メンタルブレイクした時はどうすればいい?診断方法や治し方を紹介
忙しい日々を送っている現代人ならば、誰もが一度は気持ちが落ち込んだり、頑張る気力がなくなったりした経験があるのではないでしょうか。
「単なる気持ちの変化だから」と対処せずに過ごしてしまうと、なかなか這い上がれずに辛い日々を送ることになりかねません。
今回はそんな状態を指す言葉「メンタルブレイク」に注目し、自己診断の方法や治し方をご紹介します。
Contents
メンタルブレイクの意味とは?
「メンタルブレイク」とは、直訳で「精神崩壊」という意味を持つ言葉です。
医療用語ではなく、いわゆる造語として2000年代初め頃から広まり始めました。
当初は大型掲示板サイト「2ちゃんねる」にて精神を病んだ人を指す言葉として使われていました。
近年は誰しもがなりうる、辛い状態を意味する言葉へと変化しつつあります。
掲示板サイトをきっかけに生まれたメンタルブレイクというワードは、徐々に女子高生を中心としたSNSで使われるようになりました。
何か嫌なことがあったり、やる気が出なかったりといった心情を「メンブレした」と表し、共感やなぐさめの言葉をもらうのが一般的。
当時は、ほんの少し落ち込んだ程度の状態を指す言葉として使われていたのです。
現在は大人でもメンタルブレイクという言葉を知っている人が多く、重いうつ状態などを表す際にも使われつつあります。
面白半分で使う言葉から、自身や周りを労わるために必要な言葉へと進化しつつある言葉といえるでしょう。
一部では「メンタルダウン」という言葉も同様の意味として使われています。
メンタルブレイクの症状は?
一言でメンタルブレイクといっても、人によって症状はさまざまです。
「あの人とは違うから私はメンタルブレイクではない」「この症状があるからメンタルブレイクだ」
というわけではなく、あくまでも普段の自分と比べてどのように変化したかをチェックすると良いでしょう。
下記でご紹介するメンタルブレイクの症状は、実際に体験した人の多い症状の一例です。
下記以外にも気になる症状がある場合は、自分の症状と照らし合わせて確認することをおすすめします。
何もしていないのに気分が落ち込む
何か特別なことがあったり、傷ついたりした経験があって気分が落ち込むのは自然なことです。
しかし「何もしていないのにどんよりとした気持ちになる」「うまく笑えなくなる」
このような場合は、メンタルブレイクの症状の一つといって良いでしょう。
日々の小さなストレスが積み重なるなど、自分では気が付かないレベルのきっかけがメンタルブレイクを引き起こすことがあります。
何も悲しいことがなかったからといって、気持ちが落ち込んでいる状態を見逃さないようにしましょう。
とはいえ、何もきっかけがない場合、気分が落ち込んでいることに気が付くのは難しいものです。
少しでも「あれ?」と感じることがある場合は、一度ゆっくりと時間をとって自分の状態を見つめなおしてみるのがおすすめです。
落ち込んだ気持ちに見て見ぬふりを続けてしまうと、その後ちょっとした出来事でさらに落ち込んだり、外に出るのが難しくなったりすることがあります。
自分では分からないことも、周りが気づいてくれる可能性があるため、信頼できる人に相談するのも良いでしょう。
何をするにも気力が出ない
仕事や家事などを頑張ろうと思っても、なぜか気力がわかずに先延ばしにしてしまったり、重い腰が上がらなかったりした経験のある方も多いのではないでしょうか。
もちろん仕事や家事に苦痛を感じていれば、自然と気力がわかなくなるもの。
普段はしっかりと取り組んでいても、季節の変わり目や生活習慣の変化などでやる気がフェードアウトしてしまうこともあるでしょう。
気力が出ない状態は、いわば「誰にでもあること」として放置してしまう人が多い症状です。
とはいえ、どんな症状にも何かしらの理由があるはずで、何もないのに気力がわかない状態は危険です。
メンタルブレイクでは、自身が気が付かない要因が積み重なっていることが多いです。
