日本出張の少し前のこと。体調を崩し、やむなく全ての予定を一度キャンセルすることを決断したのです。

 

もちろんキャンセルすることに対して、約束していた人たちへの後ろめたさや残念な気持ちもありました。しかし、自分の置かれたありのままの現実を受け入れ、入れていた予定を全て潔く”手放す”ことで、時間にも心にも余裕が生まれ、自分自身に思わぬ変化が現れたのです。

 

何事も”始める”のも勇気がいるけれど、”辞める”のには更に勇気がいる。しかし、4年前から始めたメディテーションで段々と自分の内側が変わりつつあったところに加えて、少し前に体験したヴィパッサナーリトリートで「大きな流れに逆らわず、今を受け入れることの大切さ」を体感していたからこそ、潔く”手放す”選択ができました。

 

内向的な自分を知ることで出会った心の平穏

 

ごちゃごちゃしていたスケジュールが綺麗になったことで、生活のリズムが整いました。

 

毎日、同じ場所、同じ時間に瞑想できるようになったことも相まって、性格までも少し大人しくなり、これまでは気がつかなかった日常の中の静寂に目が向けられるようになったのです。また、静かで落ち着いた空間を心地よいと感じるようになり、一人きりの時間を寂しいと感じる代わりに、エンジョイするようになりました。

 

たとえば、「水が欲しいのかな」とか、「この部屋の光加減が合うんだな」とか、植物が求めているものがわかるようになったり、私が静かになることで、子どもたちから話してくれることが増え、また、自分も静かに周りを観察するようになり、子どもたちの心の内や思考をより深く知れたり。

 

さらに、家にいる時間が増えたことで、趣味のアートもこれまで以上に充実しています。

 

遠方への出張を辞めたり、知り合いとのランチの機会を減らしたり、最初は周りと疎遠になるのではないかと不安を感じることもありました。しかし、辞めてみれば意外にも気持ちはスッキリ。これまでは必要以上に動き回っていたことに気がついたのです。

 

外に出なくても必要な情報は得られるし、会いたい人にはピンポイントで会えればいい。

 

これまで外交的だった私が、内向的になったことで、パラダイムシフトがおきたのです。

パラダイムシフトとは?

パラダイムシフトとは、考え方や価値観が根本的に変わること。

 

人は無意識のうちに特定の視点や信念に固執し、そのフィルターを通して日々を過ごしているのです。しかし、パラダイムシフトが起こると、これまでの「当たり前」が覆され、新しい見方や考え方ができるようになります。

 

この変化は小さな瞬間から始まり、次第に生活全体に影響を及ぼします。パラダイムシフトは私たちに新しい可能性を示唆し、人生に深みをもたらす大切なプロセスだといえるでしょう。

 

“Less is More”が人生における幸せの鍵

 

20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉“Less is More”。これは「シンプルなデザインを追求することによって、より美しく豊かな空間が生まれる」という、彼の建築家としての信念を表した言葉です。

「少ない方が豊かである」という意味あいのこの言葉は、建築のみならず、人生を幸せに過ごすためにも重要な思想だと私は実感しています。

 

なぜなら、多くのものや情報に溢れた現代、便利な反面、膨大な選択肢に迷いや悩みが生じやすく、心身が疲弊するからです。

 

だからこそ、大切なのは選択肢を極力減らすこと。辞めること・やらないこと、自分の中に基準を持つこと。選択肢が減ることで迷うときや悩む時に使う思考の量が少なくなり、心穏やかに過ごすことができるのです。

 

もちろん、これまであたり前にしてきたことを辞めたり、習慣を変えるのは勇気がいることです。しかし、何かを手放し余白が生まれるからこそ、本当に大切なことに気がつけたり、新たなご縁に出会えたり、新しい可能性が広がるものです。

 

体調を崩し、海外出張をキャンセルしなければいけない。一見ネガティブに思えるこの出来事が、私にパラダイムシフトを起こし、”Less is More”の重要性に気がつかせてくれました。

生理前は性欲が強くなる?ムラムラした時の対処法!

 

男性にとっても、そして女性にとってもさまざまなタイミングで顔を出す「性欲」。

 

中でも女性の場合はさまざまな要因で性欲が増減するため、自身の身体をしっかりと把握して向き合っていくことが大切です。

 

性欲の増減に大きく影響を及ぼす「生理周期」についても、正しい知識を身に着けておきましょう。

 

今回は女性の性欲が生理前になると強くなる原因や、ムラムラした気持ちにどう対処すべきなのかについてご紹介します。

 

私たちの身体でホルモンがどうはたらいているのか、性欲の強弱とどう関係しているのかにも焦点を当ててみましょう。

 

▶︎女性の性欲について解説!性欲がない女性の理由もご紹介!

 

性欲が強くなることには性ホルモンが影響している?

 

女性の性欲が強くなるのは、さまざまな性ホルモンが影響しています。

 

代表的な3つの性ホルモンを挙げ、それぞれどんなはたらきをしているのか確認してみましょう。

 

まず、女性の性欲に直接的な影響を与えているのが「テストステロン」です。

 

男性ホルモンの一種ですが女性でも分泌されており、筋肉や骨を丈夫に保つはたらきを担っています。

 

テストステロンは副腎や卵巣から分泌されており、性欲を高めることでパートナーと円滑な関係を保ったり、適切な時期に妊娠ができるよう身体を整えたりしています。

 

テストステロンの分泌は20代がピークだといわれており、通常は自然と減少していくでしょう。

 

40代以降テストステロンの分泌量が著しく減ったり、手術で副腎や卵巣を切除したりした場合、性欲の減少にもつながります。

 

また、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」も、性欲の高まりに影響を及ぼしています。

 

エストロゲンには妊娠しやすい身体に整える役割があり、スムーズに性行為ができるよう膣を濡らしたり快感を高めたりしています。

 

その他肌や血管を健康的に保つためにも重要な成分で、女性らしい丸みを帯びた体つきになるのもエストロゲンの影響です。

 

思春期を迎える10代中盤頃から分泌量が増え始め、テストステロン同様20代がピークになるといわれています。

 

その後は次第に減少し始め、閉経とともにほとんど分泌されなくなっていくでしょう。

 

もう一種類の女性ホルモン「プロゲステロン」は、性欲を弱める方向にはたらく成分です。

 

テストステロンやエストロゲンのはたらきで性欲が高まり、無事性行為ができた後は、身体が妊娠を継続するための準備に入ります。

 

受精卵が育つために子宮内膜が厚くなったり、乳腺が発達して授乳の準備が行われたりと身体にはさまざまな変化が起こります。

 

それに伴い「PMS(月経前症候群)」に挙げられる不眠やイライラ・頭痛などに悩まされる方も多く、1ヶ月の中でもっとも性欲がおさまる時期といえるでしょう。

 

つまり女性の場合、元々の体質や性格・環境などが影響するのはもちろん、1ヶ月の中でも性欲に大きな変化があることが分かります。

 

「何だかムラムラする」「性的なことばかり考えてしまう」と感じたときは、自分が生理中・卵胞期・黄体期のどれに当てはまるのか考えてみましょう。

 

卵胞期には卵胞ホルモンであるエストロゲンが、黄体期には黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンが分泌されているため、タイミングによって性欲に違いがあることに気がつけるでしょう。

 

関連記事:女性の性欲の真実! 年齢ごとの自然な変遷と幸せへのヒント…

 

 

女性の性欲が強くなるタイミング

 

生理周期によって性欲の強弱に差が出やすい女性ですが、中でもどんなタイミングで性欲にピークが訪れるのか知っておくと安心です。

 

自分の排卵周期や生理周期と照らし合わせながら、およそ何日後にピークが訪れるのか考えてみましょう。

 

まずは先ほどもご紹介したように、テストステロンやエストロゲンが分泌されやすい「排卵日前後」が性欲の高まりやすい時期といえます。

 

排卵日前後は1ヶ月の中でもっとも妊娠が成功しやすいタイミングといわれており、ここに合わせて性欲を高めることでよりスムーズに性行為ができるでしょう。

 

このシステムはいわば子孫繁栄に欠かせないものであり、人間に古くから備わっている機能といえます。

 

また、三大欲求の一部である「性欲」と、一見関係のないように見える「食欲」は、それぞれ影響し合っていることをご存じでしょうか。

 

性欲と食欲は脳の同じ場所で管理されており、両者が同時にピークを迎えることはありません。

 

性欲が高まっているときはお腹が空いているのを忘れ、逆に空腹時はムラムラした気持ちになりにくいのです。

 

さらに、私たちが食事をすると、身体は入ってきた食べ物を消化する役割を全うしようとします。

 

脳を含めたさまざまな部分が消化に集中するため、満腹時もそれほど性欲が強くなりにくいでしょう。

 

食事から約2時間ほど経つと胃の中に食べ物がなくなり、再び性欲が高まるようになります。

 

パートナーと性行為を考えている場合は食事直後を避け、消化が終わってからチャレンジするのがおすすめです。

 

▶︎セックスレスの原因とは?|なりやすい夫婦の特徴や解消法を解説

 

女性の性欲がなくなるタイミング

 

生理周期はもちろん、食事のタイミングによっても増加する傾向にある女性の性欲。

 

一方で性欲が失われやすいタイミングを知っておくことで、自身の欲求とうまく付き合えるようになります。

 

第一に、パートナーとの性行為で性交痛があった場合、女性の性欲は急速に失われてしまいます。

 

膣内が十分に塗れていない場合や、パートナーからのスキンシップが激しすぎる場合、膣内が感染症を引き起こしている場合などさまざまな原因が考えられます。

 

性行為中に性欲がなくなってしまうと、その後の行為が苦痛にすら感じられてしまうでしょう。

 

痛みに対しパートナーからの配慮が得られない場合、セックスレスに繋がる可能性もあります。

 

また、過度な疲労やストレスを感じている場合、脳に十分な余裕がなく、性欲に繋がらない場合があります。

 

一時的な疲労で数日間性欲が湧かない分には問題がないものの、数週間・数ヶ月と続けばパートナーとの関係にも影響を及ぼしかねません。

 

疲労やストレスを癒すのに脳や体が全力を注いでいる状態であるため、まずはストレスの原因を突き止め、上手な解消法を探すのが大切です。

 

続いて、妊娠や出産を経験した女性も、一時的に性欲が失われることがあります。

 

赤ちゃんを産んだ直後の女性がパートナーと距離を置きたくなるのも、性欲の減退が原因だといわれています。

 

出産後の女性は育児に全力を注ぐのはもちろん、自身の身体を回復させなければなりません。

 

出産は交通事故に遭うよりも身体に衝撃を与えるといわれているため、性欲が二の次になってしまうのも不思議ではないでしょう。

 

妊娠や出産後はパートナーとよく話し合い、欲求とうまく付き合っていくことが大切です。

 

さらに、服用する薬の中には一部性欲が失われるものがあります。

 

代表的なものとしては抗うつ薬が挙げられますが、日常的に服用するものの中にも性欲減退に注意しなければならないものがあります。

 

薬の服用でパートナーとの関係が悪化しないよう、事前に副作用についてしっかりと確認しておきましょう。

 

関連記事:女性の性欲について解説!性欲がない女性もいる?

 

個人差とその影響

 

これまでは多くの女性に当てはまる原因についてご紹介してきましたが、これらはあくまでも目安であり、実際は人によって性欲の程度に大きな違いがあります。

 

「男性だから」「女性だから」と型に当てはめて考えるのではなく、パートナーの特徴をしっかりと見て判断することが大切です。

 

性欲に影響を与える性ホルモンの分泌は、主に20代や30代がピークだとご紹介しました。

 

しかしこれも個人差があり、30代までピークが来ない方もいれば、ほとんど分泌されないまま一生を終える人も珍しくありません。

 

こういった文章を読んで「自分と違う」と不安にならず、周りと比べることなく自分の性欲と向き合っていきましょう。

 

また、かつては多くの女性が子育てを中心とした人生を送っており、5人以上の子どもを出産する方も珍しくありませんでした。

 

3歳差で産んだ場合でも、全ての子どもが20歳を迎えるまでには42年の月日が必要であり、職には就かず閉経を迎える女性が多かったのです。

 

つまりほとんどの女性が同じような生活を送っているために、ホルモンバランスや性欲のピークにもそれほど差がなく、周りと自分を比べる必要もそれほどありませんでした。

 

一方の現在はというと、子どもの数はもちろん、そもそも妊娠・出産を行わない女性も増えてきました。

 

さまざまな理由があって不妊になってしまったり、結婚をせず仕事に邁進する女性がいたりと、その生き方は千差万別です。

 

当然ライフスタイルも一辺倒ではなく、抱えているストレスも人それぞれ。これにより、従来の女性と比べると性欲の増減も個人差が大きいといえるでしょう。

 

慌ただしい現代社会を生きる全ての女性は、「こうでなければならない」という指針を捨て、自分と向き合う時間を作ることが大切です。

 

▶︎40代の女性は性欲が強い?なくなる?その違いや性欲の対処法について

 

性欲増加に対する対処方法

 

性欲がいつピークを迎えるのかは人によって異なるとはいえ、生理周期でいえば排卵日から生理前にかけて徐々にムラムラすることが増えるでしょう。

 

時には仕事や勉強に集中できなくなったり、パートナーと意見が合わず衝突してしまったりすることもあります。

 

自分の性欲とうまく付き合っていくために、性欲の高まりを感じたときは、素直に身をゆだねてみるのもおすすめです。

 

パートナーとタイミングが合えば良いですが、そうでなければセルフプレジャーにチャレンジし、時間をとって欲求を満たしてみましょう。

 

指で行ったり、グッズを使ったり、動画を見たりとさまざまな方法があるため、自分の満足できる方法を選ぶと良いでしょう。

 

セルフプレジャーの良いところは、性行為に不満がある方も自分の好きなように取り組めるため、身体が満足しやすい点にあります。

 

肌が重なるだけで幸せになれる性行為とは異なるものの、また違った意味で充足感を得られるでしょう。

 

どうしたらさらに満足できるのか、触る場所を変えながら何度も試してみるのがおすすめです。

 

また、性欲を抑えるためには運動をするのも一つの方法です。運動をして筋肉を使うと、テストステロンが多く消費されます。

 

性欲の高まりに影響を及ぼすテストステロンが運動によって減少すれば、一時的に性欲を感じにくくなるでしょう。

 

スポーツに勤しんでいる間は余計なことを考えにくくなるため、頭をスッキリと整理させたい方にもピッタリです。

 

さらに、幸せホルモンである「セロトニン」を分泌させ、満足度を高めるのも良いでしょう。

 

セロトニンは適度な運動や日光を浴びることで生成されやすくなるほか、大豆製品や乳製品・肉類などに多く含まれる「トリプトファン」を摂取することでも増えるのが特徴です。

 

気持ちを落ち着けてうつ状態を緩和するためにも大切な成分の一種であるため、ストレスフルな毎日を過ごす人ほど積極的に摂取すると良いでしょう。

 

関連記事:生理後は性欲が強くなる?生理周期別の性に関する過ごし方を紹介

 

心と身体が心地いい状態を保とう!

女性の身体はまだまだ不思議な面がたくさんあり、性欲一つとっても解明されていないことばかりです。

 

年代であったり、はたまた生理周期によるホルモンバランスであったりとさまざまなことが影響するため、これらを加味した上で上手に付き合っていきましょう。

 

大切なのは自身の性欲を正しく理解し、上手く発散し、パートナーと話し合ってタイミングを合わせることです。

 

精神的にも身体的にも無理のない状態を続けることが、ストレスを軽減し心地良く過ごせる第一歩となるでしょう。

 

▶︎50代女性の性欲事情|閉経後や更年期との関連性についても

 

女性の性欲の真実! 年齢ごとの自然な変遷と幸せへのヒント…

 

私たち人間はホルモンの影響で性欲が高まったり、逆になくなったりすることがあります。

 

これは男性・女性に関わらず起こる現象であり、ホルモンの量に応じて性欲が高まる時期が異なります。

 

「女性だから性欲がないだろう」といったイメージを抱く人も多いですが、それは間違いであることを覚えておきましょう。

 

今回はそんな女性の性欲について、人よりも性欲が強く心配している方や、性欲が高まるとどうなるのか知りたい方に向けた情報をご紹介します。

 

年代によっても大きく異なるため、自身の現状をイメージしながら見てみると良いでしょう。性欲に関して何らかのストレスを感じている方も、ぜひ最後までご覧ください。

 

性欲が強すぎるのは異常?

 

そもそも性欲とは、一体どうして高まったりなくなったりするのでしょうか。

 

「ホルモンの影響」とはいっても、目に見えないホルモンがどうはたらいているのか想像しにくい方も多いはず。

 

まずは男性ホルモン・女性ホルモンそれぞれのはたらきを見てみましょう。

 

男性ホルモン「テストステロン」は、その名前から男性の体内でしか分泌されないと思われがちですが、実は女性の筋肉や骨を丈夫に保つためにはたらく成分でもあります。

 

女性の場合は排卵日付近で多く分泌され、気持ちを興奮させ性欲を高めるといわれています。

 

排卵日近辺は女性がもっとも妊娠しやすい期間でもあるため、本能の一貫として性欲が高まるのです。

 

また、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、膣内の潤いを保ったり、性行為への感受性を高めたりといったはたらきを担っています。

 

女性は性欲が高まると膣内に粘液が分泌され、性行為の痛みが軽減されるようにできています。

 

この粘液分泌を担っているのがエストロゲンであり、リラックスして性行為を行うためには必要不可欠な成分といえるでしょう。

 

つまり、これらのホルモンが正しく分泌されている状態であれば、誰であっても性欲が訪れるといえます。

 

「自分だけ性欲が強いのではないか」という悩みを抱える女性も多い一方、デリケートな悩みは周りに相談しにくいもの。

 

誰も他の女性がどう考えているのかを知らないだけで、実は多くの女性に性欲があり、決して異常なことではないのです。

 

性欲が強いことは、いわば体の機能が正常であり、健康である一つの指針となります。

 

中にはパートナーと欲求のレベルが合わなかったり、周りと比べて自分が変だと感じてしまったりするケースもありますが、性欲が強いからといって自分を責めるのはやめましょう。

 

時にはセルフプレジャーを取り入れたり、パートナーとタイミングを合わせたりして、上手に発散していくことが大切です。

 

関連記事:性欲を抑えるにはどうすればいい?具体的な方法とデメリットについても

 

年齢とともに変わる女性の性欲

 

少なからず個人差はあるものの、女性の性欲は年齢によって大きく異なるのが一般的です。

 

今性欲が強かったり、逆に全くなかったりする場合も、今後変化が訪れる可能性も大いに考えられるでしょう。

 

現在の年齢と以下の内容を参考に、大まかな性欲の変化を確認してみてはいかがでしょうか。

 

かつて”男性の性欲のピークは20~30代・女性の性欲のピークは40~50代”という情報が広まり、男女の差からパートナーとの性行為が上手くいかなくなるのではないかと思われていました。

 

女性が性行為に積極的になった頃には男性が消極的になっており、意見の相違から浮気や不倫に走る人も増える、といった意見も珍しくありません。

 

しかし近年では、研究の結果”女性の性欲も20~30代にピークを迎える”との情報が主流となりました。

 

先ほどご紹介した男性ホルモン「テストステロン」の分泌ピークは20~40代、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌ピークは20~30代であることから、この時期に性欲が高まるのも自然なことだといえるでしょう。

 

その後は自然に性欲が減少していき、閉経とともにほとんどなくなるといわれています。

 

とはいえ、女性の性欲は男性のものとは少し異なり、ホルモンだけでなくそのときの気分や環境によっても大きく異なります。

 

パートナーが優しい言葉をかけてくれたときや、キスやハグなどのスキンシップをとったときなど、ホルモン分泌に関係のないシーンでも性欲が高まることがあります。

 

つまり20~30代のピーク時であっても環境が整っていなければ性欲には繋がらず、逆に40代以降であっても環境次第では性欲が続くでしょう。

 

一般的に、女性ホルモンの分泌が活性化しバランスが崩れがちな思春期や、ホルモンが減る更年期は性欲の波も大きく変化します。

 

ホルモン量が安定する20~30代の成人期になるまでは、上がったり下がったりする性欲に惑わされず、気持ちを落ち着けて過ごすことが大切です。

 

