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2021.11.24 熱血社長に聞く、信頼できるオーガニック商品の選び方は?【編集長インタビュー】

インタビューエシカルアクション

Humming 編集長 荻原正子が、知りたいこと、気になること、会いたいひとにフォーカス。前回に続き、コスメやペットケア用品などを展開するたかくら新産業 高倉健社長へのインタビュー第2回目をお届けします。


Special Interview 02 ———

たかくら新産業 高倉健社長

高倉健

「オーガニックコスメ」と聞くと、単純に「いいもの」と思いがちですが、実際はどこまで本当にいいものなのか?ーー消費者にはなかなかわかりづらいというのが本当のところ。商品にオーガニック成分の配合パーセンテージを表示し、情報をオープンにするたかくら新産業、実は高倉社長の壮絶な体験から生み出されたビジョンを持つ会社でした。

インタビュー第2回目は、オーガニックをめぐる業界の真実、そしてたかくら新産業のビジョンに迫ります。

たかくら

オーガニック業界を変えてきた、そして変えていく

御社の製品には、オーガニックを何パーセント使用しているのかをパッケージにきちんと表記されていますよね。

「はい。実は以前に、妻が『オーガニック100%のものを見つけた』と、シャンプーを買ってきことがありました。でも成分をよく見てみると、全体の1%(エッセンシャルオイルのみ)しかオーガニック原料が使われていないものでした。

実際、オーガニックに関する表記にルールはなくて、そういう売り方をしているメーカーはかなりあるのです。妻は乳がんの手術をしたばかり、私も体調を崩して長期間入院を体験したあとで、健康に関してかなりシビアに考える夫婦だったのにも関わらず、そういうものを買ってしまった・・・。業界がこんな状態ではいけないと、強く思いました。

だから、弊社のオーガニックブランド『メイドオブオーガニクス』を立ち上げる際に決めたことがあります。一つは、経皮吸収の高い部位に使うものを作ること。そして、オーガニック配合成分のパーセンテージをしっかりと表記すること。消費者が何も知らないから、ごまかしてもいいと思っているブランドがたくさんある。その状態をなくさなければいけない。とにかく事実を、本当のパーセンテージを公表しながら、できるだけ100%を目指して作ろうと思ったのです」

「メイドオブオーガニクス」のホワイトニングペーストは96.4%オーガニック。これは、すごいことですよね。

「口に入れるものですから、こだわらないといけない。特許も取っています。でも、通販サイトのレビューで『3.6%オーガニックでないから残念』と書かれていたんですよ。パーセンテージも含めて事実を公表し続けることで、もっとオーガニック業界についても知ってもらわなければと実感しました」

今でこそ私も、「オーガニック70%を超えている商品はすごい!」と理解できるようになりました。それは御社の功績ともいえますね。さらに御社の製品はパッケージにも何%リサイクル資材を使っているかが表示されています。このような表記をされているものは初めて見ました。

「そうですね、ボトルは100%リサイクルですが、チューブに関しては30%。このようにパーセンテージを明記しているのは、世界初だと思います。本来はチューブも100%にすべきでしょうが、品質を担保するためには今はここまでなのです。リサイクル表記に関してもルールはないですから、1%でもリサイクル素材が入っていれば『リサイクルボトル』と名乗ることができてしまいます。でも私たちはオーガニックの会社を20年やってきたので、環境のことを考えるのは当たり前。こうやって情報を開示していくことが大事だと思っています。日本はリサイクルが進んでいるように思われていますが、ペットボトルを回収していても再利用率は、実はそんなに高くありません。数字を見ていただくことで、リサイクルについてもさらに興味を持ってもらうきっかけになれば、と思ってやっています」

荻原正子

オーガニック業界でも薄利多売は実現できる

ずっと思っていたのですが、日本ではオーガニックの製品は価格が高いですよね。続けて使うのが難しいくらい。なぜでしょうか。

「それはやはりその製品が“オーガニック村”の人たちに向けて作られているからだと思います。オーガニックのものしか使用しない、食べない、という人たちは、多少高くても買うのです。しかし、そうでない人たちにとっても『オーガニック』が選択肢の一つであることが大事。だから私たちはできるだけ買いやすい価格にしたいと考えています。

オーガニック製品に対しての意識という点では、この“オーガニック村”のような人たちが3割、“どちらでもない”人が4割、残りの3割が“反オーガニック派”だといわれています。私はすべてのものをオーガニックにしたいわけではないのです。ケミカルとオーガニック、時と場合によって選択できればいい。そして頭からオーガニックを排除する“反オーガニック”の人たちにとっても、オーガニックが選択肢の一つになるような製品を作っていきたいのです。これが今の私のミッションです。