「自覚がないままなぜか気力が出ない」「やる気が出ない」などの状態は、決して無視しないようにしましょう。
もちろん、気力が出ないと思ったら実際には風邪の引き始めだったり、ホルモンバランスが乱れていたりすることもあります。
心の問題だけでなく、体の不調で考えられる原因がないかもチェックするのがおすすめです。
いつもなら何でもないことに対してイライラする
メンタルブレイクの症状は、気持ちが落ち込むだけではありません。
普段ならば気にすることがないような些細な出来事に対して、過剰に気持ちが高ぶってしまうケースも考えられます。
家族の何気ない一言に反論してしまったり、イライラがおさまらずに何事も楽しめなかったりする場合は、上記同様メンタルブレイクを疑いましょう。
この「イライラ」という症状は、自分が精神的に疲れていることが分かりにくい症状の一つでもあります。
普段温厚な人が何日もイライラしていたり、激しい言葉遣いに変わったりするのに気が付いた場合は、さりげなくフォローしてあげると良いでしょう。
主に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが原因でイライラがつのることがあります。
メンタルブレイクを疑うと同時に、月経周期などを確認し、体に不調がないか確認することも大切です。
胸がドキドキして息苦しい
心の問題だと捉えられがちなメンタルブレイクですが、気持ちの変化によって身体的な症状が出ることも少なくありません。
代表的な症状の一つに「胸がドキドキする」「息苦しい」というものがあります。
病院で検査をしても異常がなく、ストレスが原因だといわれた経験のある方も多いのではないでしょうか。
朝起きた瞬間に胸がつまるような感じがしたり、寝るために横になると息がしにくくなったりと、人それぞれ症状が異なるのも特徴です。
場合によっては息苦しさが強くなり、うまく息が吸えず「過呼吸」になるケースもあります。
口元に袋を当てて二酸化炭素を取り込むことで落ち着くといわれていますが、経験がなければ焦ってしまう人も多いでしょう。
過呼吸は息をゆっくりと吐いたりうつ伏せで横になったりするのに加え、周囲に人がいる場合は会話をすることで落ち着く可能性があります。
息苦しさは決して軽視せず、常に対処法を考えておくことが大切です。
熟睡できず夜中に何度も目が覚める
メンタルブレイクの間は体にストレスがかかり、自律神経のはたらきも乱れやすくなります。
通常、起きている間は交感神経が、眠るときには副交感神経が優位になるはずの人体ですが、自律神経がうまく働かない場合この限りではありません。
夜にもかかわらず気持ちが昂ったり、夜中に目が覚めて寝付けなくなってしまったりする場合は、病気を疑うとともにメンタルケアも行うと良いでしょう。
眠りに関する悩みがある場合、まずは起きている間の行動を改善してみるのがおすすめです。
無理に眠ろうとするのではなく、朝起きてすぐに日光を浴びたり、適度な運動をしたりして体のサイクルを整えましょう。
眠る前は熱すぎないお湯にゆっくりと浸かったり、就寝の3時間前までに食事を済ませたりといった工夫も大切です。
また、眠りに関する悩みが続けば続くほど、心身ともにさまざまなトラブルが起こりやすくなります。
必要に応じて医療機関を受診したり、睡眠導入剤を処方してもらったりと、専門家に相談することをおすすめします。
関連記事:ジャーナリングのやり方は?日記との違いや効果について
メンタルブレイクの自己診断をしてみよう
医療機関を受診する前に、自己診断によるメンタルブレイクの見分け方を試してみましょう。
以下のようなチェックポイントを参考に、当てはまるものがいくつあるかで見極めを行います。
- 気分の変動が激しいか?
- 睡眠に問題はないか?
- 仕事や日常活動に対するモチベーションは?
- 食欲に変化はあるか?
- 社会的な関わりに変化はあるか?
- 集中力や判断力に問題はないか?
- 自己評価に変化はあるか?
- 不安や恐怖を感じることは増えたか?