性欲が強くなる原因

 

続いて、女性の性欲が強まるメカニズムをもう少し詳しく見てみましょう。第一に、女性の性欲は生理周期によって大きく変化します。

 

生理のサイクルを生み出しているのは2種類の女性ホルモンで、これらが交互に分泌されることで月経が起きる仕組みです。

 

先ほどご紹介した「エストロゲン」は別名卵胞ホルモンと呼ばれ、体が妊娠するための準備を整える役割があります。

 

一方の「プロゲステロン」は黄体ホルモンと呼ばれ、妊娠を継続するためにさまざまなはたらきを担っています。

月経が終わるとエストロゲンの分泌量が徐々に増え始め、代謝が上がるのと同時に性欲も高まっていきます。

 

排卵期となる月経後1週間前後を目安に、気分も良くなり生き生きとした毎日を過ごせるでしょう。

 

エストロゲンの分泌が主流であるため、体が妊娠するための準備を行っており、積極的に性行為がしたくなる時期です。

 

パートナーとタイミングを合わせるなら、体的にも精神的にも排卵日周辺を狙うと良いでしょう。

 

排卵日が終わるとエストロゲンが徐々に減少し、代わりにプロゲステロンの分泌が増えていきます。

 

妊娠に備えて乳腺が発達したり子宮内膜が厚くなったりするのに加え、気分の落ち込みやイライラなど精神的な変化も訪れるでしょう。

 

特に月経前はこれらの症状が顕著になり、悪化すると「PMS(月経前症候群)」と呼ばれます。

 

プロゲステロンが分泌されている間は気持ちが不安定になりやすいため、一般的に性欲が落ち着く方が多いでしょう。

 

性欲が強く悩んでいる方であれば、「ホルモンが分泌されなければ良いのでは」と考えても不思議ではありません。

 

事実、極度のストレスやダイエットなどの身体的影響が原因でホルモンが正しく分泌されず、生理不順や性欲減少が起こるケースも多く見られます。

 

しかしこれらは何らかのトラブルを引き起こしやすく、性欲だけがうまく減少してくれるとは限りません。

 

生理不順によって妊娠しにくくなるなど長期的なトラブルの原因にもなるため、自身でホルモン量を調整しようとするのはやめましょう。

 

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性欲の抑え方

 

仕事や勉強をしているのに性的なことを考えてしまったり、パートナーが望むよりも多く性行為をしたくなったりと、性欲が強く悩んでいる方も少なくありません。

 

単にモヤモヤとした気持ちに蓋をするのではなく、他のことに意識を向けるなどして上手に付き合っていくと良いでしょう。

 

性欲を抑えるのにおすすめの方法の中でも、もっとも手軽に取り入れられるのが「運動」です。

 

良い気分転換になるだけでなく、男性ホルモンであるテストステロンが筋肉の増強に使われて減少するため、性欲を感じにくくなるといわれています。

 

運動や筋トレを続けていると見た目にも変化が訪れ、理想のプロポーションを目指せるのも嬉しいポイント。

 

性欲のコントロールとダイエットが両立でき、まさに一石二鳥の方法といえるでしょう。

 

また、没頭できるような趣味を見つけてみるのもおすすめです。

 

手持無沙汰になると性的なことを考えやすくなりますが、頭の中が別のことでいっぱいになっていれば性欲の入る隙がなくなります。

 

ハンドメイドで一つの作品を完成させてみたり、小説や漫画で物語の世界に入り込んだりと、長時間真剣に取り組める趣味を探してみましょう。

 

思い切って外出し、スポーツをしたり映画を見たりすることで、性欲よりも満足感が上回ることも多いでしょう。

 

さらに、性欲は食事内容でもコントロールが可能です。

 

まずは性欲を抑えて幸福感をアップさせる成分・セロトニンを分泌させるために、「トリプトファン」と呼ばれる栄養素を積極的に摂取しましょう。

 

豆腐や味噌などの大豆製品や牛乳・バナナなどに多いだけでなく、カツオ・シイタケ・昆布などの出汁が出る食品にも豊富に含まれています。

 

セロトニンの分泌促進によって精神が安定しやすくなるため、PMSなど生理前のトラブルに悩んでいる方にもおすすめです。

 

男性ホルモンであるテストステロンの分泌を正しく行うためには、女性ホルモンと似たはたらきをする「イソフラボン」を摂取するのも大切です。

 

イソフラボンは大豆製品に多く含まれているため、豆腐や味噌などを摂取するとトリプトファンと同時に取り入れられるため効率的です。

 

テストステロンが多すぎずバランスの良い状態を保てるため、長期的な健康にも繋がるでしょう。

 

性欲をコントロールして正しく向き合う

 

性欲は翻弄されすぎても良くないものの、完全になくなれば良いというわけではありません。

 

自身の生活や体調と性欲がバランス良く共存することで、ストレスのない毎日を過ごせるでしょう。

 

性欲が強すぎて悩んでいる方の場合、可能であればパートナーと真剣に話をするのが大切です。

 

女性は精神的に満たされることで性欲をコントロールできるため、単に性行為の回数を増やすだけでなく、キスやハグといったスキンシップをとってみるのもおすすめです。

 

別々で過ごすプライベートタイムを大切にしながら、普段よりも少し傍で過ごす時間を多くとってみてはいかがでしょうか。

 

また、パートナーが近くにいない場合や疲れているなどでタイミングが合わない場合などは、セルフプレジャーを上手に取り入れてみましょう。

 

自分の手で触れるのに抵抗がある方は、セルフプレジャー用に開発されたグッズを使ってみるのもおすすめです。

 

性行為では幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されることで身体的にも精神的にも満足感がありますが、セルフプレジャーは人の目を気にすることなく自分の好きなように行えるのがメリットです。

 

性行為でなかなかオーガズムに達することがない方も、セルフプレジャーであれば可能な方も多く、性行為とは違った意味での満足感が得られるでしょう。

 

関連記事:女性の性欲の真実! 年齢ごとの自然な変遷と幸せへのヒント…

 

性欲の理解を深め、より豊かな日々を

「女性が性欲を感じるなんて恥ずかしい」「性欲のことなんて言い出しにくい」と感じる女性も多いもの。

 

もちろんデリケートな話題のため周りや自分に配慮が必要ですが、一方で性欲があることは悪いことではなく、誰にでも起こりうる自然なことだと覚えておきましょう。

 

あなたの周りにいる女性も、口には出さないものの性欲に関する悩みを抱えているかもしれません。

 

大切なのは自身の性欲を無視せず、正しく向き合うことです。時にはパートナーと話し合いながら、適度に自身の欲求へ応えてあげましょう。

 

女性は年代や生理周期によっても性欲が大きく異なるため、今の自分がどの位置にいるのかを把握し、性欲についての正しい知識を備えておくことをおすすめします。

 

性欲への悩みが解消されると、前向きで活き活きとした生活を送れるようになります。まずは自身の性欲を発散するため、運動や食事を含めたさまざまな方法を試してみてはいかがでしょうか。

フェムテックで更年期の悩みを解決!女性の健康革命到来!

 

近年、仕事をする上での性差は徐々になくなりつつあり、男性であっても女性であっても同じように重要なポストに就いたり昇進を目指したりできるようになりました。

 

とはいえ、女性ならではの健康課題を完全に無視することはできません。

 

仕事上ではもちろん、日頃生活する上でも女性特有のトラブルに悩まされている方が多いのではないでしょうか。

 

月経痛であったり、更年期であったりと人によってトラブルの種類や程度が異なるため、なかなか周りに相談できず抱え込んでしまう方も少なくありません。

 

今回はそんな女性特有の悩みの中で、年齢を重ねるにつれ気になり始める「更年期」に焦点を当ててみましょう。

 

女性の健康に寄り添ってくれる「フェムテック」についても、具体的な製品・サービスを挙げながらご紹介します。

 

フェムテックを通じて一人で抱え込んでいた悩みを解決し、より生き生きとした毎日を目指しましょう。

 

フェムテックとは?

 

フェムテック(Femtech)とは、女性(Female)と技術(Technology)を組み合わせて生まれた言葉です。

 

その名の通り女性のために開発されたテクノロジーを指しており、女性ならではの悩みに寄り添う製品やサービスが多数登録されています。

 

女性ならではの悩みといっても、その種類や程度は人それぞれ。

 

単に月経一つとっても、量が多く悩んでいる方もいれば月経痛が生活に影響を及ぼしている方、PMSの症状が強く出て困っている方などさまざまなケースが考えられます。

 

周りに相談しようと思っても、同じ悩みを抱えている人が見つからず共感してもらえないことも少なくありません。

 

そんな全ての悩める女性にチェックしてほしいのがフェムテックに登録されている製品やサービスです。

 

具体的には以下のような悩みに対応しており、自分の体の状態に合った製品やサービスが見つかるでしょう。

 

  • 月経
  • 不妊治療
  • 出産
  • 育児、子育て
  • 婦人科系疾患
  • 女性向けケアアイテム
  • セクシャル・ウェルネス

 

例えば不妊治療について悩んでいる方がいたとしましょう。

 

周りの女性は軒並み妊娠・出産を経験しており、その小さなコミュニティ内でマイノリティになってしまうことを心配しています。

 

出産を経験した女性に不妊治療の大変さを相談しようと思っても、「大変だね」と言ってもらえることはあっても、本当の大変さをイメージするのは難しいでしょう。

 

こんなときにフェムテック製品やサービスをチェックすると、同じく不妊治療について悩んでいる女性が多くいるのに加え、不妊治療中の女性が使えるカウンセリングや仕事との両立サポートなどさまざまなサービスが見つかります。

 

フェムテックに登録されている製品やサービスでは、どんな悩みを抱えている女性も決してマイノリティではなく、いわば「当たり前」と考えられています。

 

悩み自体を解決するためにサポートを受けるのはもちろん、自分が何に悩んでいるのかを知るきっかけにもなるでしょう。

 

自身が利用するだけでなく、企業が導入することで女性の望まない退職を防ぐことにも繋がります。

 

今回はさまざまな健康課題の中でも、「更年期」に注目して該当する製品やサービスをご紹介します。

 

「株式会社YStory」が運営するサービス「JoyHer」は、更年期の女性だけをターゲットにしたサポートアプリです。

 

京都大学の教授と共同開発を行い、更年期の女性が自身の症状について検索したり、同じような悩みを持っている人を探したりといった使い方が可能です。

 

専門家によるコラムも多数掲載されているため、これまでに気が付かなかった新しい知識を手に入れられるでしょう。

 

今日の体調を細かく入力することで自分のパターンをまとめて確認でき、自分でできるセルフケアの方法も細かく探ることができます。

 

「株式会社ジョコネ。」では、更年期の悩みを抱えながらも仕事にしっかりと取り組みたい女性のための企業です。

 

更年期が原因でパフォーマンスが半分以下に下がってしまう女性も多い中、当事者である女性にとってはもちろん、企業にとっても相談窓口を設けています。

 

更年期症状の改善を目指すとともに女性一人ひとりが自信を取り戻し、改善後は再びキャリアを目指せるよう、今後もさまざまなサービスの展開が期待されています。

 

「株式会社産業経済新聞社」では、オンラインコミュニティ「フェムトーク」を運営し、更年期症状に悩む女性が仲間を見つけるためのサポートを行っています。

 

例え家族や友人の中で同じ悩みを持つ仲間が見つからなかったとしても、匿名で利用できる掲示板上で話題を共有することで、一人ひとりの悩みを解決するためにみんなで協力できます。

 

自分でトピックを立てたり、既に立っているトピックに参加したりと、人によってさまざまな使い方ができるのも魅力といえるでしょう。

 

今回はわずかな製品やサービスをピックアップしてご紹介しました。その他の製品やサービスは、ぜひ一度フェムテックの公式サイトからご確認ください。

 

関連記事:ストレスマネジメントとは?やり方や具体例を紹介

 

女性の健康に対する日本の現状

 

かつての日本では、女性は妊娠・出産があることから重要なポストに就けなかったり、男性よりも低い賃金で雇われたりするのが当たり前でした。

 

中には女性であることを理由に面接で落とされるなど、理不尽な思いをしてきた方も少なくないでしょう。

 

近年は女性であっても人生のほとんどを育児が占めることはなく、育児が終わってから仕事に復帰したり、育児中でも仕事に勤しんだりする方も多いもの。

 

かつての考え方からアップデートし、女性の働き方について新たに考えることこそが、女性と企業の成長に繋がるでしょう。

 

女性の社会進出を阻む健康課題の中には、「定期的に来るPMSや月経痛」であったり、「数年間の休業が必要となる出産・育児」であったりと人によってさまざまです。

 

今回ご紹介している更年期も、頭痛やめまいが起きることもあれば、熱っぽさや動悸が激しくなるホットフラッシュが起こることもあります。

 

これらすべての症状が出る方もいれば単独の症状に悩む方もいるため、全ての女性をひとくくりに考えるのは良くありません。

 

また、いわゆる「更年期障害」といわれる症状以外にも、肌の乾燥や生活習慣病の増加、乳がん・子宮体がんなどのリスクにも注意しなければなりません。

 

これらの悩みが常態化することでうつなどの精神疾患リスクも高まるため、少しでも「普段と違う」と感じたことがあれば専門家に相談しましょう。

 

これらの症状は、更年期のない男性や症状の軽い女性から見れば大変さが分からず、時には甘えだと思われてしまうことがあります。

 

企業の中には、未だに体調不良で休む際は診断書の提出が義務付けられているなど、更年期のように病気ではない症状では休みにくい体制が敷かれているところもあります。

 

有給を使い切って欠勤扱いになってしまったり、欠勤が積み重なって昇給に影響が出たりすることも多いでしょう。

 

こういった場合、女性はもちろん企業が迅速にフェムテックの製品やサービスをチェックし、女性への対応を見直さなければなりません。

 

中には法人向けのカウンセリングサービスを展開し、更年期を迎えた女性への対応方法やキャリア育成などの相談にのってくれるものもあるため、必要に応じて導入を検討する必要があるでしょう。

 

関連記事:完璧主義を辞めたい!楽に生きるための10個の方法

 

更年期の症状とフェムテックの役割

 

「更年期」というワードは聞いたことがあっても、具体的にどんな症状が出るのかイメージができない方も多いのではないでしょうか。

 

これから更年期を迎える40代前後の方々をはじめ、パートナーの健康を意識したい男性の方、女性の健康と職の両立を叶えたい企業役員の方などのために、更年期で考えられる症状の例をご紹介します。

 

  • 神経系の症状:頭痛、めまい、不安感、うつ症状、イライラ、眠れないなど
  • 血管系の症状:ほてり、のぼせ、動悸、発汗、息切れ、むくみなど
  • 内臓系の症状:吐き気、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢、喉の渇きなど
  • 運動器官系の症状:肩こり、腰痛、関節痛、末端痛、しびれ、だるさ、失禁など
  • 生殖機能系の症状:月経痛、月経異常、性交痛など

 

上記で挙げただけでも、これだけの種類の症状が更年期の女性を襲うこととなります。

 

中でも頭痛や吐き気などは多くの方が共感しやすい症状ですが、夜に眠れなくなったり途中で頻繁に起きてしまったりといった睡眠障害やイライラなどの精神症状は周りに伝わりにくいでしょう。

 

また、更年期特有の症状に「ホットフラッシュ」があります。

 

これは5分未満の体温上昇と発汗・動悸などが繰り返し引き起こされるものであり、当事者にとっては非常に体力を奪われるものですが、周りからは「単に暑がりなだけ」と思われてしまいがちです。

 

ホットフラッシュが原因で休みをもらいたいと申し出ても、なかなかスピーディには受理されないでしょう。

 

もちろん他の症状を挙げても辛いものばかりで、一つであればまだしもさまざまな症状が同時に起こる可能性も大いにあります。

 

このような耐え難い症状の数々は、決して自分だけでなく、多くの女性が悩んでいるものです。

 

フェムテックの製品やサービスから自分に合ったものを選択し、更年期症状による辛さを少しでも軽減できるよう工夫しましょう。

 

「株式会社よりそる」が運営する更年期アプリ「よりそる」は、スマートフォン一つでどこからでも利用できるサービスです。

 

女性用とカップル用の2種類から選択でき、カウンセリング・座談会・会員同士のチャットなどを利用して自分の症状に合った対策を見つけることができます。

 

会員向けのデジタルコンテンツも充実しており、病院の探し方から自分でできるセルフケアの方法までしっかりと寄り添ってもらえるでしょう。

 

「fermata株式会社」が運営するネットショップ「fermata」では、更年期を迎えた女性が密かに使いたいと願っている製品が多数展開されています。

 

周りに相談しにくかったり、実店舗で買うのが恥ずかしかったりする製品でも、製品画像や説明文を見れば手に取るように詳細が分かるでしょう。

 

多くなったり少なくなったりする月経に対応しやすい月経カップや、動いた瞬間に漏れてしまう切ない失禁に対応しやすい吸水ショーツ、さらにはホルモンの影響で日々変動する性欲に対応してくれるセルフプレジャーアイテムなど、希望の製品が見つかりやすいでしょう。

 

◆fermata オンラインストア◆

 

フェムテックへの期待

 

一人で我慢することが普通になってしまった女性たちにとって、急に「フェムテック」といわれてもどうすべきか迷ってしまうのではないでしょうか。

 

女性たちが正しくフェムテックの考えを取り入れるのと同時に、社会全体がフェムテックを理解することで、女性の社会進出がよりスムーズに進むでしょう。

 

単にフェムテックといわれる製品やサービスを次から次へと取り入れるのではなく、医学的根拠が伴った信憑性の高い情報を選ぶことが大切です。

 

また、最後には女性が自分で正しい情報を選べるよう、専門家によるカウンセリングなど正しい自己判断へナビゲートしてもらえるサービスも重要です。

 

数ある製品やサービスの中から”自力で”正しいものを選ぶ力をつけるため、一部だけの情報に惑わされず、多方面から情報を仕入れることが大切です。

 

2020年代に入ったとはいえ、女性の健康に対する意識や対応はまだまだ完全とはいえません。

 

女性は自身の体調をしっかりと認識できるよう、パートナーや企業は女性を正しく気遣えるよう、まずは「フェムテック」というワードを覚えておくことが大切です。

 

いずれは男性・女性にかかわらず体調を考慮し休みのとりやすい企業が増えたり、女性が自身の体調不良を包み隠さずに伝えられたりといった未来を社会全体で目指し、本来の意味での「男女平等」が期待されています。

 

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まとめ

かつての更年期症状は、女性が晩年期に迎えるものであり、その後の人生は寿命を迎えるためのものとして考えられていました。

 

一方現在はというと、更年期は女性の人生で折り返し地点に当たり、その後も長く生きていくこととなります。

 

つまり更年期をより過ごしやすいものにすることこそ、人生の後半が充実するポイントとなるでしょう。

 

フェムテックの考え方は、今更年期に悩んでいる女性はもちろん、男性やこれから更年期を迎える若い世代の女性にとっても決して無視できないものです。

 

正しい知識と対処法や関わり方を身に着けることこそが、過ごしやすい社会への第一歩となるでしょう。

アメリカのメディテーションコーチに聞く、初心者のあなたが始めやすいメディテーションとメディテーションを習慣化する秘訣~ブレンダ氏インタビュー

 

アメリカの有名人などが取り入れていることで、日本でも広がってきた「メディテーション」。あなたはメディテーションをしていますか?またはメディテーションに興味はあるけれど、やり方がわからないと感じていますか?

 

ハミングは今回、アメリカのメディテーションコーチであるブレンダさんに、メディテーションをすることでどういった効果が得られるのか、そして気軽にメディテーションを始められる方法とブレンダ氏が特におすすめする「書くメディテーション」について聞きました。

 

メディテーションを継続していく方法など、すでにメディテーションをしているあなたにも参考になる情報がもりだくさん。メディテーションを続けていったことで、人生全般に心の余裕が生まれたというブレンダ氏。いったいどのように日々の生活にメディテーションを上手に取り入れていったのでしょう。

 

−− まずはメディテーションとは何かについて教えてください。そして、あなたがメディテーションを行うとき、どんな効果を期待して行っていますか?

