【怒りを抑える】アンガーマネジメントのテクニックや方法をご紹介!
仕事や日常生活のなかで、ちょっとしたトラブルや自分が思うようにいかなかったとき、怒りの感情が湧いてきてしまう方は少なくありません。
怒りやすい性格が災いすると、周囲から人が離れていってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、怒りを適切にコントロールするアンガーマネジメントについて、具体的な方法やテクニックを紹介します。
Contents
アンガーマネジメントとはなにか?
アンガーマネジメントとは、怒り(アンガー)を適切に管理(マネジメント)しコントロールすることです。
たとえば、部下が指示を聞かなかったり、相手から失礼な言葉を投げかけられたりしたとき、人は誰でも不快な気持ちになり、同時に怒りの感情が湧いてくることがあります。
しかし、感情に身を任せて怒りをあらわにするのではなく適切にコントロールできれば、ビジネスがうまくいったり、良好な人間関係が構築できたりする場合があります。
ただし、怒りというのは必ずしもマイナスの感情ではなく、場面によっては怒りを表したほうが良いこともあるでしょう。
たとえば、自ら立てた目標に対して実績が届かなかったとき、悔しさのあまり自分自身に怒りの感情が湧いてくることもあります。
このような場合、素直に感情を表に出すことで怒りや悔しさが原動力となり、次回は目標の達成に近づくこともあるでしょう。
そのため、アンガーマネジメントとは単に怒りを抑えるという意味ではなく、あくまでも感情をコントロールできるようにするためのトレーニングなのです。
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怒りの感情を持つのはなぜ?人間が怒るメカニズム
そもそも、私たちに怒りという感情が芽生えるのはなぜなのでしょうか。
アンガーマネジメントを学ぶうえでは、怒りのメカニズムを正しく理解しておく必要があります。
怒りが芽生える仕組みを一言でいえば、「それまで期待していたことや理想、自分のなかの価値観などを裏切られた」と感じた場合に生じる感情といえます。
たとえば、部下は上司の指示を聞くことは当たり前という前提がありますが、上司が出した指示が明らかに誤っていたり、論理的でなかったりすると、それに従わない部下も出てくるでしょう。
このような場合、上司は部下に裏切られたと感じ、怒りの感情が湧いてきます。
一方、部下にしてみれば上司だからといって明らかに誤った指示に従う理由はないと考え、さらに反発心や怒りの感情が芽生えてくることもあります。
このように、怒りという感情の原因を探っていくと、根本は些細な行き違いや理解不足といった場合も珍しくないのです。
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「怒る」・「叱る」・「注意する」それぞれの違い
「怒る」に似た行為として、「叱る」や「注意する」といった行為もあります。
これらはどういった違いがあるのでしょうか。
ここではアンガーマネジメントにあたって覚えておくべきポイントを紹介します。
①「怒る」とは
感情をあらわにして不満を吐き出すことを「怒る」といいます。
相手のことは一切考えず、あくまでも自分の感情や主張を最優先にぶつける行為です。
②「叱る」とは
相手が間違った言動をとったときなどに、強い口調で厳しく正しいことを伝える行為を「叱る」といいます。
受け取る側の感じ方はいったん置いておいて、感情に身を任せるのではなく、あくまでも相手のために指導するという点で「怒る」と明確な違いがあります。
③「注意する」とは
「叱る」のように強い言葉ではなく、相手の間違った言動を正すために冷静に言葉で伝えることを「注意する」といいます。
相手のために指導するという点では「叱る」と共通していますが、言葉のトーンや伝え方に大きな違いがあります。
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怒り別タイプ診断
一口に「怒り」の感情といっても、人によってさまざまなタイプが存在します。
大まかに分けると、以下の6タイプが挙げられるでしょう。
- 公明正大タイプ:正義感が強く道徳心が高いため、ルール違反やマナー違反をしている人を見ると怒りが湧いてくる
- 博学多才タイプ:向上心が強く完璧主義で、自分にも他人にも厳しいため、考えや価値観が違う人に対して怒りが湧いてくる
- 威風堂々タイプ:自分に自信をもっている一方、プライドが高いため、自分が低い評価を受けた場合などに怒りが湧いてくる
- 天真爛漫タイプ:自分に正直でストレートに物を言うタイプのため、言動が制限される環境下でストレスや怒りが湧いてくる
- 外柔内剛タイプ:表面上は穏やかだが、強い信念をもっているタイプのため、自分の信念やルールに反した出来事があるとストレスや怒りが湧いてくる
- 用心堅固タイプ:真面目で慎重に行動するタイプで、自分と他人を比較しがちなことから、妬みや怒りの感情を抱きやすい
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会では、アンガーマネジメント診断を公開しています。
これは、12個の質問に回答し点数を計算することで、上記で示した6種類の怒り別タイプを診断できるというものです。
怒りを抑えるアンガーマネジメントのやり方・テクニック
怒りという感情を適切にコントロールするといっても、条件反射的に感情が爆発してしまい難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そのような方に向けて、怒りをコントロールするための具体的な方法やテクニックを2つ紹介しましょう。
①6秒ルール
アンガーマネジメントのなかでも特に有名なのが、6秒ルールとよばれる方法です。
これはその名の通り、怒りの感情が湧いてきたら条件反射的に反応するのをグッとこらえて、まずは6秒待ってみるというものです。
一定時間、怒りの感情を意識的に抑えることにより、冷静かつ客観的に状況を判断できるようになり、感情的に怒りが爆発するのを抑制できる場合があります。
また、どうしても怒りが収まらない場合でも、条件反射的に反応するのに比べると理性的に自分の意見や主義を伝えられ、建設的なコミュニケーションがとれるはずです。
②その場から離れる
どうしても激しい怒りに駆られ、6秒間待っても怒りがコントロールできそうもない場合には、一時的にその場から離れてみるのも有効な方法です。
たとえば、SNSやチャットなどで第三者から自分を侮辱する発言やメッセージを受け取った場合、即座に反応するのではなく、一旦アプリを閉じて仕事や趣味に取り組んでみましょう。
また、対面で相手に対して怒りの感情が湧いてきたら、一旦トイレなどに立って1人になる時間を設け、冷静になれるよう心がけてみましょう。
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アンガーマネジメントを習得することでどんなメリットがある?
人間には喜怒哀楽の感情があり、それらを表に出すことは決して悪いことではありません。
しかし、怒りの感情はマイナスにとらえられることが多く、怒りやすい人は他人とコミュニケーションがとりづらかったり、ときにはハラスメント行為とみなされたりすることもあるでしょう。
アンガーマネジメントを習得し、自分自身の怒りを適切にコントロールできるようになれば、円滑な人間関係を構築できるほか、職場でのトラブルも防止できるはずです。
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まとめ
怒りをコントロールすると聞くと難しいように感じる方も多いかもしれません。
しかし、今回紹介した6秒ルールや、その場から一時的に離れるというのは比較的簡単にでき、アンガーマネジメントにおいて一定の効果が期待できる方法といえるでしょう。
仕事やプライベートの人間関係に悩んでいたり、ちょっとしたことで怒りやすくなったと感じている方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。