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最小限の努力で1日を健やかに過ごす?アーユルヴェーダ的朝のセルフケア

桑子 麻衣子(くわこ まいこ)

Photo by bruce mars on Unsplash

 

皆さんは、朝はどのように過ごされていますか?「早起きは三文の徳」ということわざがありますが、アーユルヴェーダでも、朝の過ごし方が大切であると考えられています。

 

今回は、アーユルヴェーダ初心者だった頃の筆者が、朝のセルフケアに取り入れはじめたものを中心にご紹介します。朝の目覚めをスッキリさせたい方や、1日をエネルギッシュに過ごしたいという方の参考になれば嬉しいです。

 

▶︎アーユルヴェーダって何?どうやったらすんなり今の生活に取り入れられる?

 

アーユルヴェーダの朝の過ごし方

筆者は、もともとどちらかと言うと朝型人間でした。(夜は9時前には就寝します)けれど、いくら睡眠時間が長くても、日によって寝起き状態はまちまち。特に月経前の寝起きは本当に辛いものでした。アーユルヴェーダの知恵を参考にしたセルフケアを取り入れ、しばらくたった今では、程度の差こそあれ、以前に比べてだいぶスッキリした朝を過ごすことができるようになりました。

 

筆者が最初にはじめたアーユルヴェーダの朝の過ごし方は、ベットの中での「自己観察」です。その日の睡眠の質はどうだったのか、寝起きはどうなのか、また体の調子はどうなのかなど。分析やジャッジする必要はないので、ただ朝のありのままの状態を観察します。

 

朝一番の自己観察はシンプルすぎてつい軽んじてしまうかもしれませんが、これがその日一日の生活の質を左右するかなめと言っても過言ではないと筆者は考えています。その日の朝の心身の状態をきちんと把握することで、朝の限られた時間を有効に使うことにもつながります。「朝はゆっくり過ごした方がいい」というのは分かってはいても、時間に追われがちな現代人には、そのような優雅なことばかり口にすることは難しい場合もありますよね。

 

最小限の努力で、1日を健やかに過ごすために、ぜひベットの中で数分間自分の体や心の観察をしてみて下さい。その後、その日の調子を見ながら、あるいは時間的余裕を考慮しながら、セルフケアをしていきましょう。

 

ベットの中で伸びをする

もし、体のだるさを感じたり、スッキリしないと感じたら、ベットの上で寝たまま「伸び」をします。両腕を頭の上に伸ばして、大きく息を吸いながら全身を伸ばします。背中をそらせ(アーチ)ても構いません。

 

体の隅々まで新鮮なエネルギーが行き渡るのを感じてみてください。これを数回続けます。長い時間(人によっては短いかもしれませんが)、おやすみモードだった体に起き上がるサインを送ってあげるつもりで行います。いきなりベットから起き上がるよりも、体がほんの少し軽く感じるでしょう。

 

舌磨き

体の調子に関わらず、多くの方に行ってほしいのが「舌磨き」。美容家も取り入れているということで最近よく話題になっていますが、アーユルヴェーダでは睡眠中に皮膚や口腔内に体内の老廃物が出ると言われています。現代医学においても、岡山大学の研究で舌苔(したごけ/ぜったい)にはアルデヒトという発がん物質が蓄積されていることが明らかになっています。舌苔を除去することで、アルデヒドも減少するのではないだろうかと言われています。その他にも舌苔を除去することで、口臭や口腔内の病気なども未然に防ぐことが期待できると言われています。多くのメリットがあるこの舌磨き、ぜひやってみてはいかがでしょうか。

 

舌苔を除去するための舌磨きには、市販の金製あるいは銀製のタングスクレイパーを使用するのがおすすめ。もし手に入らない場合は、スプーンで代用も可能です。舌苔の多さは、老廃物の多さが比例していると考えられるため、舌苔の量や質(どんな色なのか、感触、ニオイなど)も観察しましょう。

 

水分補給

口腔内がきれいになったら、水分補給をします。一般的に、アーユルヴェーダでは白湯がおすすめされていますが、体質によってはお水でも可。体がほてりやすい、熱を持ちやすい、または代謝が良い人は白湯よりもお水の方が良いとされています。しかしキンキンに冷えたお水ですと、お腹を下してしまう可能性がありますので、常温のお水が理想的です。

 

メディテーション / ジャーナリング

メディテーションには様々な種類があり、またアーユルヴェーダでは体質によってもおすすめのメディテーションが異なります。けれど、最初のうちは難しいことや習わしについては深く考えなくてもOKあなたが無心になれる瞑想法を1日3分ずつで良いので実践してみて下さい。初心者の方は、静かな落ち着ける場所に座って目をつむり、呼吸することに意識を向けてみて下さい。お気に入りの音楽をBGMにするのがおすすめです。

 

あるいは、朝から雑念が多いという方は、メディテーションの練習を行うと逆に辛い時間を過ごすことになるかもしれません。そんな時は、「書く瞑想」と呼ばれるジャーナリングがおすすめ。頭の中に思い浮かんだことを遠慮なく書きます。

 

朝食前に軽い運動

運動はわたしたちの心身のバランスを保つために必要不可欠なものですよね。運動に適当な時間は、朝食前と言われています。特に、気だるい朝をお過ごしの方は、体の中に溜まった毒素を発散するためにもぜひ体を動かしてみましょう。また、食前の軽い運動は排便効果にも役立つと考えられています。

 

運動は、全身をバランスよく動かすものが理想的。アーユルヴェーダでは、ヨガの練習がおすすめされていますが、その他にウォーキングなども有効。しっかりと手を振り足を動かして散歩してみましょう。体の中に溜まった重たいものが発散されると同時に、頭がスッキリする感覚があるかもしれません。

 

▶︎メディテーションを続けて得られる効果とは?

 

自分に合ったセルフケアを

いかがですか?朝は何かと忙しい時間ですのでなかなか全てをこなすことは難しいかもしれませんが、まずはできそうなことからはじめてみてはいかがでしょうか。毎日続けていくことで、少しずつ変化がみえてくると思います。

 

皆さんが、素敵な朝を、そして素敵な1日を過ごすことを心から願っています。

 

▶︎アーユルヴェーダで重要な消化力とは?体も心もデトックスして気分をあげよう!

 

ライター:プロフィール

文筆家・ヨガ/アーユルヴェーダ研究家

不安症状と向き合うためにヨガやアーユルヴェーダの学びを深めるようになる。

2009年バリ島で全米ヨガアライアンス認定講師資格取得。2021年アーユルヴェーダ講師資格を取得。2013年シンガポール移住。夫と娘の3人家族。


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