 

例を挙げて説明しましょう。メディテーションは、スポーツととても似ていると言えるでしょう。スポーツとひとことで言っても様々なスポーツがあるように、メディテーションにも様々な手法やスタイルがあります。約80種類のメディテーションがあると言われていますが、私は個人的にはもっと多くあると思います。

 

メディテーションをすることで、私たちは、忙しい日々でも、熟考するための時間と空間をつくることができるのです。

 

メディテーションをすることで自分自身とより親密な関係を持つことができるのです。つまり、自分の思考をよりよく理解できるようになるということです。メディテーションというと、人が座っている姿を思い浮かべると思いますが、人は頭の中で多くの思考が次から次へと出ては消えていく、それが普通の生き物ですから、実はじっと座っているというのは心地がよい状態ではないのです。

 

でも、スポーツで体を鍛えるのと同じように、メディテーションをすることで、自分の思考に気づき自分自身との密接な関係を築くことができるんです。

 

ーー メディテーションはなんだか難しそうだと感じる人が、もっと気軽にメディテーションを始められる方法はありますか?

 

メディテーションという、一見、専門的にも聞こえるこの言葉を使わないほうがいいかもしれませんね。メディテーションではなくて、「自分のための静かな時間を少し作る」という風に考えてみるのはどうでしょう。たった5分間だけでいいので、音楽やスマートフォンのスイッチをオフにして、自分の部屋を見回してみてください。または、静かな部屋に座って、あなたのお気に入り雑誌の写真を見て、あなたの頭にどんな思考が出てくるか待ってみましょう。まずは、こんなことから始めてみてはいかがでしょう。

 

もうひとつの私のおススメはジャーナリングです。手で紙に書くことで、自分が心の中で感じていることをよりよく理解できるようになります。このジャーナリングも自分の思考を感じるための行為なので、一種のメディテーションと言えるでしょう。

 

よく写真でみるような、大自然を背景にして流れる川の横にある岩の上に座ってメディテーションしている姿はとてもかっこよく見えるかもしれません。でも、こうやって集中しているように見える人の頭の中をのぞくと、今晩の夕食メニューや食料品の買い物リストのことを考えているということがよくあるものです。自分の今感じていることに全神経を集中させることは簡単ではありません。ですから、ジャーナリングのように自分の考えを書き出すことで、自身の思考により集中できるでしょう。

 

集中するのがどうしても難しいという場合は、ガイド付きメディテーションを選ぶといいでしょう。聞いているだけで、次は何をすればいいのか教えてくれるので、メディテーションが初めての人にはとっかかがつかめるでしょう。他の手法としては、呼吸に意識を向ける方法もあります。雑念が浮かんできたら、呼吸に意識を向けましょう。

 

他には、『ヴェーダメディテーション』という手法もあります。これは、雑念が出てきたらマントラを唱える方法です。自分の中から出てくる思考から逃げても結局またその思考は戻ってきますので意味がありません。ですから、私はこのメディテーションをよく行います。メディテーションの最初に、まず自分の思考を観察して理解することから始める、そんなメディテーションです。

 

ーー ジャーナリングについてもう少しくわしく教えてください。あなたはどういうきっかけでジャーナリングを始めたのですか?

 

ジャーナリングは「書くメディテーション」とも言えるでしょう。なぜなら、ジャーナリングを行うことは、自分の感じたことや体験を、しっかりと受け止める場所を作るようなものだからです。人生のさまざまな場面でどうしたら良いかわからなくなった時、ジャーナリングをすることで、自分が次のステップとして何をしたらよいかのヒントに近づくことができるでしょう。

 

あなたの意識を導いてくれる役割を果たすのです。個人的にも、私はこの、書くメディテーションがとても好きです。座ってメディテーションをしていると、出てくる思考にどう対処したらいいかわからなくなり、コントロールできなくなることがあります。でも、ジャーナリングならそんな時は、ノートをいったん閉じて思考を休ませることができます。

 

または、誰かに手紙を書くふりをするというのも良いでしょう。例えば、あなたが何か悩みを抱えていたら、なぜ悩んでいるのかについて、架空の相手に対してそれを説明する手紙を書いてみるんです。こうすることで、自分の悩みを第三者に知ってもらうために客観的に見ることができますし、偏りのない見方をすることで、この課題が自分にどんなメッセージを送っているのかにも気づくことができるでしょう。

 

ーー あなたがヨガを始めたのは、あなたの職場でヨガのレッスンがきっかけとのことですが、会社が社員のためにヨガやメディテーションなどの活動を取り入れることは重要だと考えますか?

 

ヨガには昔から興味があったのですがやったことはありませんでした。でも、会社の同僚がヨガをやっていると聞いて、私もやってみようと勇気をもらったんです。その後、私自身がヨガの先生になり、メディテーションを学ぶようになり、結果的にヨガが私の人生を大きく変えることになりました。ですから会社は、社員がもっと人生を楽しめるようにサポートするという意味でも、ヨガを社員に提供するべきだと思います。

 

ーー 新しいことに挑戦することへの恐れとどのように向き合っていますか?

 

私自身は、新しいことに挑戦することはワクワクすることだと思います。人が未知の世界に足を踏み入れることを怖いと感じる理由は、私たちは将来起きることをコントロールできないと感じているからでしょう。将来、何が起こるかなんて誰にもわからないですよね。だからまずは、その事実を受け入れることが大切です。

 

メディテーションを定期的に続けていくと、金銭的なものから自分を解き放つことができるようになります。そうすると、あなた自身と密接につながっているという感覚が芽生え、人生全般に対してもっと余裕が生まれるでしょう。例えば、もし何かに失敗したとしても、それを失敗ととらえるのではなく、次回にうまくやるための学びの場だったと考えられるようになるでしょう。

 

ーー メディテーションを学んで、何か大きな変化はありましたか?

 

ヨガを始める前の私は、とても不安で自意識過剰、いつもストレスを抱えていました。今でもストレスを全く感じないわけではありませんが、以前の自分と比べると劇的に変わったと思います。当時は、健全ではない人間関係をずるずるとひきづっていましたが、メディテーションを始めてからは、この状況を変えようと行動できるようになり、人間としてももっと成長したいと思うようになり、新しいなことにもどんどん挑戦するようになりました。

 

たった数回のメディテーションで、大きな効果や変化を望む人が多いですが、実際には、そういった変化を得るためには長い時間がかかるものです。

 

ーー メディテーションをしていて、心から気持ちいいと感じられるようになるまで、どのくらいかかりましたか?

 

私の場合は1~2年くらいです。日々の習慣にするために、歯磨きなど毎日していることの合間にメディテーションをするようにしています。ただ、メディテーションからあなたが感じられる変化は、ごくささやかなものであるということも理解してほしいのです。明らかにわかるような大きな変化が一瞬で現われる、ということではないんです。友人と食事をしているときに洞察力が高まったり、過剰な反応をしなくなったりと、自分の中にそういったしなやかさが少しずつ生まれるんです。

 

ーー メディテーションを続けたいのにサボってしまいがちな人に、どんなアドバイスをしますか?

 

さきほど、歯磨きの例をあげましたが、普段やっていることの合間にやってみるのはどうでしょうか。朝いつもトイレに行くのなら、トイレでいつもより数分長く座って呼吸に集中してみるというのはどうでしょう。メディテーションについてすぐに理解しようとする必要もありません。毎日のルーティンにどう組み入れるかが大切です。

 

また、静かな場所でメディテーションする必要もありません。もちろんそれが理想ではありますが、走り回る子どもや、おしゃべりしている同僚が近くにいてもメディテーションはできます。今あなたのいる環境で、メディテーションできる時間を見つけることが大切なんです。

 

ーー メディテーションを始めたいけれど、ちょっと怖いなと不安に思っている人にアドバイスはありますか?

 

好奇心を持つことがとても大切だと思います。メディテーションが何かわからなくても、自分の周りで起きていることに好奇心を持ち、観察し、それを受け止めてみましょう。今この瞬間に集中してみてください。メディテーションにはいろいろな種類があるので、自分がこれならできそうと感じるものからまずはトライしてみてください。メディテーションに関する本を手に取るとか、メディテーションの先生を見つけるとか、あなたの次のステップが何であれ、まずは好奇心を持つことからスタートしてみてはいかがでしょう。

 

プロフィール

ブレンダ・ウマナは、ヨガ、マインドフルネス、パブリック・ヘルスの専門家としてキャリアを築いてきたウェルネス提唱者です。コロンビア大学で公衆衛生の修士号を取得した彼女の今後の目標は、自分の知識やプラクティスを共有し、誰にとっても親しみやすくすることです。

彼女はAmazonで「Meditation on Paper」というタイトルの本をリリースしました。

「ごきげん」が人生を変える!更年期のホリスティックケア 【ホリスティックビューティ協会・岸紅子さんインタビュー】

「最近、急に汗をかくようになった」

「ちょっとしたことでイライラしてしまう」

「ドライアイが酷くなったかも」

 

ホルモンバランスが急激に変化する更年期。50歳前後になると多くの女性が、様々な心身の不調に悩まされる時期を迎えます。

 

更年期を快適に過ごすためには、この時期の変化を理解し、備えることが大切です。

 

今回、更年期のホリスティックケアについてお話を伺ったのは、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事の岸紅子さん。

 

ホリスティックとは何なのか、更年期に悩む方が今からできる対処法、そして更年期を迎える前の方が心がけるべきこと、岸さんがごきげんでいるために大切にしていることなどを教えていただきました。

 

人生をごきげんに生きるためのヒントを探してみてください。

 

ホリスティックに生きることが幸せの鍵?!

—— 岸さんが考える「ホリスティック」とはどのような意味でしょうか?

 

岸さん:ホリスティックとは、その人全体を意味します。人の魅力は肌が綺麗とか、スタイルが良いとか、目が大きいとか、部分的な美しさではなく、「スガタ」「カラダ」「ココロ」の相乗により成りたつものなのです。

 

 

さらに、私たちは地球環境や宇宙とも繋がっています。全ては繋がり合い、循環しているシステムの中にある。それを理解することがホリスティックに生きることだと考えています。

 

—— 岸さんは、日々の生活の中でどのような時にホリスティックを感じるのでしょうか。

 

岸さん:ホリスティックに生きるということは、一つ一つの行動や物事に「これがホリスティックである」とラベルを貼る必要はありません。大切なのは、自分と周りの繋がりを常に意識し、感謝の気持ちを持って日常を送ること。

 

例えば、私たちが毎日当たり前のようにしている呼吸も、酸素があるからこそできるのです。その酸素を作ってくれているのは、森林やサンゴなどの生物たち。また、毎日いただく食事も、土壌微生物が土を肥やしてくれて、植物が育ち、農家の方々が丹精込めて育ててくれるからこそ食卓に並びます。私たちは決して自分一人で生きているわけではありません。

 

さらに、自分自身もこの大きなエコシステムの中の欠かせないピースの一つであり、この世界の尊さを次世代に繋いでいく役目があると考えています。

 

このような認識を持つことで、日々の何気ない行動にも感謝の気持ちを持てるようになり、自分自身もかけがえのない存在だと実感できるのです。

 

—— 岸さんが、ホリスティックを意識するようになったきっかけを教えてください。

 

岸さん:きっかけはいくつかありますが、大きなものは自分の病気と子どものアレルギーです。

 

私は27歳の時に喘息を発症し、その後も子宮内膜症など様々な病気を経験しました。働き盛りの女性が一生懸命働いているだけなのに、次々と病気になっていく。これっておかしいと思ったんです。

 

色々と調べるうちにわかったのは、私たちが何気なく口にしている食品の裏側や、便利な生活の陰で起きている環境問題など。知らないと避けられないこと、知っていれば防げたことがたくさんあったと気がついたのです。

 

それと同時に生きていること自体が奇跡であることを実感しました。

 

—— ご自身の病気やお子様のアレルギーを経験される前は、どのような生活をされていたのでしょうか?

 

岸さん:病気になった時は仕事を頑張っていた時期だけれど、特段不摂生をしていたわけではありませんでした。ただ、振り返って思うのは、ないものばかりに目を向けて、たくさんの「〜せねばならない」に苦しんでいたなと。

 

良い学校にいかなければいけない、一生懸命働いてお金を稼がなければいけない、辛いことをすれば報われるなどの固定概念があったのだと思います。

 

そういった忙しない日々を過ごしていると、自分の周りにある小さな幸せに気が付けないんですよね。

 

—— ホリスティックを意識することで、小さな幸せに気がつき、ココロもカラダも変化していったのですね。

 

自分の周りの「ある」ものに目を向けられるようになったことで、物事を俯瞰して見られるようになり、仕事も子育ても肩肘を張らずにできるようになりました。

 

いつかは死んでしまうのだから、ごきげんに生きたい。そういったマインドで過ごせるようになりました。

 

カラダの仕組みを知ることは自分を大切にする一歩

 

—— ホリスティックを意識するために、どのようなことからスタートしたのでしょうか。

 

岸さん:まず、臓器や細胞など、カラダの仕組みを理解することから始めました。

 

「なぜ目が見えるのか」「匂いが嗅げるのはどういうことなのか」「食べたものがどのように消化され、排出されるのか」など、一つ一つの身体現象を学ぶことで、私たちの体がいかに素晴らしいのかがわかってきます。

 

例えば、手を上げるというような単純な動作も、ロボットで再現しようとすると膨大な電力を必要とするんですよ。

 

カラダの素晴らしさを知ることで、自然と自分自身をリスペクトする気持ちが芽生えてくるのです。そこから少しずつ、自分を認め、大切にできるようになりました。

 

ホリスティックビューティー協会の生徒さんたちを見ていても、カラダの仕組みを理解することで自己革命が起きているのを感じています。

 

——生徒さんは、どのような悩みを抱えて参加される方が多いのですか。

 

岸さん:若い頃と比べて体調が変わってきたと感じている方や、妊活に取り組んでいる方、妊娠中の方、更年期を目前に不安を抱えている方などが多いです。

 

ホリスティックビューティー協会で学ぶことで、生理と向き合いながら仕事でパフォーマンスを保つ方法や、妊娠しやすい体作り、自然育児について、更年期を心地よく過ごすためにできること……、誰か1人でも知っていると家族みんなの役に立てるような知識をお伝えしています。

 

「ごきげん」でいることで更年期が変化する?!

 

——生徒さんの中にも更年期前後の方がいらっしゃるのですね。更年期は何歳くらいから始まるのでしょうか?

 

岸さん:更年期の始まる年齢には個人差がありますが、一般的には45歳〜55歳ぐらいまでの期間が「更年期」と呼ばれています。平均すると50歳くらいです。卵巣の機能が徐々に衰えていく、いわば卵巣の「卒業年齢」とも言えます。

 

更年期になると、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少していくことが原因で、心身に様々な不調を引き起こすことがあるんです。

 

——どのような症状に悩まれる方が多いのでしょうか?

 

岸さん:更年期によく見られる症状として、ホットフラッシュがあります。急に体が熱くなって、それが引くと今度は寒くなったりするんです。

 

また、イライラしたり、閉経に向けて生理が不安定になったり、肌はもちろん、目や口の中、デリケートゾーンなどが乾燥するドライシンドロームも多いです。デリケートゾーンが乾燥することで性生活に悩む方もいます。中には、帯状疱疹に苦しむ方もいるんです。

 

——いろいろな不調が現れるのですね。更年期に悩んでいる方が今から取り入れられるケアについて教えて欲しいです。

 

岸さん:まず伝えたいのは、更年期は辛いかもしれませんが、ある程度期間が決まっているということです。果てしない地獄の苦しみではありません。

 

更年期の症状を和らげるのに、アロマ、漢方、鍼灸はとても力になってくれます。ホルモン作用のあるアロマもあるので、取り入れてみるのも良いでしょう。

 

(※)乳がんなどの病歴がある方は、ホルモン作用のあるアロマなどについて、医師に相談してから使用を検討しましょう。

 

また、急激に減少する女性ホルモンを、オキシトシンやセロトニンなどの他のホルモンで補ってあげることも大切です。

 

例えば、オキシトシンは、ハグをしたり、ペットを撫でたり、推し活をしたりすることで分泌が促進されます。好きなドラマを見てときめくのもおすすめです。

 

セロトニンを増やすなら、運動が効果的です。朝しっかり起きて、太陽の光を浴びながら体を動かすのが良いでしょう。

 

そして、自分でできるケアとしては、デリケートゾーンケア、いわゆるフェムケアもぜひ取り入れていただきたいです。

 

——『フェムケア』、最近よく耳にします。デリケートゾーンをケアすることでどんなメリットがあるのでしょうか?

 

岸さん:まず、フェムケアを行うことで、デリケートゾーン自体のプルプル感やツヤ感を実感できるでしょう。また、女性ホルモンの分泌を促すことで、全身の潤いや肌の弾力、ハリにも好影響を与えます。

 

そしてもう一つ、フェムケアは骨盤底筋を鍛える効果もあります。骨盤底筋は、更年期以降の女性の健康を大きく左右する筋肉なんです。

 

骨盤底筋が衰えてくると、臓器脱や尿漏れなどが起こりやすくなります。実際、70代以降の日本人女性の一番多い手術が、臓器脱を戻す手術だと言われているのです。尿漏れが原因で、オムツ生活を余儀なくされて自尊心が傷付いたり、匂いが気になって外出を控えるようになったり。家にこもりがちになることで認知症のリスクも上がると言われているんです。

 

そのため、フェムケアは更年期以降の健康的な生活を送るための土台作りにも繋がります。

 

——更年期に悩む方向けのケアについてお聞きしましたが、これから更年期を迎える方が今からやっておくべきことはありますか?

 

岸さん:若いうちから自分なりのごきげんの作り方を見つけておくことが、更年期を上手に乗り越えるコツだと私は考えています。

 

というのも、ごきげんでいることで、セロトニンやオキシトシンが分泌されるからです。

 

楽しいことをしたり、夢中になれることに打ち込んだり、人と心地よい関係性を築いたり。そういった日々の積み重ねが、未来の自分への贈り物になるはずです。

 

心地よい生活は自分で創り出す

 

——岸さんは自分がごきげんでいるために、日々やっていることはありますか?

 

岸さん:私は読書が好きなので、本を読む時間を大切にしています。

 

また、今は東京と山梨の2拠点生活をしているので、山梨では自然と触れ合ったり、畑で野菜を育てるのも楽しみの一つです。やっぱり自然に触れると、心がワクワクして、リフレッシュできますね。

 

仕事に関しては、好きな人と働くこと、ワクワクする仕事をすることを心がけています。

 

残りの人生はそんなに長くないと思っているので、何かに耐えて過ごしたくはない。心地よい生活を自分で創っていきたいと思っています。

 

——好きな人と働く。自分のワクワクすることをする。すごく素敵ですね。とはいえ、世の中には会社勤めで自分に選択権がなく、職場に嫌な人がいたり、やりたくない仕事をやらなければいけなかったりする方が大半なのかなと。現状に不満を抱えている人たちが自分をごきげんにするためにできることは何だと思いますか?