おかげさまでロングセラーになっているコスモスナチュラル認証を取得しているボディスプレー(パーフェクトポーションアウトドアボディスプレー)は、実は段階的に値下げをしてきました。発売当初は、¥1,800。そんなに売れるものとは思っていませんでしたが、子育てをされている層を中心に広まって買っていただけるようになったので、¥1,600にしたのです。そうするとさらに売れたので、¥1,400まで下げました。現在、夏場には50万本も売れるヒット商品になりました。

たかくら


また、オリジナルブランド「メイド オブ オーガニクス」に使用している原料は年々原価が上がっているのですが、デイリーで使っていただきたい価格を維持するために、とにかく(原材料を仕入れている)取引先に頭を下げている状態です。でもオーガニック業界でも、薄利多売はできるのだと証明できた。この成功体験があるから、これからも利他的にやっていこうと、いいと思った商品を買い続けていただけるような金額で販売していこうと頑張っているのです」

買い物は会社のビジョンに投票すること

「すべての人にオーガニックの選択肢を」というミッションは、本当に素晴らしいと思います!

「私たちのミッションは日々変わっていきます。いつかすべての人にとってオーガニックが選択肢の一つになったら、きっと新しいミッションに移行するでしょう。でも私たちのビジョンは決して変わらない。そのビジョンというのは『かぞくに使って欲しいものだけをつくる』ということ。多様性の世の中ですし、弊社はペット製品も扱っているので血族をしめす『家族』ではなく、ひらがなの『かぞく』です。それは、大切な人ということ。ビジョンは憲法みたいなものですから、どんな商品やビジネスを展開しても変わらないし、変わってはいけないものです」

たかくら

大切な“かぞく”の一員でもあるペット向けの商品も充実。


オーガニックのものを購入する際には、注意深くなる必要があるのだと、今日、高倉さんのお話を伺って痛感しました。本当に良い商品、オーガニックなものを見分けるために、私たちにできることは何でしょうか?

「その商品を扱う会社のビジョンを見ることです。商品のキャッチコピーと、ホームページに掲載されているその会社のビジョンが異なるような場合は気をつけてください。商品だけではなくて、会社の掲げた目標を見るということは大事です。私たちの『かぞくに使って欲しいものだけをつくる』というビジョンは、どの商品に対しても、どんなビジネスを行うときにもぶれません。この会社のビジョン、憲法を見極めることが、商品を選ぶことの指針になるかもしれませんね。

買い物は、“投票”なのです。残念ながら、多くの企業に自浄作用はありません。その商品が、売れるか売れないかだけで判断してしまいます。皆さんにはぜひ、これからものを買うときには、その商品の背景や考え方を確認してほしい。“応援したい”と思った会社に“投票する”という気持ちで、しっかりと選んでください」

 高倉社長、本日はとても興味深く、貴重なお話をありがとうございました。


2回目のインタビューを終えて

オーガニックブームともいえる今、オーガニックの食品や製品がたくさん手に入るようになりました。私が住むカリフォルニアのお店にも、そこここに多くの製品が並んでいます。

今回お話を伺って重要だと感じたのは、キャッチコピーをすべて鵜呑みにせず、ラベルをしっかりチェックすること。さらに、ウェブサイトなどにアクセスしてその会社のビジョンや姿勢などをチェックしてみることです。そして、その商品の背景や考え方を確認することが大切だと学びました。

私たちのお金が動くことで、社会は動きます。一人ひとりが「買い物は投票」という意識を持ってモノを購入することにより、世界は素晴らしい方向へといくらでも進むことができるのだと希望が湧きました。

「すべてのかぞくにとって、オーガニックが選択肢の一つになるような製品を作っていきたい」と夢を大きく持たれている高倉さんは、気取らず、朗らかで、終始笑いの絶えないインタビューとなりました。

真摯に商品開発し、成分表示などすべてに向き合う高倉さんの姿勢に刺激を受けて、自分の活動にますます力を入れていきたいと、たくさんのやる気を分けていただきました。(編集長:荻原正子)

>>インタビューvol.1 真実のオーガニックにこだわる“本気のモノヅクリ”を聞く【編集長インタビュー】


Profile
高倉健(たかくらけん)
1964年京都府生まれ。たかくら新産業代表取締役社長。西武百貨店渋谷店SEED館の企画担当を経て独立。世界中の化粧品や雑貨ブランドの輸入販売を経て、たかくら新産業を発足。オーガニックブランド「メイドオブオーガニクス」を立ち上げる。
takakura.co.jp/


PHOTO = YOSHiMARO(PEACE MONKEY)
TEXT = 安井桃子

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