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相談1:子供の心を垣間見る方法 (3歳〜小学生低学年向け)

 

読者からの相談:

子供たちとのコミュニケーションについて悩んでいます。

 

3歳と6歳の子供がいます。子供たちが学校から帰ってくると 「今日、学校はどうだった?」とか「友だちと何をしたの?」など質問をしていますが、子供たちは 「別に」「特になにもない」と短い答えで済ませることが多いです。

 

子供がもっと答えやすいように、質問のしかたを変えてみるべきでしょうか。それとも、「そうなのね」とだけ返事をして、そっとしておくべきでしょうか?

 

ジョアンナさんの回答:

多くの親が抱く疑問ですね。幼い子供たちは、「今この瞬間」に集中しているものです。 自分の人生が今動いているということに全神経がいっています。 つまり、多くの子供たちにとって、家に帰って来た時には、学校での出来事はすでに過去のものとなっています。

 

子供にとって何かとても重大だと感じたことが起きた時には、そのことを親に伝えたがるものです。しかし「普段の生活」の詳細を話すことが大切だとは思っていないことが多いでしょう。

 

さらに、とても幼い子供の場合は、自分が今日した活動の全てを、親のあなたがすでに知っていると思い込んでいる場合もあるのです。

 

アドバイスの1つとしては、回答に制約を設けないオープンエンドの質問をすることで、会話が始まることもあります。例えば、こんな風に声をかけてみたらどうでしょうか。

 

  • 今日、学校で絵を描いた人はいるのかしら?
  • 今日、とってもおいしいおやつを持ってきた人はいるのかな?
  • 学校では、手びょうしやダンスをしながら歌を歌うの?
  • 今日、お友達の〇〇ちゃんは学校に来たかな?
  • 今日は、学校でおもしろいお話を聞いたかな?
  • 今日は少し雨が降っていたね。おそとには行けたかな?
  • 学校で鬼ごっこをしたりする?
  • もし、あなたの一日の絵を描くとしたら、どんな絵にしたいかな?

 

また、1日中、学校で過ごした子供は、ゆっくりする時間も必要になります。

 

幼い子供たちにとって、社交的に集団行動に合わせる学校での1日はとても疲れる時間です。また、内気で内向的な子供にとっては、さらに負担を大きく感じるかもしれません。そういう子にとって、家に帰ってきてから、しばらくは会話をしたり、社交的に振る舞うのはおっくうに感じるかもしれません。そういう場合は、おやつを食べたり、静かな時間を過ごしたりするのが良いかもしれませんね。

 

「今、何をしたい?」と聞くと、ちゃんと教えてくれる子もいます。少しリラックスできた後なら、パズルをしたり絵を描いたりなどの別の遊びをしながら、気軽に話をしはじめることもあるでしょう。

 

私の住むここアメリカでは、例えば家族がそろった夕食時に、みんなでその日のことを話す時間を設けている家庭もありますよ。その日に一番良かったこと、一番いやだったこと、一番楽しかったことや一番つらかったこと、または最も楽しかったことや最も退屈だったことなど。

 

ここでとても重要なのが、「静かに聞く」という姿勢です。

 

 

質問やアドバイス、リアクションなども控えて、心から子供の言葉に耳を傾けることを徹底します。例え、子供の話がトンチンカンだったとしてもです。

 

子供たちは、親が自分の言いたいことをすでに知っていると思ったり、親にだめだと言われると感じれば、沈黙する傾向があります。子供がこの場は自分の本音を話しても安全な空間なんだと思えるようにすることが最も大切です。

 

もし、何かコメントをしたければ、子供の言ったことをリフレーミングしてみましょう。

 

「今日は〇〇なことを感じた日だったのね」「今日は、〇〇があったのね」など、聞いた言葉をリピートするだけで十分です。

 

そして、家族のみんなが参加することで、自分の一日についてシェアすることが習慣になり、子供の心の内側が少しずつ垣間見ることができるようになりますよ。

 

子供のペースはゆっくりです。また習慣の変化も1日2日試したからと言って起こりません。ゆっくり気長に楽しみながら少しずつ起こる変化を観察していってみてくださいね。

 

ジョアンナ・ウィギントン氏

助産師として600人以上のお産に携わる。

教育者であり、アーティスト。北カリフォルニア在住。

20年以上にわたりオルタナティブ教育施設であるカスパー・クリーク・ラーニング・センターを創設・指導してきた。

現在はNPO組織Flockworksの活動に参加し、子供や教師をサポートしている。

アートの力を広めるためのプログラムを展開中。すべての人がアーティストであるという強い信念を持ち、若者から年配の人までが創造力を探求する機会を作り出している。


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