 

岸さん:まず理解すべきは、今の状況は自分で選択しているということです。本当に嫌なのであれば、環境を変えることもできるはず。何かしらの理由で今の環境から離れられないのであれば、状況を少しでも良くするためにできることを考えるのが大切なのではないでしょうか。

 

そのためにも、運動をしたり、マインドセットを整えたりすることが重要です。瞑想やヨガで自分自身と向き合う時間を持つのも良いですし、書道のように集中できる時間を持つのも効果的だと思います。

 

日々忙しいからこそ、自分のための時間を意識的に作ることが大切です。

 

そして、もう一つのおすすめは断食です。

 

断食は、体内の老廃物を排出し、細胞の修復を促進してくれるんです。セロトニンの分泌量も高まるので、更年期の女性にもおすすめですよ。

 

断食明けにおかゆを食べる時は、本当に幸せを実感できます。断食をすることで、デトックスをしながら日常のありがたみを再認識できるでしょう。

 

私は半年に1回のペースで、3日間の断食をするようにしています。定期的に断食をすることで、心身ともにリフレッシュできますよ。

 

すべての女性が「ごきげん」に生きられる世界を作りたい

——最後に、ホリスティックケアを取り入れることで岸さんが目指していることについて教えてください。

 

岸さん:私は、すべての女性がごきげんに生きられる世界を作りたいと思っています。歳を重ねても、健康でQOLを下げずに、ごきげんに暮らせたら幸せですよね。

 

自分のカラダを知ること、周りとの繋がりや循環を理解すること、つまりはホリスティックな生活を送ることで、それが叶うのだと伝えていきたいんです。

 

実は、私たちのカラダは借り物なんです。魂が宿る入れ物みたいなもので、神様から預かっているものだと私は考えています。だからこそ、なるべく良い状態を保ちながら、長めに借りられたらラッキーだなって。その間にいろんな経験や体験をするのが人生です。

 

いつかは役目を終えて、大切に使わせていただいたカラダをお返しする時が来ます。そうしたら、このカラダは地球に還るんですよ。タンパク質や炭素、酸素、水素、窒素など、様々な元素に分解されて、また次の命の一部になっていく。

 

つまり、自分のカラダを大切にすることは、巡り巡って地球全体を大切にすることに繋がります。

 

そんな壮大な循環の中で、ごきげんに暮らす人を増やすお手伝いができたら、これほど嬉しいことはありません。

 

プロフィール

岸 紅子(Kishi Beniko )/ ウェルネスプロデューサー

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事
環境省「つなげよう、支えよう森里川海」アンバサダー
サステナブルコスメアワード審査員長

自身や家族の闘病経験をもとに、2006年にNPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)を設立。多数の美容・健康・医療関係者とともに女性の心と体のセルフケアの普及につとめ、資格検定や人材育成を行う。また、自らも自然治癒力や免疫力を引き出すためのウェルネス講座を幅広く実施。

環境アクティビストとしても、ライフスタイルを通じた人にも地球にも優しい循環アクションを多く提言している。

パーマカルチャーデザイナー、発酵食スペシャリスト、味噌ソムリエの一面も持つ。

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)の詳細はこちら

<岸さんがおすすめするフェムケアアイテム>

フェミニン メディソープ/Pubicare organic

https://takakura.co.jp/products/1370/

フェミニンミスト/明日 わたしは 柿の木にのぼる

https://store.ashita-kaki.com/products/002-1

デリケートゾーン保湿オイル/ヴァージノル®︎

https://www.organicbotanics.jp/products/detail/418

エプソムソルトでバスタイムにスキンケア|おすすめの商品を紹介

 

お風呂が好きな方ならば、誰もが一度は「入浴剤」を入れたことがあるのではないでしょうか。

 

体を温めたり、お気に入りの香りに包まれたりと、素敵な製品がたくさん販売されています。

 

そんな入浴剤好きの方にぜひ使ってほしいのが「エプソムソルト」です。

 

単なる入浴剤とは異なり、さまざまな効果が期待できる優れもの。毎日の入浴時間がより有意義なものになるはずです。

 

今回はそんなエプソムソルトの詳しい効果についてご紹介しながら、効果があるといわれる根拠や注意点などを併せてみていきましょう。

 

エプソムソルトの効果とは

 

エプソムソルトとは、その名の通りイギリスの「エプソム」地方で産出された粒子のことです。

 

厳密にいえば塩ではなく「硫酸マグネシウム」ですが、海水に含まれており、見た目が塩にそっくりなことからその名が付きました。

 

発見されたのは約500年も前であり、当時から現地の人々の健康を支えてきた一品です

 

そんなエプソムソルト、実は単に体を温めるだけでなく、さまざまな効果が期待されています。

 

数十分の入浴で複数の効果が一度に期待できるとあれば、多くの人が試してみたくなるのではないでしょうか。

 

デトックス効果

エプソムソルトは海に多く含まれる、ミネラルの一種・硫酸マグネシウムでできています。

 

硫酸マグネシウムには温浴効果があり、通常のお湯に入るときに比べて体が芯から温まりやすいのがポイント

 

硫酸マグネシウムが溶けたお湯は浸透圧が変化し、体内の水分が汗となって排出されていきます。

 

普段エアコンのついた室内にいることが多ければ多いほど、汗をかく機会が少なくなり、体の新陳代謝が上手くはたらかなくなります

 

細胞が新しく生まれるのを阻んでしまい、ターンオーバーが乱れ、肌トラブルなどさまざまな影響を及ぼすでしょう。

 

定期的に入浴で汗をかくことは、体内のサイクルを正常化し、老廃物を排出したり新たな細胞を生み出したりすることに必要不可欠なのです。

 

むくみの解消

エプソムソルトに炭酸ガスを組み合わせた製品を入浴時に使うと、炭酸ガスが血管を広げ、硫酸マグネシウムが温めることで血行が促進されるといわれています

 

血流が滞ってむくんだ状態のふくらはぎなども、じっくりと温めることで改善されやすいでしょう。

 

お湯の中でできるマッサージなどを組み合わせれば、より一層むくみ解消に役立ちます。

 

1日立ちっぱなしや歩きっぱなしでむくんだ脚は、そのままにしてしまうと翌日さらなる疲れを生んでしまいます

 

日々の積み重ねで改善できなくなる前に、入浴時のむくみ対策が重要といえるでしょう。

 

美肌効果

ほとんどの人が知らない硫酸マグネシウムの特徴として挙げられるのが「経皮吸収される」という点です。

 

肌に吸収された硫酸マグネシウムは「アシルセラミド」という成分の生成をサポートする役割を担っています。

 

このアシルセラミドは水分を保持するセラミドとしての役割はもちろん、バリア機能を高め、乾燥や摩擦・紫外線などのダメージから肌を守ってくれるのが特徴です

 

シミやシワ・ニキビなど、どんな肌トラブルであっても大切なのは「強固な土台を作ること」です。

 

セラミドによって作られた強い肌の土台は、さまざまな肌トラブルを防ぎ、健康な肌への第一歩となるでしょう。

 

必要に応じて医薬品や化粧品で補いながらも、基本となるセラミド補給は忘れずに行うことが大切です。

 

筋肉痛の軽減とストレス解消

マグネシウムのもつ抗炎症作用は、運動による筋肉痛を和らげ、翌日のパフォーマンス改善に役立つといわれています。

 

既に痛みが出ている場合はもちろん、過度な運動をした日の入浴にエプソムソルトを使えば、明日明後日の筋肉痛を防ぐことにも繋がるでしょう

 

また、体の芯から温まることで、ストレスの原因となるホルモン「コルチゾール」が減少するという報告があります

 

エプソムソルトによって効率的に温まれば、忙しく短時間のみの入浴で済ませがちな方でもストレスが解消されやすいでしょう。

 

抗炎症作用によって肩こりや腰痛が和らげば、日頃感じる小さなストレスを防げるのも魅力的なポイントです。

 

睡眠の質の向上

日中一生懸命活動し昂った神経は、マグネシウムのはたらきでしっかりと鎮めてあげましょう。

 

ぬるめのお湯にエプソムソルトを入れて浸かることで、副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります

 

一度眠った後も起きにくくなり、気持ちの良い状態で朝を迎えられるでしょう。

 

スムーズに眠りに入るためには、温まった体から次第に熱が逃げ、体温が下がる過程が必要です。

 

となれば、眠る前にしっかりと体を温め、逃げるべき熱を蓄えておかなければなりません。

 

眠る1~2時間前までに入浴を済ませ、理想のタイミングで眠れるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

 

運動パフォーマンスの向上と回復促進

エプソムソルトを入れたお風呂で筋肉の凝りや痛みを軽減することで、翌日のパフォーマンス向上につながります

 

筋機能や神経機能の回復を手助けしてくれるため、毎日のようにトレーニングを行っている方や、明日に疲労を持ち越したくない方にもおすすめです。

 

関連記事:肌、髪、ボディとお出かけ前に使う夏のミストコスメ

 

エプソムソルトの科学的根拠は?

 

ここまでご紹介した内容を見ると、エプソムソルトがまるで薬のように優れた物質であるかのように思えます。

 

良い点が多数挙げられる一方、本当に効果があるのかと疑問視する声があっても不思議ではないでしょう。

 

エプソムソルトのもつはたらきについては、過去にバーミンガム大学を始めさまざまな論文が提出されています。

 

エプソムソルトが実際に経皮から吸収されるのか、また筋肉の痛みや疲労を軽減するはたらきがあるのかなど、それぞれの効果について説明されています。

 

しかし、現在の日本でエプソムソルトは「化粧品」として販売されています。

 

つまり、医薬品や医薬部外品とは異なり、現状のトラブルを改善する力は認められていないということ

 

今後起こりうるトラブルを予防したり、現状を維持したりするための製品だと定義されているのです。

 

そのため、エプソムソルトの効果として紹介されているものは、いずれも個人差があることを覚えておかなければなりません

 

全ての人にまったく同じ効果が現れることはないため、継続しながら様子を見たり、さまざまな製品を試したりすることが大切です。

 

関連記事:頭も身体も心も目を覚ます⁈冷たい水風呂でメンタルヘルスが改善!

 

エプソムソルトの注意点は?

 

さまざまな嬉しい効果をもつエプソムソルトですが、使用する際はいくつかの注意点を確認しておかなければなりません。

 

正しい使用方法を守り、悪い影響が出ないように工夫しながら使いましょう。

 

入浴時間の制限

ぬるめのお湯に30分から1時間程度ゆっくりと浸かる方も多いですが、エプソムソルトを入れた場合は長くても20分程度に留めるのが理想的です

 

普段よりも発汗作用が促進されているため、長時間の入浴は体への負担になりかねません

 

10分から20分を目安に、ダラダラと入り続けないよう注意しましょう。

 

飲酒後の使用禁止

エプソムソルトの有無にかかわらず、飲酒後の入浴は好ましくありません。

 

血行が良い状態でさらに体を温めることになるため、アルコールが一気に体内を巡り、酔いが強く出てしまうでしょう。

 

エプソムソルトの血行促進作用がはたらけば、危険な状態になることも考えられます。

 

また、アルコールが体内を巡るだけでなく、心臓が過剰にはたらくことで発作を起こしやすくなります

 

体内の血流が上がって脳に血がいかなくなると、貧血を起こして転倒し、頭を強打する可能性もゼロではありません。

 

入浴前の飲酒は微量であっても避け、入浴後しばらくしてから楽しむのがおすすめです。

 

使用期限の確認

一般的なエプソムソルトは、使用期限が3年前後に設定されているものが多く、通常の入浴剤に比べ期間が長いのが特徴です。

 

期間を空けて使う場合は特に、使用期限が切れていないか確認してから使いましょう。

 

仮に使用期限が切れたエプソムソルトを使っても、ただちに影響があるわけではありません。

 

とはいえ、肌トラブルの原因となることも考えられるため、肌が弱い方やアレルギーを持っている方などは特に注意が必要です

 

アレルギー反応に注意

具体的にエプソムソルトがアレルギー源となることはないものの、季節の変わり目でかゆみが出たり、アトピーが悪化したりといった可能性もゼロではありません。

 

特に初めて使う場合は、肌に異変がないか確認しながら行いましょう

 

二の腕の内側などの柔らかい部分を使って、パッチテストを行ってから使うのも大切です。

 

溶け残りの確認

エプソムソルトは通常サラサラとした質感ですが、時として団子状に固まってしまうことがあります。

 

品質に問題はなく、お湯に入れればすぐに溶けることがほとんどですが、稀にお湯が少ない場合などは溶け残りが出る可能性もあるでしょう。

 

溶け残りがある湯船にそのまま入ると、エプソムソルトが大量に肌に触れ、思わぬトラブルを生む可能性があります

 

しっかりと溶けて粒が残っていないことを確認してから入浴することが大切です。

 

関連記事:アロマテラピーのやり方や効果とは|おすすめのアロマディフューザーを紹介!

 

エプソムソルトの選び方

 

続いて、実際にエプソムソルトを選ぶときに注目したいポイントを4つご紹介します。

 

エプソムソルトといってもその種類はさまざまで、豊富な製品から一つを選ぶ必要があります。製品の特徴を見極め、使いやすい一品を選びましょう。

 

内容量で選ぶ

エプソムソルトの中には、大容量タイプや個包装タイプなどさまざまな製品が登場しています。

 

毎日欠かさず使いたい方は大容量タイプを、なるべく品質を保ちながら気分に合わせて使いたい方は個包装タイプを選ぶと良いでしょう

 

他の入浴剤をいくつか揃え、今日はどれにしようか悩みながら決めるのもおすすめです。

 

香りで選ぶ

無香料のイメージが強いエプソムソルトですが、さまざまな香りの製品が発売されており、見た目にも可愛らしいため迷ってしまいがちです。

 

ローズやラベンダーといったフローラル系の香りもあれば、ミントやレモンなどの爽やかな香りのものもあるため、好みの一品が見つかりやすいでしょう

 

気分や季節などさまざまなシーンに合わせて選べるよう、いくつかの種類を揃えておくと便利です。

 

成分で選ぶ

単にエプソムソルトのみを使った製品もあれば、香りや色を付けるために添加物を使用しているものもあり、どれが良いとは一概にはいえません。

 

純粋なエプソムソルトを使いたいのか、香りや色を含めてリラックスしながら使いたいのかによって製品を選ぶと良いでしょう。

 

用途で選ぶ

先ほどもご紹介したように、エプソムソルトはさまざまな効果が期待できます。

 

リラックスや睡眠の質改善を目指すのか、筋肉のケアをしながらパフォーマンスの工場を目指すのかなど、用途に応じて適切なものを選びましょう

 

無香料・保存料不使用のものの中には赤ちゃんから使える製品もあり、家族みんなで有意義なバスタイムを過ごすのにおすすめです。

 

おすすめのエプソムソルトを紹介

 

最後に、数あるエプソムソルトの中からおすすめの製品を3種類ご紹介します。

 

BASSPA エプソムソルト (金木犀 3kg)

 

ひのきや柚子といった心落ち着く香りから、イランイランやホワイトムスクのように優しく甘い香りまでさまざまな種類のあるBASSPAのエプソムソルト。

 

こちらの金木犀は特に人気の一品で、本物の金木犀のような柔らかく芳醇な香りを楽しめます。

 

防腐剤や着色料は一切使用しておらず、肌に触れる成分に気を配っている方にもおすすめです

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

アコール エプソムソルト 100g 5袋

 

1972年からエプソムソルトの製造・販売を手掛けるアコールが自信をもっておすすめする一品です。

 

無香料のシンプルなエプソムソルトは、好みを選ばずどんなシーンでも活躍するのがポイント。

 

1回分ごとに個包装になっているため、持ち運びがしやすく旅行バッグに忍ばせておくのもおすすめです。

 

香料や着色料は全て無添加であり、肌に優しいのも嬉しいポイントといえるでしょう

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

EPSOPIA エプソピア(600g+増量200g)

 

約45回分のエプソムソルトがセットになったお得な製品です。全て国産の成分のみを使用しており、品質にこだわって作られているのがポイント。

 

計量スプーンが入っているため、1回分の量が分かりやすく誰でも手軽に使えるでしょう。

 

安全性の基準として食品と同じレベルを採用しており、赤ちゃんとの入浴時にもおすすめです

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

【まとめ】エプソムソルトで至福のバスタイムを

肌が生き生きとしたり、筋肉のパフォーマンスがアップしたりとさまざまなメリットがあるエプソムソルト。

 

普段の入浴剤の代わりにサッと入れるだけで、手軽に健康を目指せるでしょう。

 

自分に合った香りや色のエプソムソルトを見つけ、より有意義なバスタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。

アロマテラピーのやり方や効果とは|おすすめのアロマディフューザーを紹介!

 

素敵な香りが部屋いっぱいに広がり、気分が上がるアロマテラピー。

 

単に良い香りを楽しむだけでなく、さまざまな嬉しい効果が期待できることでも知られています。

 

お気に入りの香りを見つけるとともに、お悩みや環境に合った香りを探してみるのもおすすめです。

 

今回はアロマテラピーが一体どんな効果を持っているのか、また自宅で簡単にできるアロマテラピーのやり方についてご紹介します。

 

専門的な知識がなくても、気軽に楽しめる方法を知っているだけで、普段の生活がより一層素敵なものになるでしょう。

 

アロマテラピーの効果について

 

「アロマテラピー」とは、単に良い香りを嗅いで素敵な気持ちになるだけではありません。

 

「セラピー」と名の付く通り、香りを使った「療法」であるため、正しく使うことでさまざまな効果が期待できます。

 

どんな香りアイテムでも良いわけではないため、本来の効果を発揮できるものを選ぶ必要があります

 

まずはアロマテラピーが私たちにどんな嬉しい効果をもたらしてくれるのか、一つひとつ確認していきましょう。

 

香りの種類によっても細かな効果が異なりますが、今回は多くの香りに見られるメイン級の効果についてご紹介します。

 

リラックス効果

アロマテラピーの効果でもっとも有名なのは、気持ちを落ち着かせ、深くリラックスさせてくれることではないでしょうか。

 

1日の終わりに楽しむことで疲れた体と心を癒し、明日を頑張るための休息をもたらしてくれます。

 

ドキドキした気持ちを抑える鎮静効果も期待でき、緊張してしまいがちなシーンの前などにも役立つでしょう。

 

数あるアロマの中でも、リラックス効果が高いとされているのが「ラベンダー」「オレンジ」「ベルガモット」「カモミール」などです

 

いずれもふんわりと甘くやさしい香りが特徴で、プライベートスペースや寝室で使うのがおすすめです。

 

集中力の向上

勉強や仕事を頑張りたいと思っても、音や光などさまざまな要因で集中がそがれてしまうことがあります。

 

そんなときはアロマテラピーで、頭をスッキリさせてみてはいかがでしょうか。

 

集中力が高まると同時に、机に向かう時間が増えたり、思考力が向上したりする効果も期待できます。

 

意識を勉強や仕事に100%向けることで、普段よりもパフォーマンスが上がり、成績や結果が良くなる可能性も高いでしょう。

 

具体的に使うなら「ローズマリー」「ペパーミント」「レモン」「ユーカリ」などのアロマがおすすめ

 

いずれも鼻にスッと入り、爽快感のある香りを楽しめます。

 

睡眠の質の向上

深くリラックスする効果に加え、睡眠の質を上げる効果も期待できるアロマテラピー。

 

先ほどもご紹介したラベンダーなどに加え「サンダルウッド」「ヒノキ」などグリーン系の香りを選ぶのもおすすめです

 

入眠する前に少し香りを嗅ぐだけで、入眠しやすくなったり、途中で置きにくくなったりといった効果が期待できるでしょう。

 

そもそも私たちが上手く眠るためには、交感神経に代わって副交感神経が優位になり、昂った神経を鎮めてリラックスしなくてはなりません。

 

とはいえ直前まで仕事をしていたり、明るい部屋でテレビを見ていたりすると、副交感神経がはたらかずなかなか眠りにつけなくなってしまうでしょう。

 

寝る前は早めに部屋を暗くし、お気に入りのアロマオイルを使ってリラックスできる時間を作ります

 

スマートフォンはなるべく使わず、間接照明の中でゆったりとした時間を過ごしましょう。

 

1日のことを振り返る時間として、日記をつけたり音楽を聴いたりして過ごすのもおすすめです。

 

免疫機能の向上

季節の変わり目や風邪・インフルエンザなどが流行る冬場などは特に、免疫力を上げてトラブルに強い体を作りたいものです。

 

大人はもちろん、学校で感染症をもらいやすい子どもたちにとっても、アロマオイルで免疫機能を向上させましょう。

 

子どもがいる家庭でアロマテラピーを行う場合、大人が楽しむときに比べて香りを控えめにすることが大切です。

 

免疫力をアップし感染症予防に役立つアロマは「ユーカリ」「ティーツリー」「タイム」「ペパーミント」などハーブ系の香りが挙げられます

 

スッキリとしていて嗅ぎやすく、頭が冴えることから、子ども部屋にもピッタリのアロマといえるでしょう。

 

これらのアロマは自律神経のはたらきを整え、免疫力だけでなくアレルギーや炎症にも強いといわれています

 

花粉症の症状が出やすい春・秋なども含め、1年を通して使えるのが魅力的です。

 

消化促進

つい食べ過ぎてしまったり、脂っこいものを食べたりすると、消化不良になり胃もたれや胸やけがする場合があります。

 

食べたものの内容はもちろん、胃腸のはたらきが弱っている場合も、消化不良を起こしやすいでしょう。

 

一見胃腸とアロマは関係がないようにも思えますが、実際に消化を促進する効果が期待できるアロマもたくさん存在します。

 

消化促進にピッタリなのは「レモン」「オレンジ」など柑橘系のアロマオイル

 

