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女性の情緒不安定の治し方は?生理との関係や落ち着く方法を解説

 

ご自分の性格を、「いつもイライラしたり、急に泣きたくなったり、気持ちが不安定になりやすいかも」と悩んでいる女性の方は、意外に多いのではないでしょうか。

 

感情の起伏が激しい状態を「情緒不安定」と呼び、女性がお悩みになるケースが多いです。

 

情緒不安定な人に多く見られる特徴や正しい対処法について解説します。

 

なぜ女性は情緒不安定になりやすいのか

 

情緒の安定は主に、身体的要因心理社会的要因が関係しています。

 

まずはこれら2つの要因について解説していきます。

 

身体的要因

身体的な要因で一番に挙げられるのは、ホルモンバランスです。

 

特に女性は月経周期によってエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン分泌量が短期間で変化しています。

 

これらのホルモンは、私たちの精神面にも影響を与えるため、その乱高下によって情緒が不安定になることがあります。

 

心理社会的要因

仕事やプライベートでの人間関係、結婚や出産による環境の変化。

 

女性は家庭や仕事、人間関係などさまざまな場面でストレスを抱えやすい傾向があります。

 

特に、家庭と仕事の両立や、男女の役割分担の不均衡などがストレスを引き起こし、情緒が不安定になることが少なくありません。

 

また現在の日本の社会全体の特徴として、自分がどう思うか、の自分軸より、まわりと自分を比較する他者評価に比重が置かれている傾向があります。

 

そのため、まわりと自分を比較して落ち込んでしまうことも、気持ちが不安定になる要因となっているかもしれません。

 

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女性が情緒不安定になる原因や時期

 

女性が情緒不安定に陥る原因のひとつに、ホルモンバランスの変化があります。

 

これは一定の周期や時期になると現れやすくなります。

 

生理前・生理中

生理前および生理中にはPMS月経前症候群とよばれる症状が現れます。

 

個人差はあるものの不安やイライラ、気分の落ち込みなどによって情緒が不安定になりやすいことがわかっています。

 

なお、生理後はホルモンバランスが安定し、生理前や最中に比べると比較的情緒が安定します。

 

排卵日

排卵日とは、卵巣から卵子が放出される時期のことを指します。

 

排卵日の頃は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量がピークに達するため、生理中と並んで情緒不安定になりやすい時期とされています。

 

妊娠初期

妊娠初期もまた、ホルモンバランスが大きく変化するタイミングです。

 

生理中や排卵日と異なり、妊娠にともなう吐き気や体調不良、出産への不安なども影響していることがあり、気分がさらに不安定になることがある点に留意しましょう。

 

更年期

更年期になると卵巣機能が衰え女性ホルモンが低下することで、全体のホルモンバランスも乱れがちです。

 

それにともない、イライラ情緒不安定不安感抑うつ症状などが現れることも少なくありません。

 

さらに、年齢を重ねていくことで身体的な衰えや美的感覚に対する不安や怖れも加わり、ストレスが増大することもあります。

 

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情緒不安定な女性に多い特徴

 

もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、情緒不安定な女性に共通している特徴がいくつかあります。

 

自分ではなかなか気づきにくいこと多いものです。あらためてチェックしてみましょう。

 

感情の起伏が激しい

普通なら悩んだりイライラしないような些細なことにも、不安やいら立ちを覚えてしまう。

 

そんな感じが数週間続くときは、少し心が疲れている証拠です。

 

明確なストレスや不安の原因が明確でなくとも、情緒不安定になることがあります

 

そのような自分が嫌になり、さらに悪化するケースも少なくありません。

 

物事をネガティブに考えがち

何でもかんでも後ろ向きに捉えがちな人は、常に心配事を複数抱えているのと同じようなメンタルの状態であり、情緒不安定に陥りやすいです。

 

また、他人から褒められたとしても素直に受け入れられず、「何か裏があるのではないか?」などと考えてしまうため、たとえ何らかの成果を上げたとしても、いつまでも自己肯定感を高められません。

 

繊細な性格

他者からの何でもないような一言で傷ついてしまうことの多い繊細な性格の人も、情緒不安定の素養を持っているといえるでしょう。

 

また、このタイプの人は感受性や共感力が強いことも多く、自分とは直接関係のないこと、たとえばニュースで目にした凶悪事件などについても心を痛めて情緒が不安定になってしまうことがあります。

 

一人でいるのが苦手

「一人でいるのが苦手だ」という人は、全員ではありませんが、依存傾向が強いケースが多いです。

 

誰かと一緒にいるときは情緒が安定していても一人になると急に不安感が襲ってくることがあります。

 

睡眠障害に悩まされている

情緒不安定な時は、不安やストレスによって睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。

 

睡眠の質や時間は肉体的な健康に関係しているのはもちろん、メンタル面にも大きな影響を与えているというのは有名な話でしょう。

 

夜中に目が覚めてしまったり、寝付きが悪くなることが典型的な症状として挙げられます。

 

関連記事:感情の起伏が激しい人や少ない人の特徴|上手にコントロールする方法とは

 

情緒不安定になると泣くのはなぜ?