副交感神経のはたらきを活性化させ、食べたものをしっかりと消化できるようはたらきかけてくれます。

 

他にも、ラベンダーなどリラックスできるアロマで、ストレス性の胃痛を鎮める効果が期待できます。

 

ペパーミントなどの爽やかなアロマは、吐き気や胃もたれを回復させたりと、症状によっておすすめのアロマが異なります

 

肌の健康促進

肌の健康を保つためのアロマオイルは種類が多く、それぞれのお悩みによって選ぶ必要があります。

 

下記の代表的なアロマを参考に、自分に合うものを探しましょう。

 

  • 抗炎症作用:ラベンダー、カモミール、ティーツリー、パルマローザなど
  • 抗アレルギー作用:パイン、レモングラス、ユーカリなど
  • 細胞の成長促進作用:フランキンセンス、ゼラニウム、ネロリなど

 

ニキビなどの炎症が気になる場合は抗炎症作用のあるアロマを、花粉症の時期などに肌荒れが起こりやすい場合は抗アレルギー作用を選びます。

 

その他シミやシワなど、さまざまなトラブルに効果的なのが「細胞の成長促進作用」をもつアロマであり、健康な細胞が生まれやすくなる点が魅力的です。

 

関連記事:20年間の「やせなきゃ」から解放された私が考える『ボディポジティブ』

 

自宅でできるアロマテラピーのやり方

 

「専門的な知識がなければできない」と思われることも多いアロマテラピーですが、実は誰でも簡単に自宅で始められる楽しみの一つです。

 

一度材料を用意してしまえばしばらくの間楽しめるため、まずは一種類のアロマから始めてみてはいかがでしょうか。

 

ディフューザーを使用する

アロマディフューザーは、アロマオイルの入ったビンに専用のウッドスティックを差し、スティックがアロマを吸い込んで空気中に香りを広げる方法です

 

場所をとらないため、玄関やトイレなどの狭い空間でも活躍してくれるでしょう。

 

一度飾った後はしばらく香り続けるため、いつでも素敵な香りを楽しみたい方におすすめです。

 

また、ガラスのビンにウッドスティックを差し込むだけで使えるため、その手軽さも大きな魅力の一つ。

 

インテリアとしても活躍するため、雰囲気がグッとオシャレになるでしょう。

 

ゆっくりと揮発してくれるため、強い香りが苦手な場合や、子どものいる家庭でも使いやすいタイプです。

 

アロマバス

入浴中に楽しめるアロマであり、リラックスタイムのお供としても活躍するタイプです。

 

ゆっくりと香りを楽しむために、普段よりも少しだけお湯の温度を下げ、のぼせないように注意しましょう。

 

お湯に直接アロマオイルを垂らして使うため、肌からはもちろん、揮発したアロマを吸い込むことでアロマが効果的にはたらいてくれます。

 

アロマオイルを湯船に入れるときは、およそ200L程度のお湯に3滴から5滴程度が理想です

 

濃度の高いアロマオイルは直接肌に触れると荒れやすいため、必ず適切な量を守って使いましょう

 

アロマスプレー

一瞬だけ香りを楽しみたいときや、消臭効果を利用したいときには、アロマオイルを水で希釈したアロマスプレーを使ってみてはいかがでしょうか。

 

お手持ちのスプレーボトルに入れておけば、どこでも気になる場所で使用できます。

 

キッチンやトイレなどはもちろん、車内の消臭剤としても活躍してくれるでしょう。

 

アロマスプレーは、精製水と無水エタノールを2:1の割合で混ぜたものにアロマオイルを垂らして作ります

 

精製水40mlに無水エタノール20mlの場合、入れるアロマオイルは20滴~25滴程度。分離しやすいため、使う前によく振っておきましょう。

 

アロマスプレーの効果は永遠ではないため、作ってから1ヶ月程度で使い切るのがおすすめです

 

できるだけ小さめのスプレーボトルを用意し、短期間で使い切れるよう工夫しましょう。

 

車内など気温が上がる場所に置いておくのは避け、冷暗所で保存するのが大切です。

 

トピカルアプリケーション(直接肌に塗布)

リラックス目的で使用するアロマの一部は、直接肌に塗布して使うことがあります。

 

これを「トピカルアプリケーション」と呼び、正しい濃度で使うことで疲れを和らげたり、快眠できたりといった効果が期待できます

 

とはいえ、高濃度のアロマを直接肌につけてしまうと、肌荒れや赤みなどの原因になりかねません

 

アーモンドオイルやホホバオイル・スクワランオイルなど、保湿目的のオイルで希釈し、刺激を抑えて使いましょう。

 

トピカルアプリケーションでアロマを塗布する場所は、首の後ろや手首などさまざまです。

 

頭や目が疲れているときはこめかみに塗ると、香りがふんわりと広がりリラックスできるでしょう。

 

アロマキャンドル

アロマオイルが練り込まれたキャンドルは、溶けるにつれてゆっくりと香るのが特徴です。

 

強すぎないため、香りが苦手な方でも安心して楽しめるでしょう。

 

使用時は火がついている間、子どもやペットが触れないように注意しなければなりません

 

私たち人間は、炎が揺れている様子を見ていると気持ちが落ち着き、リラックスできるといわれています

 

このことから、リラックス系のアロマとキャンドルの組み合わせは、まさにベストコンビといえるでしょう。

 

寝る前にゆっくりと炎を眺める時間をとれば、深く良質な睡眠がとりやすくなります。

 

関連記事:肌、髪、ボディとお出かけ前に使う夏のミストコスメ

 

アロマテラピーの効果を手軽に高めるディフューザーの選び方

 

アロマテラピーを手軽に楽しめるとして人気の「ディフューザー」。

 

さまざまなタイプがあるため、使いたい部屋や使いやすさなど選び方のポイントを抑えておく必要があります。

 

一度購入すれば長く使えるものも多いため、気に入る一品を選びましょう。

 

タイプで選ぶ

アロマディフューザーは、大きく分けて以下の4種類に分けられます。

 

  種類 仕組み おすすめの

場所

加熱式 キャンドル

電気

オイルを温めて

香りを拡散させる

寝室
超音波式 水にオイルを浮かべて

水蒸気状に拡散させる

リビング
噴射式 アロマドロップ

ネブライザー

振動させてアロマを

霧状に拡散させる

リビング
気化式 リードディフューザー

アロマストーン

染み込ませたアロマを

気化させて使う

玄関

トイレ

 

各種類ごとに違った使い方があり、香りの広がり方も大きく異なるため、自分に合ったものを想像しながら選ぶのがおすすめです。

 

部屋のサイズに合わせて選ぶ

広い部屋で使いたいのか、はたまた限られた場所だけを香らせたいのかによっても、選ぶべきアイテムが異なります。

 

リビングやダイニングなど広い場所で使いたい場合、香りの広がりが速く広範囲で楽しめる超音波式や噴射式を選ぶのがおすすめ

 

部屋の隅にいても香りを感じやすく、オフィスなどでも使いやすいでしょう。

 

プライベートスペースなど、他の場所に香りを広げずに楽しみたい場合は加熱式や気化式を選びましょう

 

いずれもふんわりと強すぎない香りが長時間楽しめるため、リラックスしたいときや頭をスッキリさせたいときなどさまざまなシーンで活躍してくれます。

 

タイマー機能の有無で選ぶ

電源に繋いで使う超音波式ディフューザーの中には、タイマー機能がついた便利な製品も登場しています。

 

特にお昼寝や就寝時に使いたい場合、設定した時間になると自動で電源がOFFになるのが魅力的。

 

つけっぱなしにならず、電気代やアロマオイルの節約にも繋がります

 

ライト機能で選ぶ

ディフューザーそのものにライト機能がついており、夜間の間接照明として使えるものもあります。

 

寝る前の数分間をリラックスして過ごしたい方や、読書・日記などのお供にアロマオイルを使いたい場合など、一人でゆっくりと過ごす時間に活躍してくれるでしょう

 

温かみのある電球色や温白色のライトを選び、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

また、赤や青などさまざまなカラーのライトがつき、部屋の電気を消すことで素敵に仕上がるものもあります。

 

超音波式のディフューザーなどは、水に反射した光がゆらゆらと揺れ、幻想的な空間になるでしょう。

 

デザイン性を重視する

アロマディフューザーを選ぶとき、シンプルでどんなインテリアにも映えやすい製品もあれば、こだわりのデザインが魅力的な製品もあります。

 

せっかく選ぶのであれば、毎日使いたくなるような素敵なデザインのものを探してみるのがおすすめです。

 

メンテナンスのしやすさを重視する

先ほどご紹介した中で、もっともメンテナンスがしやすいのが「アロマストーン」です

 

石に数滴ずつアロマオイルを垂らして使うため、汚れが少なく綺麗な状態が長持ちするでしょう。

 

これに対し、頻繁にお手入れが必要となるのが超音波式ディフューザーです。

 

水にオイルを垂らすため、季節によってはカビの原因となる可能性があります。中に入れる水は定期的に交換し、清潔さを保つことが大切です。

 

価格の手頃さを重視する

アロマストーンやリードディフューザーなど比較的リーズナブルなものもあれば、超音波式や噴射式など少しリッチなものまでさまざまな製品があります。

 

アロマオイルの価格も含め、なるべく長く楽しめるものを選ぶと良いでしょう。

 

また、加熱式や気化式の中にも、工芸品として扱われているものや有名ブランドのものなど、リッチな製品が数多く登場しています。

 

普段使っているものよりも少し豪華なディフューザーを選び、特別な時間を過ごしてみるのもおすすめです。

 

関連記事:頭も身体も心も目を覚ます⁈冷たい水風呂でメンタルヘルスが改善!

 

おすすめのアロマディフューザーを紹介!

 

最後に、数あるアロマディフューザーの中から特におすすめのものを4種類ご紹介します。

 

Minidiva アロマランプ・ナイトライト アロマディフューザー

 

手のひらサイズのコンパクトなネブライザー式アロマディフューザーです。

 

シンプルな3つのボタンで操作がしやすく、自分使いとしてはもちろんギフトとしてもおすすめの一品。

 

昼間は通常通りに、夜はナイトライトを使いながら、さまざまなシーンで活躍してくれるでしょう。

 

木目調の本体とガラスがシンプルな中にも遊び心を感じさせ、どのお部屋に置いてもオシャレなインテリアアイテムとして活躍してくれます

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

Kahuro アロマストーンセット【天然石 400g+アロマオイル10ml+led台座1台+ガラス1本】

 

ガラスの器に大小さまざまなアロマストーンが詰まった豪華な一品です。

 

自然が産んだ天然石を使っており、デコボコとした質感が光に当たって幻想的な空間を作り出します

 

暖色→乳白色→暖色+乳白色と3つのモードを使い分けられ、お部屋の雰囲気に合わせて使えるのが魅力的。

 

6種類のアロマを配合したオリジナルエッセンスが付属しており、届いたその日から楽しめます。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

アロマセット【アロマストーン400g+Cedarwood Essential Oil 10ml+ガラス1本】

 

天然の水晶をアロマストーンとして使い、香りだけでなく視覚でも楽しめる一品です

 

爽やかなグリーンのカラーを引き立たせるよう、ガラスの器は限りなくシンプルを追求。

 

アロマストーンのイメージに合うサンダルウッドのアロマオイルが付属しており、心の奥底からゆったりとした気持ちにさせてくれます。

 

寝室や書斎など、コンパクトな空間で特別なひと時を過ごす際に活躍してくれるでしょう。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

MUJI 無印良品 超音波うるおいアロマディフューザー

 

コロンと丸い形状が可愛らしく、どんな部屋にも合いやすいシンプルな一品です。

 

中には水を入れられるようになっており、好きなアロマオイルを数滴垂らすだけで香りが部屋一面に広がります。

 

便利なタイマー機能付きであるのに加え、温かみのあるオレンジ色のライトが周りを優しく照らしてくれるでしょう

 

デコボコが少ないためお手入れがしやすく、いつでも清潔な状態を保てます。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

【まとめ】アロマテラピーで気分を上げよう

気持ちの面ではもちろん、身体的にもさまざまな影響を与えてくれるアロマテラピー。

 

その日の気分に合わせて適切なものを選べるよう、いくつかのアロマオイルを揃えておくのもおすすめです。

 

さらには使いたいお部屋のサイズや印象に合わせたディフューザーを選ぶのもポイント。

 

今回ご紹介したさまざまな点を参考に、素敵なアロマライフを送ってみてはいかがでしょうか。

ジャーナリングのやり方は?日記との違いや効果について

 

日々さまざまなことを頭の中で考えていると、結論がなかなか出なかったり、考えすぎてイライラしてしまったりすることもあるでしょう。

 

誰かと会話するのとは違って、自分の中でだけ考えを巡らせるのは、良い点もあれば悪い点もあるものです。

 

そんなとき、頭の中を整理するために必要なのが「ジャーナリング」です。

 

定期的にジャーナリングを行うことで、自分が今何を考えているのか、何をしたいと思っているのかを正しく理解できるでしょう

 

今回はジャーナリングがもたらす効果や日記との違い、詳しいやり方についてご紹介します。

 

ジャーナリングの効果とは

 

ジャーナリングは、頭の中に浮かんだことを深く考えず、そのまま紙に記していく方法です

 

口を閉じて頭の中で考えを巡らせるよりも、自然と浮かんだ気持ちが現れやすいのが特徴です。

 

ジャーナリングをすると、想像しなかった本当の気持ちに気が付いたり、大したことではないと思っていたら実は重要なことだと分かったりします

 

そのため、誰もが一度はチャレンジすべき方法ともいえます。

 

そんなジャーナリングですが、実は自分の気持ちを深く見つめなおすことで、さまざまな効果を発揮してくれます。

 

それぞれの効果について詳しくチェックし、日々のルーティンに組み込むことをおすすめします。

 

ストレスの軽減

理由はないのに落ち込んでしまったり、無性にイライラしたりといった心の不安定さを引き起こすストレス。

 

軽微なものであれば問題ありませんが、小さなストレスが積み重なったり、急に大きな負担がかかったりするとさまざまな弊害を生んでしまいます

 

心の不安定さだけでなく、身体的なトラブルが起こることも珍しくありません。

 

肌が荒れたり髪が抜けやすくなったり、時には重大な病気を発症する可能性もあります。

 

ジャーナリングを定期的に行うと、自分の深層心理と向き合うことになり、ストレスの原因や解決策を見出しやすくなります

 

ストレスについて深く悩んでしまうのではなく、普段考えが及ばない思考の深いところまで探ることで、よりスムーズにストレスを解決できるでしょう。

 

また、私たちがストレスを感じているとき、脳は不安やネガティブな思考でいっぱいの状態です。

 

無理やり楽しいことを考えようと思ってもうまくいかないのは、脳に考える隙間が無いのが理由です。

 

つまり、ジャーナリングでこの隙間を作ってあげることで、ポジティブな思考が自然と生まれやすくなるでしょう

 

免疫機能の向上

辛い出来事を自分の中で抱えたまま過ごしていると、ストレスにより体にさまざまな弊害が生まれやすくなります。

 

これをジャーナリングでうまく発散してあげることで、不安や焦燥感を抱きにくくなるでしょう

 

不安や焦りといった感情が長く心を支配していると、自律神経に大きな影響を及ぼします。

 

自律神経は私たちの意識と関係のないところで、常に体を動かしてくれている神経のこと。

 

呼吸や心臓の拍動などさまざまな役割を担っているため、バランスが乱れるだけでも体調の悪化につながってしまいます。

 

自律神経のはたらきが乱れることで、免疫力が低下するのも注意しなければならないポイントの一つ。

 

単なる風邪にかかりやすくなったり、一度感染した病気が治りにくくなったりするため、単なる風邪だと軽視できなくなるでしょう

 

ジャーナリングでストレスを発散することで、免疫力の低下を防ぎ、健康な体を保つことにも繋がるのです。

 

抑うつ症状の軽減

上手く外に吐き出せない不安や焦りを抱えた状態が続くと、落ち込んだ状態から浮上しにくくなり、抑うつ状態へと進行してしまいます。

 

このまま対処をしなければ本格的なうつ病になる可能性も高いため、単なる落ち込みだと思わず、体からのSOSをしっかりと受け止める必要があります

 

抑うつ状態はあくまでも「一時的な気分の落ち込み」であり、ここで落ち込んでいる原因と向き合うことで気分の切り替えが可能です

 

原因を一つずつ頭の中で考えるのではなく、自分が奥底で何を考えているのかを確かめるためにもジャーナリングを試してみましょう。

 

自己認識の向上

「自己認識」とは、自分の気持ちや状態をしっかりと把握できている状態を指します。

 

自分が今何を考えているのか、どんな気持ちでいるのかを第三者目線で理解できれば、不安やイライラなどさまざまな感情をコントロールできるでしょう。

 

ジャーナリングで思い浮かんだ感情を書き留め、書いた文章を改めて確認することで、これまでに気が付かなかった感情が目で見て分かるようになります

 

自分が今ポジティブなのかネガティブなのかを知るだけでも、行動に大きな違いが生まれるでしょう

 

「今日はもっと頑張れそうだから」と仕事に取り組んでみる。「今日はしっかり休んだ方が良いだろう」と早めに布団に入る。

 

といったように、その日の気持ちに合わせた行動がとれるはずです。

 

記憶力の向上

ジャーナリングで普段の感情を書き出すと、脳に隙間ができ、より重要なことを考えるだけの余裕が生まれます

 

ポジティブな感情とネガティブな感情では、圧倒的にネガティブな方が頭を占める割合が多いもの。

 

これらをうまく発散し、脳に空きを作ることで、さまざまな思考ができるようになるでしょう。

 

脳に余裕ができれば、記憶力の向上にも繋がります。

 

試験の前などはもちろん、普段から人の名前を覚えにくい方や、忘れものが多い方にもジャーナリングが向いているといえるでしょう。

 

小さな感謝への気づき

不安や焦りなどネガティブな感情で頭がいっぱいになっていると、その他のことに目が向きにくくなり、視野が狭まってしまいます

 

周りから向けられた気持ちにも気が付きにくくなり、知らないところでトラブルを生んでしまうこともあるでしょう。

 

ジャーナリングによって頭の中がクリアになると、周りからの気持ちに素直に応えられるようになります

 

日常に潜んでいる小さな「ありがとう」にも気が付きやすくなり、毎日を少し優しい気持ちで過ごせるでしょう。

 

反対に自分も周りに優しくできるようになり、不要なトラブルを防ぐことにも繋がります。

 

関連記事:アンガーマネジメントのやり方|「意味ない」と言われる理由とは?

 

ジャーナリングと日記の違いは?

 

「自分の気持ちを書き出す」という点において、ジャーナリングも日記も同じように見えます。

 

日記であれば、既に毎日書いている方も多いのではないでしょうか。

 

ジャーナリングと日記の違いを明確にしておくことで、それぞれを使い分け、より効率的に気持ちの整理ができるようになるでしょう。

 

ジャーナリング

ジャーナリングは、ノートを目の前にして思い浮かんだすべての気持ちをつらつらと書いていくものです

 

「これは書かない方が良いかな」などと深く考える必要はなく、ただ思ったことを全て書いていきましょう。

 

これにより気持ちを整理したり、奥深くに隠れていた自分の気持ちに気づけたりといった効果が望めます。

 

真面目な人であれば、ジャーナリングを行うときに「日記にならないように」「気持ちを整理するために」と効果を求めるため一生懸命になってしまうでしょう。

 

丁寧に書きたい日記とは異なり、肩の力を抜いてチャレンジするのがおすすめです

 

日記

日記とは、1日の中で起きた出来事や行動をまとめておくものです

 

そのときに感じた気持ちを書くのも良いですが、メインとなるのは「何があったか」であり、気持ちに重点を置いていないのが特徴といえるでしょう。

 

特別な出来事があった日だけ日記をつけ、普段通りの日には何も書かないという方も少なくありません。

 

日記を書くときは、ジャーナリングとは異なり、内容を選びながら読み返したくなる文章を書くのがおすすめです

 

寝る前にあたたかいものを飲みながら書くなど、1日の終わりのルーティンとして続けてみるのもおすすめです。

 

関連記事:メンタルブレイクした時はどうすればいい?診断方法や治し方を紹介

 

ジャーナリングのやり方

 

続いて、ジャーナリングのやり方を詳しくご紹介します。準備段階からこだわることで書くのが楽しくなり、より長く続けられるでしょう。

 

用具を準備する

基本的に、ジャーナリングは紙とペンさえあればどこでも始められます。

 

チラシの裏に書くのも良いですが、気に入ったデザインのノートや筆記具を選ぶことで、より楽しくチャレンジできます

 

この後ご紹介するおすすめアイテムの見出しでは、ジャーナリングにピッタリの素敵な日記帳をピックアップしています。

 

お気に入りのアイテムを見つけるためにも、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

リラックスする

ジャーナリングを行う場合、できるだけリラックスした気持ちで行うことが大切です。

 

あたたかい飲み物を用意したり、入浴後に行ったりと、落ち着いて書けるタイミングを選びましょう

 

できるだけ自分の気持ちに集中できるよう、1人になれる場所を選んだり、テレビを消したりといった工夫をするのもおすすめです。

 

テーマを決める

思ったことは何でも書いて良いのがジャーナリングですが、だからといって書くことが思いつかない場合も多いでしょう。

 

そんなときはテーマを決め、お題に沿って気持ちを整理していくのもおすすめです

 

例えば、今日の1日を振り返り、良い行いや悪かったことについて考えてみるのも良いでしょう。

 

今自分を取り巻く環境について考え、仕事が自分に向いているのか、今後どう成長していきたいのかを考えるのもおすすめです。

 

不安や焦りの原因を探るために、思い切って最近あった嫌なことについて深堀りしてみるのも効果的です。

 

書き始める

実際にノートへ書き始めると、次から次へと書きたいことが出てきてしまい、いつまで書けば良いか分からなくなることもあるでしょう。

 

あらかじめ何分間で書くのかを決めておき、その中で気持ちの整理を行うことが大切です

 

実際に書き始めた後は、途中でペンを置くことなく、キリの良いところまで書いてしまわなければなりません。

 

途中で食事をとったり入浴したりするのではなく、集中して気持ちと向き合う時間を作るのが良いでしょう。

 

内容を振り返る

納得のいくところまで文章が書けたら、一度全て読み返す時間をとります。

 

無意識のうちに書いていた文章までしっかりと確認することで、自分の気持ちを可視化し、冷静に分析できるでしょう

 

これまでに気が付かなかった点があれば、その部分を抜き出して整理しておくのもおすすめです。

 

また、ジャーナリングで書いた内容はその日だけでなく、1週間後、1ヶ月後など定期的に確認すると良いでしょう。

 

その日からどう気持ちや状況が変わったのか、今後どう変えていきたいのかをイメージしながら、今の気持ちと照らし合わせてみるのが効果的です

 

習慣化する

ジャーナリングは一度書いて終わりではなく、定期的に取り組むことで頭の中を整理できます。

 

毎日必ず取り組む必要はありませんが、休日に取り組んでみたり、1ヶ月を振り返ってみたりと、チャレンジするスパンを決めておくと良いでしょう

 

ジャーナリングは「やらなければならない」ものではないため、スケジュールに組み込んできっちりと行う必要はありません。

 

ストレスが溜まってきたり、楽しいことを考えられなくなったりしたときの対処法として、頭の隅に置いておくと良いでしょう

 

関連記事:メンタルがやばいサインとは?メンタルの不調で休むのは甘え?

 

ジャーナリングの気分を上げてくれるおすすめの日記帳4選

 

最後に、ジャーナリングにチャレンジするときにおすすめの素敵な日記帳を4種類ご紹介します。

 

ラコニック(Laconic) スタイルノート マンダラチャート A5

 

一般的な罫線のノートではなく、自分の気持ちと向き合うための特殊なチャートがついた日記帳です

 

さまざまな視点から目標達成を目指す「9×9」

関係性を整理するのに役立つ「座標軸」

考えの広がりを意識できる「同心円チャート」

イラストを交えてイメージを整理できる「4コマ・メモ」

 

この4種類が特徴です。それぞれ自分に合った使い方ができるため、楽しみながらメモをとれるのが魅力的です。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

いろは出版(Iroha Publishing)BREATH DIARY【BLUE】

 

シンプルで使いやすいデザインで、持ち歩くのにもピッタリな日記帳です。

 

ドットが印刷されたタイプのため、好きな大きさで文字を書けるのはもちろん、イラストを描きたいときにも活躍してくれるでしょう

 

最後のページには日記のネタが記載されており、書くことに迷ったときのヒントとしても使えます。

 

手のひらに乗る程度の小さなサイズ感で、文字をたくさん書くのが難しい人にもおすすめです。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

ミドリ(MIDORI)日記 きまぐれA

 

「きまぐれ日記」という名のこちらは、書きたいときに書きたい分だけ使える便利な日記帳です。

 

日付が印刷されていないため、取り組むと決めた日にだけ向き合えるのが魅力的

 

1日分しっかり埋めるのも良し、2日・3日分を使ってたっぷりと書くのも良し、その日の気分に合わせて使えます。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

ミドリ 日記 3分 黄色

 

 

気分がパッと明るくなるようなイエローカラーの日記帳です。

 

1日分は3行と少なく、たくさん書くのが負担に感じる方も取り組みやすいでしょう

 

もちろん数日分を一気に使い、書きたいことを十分にアウトプットするのもおすすめです。

 

しっかりとした作りの表紙・裏表紙がついており、特別感も満載。自分だけが見る大切なノートとして保管しておくと良いでしょう。

 

◆商品の詳細はこちら◆

 

【まとめ】ジャーナリングの習慣で人生を豊かに

耳慣れない言葉であることも多い「ジャーナリング」ですが、実際に取り組んでみると難しくはありません。

 

ジャーナリングは、自分の深いところにある気持ちと向き合える画期的な方法です。

 

カウンセリングを受けたり、医療機関を受診したりすることなく試せるため、不安を取り除く第一歩としてチャレンジしてみると良いでしょう

 

今回ご紹介した方法やおすすめの日記帳などを参考に、自分の生活に合ったジャーナリングを試してみてはいかがでしょうか。

メンタルブレイクした時はどうすればいい?診断方法や治し方を紹介

 

忙しい日々を送っている現代人ならば、誰もが一度は気持ちが落ち込んだり、頑張る気力がなくなったりした経験があるのではないでしょうか。

 

「単なる気持ちの変化だから」と対処せずに過ごしてしまうと、なかなか這い上がれずに辛い日々を送ることになりかねません

 

今回はそんな状態を指す言葉「メンタルブレイク」に注目し、自己診断の方法や治し方をご紹介します。

 

メンタルブレイクの意味とは?

 

「メンタルブレイク」とは、直訳で「精神崩壊」という意味を持つ言葉です。

 

医療用語ではなく、いわゆる造語として2000年代初め頃から広まり始めました。

 

当初は大型掲示板サイト「2ちゃんねる」にて精神を病んだ人を指す言葉として使われていました。

 

近年は誰しもがなりうる、辛い状態を意味する言葉へと変化しつつあります

 

掲示板サイトをきっかけに生まれたメンタルブレイクというワードは、徐々に女子高生を中心としたSNSで使われるようになりました。

 

何か嫌なことがあったり、やる気が出なかったりといった心情を「メンブレした」と表し、共感やなぐさめの言葉をもらうのが一般的。

 

当時は、ほんの少し落ち込んだ程度の状態を指す言葉として使われていたのです。

 

現在は大人でもメンタルブレイクという言葉を知っている人が多く、重いうつ状態などを表す際にも使われつつあります

 

面白半分で使う言葉から、自身や周りを労わるために必要な言葉へと進化しつつある言葉といえるでしょう。

 

一部では「メンタルダウン」という言葉も同様の意味として使われています。

 

関連記事:今日から始める、不安解消のための瞑想法

 

メンタルブレイクの症状は?

 

一言でメンタルブレイクといっても、人によって症状はさまざまです。

 

「あの人とは違うから私はメンタルブレイクではない」「この症状があるからメンタルブレイクだ」

 

というわけではなく、あくまでも普段の自分と比べてどのように変化したかをチェックすると良いでしょう

 

下記でご紹介するメンタルブレイクの症状は、実際に体験した人の多い症状の一例です。

 

下記以外にも気になる症状がある場合は、自分の症状と照らし合わせて確認することをおすすめします。

 

何もしていないのに気分が落ち込む​​

何か特別なことがあったり、傷ついたりした経験があって気分が落ち込むのは自然なことです。

 

しかし「何もしていないのにどんよりとした気持ちになる」「うまく笑えなくなる」

 

このような場合は、メンタルブレイクの症状の一つといって良いでしょう。

 

日々の小さなストレスが積み重なるなど、自分では気が付かないレベルのきっかけがメンタルブレイクを引き起こすことがあります。

 

何も悲しいことがなかったからといって、気持ちが落ち込んでいる状態を見逃さないようにしましょう

 

とはいえ、何もきっかけがない場合、気分が落ち込んでいることに気が付くのは難しいものです。

 

少しでも「あれ?」と感じることがある場合は、一度ゆっくりと時間をとって自分の状態を見つめなおしてみるのがおすすめです。

 

落ち込んだ気持ちに見て見ぬふりを続けてしまうと、その後ちょっとした出来事でさらに落ち込んだり、外に出るのが難しくなったりすることがあります

 

自分では分からないことも、周りが気づいてくれる可能性があるため、信頼できる人に相談するのも良いでしょう。

 

何をするにも気力が出ない​​

仕事や家事などを頑張ろうと思っても、なぜか気力がわかずに先延ばしにしてしまったり、重い腰が上がらなかったりした経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

もちろん仕事や家事に苦痛を感じていれば、自然と気力がわかなくなるもの。

 

普段はしっかりと取り組んでいても、季節の変わり目や生活習慣の変化などでやる気がフェードアウトしてしまうこともあるでしょう。

 

気力が出ない状態は、いわば「誰にでもあること」として放置してしまう人が多い症状です。

 

とはいえ、どんな症状にも何かしらの理由があるはずで、何もないのに気力がわかない状態は危険です

 

メンタルブレイクでは、自身が気が付かない要因が積み重なっていることが多いです。

 

「自覚がないままなぜか気力が出ない」「やる気が出ない」などの状態は、決して無視しないようにしましょう

 

もちろん、気力が出ないと思ったら実際には風邪の引き始めだったり、ホルモンバランスが乱れていたりすることもあります。

 

心の問題だけでなく、体の不調で考えられる原因がないかもチェックするのがおすすめです

 

いつもなら何でもないことに対してイライラする​​

メンタルブレイクの症状は、気持ちが落ち込むだけではありません。

 

普段ならば気にすることがないような些細な出来事に対して、過剰に気持ちが高ぶってしまうケースも考えられます。

 

家族の何気ない一言に反論してしまったり、イライラがおさまらずに何事も楽しめなかったりする場合は、上記同様メンタルブレイクを疑いましょう

 

この「イライラ」という症状は、自分が精神的に疲れていることが分かりにくい症状の一つでもあります。

 

普段温厚な人が何日もイライラしていたり、激しい言葉遣いに変わったりするのに気が付いた場合は、さりげなくフォローしてあげると良いでしょう。

 

主に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが原因でイライラがつのることがあります。

 

メンタルブレイクを疑うと同時に、月経周期などを確認し、体に不調がないか確認することも大切です

 

胸がドキドキして息苦しい​​

心の問題だと捉えられがちなメンタルブレイクですが、気持ちの変化によって身体的な症状が出ることも少なくありません。

 

代表的な症状の一つに「胸がドキドキする」「息苦しい」というものがあります。

 

病院で検査をしても異常がなく、ストレスが原因だといわれた経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

朝起きた瞬間に胸がつまるような感じがしたり、寝るために横になると息がしにくくなったりと、人それぞれ症状が異なるのも特徴です

 

場合によっては息苦しさが強くなり、うまく息が吸えず「過呼吸」になるケースもあります

 

口元に袋を当てて二酸化炭素を取り込むことで落ち着くといわれていますが、経験がなければ焦ってしまう人も多いでしょう。

 

過呼吸は息をゆっくりと吐いたりうつ伏せで横になったりするのに加え、周囲に人がいる場合は会話をすることで落ち着く可能性があります。

 

息苦しさは決して軽視せず、常に対処法を考えておくことが大切です。

 

熟睡できず夜中に何度も目が覚める​​

メンタルブレイクの間は体にストレスがかかり、自律神経のはたらきも乱れやすくなります。

 

通常、起きている間は交感神経が、眠るときには副交感神経が優位になるはずの人体ですが、自律神経がうまく働かない場合この限りではありません。

 

夜にもかかわらず気持ちが昂ったり、夜中に目が覚めて寝付けなくなってしまったりする場合は、病気を疑うとともにメンタルケアも行うと良いでしょう

 

眠りに関する悩みがある場合、まずは起きている間の行動を改善してみるのがおすすめです。

 

無理に眠ろうとするのではなく、朝起きてすぐに日光を浴びたり、適度な運動をしたりして体のサイクルを整えましょう

 

眠る前は熱すぎないお湯にゆっくりと浸かったり、就寝の3時間前までに食事を済ませたりといった工夫も大切です。

 

また、眠りに関する悩みが続けば続くほど、心身ともにさまざまなトラブルが起こりやすくなります。

 

必要に応じて医療機関を受診したり、睡眠導入剤を処方してもらったりと、専門家に相談することをおすすめします

 

関連記事:ジャーナリングのやり方は?日記との違いや効果について

 

メンタルブレイクの自己診断をしてみよう

 

医療機関を受診する前に、自己診断によるメンタルブレイクの見分け方を試してみましょう。

 

以下のようなチェックポイントを参考に、当てはまるものがいくつあるかで見極めを行います。

 

  • 気分の変動が激しいか?
  • 睡眠に問題はないか?
  • 仕事や日常活動に対するモチベーションは?
  • 食欲に変化はあるか?
  • 社会的な関わりに変化はあるか?
  • 集中力や判断力に問題はないか?
  • 自己評価に変化はあるか?
  • 不安や恐怖を感じることは増えたか?

 

先ほどご紹介した気分の落ち込み・イライラや、睡眠不足などの項目に加え「漠然と不安や恐怖を感じるか」といったポイントまでさまざまなものがあります。

 

一見して関連性のない質問にも思えますが、これらは全てメンタルブレイクの一例として多くの人が苦しんでいる症状です。

 

例として、精神疾患の一つ「うつ病」を挙げてみましょう。

 

気持ちの落ち込み、不安感、だるさ、暴力行為や希死念慮など、人によって症状に大きな違いが見られます

 

症状が重い場合は引きこもりになったり、専門病院に入院しなければならなかったりすることもあるでしょう。

 

これに対しメンタルブレイクは「一時的な気持ちの問題」と片付けられてしまい、うつ病などの精神疾患に比べ軽視される傾向にあります。

 

何の対処もしないままでは別の疾患を併発しかねないため、先ほどご紹介したチェックポイントを受診の目安として活用しましょう

 

自己診断は、あくまでも参考程度にしかなりません。

 

本来の原因や対処法は一人ひとり異なるため、専門医と時間をかけて話し合うことをおすすめします

 

関連記事:ネガティブ思考は病気?うつ病との違いや治し方を解説

 

メンタルブレイクしたときの治し方は?

 

人によって原因や症状が異なるメンタルブレイクは、基本的に専門医と治し方について相談するのがベストです。

 

いつでも相談できるよう、最寄りの精神科や心療内科を調べておくと良いでしょう

 

一方で、自分で症状を軽くするための対処法もいくつか存在します。

 

これらは根本的な問題を解決するわけではないため、一時的な対処法として覚えておくのがおすすめ。

 

時間や気持ちに少しでも余裕ができたときには、自身を悩ませている原因を探りましょう。

 

気持ちを声に出してみる

メンタルブレイクをしているときは、多くの人が自分の状態を正しく把握できていません。

 

「まだ大丈夫だろう」と思っていたり、これだと思う原因が間違っていたりすると、結果として症状を長引かせてしまうでしょう

 

そのため、まずは考えていることを全て口に出してみるのがおすすめです。

 

何を話すか考えることもなく、ただつらつらと気持ちを声に出してみるだけです。

 

そこに誰かがいても良いですし、1人のときでもかまいません。

 

頭の中で考えを巡らせていても、良い結果が生まれにくいどころかどんどんとネガティブな方向へ進んでしまいがちです。

 

アウトプットすることで気持ちを整理することにもつながるため、独り言のようにつぶやいてみると良いでしょう

 

また、どうしても声が出せない環境にいる場合は、手当たり次第紙に書き出してみるのもおすすめです

 

書いたものを見直しながら、自分が本当に抱えている気持ちを探っていきましょう。

 

どうしたいのか考えてみる

気持ちをアウトプットできるようになったら、一体自分がどうしたいのかを考えてみましょう。

 

仕事関連の気持ちを多く吐き出した場合「自分はその仕事でどんなポストに就きたいのか」

 

あるいは「辞めてしまいたいのか」といった希望する未来をイメージするのが重要です。

 

人間関係に悩んでいるのであれば、相手とどんな関係になりたいのか想像してみましょう。

 

例え非現実的な内容であっても、自分の希望を具体的に思い描くことが大切です

 

自分がどうしたいのかを考えるとき、周りの人間の目を気にする必要はありません。

 

「〇〇さんがこうすべきだと言ったから」「こうすると皆に迷惑がかかるから」といった前提を捨て、自分が心地良く過ごせる選択は何なのかを探りましょう

 

肉体的な健康を維持する

メンタルブレイクから脱却するためには、心はもちろん体の健康が必要不可欠となります。

 

心の辛さを重視するあまり、体の健康をおろそかにしてしまえば「疲れがとれにくい」「風邪をひきやすい」など日常にさまざまな影響が出てしまうでしょう

 

その結果、毎日がイメージ通りに過ごせなくなれば、新たなメンタルブレイクを引き起こす可能性もゼロではありません。

 

肉体的な健康は、精神的な健康の土台となります。

 

睡眠・食事・運動の3つをバランス良く整え、心と向き合うだけの余裕を身に着けましょう

 

急にこれまで続けてきた生活をガラリと変える必要はないため、できることから少しずつ始めていくことが大切です。

 

ネガティブな事柄を避ける

メンタルブレイクに悩まされている間は、ネガティブな事柄をできるだけ避けると良いでしょう。

 

例え今抱えている悩みとはまったく異なることであったとしても、ネガティブな事柄に引っ張られて気持ちがさらに沈んでしまう可能性があります

 

例として、悩んでいる人の相談にのったり、困っている人とともに苦しんだりするなど、周囲の空気がどんよりするような場所に行くべきではありません

 

負の感情が大きくなり、周りを巻き込んでしまう可能性もあるでしょう。

 

まず自分が十分な余裕をもつことが、誰かを助けるための第一歩となるはずです。

 

上記を習慣化する

これまでご紹介した1から4までの内容は、数回試しただけで何かが大きく変わるわけではありません。

 

これらを習慣化し、自分の生活に組み込んでいくからこそ、自分の力でメンタルブレイクを脱却するきっかけとなるでしょう。

 

その後は専門家の力を借りながら、本来の生活に戻るまでのリハビリを行う必要があります

 

関連記事:メンタルがやばいサインとは?メンタルの不調で休むのは甘え?