情緒不安定になると、意味なく泣いてしまうことがあります。

 

強いストレスや不安を感じているとき、脳の扁桃体とよばれる領域が活性化しやすくなることが知られています。

 

扁桃体は脳のなかでも感情的な情報を処理するための領域です。

 

ストレスや不安感などの緊急性の高い情報が集中的に処理されることで、悲しみの感情が引き出され、本人は泣きたくないにもかかわらず、自然と涙が出てくるようになるのです。

 

また、緊張感が高まることで自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位に働き、涙腺が刺激されます。

 

その結果、本人の意図とは関係なく涙が出てくることもあります。

 

関連記事:情緒不安定になると泣くのはなぜ?|情緒不安定になりやすい人や原因とは

 

情緒不安定になったときの治し方・落ち着く方法は?

 

気持ちが不安定になったとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

 

深呼吸をする

すぐにその場でできるおすすめの方法が深呼吸です。

 

情緒不安定になる要因には、ストレスや不安感の増大といった精神的な面が多くあります。

 

ゆっくりと深呼吸をすることで副交感神経が優位になり、次第にリラックスし、ストレスや緊張を和らげることができるのです。

 

適度な運動をする

時間に余裕があれば、ウォーキングや軽いランニング、筋力トレーニングなど、体を動かすことをおすすめします。

 

これまで国内外の多くの研究から、適度な運動はストレスの原因となるホルモンを減らし、前向きな気分にする効果があることが示されています。

 

十分な休息

身体的な疲労だけでなく精神的な疲労を緩和するために、十分な休息をとることも必要です。

 

まずは十分な睡眠時間を確保します。

 

リラックスできる音楽を聞く温かい飲み物を飲む少し低めの温度にしたお風呂に浸かるなどして休息の時間を確保しましょう。

 

自分の感情を書き出したり声に出してみたりする

自分自身がどのような状況にあるのか、どんな気持ちで困っているのか、何に苦しんでいるのかについて、紙にペンで書き出したり、実際に声に出してみるのもおすすめです、

 

書き出すパターンでは自分の気持ちを視覚化することができ、声に出すパターンでは音の情報として耳に入るため、客観視がしやすくなります。

 

自分が考えていることを客観視することで、解決方法が見つかったり、意外と小さなことで悩んでいたことに気付くこともあるでしょう。

 

専門家へ相談する

自分でさまざまな工夫をしてみても改善されない場合には、専門家へ相談することを検討しましょう。

 

心理カウンセラーやセラピストに相談することで、話を聞いて共感してもらえる安心感が得られ、感情や状況が整理されるでしょう。

 

その結果、有効な対処法を見つけられる可能性があります。

 

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情緒不安定な女性との接し方

相手が情緒不安定なときは、急に怒り出したかと思うといきなり悲しんだりと、相手の感情に振り回され、戸惑ってしまうことがあります。

 

ついつい相手の感情や口調に同調し、こちらも売り言葉に買い言葉、となってしまいがち。

 

そうなるとお互いヒートアップし、冷静なコミュニケーションがとれなくなってしまいます。

 

そのため、こちらは努めて冷静に対処しましょう。その際は丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。

 

柔らかな口調で話し、相手の話をよく聞くことで相手に安心感を与えることができます。

 

また、相手の気持ちや立場に共感し、理解を示すことも重要です。

 

落ち着いて丁寧なコミュニケーションをしようと思っても、相手の感情がおさまらず興奮状態が続くこともあります。

 

そのような場合には、相手が落ち着くための時間を与え、一定の距離を取りましょう。

 

まとめ

女性はさまざまな要因により情緒不安定になりやすく、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

自分の気持ちが不安定だなと感じたら、立ち止まってゆっくり深呼吸をしたり、適度な運動をしたり、心地よい休息を心がけるなど、まずはご自分を大切にしてあげてください。

 

どうしても症状が改善しないときや、悪化しているなと感じられる場合には、メンタルヘルスの専門家へ相談することもご検討ください。

 

この記事の監修者 

島田恭子(しまだきょうこ)

精神保健学者。コンサル会社での人材育成を通して、心の健康の重要性を感じ、東京大学大学院にて予防医学とメンタルヘルスを学ぶ(保健学博士)。

「人が、心豊かでその人らしく、健やかな人生を送れるように後押しすること」がライフワーク。

一般社団法人ココロバランス研究所代表。

▶︎一般社団法人ココロバランス研究所 :HP

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