 

【まとめ】メンタルブレイクした時は無理しない

 

人によってさまざまな症状があり、原因を突き止めるだけでも難しいのがメンタルブレイクです。

 

日々の中で少しずつ自分と向き合いながら、明るい気持ちを取り戻すために対処法を続けていきましょう。

 

メンタルブレイクは単に原因を取り除いたり、楽しい経験をしたりするだけで完治させることはできません。

 

決して無理をすることなく、必要に応じて専門家の手を借りながら、少しずつ前を向いていくことが大切です。

性欲を抑えるにはどうすればいい?具体的な方法とデメリットについても

 

日常生活の中で、ふとした瞬間に沸き起こる性欲。

 

パートナーとタイミングが合えば良いですが、そうでなければ一旦性欲を抑えなければなりません。

 

本記事では、性欲を抑える具体的な方法をピックアップすると同時に、注意点やデメリットについてもご紹介します。

 

性欲を抑える意義

 

性欲を抑えようとは思っていても、思うようにいかずもどかしい思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

まずは性欲が高まったとき私たちの体の中では何が起こっているのか、具体的なメカニズムを紐解いていきましょう。

 

また、性欲を抑えることでどんなメリットがあるのかも併せてご紹介します。

 

性欲が高まるメカニズムとその影響​​

私たちの体には、男性ホルモンと女性ホルモンが共存し、それぞれ異なるはたらきをしています。

 

男性であっても女性ホルモンは持っていますし、女性の中でも男性ホルモンがはたらいています。

 

このバランスは常に保たれていますが、時折男性ホルモンである「テストステロン」の分泌量が増えることで性欲が高まるといわれています

 

とはいえ、テストステロンが直接脳に関与し性欲を高めているわけではありません。

 

テストステロンの分泌量が増えると、脳から「ドーパミン」と呼ばれる物質が分泌されます。

 

ドーパミンは別名「幸せホルモン」ともいわれており、興奮や幸福感を誘う物質の一つ。これが血液中に増えると、ムラムラとした気持ちになりやすいのです

 

テストステロンの分泌は、十分な睡眠をとったり、適度な運動をしたりすることで活性化します。

 

他人と会話することでも分泌が促進するため、相手が大切な人であればより分泌量が増えるでしょう。

 

男性ホルモンと呼ばれることから男性のみ分泌されると思われがちですが、女性の性欲や興奮にもテストステロンが関わっています。

 

また、女性がもっとも妊娠しやすいといわれる排卵日前後は、テストステロンが増加し興奮が高まる時期でもあります。

 

テストステロンは「フェロモン」の分泌を促進する作用もあるため、異性を誘うためにも役立つ時期といえます。

 

性欲を抑制することの精神的、身体的メリット​​​​

性欲を抑制すると、精神的・身体的にさまざまなメリットがあります。

 

  • パートナーとタイミングが合わなくてもイライラせずに済む
  • 自慰行為にかける時間を省ける
  • 気持ちに余裕が生まれる
  • 仕事のパフォーマンスが上がる
  • 必要なタイミングで性行為ができる

 

巷では性欲を抑制することで髪質・肌質が変わるなどのメリットも噂されていますが、医療的根拠がなく全ての人に当てはまるとはいえません。

 

主なメリットとしては、性欲に支配される時間が減ることや、性欲の発散に悩まされることがないといったものが挙げられるでしょう

 

関連記事:女性の性欲について解説!性欲がない女性もいる?

 

性欲を抑える具体的な方法

 

続いて、性欲を抑えるために有効といわれる方法についてご紹介します。

 

これらの方法はあくまでも一例であり、人によってはいくら試しても性欲が抑えられなかったり、反対に性欲がゼロになってしまったりすることもあるでしょう。

 

他人の例を参考にし過ぎることなく、自分の体と相談しながら進めていくことが大切です。

 

 運動と筋トレに励む

運動や筋トレに没頭していると、性欲のことを忘れられると感じる人も多いといわれています。

 

普段健康のために行う運動よりもほんの少しハードなメニューを選ぶと、体が疲れて性行為に及ぶ体力がなくなるでしょう

 

疲れて休みたいと思っている間は、気持ちが性欲に傾くことも少なくなるはずです。

 

また、運動や筋トレを習慣化すれば、体を引き締めたり健康になったりと良いことづくめなのもメリットといえます。

 

自慰行為に長い時間を割いてしまい、後からやりたいことができずに後悔してしまうケースも少なくありません。

 

まずは1日10分程度から、集中して運動する時間をかくほしてみましょう

 

趣味に没頭する​​

運動が苦手な方など、できるだけ体を動かしたくないと感じる場合も多いでしょう。

 

こういう場合は、自分の好きなことや趣味に没頭してみるのもおすすめです。

 

何か集中できるものであれば何でも良いため、作品を作るも良し、本の世界に浸るも良し、さまざまな楽しみ方があります

 

とはいえ、忙しい毎日を送る現代人であれば、趣味に没頭する時間がなかなか取れないかもしれません。

 

自分のもっとも好きなことのほかに、短時間でできる楽しみを探してみるのも良いですね

 

好きなカフェでコーヒーを1杯頼んでみたり、帰り道に音楽をかけてみたりと、ほんの少しの楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

瞑想で集中力を高める​​

性欲で頭がいっぱいになっていると、仕事に集中できずミスをする可能性があります。

 

別のことを考えられなくなり、他人との会話がうまくいかなくなることもあるでしょう。

 

これでは通常の生活に支障が出てしまうため、集中力を高めるため瞑想にチャレンジするのが効果的です。

 

瞑想は毎日1分程度からスタートすると良いでしょう。楽な姿勢で目を瞑り、深い呼吸を心掛けます

 

息を吸ったり吐いたりすることに気持ちを向けているうちに、余計な考えが頭から抜け、深く集中できるようになります

 

なるべく長期間継続するためにも、日々同じ時間に瞑想を組み込み、ルーティン化するのがおすすめです。

 

生活習慣の改善に努める

普段よりも長く起きていたり、ダラダラと過ごす時間が増えてしまったりすると、その分性的なことを考える時間も長くなってしまいます

 

リラックス目的で時間を確保するならば良いですが、何もすることがなくただだらける時間はできるだけ短くしましょう

 

朝食を抜いたり、睡眠時間を削ったりといった生活習慣の乱れも、正すべきポイントの一つです。

 

日々バランスの良い生活を送っていると、自立神経のはたらきも正常になり、過度な性欲に支配されにくくなります。

 

適度な性欲とうまく付き合っていくためにも、バランスの良い食事・適度な運動・良質な睡眠の3つを重視した生活を続けましょう。

 

関連記事:生理後は性欲が強くなる?生理周期別の性に関する過ごし方を紹介

 

性欲を抑える上での工夫と注意点

 

性欲を抑えたいと思っても、むやみに我慢すれば良いというわけではありません。

 

性欲を抑える上での注意点を参考に、無理のない範囲でチャレンジしてみましょう。

 

自慰行為の健全な利用

性欲を抑えるために、性行為や自慰行為を完全に避けてしまう人も少なくありません。

 

しかし、今まで行ってきたものが急になくなってしまうと体がついていけず、より性欲が高まってしまう可能性があります

 

パートナーとのタイミングが合わず性欲をコントロールしたいときは、適度に自慰行為を行うと良いでしょう。

 

健全な自慰行為の回数といっても、適切なタイミングは人によって異なります。

 

1日のうち長い時間を割いてしまったり、そのことしか考えられなくなったりするのは良くありません。

 

しかし、1日1回程度の自慰行為ならば生活に支障をきたしにくいでしょう

 

大切なのは「0か100か」という考えで性行為を避けるのではなく、適度に発散しながら自分の体と付き合っていくことです。

 

1人になれる時間がある場合は、満足できる最小限の時間を使って自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

 視覚的・思考的刺激の抑制

性欲を抑えたいと思っていても、性的なサイトや雑誌などを見てしまっては、元も子もありません。

 

性欲をコントロールしたいと思っている期間は特に、視覚から刺激を受けることがないよう注意しましょう。

 

時にはスマートフォンを置き、読書や映画に没頭してみるのもおすすめです

 

また、何も見ていなくてもついそのことを考えてしまい、思考が止まらなくなることで性欲が湧いてしまうことも多々あります。

 

この機会に新たな資格を得る勉強を始めたり、新たな趣味を探してみたりと、別のことで頭をいっぱいにしてみるのも一つの方法といえるでしょう

 

 社会的・健康的な影響を考慮

この後にご紹介する「性欲を抑えるデメリット」でも触れますが、性欲を抑えた状態が長く続くと、社会的・健康的に影響を及ぼす可能性があります。

 

まず男性の場合、性欲を抑えることでパートナーとの関係が悪くなったり、その手の会話を避けることで周りと話が合わなくなったりといった弊害が考えられます

 

さらには長期間射精をしないことで、精力減退や射精障害、男性ホルモンの低下といった身体トラブルが起こる可能性もあるでしょう

 

これらのリスクをしっかりと理解した上で性欲を抑え、コントロールすることが大切です。

 

女性の場合、男性に比べて身体トラブルの可能性は低いのが特徴です。

 

しかしパートナーに求められてもその気になれず関係が悪化したり、妊娠のタイミングを逃したりといったリスクもゼロではありません

 

関連記事:40代の女性の性欲が強い原因とは?性欲がなくなる場合との違いや対処法

 

性欲を抑えるデメリットは?

 

過度な性欲は時間や考える力を奪ってしまいますが、性欲を抑えすぎることで起こりうるデメリットも意識しなければなりません。

 

いずれにしても「やりすぎ」や「抑制のしすぎ」はできるだけ避け、適度に発散することが大切です。

 

過剰な抑制による精神的ストレス​​

抑制を始めたころにありがちなのが、過剰に我慢を重ねることでストレスになり、イライラしやすくなったり周りに当たり散らしてしまうといったトラブルです。

 

家族や知人と衝突し、関係が悪化してしまうこともあるでしょう。

 

しかし性欲には波があるため、落ち着いているときはイライラしてしまう自分を責め、逆に落ち込んでしまうことも少なくありません。

 

浮き沈みの激しい性格になり、周囲から距離を取られてしまう可能性もあります。

 

性欲を抑制するときは、必ず発散の方法を探しておかなければなりません

 

適度な自慰行為も一つの方法であると同時に、運動や趣味で発散するのもおすすめです

 

自分の気持ちを溜め込んでしまわないよう、息抜きができる時間はしっかりと確保しておきましょう。

 

社会的な偏見や誤解​​

性欲を抑制しパートナーとの性行為を控えていると、周囲に対しあらぬ誤解を生む可能性があります。

 

単に性欲をコントロールしたいだけだとしても「不仲なのではないか」「子どもができないのではないか」といった噂が次々に生まれてしまうでしょう

 

これらを一つひとつ訂正することもまた、ストレスの原因になりかねません。

 

また、社会には性欲をコントロールできないあまり「誰でも良いから」と犯罪行為に手を染める人が一定数存在します

 

過度な抑制によって性欲が爆発してしまい、痴漢や暴行に及ぶ事件もあるでしょう。

 

こういった事件に対する世間の目は冷たく、性欲を抑制しているというだけで「こういった思想があるのではないか」と思われる危険性があるのです。

 

性欲を抑制することは決して悪いことではないものの、周囲の人間に打ち明ける時には注意が必要です。

 

信頼できる関係の人にのみ話し、あらぬ疑いをかけられないよう工夫しなければなりません。

 

健康への潜在的影響​​

性欲を過度に抑えることで、男女ともにイライラしてしまったり、パートナーとの関係が悪化したりといった影響が出ることをご説明しました。

 

一方で男性の場合、身体的影響から健康に被害が出ることもあります。

 

長期間射精をしないことで古くなった精液が溜まり、健康的な精子が作られなくなったり、上手く射精ができなくなったりといったリスクが高まるでしょう。

 

いざ妊娠を考えたとき、男性側のトラブルで妊娠に至らないケースも珍しくありません。

 

一説によれば、男性は少なくとも週に一度のペースで射精することが理想だといわれています

 

これ以上回数が減ると上記のようなトラブルが起きたり、前立腺がんのリスクが上昇したりと良いことがありません。

 

適度な回数・適度なタイミングを意識し、完全にゼロを目指すのはやめておきましょう

 

関連記事:生理前は性欲が強くなる?ムラムラした時の対処法!

 

【まとめ】性欲を抑えることのメリットとデメリットを理解しよう

性欲を抑えることにはさまざまなメリットがあると同時に、覚えておかなければならないデメリットもたくさん存在します。

 

大切なのは「0か100か」ではなく、自分の体や生活リズムと相談しながら適度に性行為・自慰行為を行うこと。

 

未来の健康を損なわないためにも、自分の性欲と上手に付き合えるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

ネガティブ思考は病気?うつ病との違いや治し方を解説

 

周りの人と比べて自分はネガティブ思考だ、と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

中にはネガティブな気持ちが消えず、うつ病など精神的な病に当てはまるのではと不安に思っている方もいるでしょう。

 

今回はそんなネガティブ思考はどうして生まれてしまうのか、精神疾患との違いも踏まえながらご紹介します。

 

ネガティブ思考を脱却するための方法も併せてチェックしていきましょう。

 

ネガティブ思考は病気なのか?

 

端的にいえば、ネガティブ思考自体が何かの病気に当てはまることはありません

 

しかし、精神疾患の中には気持ちが落ち込んでしまったり、長い間明るい気持ちになれず引きこもってしまったりするものもたくさんあります。

 

ネガティブ思考は決して放置して良いものではなく、さまざまな病の原因になりかねないことを覚えておきましょう。

 

ネガティブ思考の怖いところは、単に悲しいことを考えるだけに留まらず、どんどんと悪い思考が続いて脱出できなくなってしまうという点です

 

ネガティブ思考がループし始めると、趣味や自分の好きなことも心から楽しめなくなり、毎日を生きる活力さえ奪われてしまうでしょう。

 

自身がネガティブ思考であることを正しく認識し、脱出するための手を考えることが大切です。

 

関連記事:ストレスマネジメントとは?やり方や具体例を紹介

 

ネガティブ思考が止まらないのはなぜ?

 

ネガティブ思考が止まらずに悩んでいても、その原因が本人にあるとは限りません。

 

これまでの環境や子ども時代の育てられ方など、外的要因が積み重なってネガティブ思考を形成している可能性も考えられます

 

ネガティブ思考だからといって自分を過度に責めることなく、正しい原因を探っていきましょう。

 

ネガティブ思考が止まらずに頭の中が悪い内容でいっぱいになってしまうことを、「ぐるぐる思考」「反芻思考」などと呼びます。

 

まずはこれらの思考がどうして始まってしまうのか、考えうる原因をご紹介します。

 

ついつい嫌なことや過去の失敗を思い出す

日々の生活のなかで、つい嫌だった経験を繰り返し思い出してしまう人も多いのではないでしょうか。

 

「黒歴史」などと呼ぶこともあり、思い出すことに恐怖を抱いている人もいるでしょう。

 

過去の嫌な経験と同じシーンに出会ったとき、嫌だった気持ちを思い出すのは自然なことです。

 

しかし、何の関係もないのにふと頭をよぎったり、過去の失敗を思い出していたたまれない気持ちになる経験が多いと、何をするにも楽しめなくなってしまうでしょう

 

また、過去の失敗を思い出すのと同時に「どうしてあの時こうしなかったんだろう」

 

「ああしておけば失敗することはなかったのに」といった後悔が同時に襲ってくることがあります。

 

過去は変えられないため、通常であれば今後同じミスをしないよう注意すれば良いのですが、ネガティブ思考の場合はそれだけに留まりません。

 

いつまでも同じ失敗について後悔を重ね、前に進めなくなってしまう人も珍しくないのです。

 

認知の歪み

「認知の歪み」という言葉は、精神科医・アーロン=ベック氏が提唱したものです。

 

何か失敗をしてしまったとき、通常の精神状態であればミスを振り返り、今後どうすれば良いのか解決方法を模索し始めるはず。

 

しかし、認知に歪みがあり正しい判断ができなくなっていると、全てが悪く思えてきてしまうのです

 

認知の歪みは、自分のことを正しく認識できず、長所に目が向かなくなってしまいます。

 

自分の短所ばかりが気になるようになり、何をする際も「どうせできないから」と目を背けてしまうようになるでしょう。

 

何事も白か黒かで判断するようになり「できないものはできない」と諦めてしまうのも、認知の歪みに当てはまります。

 

少しの失敗があると全てがダメになったと感じたり、計画通りにいかないと全て投げ出してしまったりと、過度な完全主義に周りが振り回されてしまうこともあります。

 

ストレス

どんなにポジティブな思考の人でも、過度にストレスが溜まった状態では、正しい思考ができません。

 

仕事や家事・育児など忙しい日々を送る現代人の中には、知らず知らずのうちに少しずつストレスが溜まっている人も珍しくないでしょう。

 

その日のストレスはその日のうちに解消しなければ、感情にも影響を与えてしまいかねません。

 

ストレスの怖いところは、多くの人がその存在を無視してしまいがちだという点です

 

誰もが少なからずストレスを抱えている現代社会では、少し嫌なことがあったくらいですぐに対処しようと考える人は少ないもの。

 

そうして積もりに積もったストレスが気持ちをよどませ、ネガティブ思考へと繋がってしまうのです。

 

疲労

日々を送る上での軽度な疲労であれば、すぐにネガティブ思考のループへと繋がる危険性は低いでしょう。

 

しかし、忙しい毎日で疲労がとれなくなったり、ストレスの溜まりやすい環境で蓄積された疲労であったりする場合は、精神への影響も強いといえます。

 

体が疲れている状態で無理に頑張ろうとすれば、ネガティブ思考が止まらなくなるのも不思議ではありません。

 

疲労が原因によるネガティブ思考の反芻は、悪化する前に原因を取り除いてあげる必要があります

 

過重労働が原因であれば転職を、家事や育児が占める割合が大きい場合はパートナーと話合うなど、根本となる原因を模索しましょう。

 

1日の疲労をその日のうちに癒せるようになれば、自然と頭の中がクリアになり、ポジティブな考えが生まれやすくなります。

 

自尊心が低い

ネガティブ思考の中でもとりわけ注意しなければならないのが「自尊心の低さ」です。

 

失敗してしまったときに自分を顧みるのは必要なことですが、チャレンジする前から「どうせ自分にはできない」と諦めてしまうのは良くありません。

 

誰もが最初から自尊心が低くなることはなく、親からの声掛けや失敗したときのフォローなどが原因であることが多いでしょう

 

「あなたはどうせできない」「何をしてもダメな子」「失敗したのはお前のせい」などと育てられれば、大人になっても自分を信じられないのは当然です。

 

自尊心が限りなく低いと感じる場合は、一度自分の幼少期を振り返ってみると良いでしょう。

 

幼少期に問題がない場合は、上司の態度やパートナーの発言なども影響しやすいポイントとなります。

 

少なくとも、自尊心の低さは自分だけが原因であるわけではありません。自分を責めすぎず、思い切って環境を変えてみるのも方法の一つです。

 

他人からの低評価

自尊心の低さにも通じるものがありますが、他人から正しく評価されない状態が続くと、ネガティブ思考がループする原因となります。

 

良い行いをしたにもかかわらず評価されなかったり、ミスを自分一人に押し付けられたりした経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

人は誰でも、自分を自分で評価するだけに留まらず、周りからの目を気にしながら生きています。

 

努力したことや時間をかけて行ったことなどを周りから正しく評価されてこそ、頑張りが報われ次へのやる気となるのです

 

他人からの低評価が続くと、自尊心が低くなり「自分ではできない」と考えるようになります。

 

モチベーションが上がらず失敗することも多くなり、再び他人から低い評価をつけられるといった悪循環に陥ってしまうでしょう。

 

関連記事:メンタルがやばいサインとは?メンタルの不調で休むのは甘え?

 

ネガティブ思考とうつ病の違い

 

ネガティブ思考が続くと「自分はうつ病ではないか」と考える人も多いでしょう。

 

精神疾患の代表的存在であるうつ病は、今も多くの人が苦しんでいる病の一つです。

 

うつ病は自分一人が頑張っても治ることがなく、精神科や心療内科で正しい治療を受けなくてはなりません

 

実際にうつ病の症状にはネガティブ思考が含まれており、気持ちが沈んだ状態が続いたり、自分を責めたりする人も珍しくありません。

 

しかし、ネガティブ思考が続くからといって、必ずしもうつ病に当てはまるわけではありません。

 

病気ではない単なる思考である場合もあれば、うつ病以外の疾患が隠れている場合もあるでしょう。

 

気持ちが落ち込みやすいからといって自己判断でうつ病を疑うよりも、専門家に正しく判断してもらうことが大切です

 

さらに、うつ病と診断されていても、特に気持ちの落ち込みや自尊心の低さといった症状が見られないケースもたくさんあります。

 

患者一人ひとりによって症状が大きく異なり、対処法も異なるのが精神疾患の難しいところ。

 

治るまでにも時間がかかりやすいため、通うのに負担がかかりにくく、相談しやすい医師を探す必要があります。

 

ネガティブ思考の治し方はある?

 

うつ病など、さまざまな精神疾患によりネガティブな思考になってしまう場合は、専門家と一緒に治療法を考える必要があります。

 

人によって適切な治療法は異なりますが、使われることの多いものには「認知行動療法」「マインドフルネス」などが挙げられます

 

また、ネガティブ思考を治すためには、医師による治療だけでは不十分です。

 

自分でできることを試しながら、生活習慣を正していくことこそ、ポジティブ思考への第一歩といえるでしょう。

 

認知行動療法

認知行動療法は、うつ病をはじめとするさまざまな精神疾患に効果が得られやすいとして多くの医療機関で注目されている治療法です。

 

先ほども触れた「認知の歪み」を正し、ネガティブ思考から脱却するためにも役立つといわれています。

 

通常、私たちが何かに挑戦するとき全て完了したならば「良かった」何一つとして終わらなかったのであれば「ダメだった」

 

半分終わったならば「半分はできた」と捉えるでしょう。

 

しかし、認知に歪みがあると、例え半分は終わっていたとしても「全てできなかったのだからこの半分は無意味だ」と感じてしまうのです

 

認知行動療法では、まずこの歪みに本人が気づくことから始まります。

 

専門家による指摘を受けながら考え方を正し、自然と「半分はできた」という考えに近づけていくことが目標です

 

このようなバランスの良い考え方は多くの場面で必要となるため、認知の歪みを正すことでさまざまな疾患に対応できると考えられているのです。

 

マインドフルネス

私たちがネガティブ思考に陥るとき、そのほとんどは過去の失敗を後悔していたり、未来で挑戦することに不安を覚えていたりするでしょう。

 

マインドフルネスでは、瞑想をすることで「現在の自分」に焦点を当てることを目的としています

 

目を閉じて楽な姿勢をとり、自分の呼吸に集中することで意識をクリアに保てるでしょう

 

気持ちが落ち着くような音楽をかけながら瞑想することで、心の深いところからリラックスしてみるのもおすすめですよ。

 

リフレーミング

リフレーミングとは、偏った考え方をしてしまうネガティブ思考に対し、別の考え方に気が付くことで思考の幅を広げる治療法です

 

一つのタスクに対して「終わっている」「終わっていない」

 

このように極端に考えるよりも「半分終わっているから後はもう少しだ」という新たな考えに気が付くことが大切です

 

自分の気持ちが全てではなく、新たな考え方も取り入れることで、自分の中に眠っているポジティブな気持ちにも気が付きやすくなるでしょう。

 

書き出し

ネガティブ思考のループに陥ってしまうと、頭の中で考えが巡り始め、他のことが考えられなくなってしまいます

 

悪い内容で頭がいっぱいになるため、嬉しいことや楽しいことがあっても喜ぶ気持ちが入り込む隙がありません。

 

そこで、自分の気持ちを整理するためにも、思ったことを何でも紙に書きだしてみるのがおすすめです。

 

一度紙に書いてアウトプットした内容は再び深く思考せずに済むため、次第に頭の中に余裕が生まれてくるでしょう

 

ここで紙に書く内容は、周りのことを考える必要も、誰かに気を遣う必要もありません。

 

自分もしくは医師だけが見られる内容として、どんなことでも気にせず書き留めていきましょう。

 

イベントなどに積極的に参加

ネガティブ思考で頭がいっぱいになってしまうのは、ほとんどが一人で過ごしている時間ではないでしょうか。

 

誰とも会話をせず自分に意識を向けているからこそ、悪い内容が頭を占め、ループから抜け出しにくくなってしまいます

 

そんなときは、自分が参加しやすいイベントを探し、いつもとは違う環境に身を置いてみるのがおすすめです。

 

これまで会ったことのない人と積極的に関わることで、過去にとらわれず新たな考えが浮かびやすくなります

 

数々のイベントを主催している病院もあるため、同じネガティブ思考に悩んでいる人と話す機会も探しやすいでしょう。

 

自分一人で抱え込むのではなく、周りを頼りながら少しずつ改善を目指すことが大切です。

 

運動

適度な運動を続けることは、ネガティブ思考から脱却するために重要なポイントといえます。

 

体を動かすと脳から「セロトニン」と呼ばれる物質が分泌されます

 

これはドーパミン・オキシトシンと並んで「三大幸せホルモン」と呼ばれており、精神を安定させるはたらきを担っています。

 

セロトニンは、喜んだときに分泌されるドーパミンや、不安を感じたときに分泌されるノルアドレナリンの量をコントロールするためにもはたらいています。

 

不安に支配されやすい人にとっても、セロトニンは必要な物質といえるでしょう。

 

運動を行う上で大切なのは、「なるべく継続する」ということです。初日に過剰な運動を行うのではなく、まずは数分単位から始めましょう。

 

健康的な生活習慣を維持

身体的な健康にとってはもちろん、メンタルを強く保つためにも、生活習慣の改善は必要不可欠です。

 

夜更かしや朝食を抜く、好きなものだけを食べるといった生活習慣の乱れは、栄養不足や睡眠不足を引き起こします

 

これが続けば続くほど精神は不安定になり、ネガティブ思考から抜け出せなくなってしまうのです。

 

まずは食事や入浴・睡眠の時間を揃え、毎日同じサイクルで生活できるように調整してみましょう

 

朝起きたらすぐにカーテンを開け、日の光を浴びて脳を活性化させます。

 

タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのバランスを考えながら、偏りのない食生活を心掛けることも大切です。

 

関連記事:メンタルブレイクした時はどうすればいい?診断方法や治し方を紹介

 

【まとめ】ネガティブ思考は病気ではない

ネガティブ思考は決して病気ではないものの、放置すればさまざまな精神疾患を発症する可能性があります。

 

「これが自分だから」と諦めるのではなく、生活習慣を整えながら頭の中を整理してみましょう。

 

時には専門家に相談し、自分に合った対策を模索することも大切です。

 

重要なのは、ネガティブ思考も「自分の一部」だと考えること。

 

ネガティブになってしまう自分が悪いのではなく、あくまでもポジティブなことを考える余裕がないだけだと理解しましょう。

 

たくさんの時間をかけながら、無理することなく治療に挑んでみてはいかがでしょうか。

カルマとは?意味をわかりやすく解説|カルマを背負うとはどういうこと?

 

さまざまな占いにチャレンジしたことがある方や、スピリチュアルの世界に興味がある方ならば、一度は聞いたことがあるであろう「カルマ」

 

なんとなく意味を想像するものの、詳しい内容までは知らない人も多いでしょう。

 

今回は「カルマ」というワードについて、その意味を詳しくご紹介します。

 

「カルマが重い」「カルマを背負う」など、よく耳にする言葉についてもチェックしていきましょう。

 

カルマの意味とは?わかりやすく解説

 

カルマは、インドで使われていたサンスクリット語が由来になっているといわれており「作用」「行為」などといった意味で浸透していました。

 

インドの宗教観では、自分の行いが運命を決めるといわれ、良いことをすれば良い人生を、悪いことをすれば悪い人生を歩むと信じられています

 

「カルマ=行為」とするならば、良いカルマが良い人生を、悪いカルマが悪い人生を導くといっても過言ではないでしょう。

 

これが転じて、仏教でもカルマという言葉が使われ始めます。

 

中国が発祥である仏教では、カルマを「業」という言葉で表し、インドの宗教と同じく私たちの行動全てを指す言葉として使われてきました。

 

行動の中には体を動かすものだけでなく、頭で考えたり、口に出したりするものも含まれています。

 

すなわち、どのような生き方をしてきたかで、その後の未来が決まることを指しているのです

 

現代を生きる私たちは、どんなに相手を憎く思っていても、相手にそれが伝わらなければ良いと考えるでしょう。

 

気持ちが悟られないように作り笑いを浮かべるのも、決して珍しいことではないはずです。

 

しかし、カルマと運命の考え方では、例え心の中で思ったことであっても、その後の運命を大きく左右すると考えられています

 

むしろ体でとった行動や、口に出した言葉よりも、誰にも知られず考えたことの方が運命に影響しやすいといわれているのです。

 

つまりカルマとは、インドや中国・日本などのさまざまな神様が唱える共通の認識。

 

どんな神様であっても悪行は決して許されず、自分の運命という形で返ってくると教えてくれているのです。

 

関連記事:マインドフルネスと瞑想の違いや初心者におすすめのやり方を徹底解説!

 

カルマを背負うとはどういうこと?

 

先ほどご紹介したカルマの本質を思い浮かべながら、スピリチュアルの世界でよく耳にする「カルマを背負う」という言葉の意味を考えてみましょう。

 

人は誰でも、良い行いをした人は良い人生を、悪い行いをした人は悪い人生を歩んでいるはずです。

 

即ち「自分の行い=カルマ」を背負いながら残りの人生を歩むという意味で、「カルマを背負う」という言葉が使われているのです

 

悪い意味に捉えられがちな言葉ですが、決して悪行だけを意味するわけではありません。

 

同じような言葉に「業を背負う」があります。こちらは悪行を背負って生きることを意味し、悪い状態を指すときに使われる言葉です

 

いずれにしても、人類は誰しもが今世、あるいは前世のカルマを背負って生きていると考えられます。

 

そして現在の行いこそが、未来や来世の人生を決める大きなきっかけとなることも間違いないでしょう。

 

カルマが重い人の特徴とは?

 

「カルマ」という言葉は、時として「カルマが重い」などと使われることがあります。

 

カルマには人によって重いもの・軽いものが存在しており、重いものはすなわち「乗り越えなくてはならない壁が高いこと」を指します。

 

主に悪い意味で使われることが多く、それだけこれまでの人生で悪行を繰り返してしまったということになります

 

悪行を繰り返していても、重いカルマを背負って生きていくうちに、カルマが軽くなり良い人生を歩める可能性が出てきます。

 

もちろん、その後どれだけ善行を積むかによっても異なりますが、カルマが重いからといって全てが終わってしまうわけではないことを覚えておきましょう

 

自分のカルマが重いのか、はたまた軽いのかを正しく理解することはできません。

 

現在の自分自身を振り返りながら、身に起こった出来事からカルマの軽重を推測することが大切です。

 

ネガティブな出来事が頻繁に起こる

特に悪い行いをしていないにもかかわらず、ネガティブな出来事ばかり起こると感じる場合があります。

 

これは、前世やこれまでの人生で悪いカルマが溜まり、それを背負っている状態だと考えられます

 

前世やこれまでの人生で行った出来事は、その多くが同じ形で自分に返ってくるといわれています。

 

つまり、誰かに悪口を頻繁に言っていた人であれば、同じように現在誰かから悪く言われている可能性が高いということ。

 

物を盗んでいた人は、自分の大切なものを失いやすくなっているでしょう。

 

進展しない人生

振り返ればありきたりな人生で、良くも悪くも進展がないと感じる場合も、同じようにカルマが重いと考えられます。

 

進展がないということは、即ち自分がどんなことにも無関心であったといえます

 

周りの人にも興味がなければ、自分自身についてもそれほど考えることがないなど、向上心がない状態であるといえるでしょう。

 

放置してしまえば今後も同じような状態が続き、誰かの記憶に残りにくいさみしい人生で終わってしまうかもしれません。

 

精神的な不安定さ

同じ出来事を経験していても、精神的に強い人とそうでない人では、受け止め方が大きく異なるでしょう。

 

もちろん幼少期の育てられ方や遺伝的要素も加わっているものの、カルマが重い人ほど精神的に不安定であるといえます。

 

通常であれば簡単に乗り越えられる壁でも、精神的に不安定な人は苦労することが多いでしょう。

 

日常生活でもさまざまな試練に挑む必要があり、ストレスが溜まる一方。出口が見えず、思うように頑張れない人も少なくないはずです

 

しかし「こんな状態も過去の自分が起こした行動の結果である」というのがカルマの考え方です。

 

肉体的な不調

精神的な弱さのほか、体が弱かったり病気にかかっていたりといった肉体的不調も、カルマによる影響が強く出るポイントの一つです。

 

特にカルマの影響が強いのは、生まれ持った病気や障がいについて。

 

前世で他人を傷つけた経験がある人に多く見られ、現世では他人を傷つけることなく周囲に頼りながら生きていかなければならないという教えでもあります。

 

過去の経験からの解放が困難

 

いつまでも過去の経験がトラウマになっており、解放されずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 

中でも自分の行動が原因でトラウマになってしまった物事に対しては、カルマが大きく影響しているといわれています。

 

これは先ほどご紹介した「精神的不安定」にもつながります。

 

通常であれば過去の失敗を乗り越えて強くなっていくものの、不安定であるがゆえに失敗から立ち直ることができないケースがあります。

 

過去に人の失敗を笑ったり、蔑んだりした経験がある場合、同じように自分も苦しめられる可能性があるのです

 

自己否定的な思考

カルマが重い人は、軽い人に比べ自分に自信がないことが多いといわれています。

 

それがゆえに自分を傷つけたり、何かと自分を下げた発言をしたりと、否定的な思考が抜けなくなってしまうのです。

 

自分の良さが見つからないだけでなく、他人からせっかく褒められていても「お世辞だろう」と素直に受け取れないケースも多々見られます。

 

前世で誰かを深く傷つけたり、侮辱する言葉を使っていたりすると、現世では自分が蔑む対象として認識されてしまうのです。

 

他人への過度な批判や嫉妬

重いカルマを背負っている人は、自分に自信が持てないあまり、他人に嫉妬することが多くなります。

 

自分にないものを持っている人が羨ましく見えたり、相手の努力を見ずに結果だけを妬んだりと、周りが気になって仕方がなくなるのです。

 

その結果、他人を過度に批判し周りから疎まれることもあるでしょう

 

物質的な損失や金銭問題

過去にさまざまな悪行を行ってきた人の場合、現世でカルマが及ぼすのは精神や肉体に関することだけではありません。

 

大切にしていたものを偶然失うことになったり、友人や家族との別れを経験したりと、幾度となく損失の機会が訪れるでしょう。

 

また、カルマが重い人は金銭面でもうまくいかなくなるといわれています。

 

上手くやりくりができず借金を抱えることになるなど、生活が回らなくなるほどの問題を抱える人も珍しくありません。

 

スピリチュアルな悩み

過去にさまざまな悪行を積み重ねてきた場合、言葉では説明できないような事柄に悩まされることがあります。

 

人間関係や金銭面といった分かりやすい悩みではなく、「いつも見られている気がする」「心霊現象が起きた」といった科学的に説明できない悩みを抱えている人も

 

こういった事象にはすぐに対処できる方法がないため、結果として長い間同じ悩みに苦しむ人もいるようです。

 

カルマの法則とは?

 

続いて、こちらも耳にすることが多い「カルマの法則」について詳しく見てみましょう。

 

カルマの法則の概要について

カルマの法則とは、すなわちこれまでにご紹介してきた内容を端的に述べた「自分の行いは自分に返ってくる」という内容を指します。

 

言い返せば「良い人生を送りたければ良いことをしなさい」という教えの一つ。

 

悪いことをしてはいけないという戒めであると同時に、人生の指南書としても活躍しているのです。

 

同じような言葉として「因果応報」があります

 

四字熟語でありながら仏教用語でもある言葉で、カルマ同様善悪はすべて自分に返ってくるという意味を持ちます。

 

このように、言葉は違えど世界中で同じような考えが浸透しており、私たちはその教えの中で生きているのです。

 

恩恵を得るための方法

カルマの法則を知って恩恵を得るためには、以下の手順で自分を変えていくのがおすすめです。

 

  1. 気持ちを変える
  2. 言葉を変える
  3. 行動を変える

 

先ほどもご紹介したように、カルマの良し悪しを決めるのは行動だけに留まりません。

 

もっとも重視されるのは「気持ち」であり、最初に変えなければならない点でもあります。

 

まずは自分や他人に対する否定的な気持ちを変え、ポジティブに過ごすことから始めましょう。

 

気持ちが整ってから、言葉や行動を変えてみても遅くはありません。

 

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自分のカルマを知る方法は?

 

一般的に、自分のカルマについて詳しく知る方法はありません。

 

過去にどんなことをしていて現在があるのか、想像しながら行いを正していくほかないのです。

 

続いては、そんなカルマを想像するために重要な3つのポイントについてご紹介します。

 

自分の人生を振り返ってみる

自分のカルマを正しくイメージするためには、これまでの人生を詳細に振り返ってみることが大切です。

 

失敗や悲しかった出来事などは、思い出に残りやすいです。それらについてどう考えたのか、結果として何が起こったのかなどを細かく振り返ってみましょう

 

必要に応じてメモを取りながら、当時のことをできるだけハッキリと思い出すことが大切です。

 

こうして過去の自分を掘り出していくと、カルマによる影響が目に見えやすくなります。

 

前世や過去の行いが良かったのか悪かったのか、はたまたカルマが重いのか軽いのかなどを判断する参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

自分の感情と向き合う

カルマを知るために重要なポイントの一つに「感情」があります。

 

先ほども触れたように、カルマを構成しているもっとも大きなポイントが感情です。

 

自分が思い描いた感情とは別の気持ちが表れたり、気持ちとは裏腹な行動をとってしまったりしたときは、カルマによる影響が強く出ていると考えて良いでしょう

 

この感情は、過去の誰かがあなたに向けていた感情であるといえます。

 

現在の行動について良い気持ちがあるのならば、あなたは良いカルマを持っている証拠。逆であるならば、今後の感情や行動を見直す必要があるでしょう。

 

人間関係を見直す

周囲の人間とどのような関係を築いているかも、カルマの良し悪しを判断するポイントになります。

 

その人が好きか嫌いかといったシンプルな問題だけでなく、これまでの日々でどのような関係になれたのかを詳しく思い返してみましょう

 

あなたの周りに良い人が多いならば、過去の善行が今に表れているといえます。

 

逆にあなたにとって不都合な人間関係が多い場合は、重いカルマを背負っていると判断できます。

 

自分が悪くなくても相手のトラブルに巻き込まれたり、困難なお願いを頻繁にされたりする場合は、感情や行動を改める必要があるかもしれません。

 

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カルマの意味についてのまとめ

どんな人でも必ず、前世やこれまでの自分が歩んできた人生がカルマとなって現れているはずです。

 

それが良いことであれば引き続き来世へとつなげ、悪いことであれば今断ち切るために努力しましょう。

 

悪いカルマを断ち切るための努力は、きっとあなた自身を成長させてくれるはずです。

 

また、悪いカルマの中でも重いカルマだと感じる場合、自分が背負っているものについて専門家に相談するのもおすすめです。

 

電話占いや対面占いなど、自分が利用しやすい方法で相談すると良いでしょう。

メンタルがやばいサインとは?メンタルの不調で休むのは甘え?

 

仕事や家事・育児・介護などさまざまな面において、毎日忙しい時間を過ごしている現代人。

 

一日の終わりにしっかりと休息をとったり、時には自分の好きなことを思い切りやったりする時間がとれれば良いですが、慌ただしい毎日の中ではそう上手くいかないものです。

 

今回は、普段頑張っている全ての人に向け、メンタルのバランスが崩れるときの見分け方をご紹介します。

 

チェック項目や不調時の対処法を確認し、明日を元気に過ごすための参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

メンタルがやばいサインとは?セルフチェック項目

 

「何だか不調が続いている」「気持ちが落ち込んで戻らない」など、メンタルのバランスが崩れるとさまざまな症状が見られます。

 

悲しい出来事があって、少しの間落ち込むくらいならば通常の範囲内です。

 

しかし、落ち込んだ状態があまりにも長く続いたり、悲しい出来事がないのに気持ちが不安定になったりする場合は、メンタルに影響が出ている可能性があります

 

まずは自分で自分の状態をしっかりと把握するために、以下の項目を確認してみましょう

 

当てはまるものが多ければ多いほど、メンタルにダメージを受けている可能性が高まります。

 

  • 持続する悲しみや気分の低下
  • かつて楽しんでいた活動への興味喪失
  • 食欲や体重の変化
  • 睡眠障害
  • 疲労感やエネルギーの欠如
  • 価値のなさや過剰な罪悪感の感覚
  • 集中力の低下
  • イライラ感や怒りの増加
  • 社会的な場からの撤退
  • 説明できない身体的症状
  • 死や自殺の考え

 

何日経っても気持ちが晴れなかったり、これまで楽しんでいた活動がどうでも良いと感じたりするなど、メンタルの不調はさまざまな弊害を生んでしまいます。

 

仕事に集中できずミスを頻発したり、理由もなくイライラして周りと軋轢を生んでしまったりと、人間関係に影響が出ることもあるでしょう。

 

その結果過ごしにくい日々が続き、さらに心を病んで