先ほどご紹介した気分の落ち込み・イライラや、睡眠不足などの項目に加え「漠然と不安や恐怖を感じるか」といったポイントまでさまざまなものがあります。
一見して関連性のない質問にも思えますが、これらは全てメンタルブレイクの一例として多くの人が苦しんでいる症状です。
例として、精神疾患の一つ「うつ病」を挙げてみましょう。
気持ちの落ち込み、不安感、だるさ、暴力行為や希死念慮など、人によって症状に大きな違いが見られます。
症状が重い場合は引きこもりになったり、専門病院に入院しなければならなかったりすることもあるでしょう。
これに対しメンタルブレイクは「一時的な気持ちの問題」と片付けられてしまい、うつ病などの精神疾患に比べ軽視される傾向にあります。
何の対処もしないままでは別の疾患を併発しかねないため、先ほどご紹介したチェックポイントを受診の目安として活用しましょう。
自己診断は、あくまでも参考程度にしかなりません。
本来の原因や対処法は一人ひとり異なるため、専門医と時間をかけて話し合うことをおすすめします。
関連記事:ネガティブ思考は病気?うつ病との違いや治し方を解説
メンタルブレイクしたときの治し方は?
人によって原因や症状が異なるメンタルブレイクは、基本的に専門医と治し方について相談するのがベストです。
いつでも相談できるよう、最寄りの精神科や心療内科を調べておくと良いでしょう。
一方で、自分で症状を軽くするための対処法もいくつか存在します。
これらは根本的な問題を解決するわけではないため、一時的な対処法として覚えておくのがおすすめ。
時間や気持ちに少しでも余裕ができたときには、自身を悩ませている原因を探りましょう。
気持ちを声に出してみる
メンタルブレイクをしているときは、多くの人が自分の状態を正しく把握できていません。
「まだ大丈夫だろう」と思っていたり、これだと思う原因が間違っていたりすると、結果として症状を長引かせてしまうでしょう。
そのため、まずは考えていることを全て口に出してみるのがおすすめです。
何を話すか考えることもなく、ただつらつらと気持ちを声に出してみるだけです。
そこに誰かがいても良いですし、1人のときでもかまいません。
頭の中で考えを巡らせていても、良い結果が生まれにくいどころかどんどんとネガティブな方向へ進んでしまいがちです。
アウトプットすることで気持ちを整理することにもつながるため、独り言のようにつぶやいてみると良いでしょう。
また、どうしても声が出せない環境にいる場合は、手当たり次第紙に書き出してみるのもおすすめです。
書いたものを見直しながら、自分が本当に抱えている気持ちを探っていきましょう。
どうしたいのか考えてみる
気持ちをアウトプットできるようになったら、一体自分がどうしたいのかを考えてみましょう。
仕事関連の気持ちを多く吐き出した場合「自分はその仕事でどんなポストに就きたいのか」
あるいは「辞めてしまいたいのか」といった希望する未来をイメージするのが重要です。
人間関係に悩んでいるのであれば、相手とどんな関係になりたいのか想像してみましょう。
例え非現実的な内容であっても、自分の希望を具体的に思い描くことが大切です。
自分がどうしたいのかを考えるとき、周りの人間の目を気にする必要はありません。
「〇〇さんがこうすべきだと言ったから」「こうすると皆に迷惑がかかるから」といった前提を捨て、自分が心地良く過ごせる選択は何なのかを探りましょう。
肉体的な健康を維持する
メンタルブレイクから脱却するためには、心はもちろん体の健康が必要不可欠となります。
心の辛さを重視するあまり、体の健康をおろそかにしてしまえば「疲れがとれにくい」「風邪をひきやすい」など日常にさまざまな影響が出てしまうでしょう。
その結果、毎日がイメージ通りに過ごせなくなれば、新たなメンタルブレイクを引き起こす可能性もゼロではありません。
肉体的な健康は、精神的な健康の土台となります。
睡眠・食事・運動の3つをバランス良く整え、心と向き合うだけの余裕を身に着けましょう。
急にこれまで続けてきた生活をガラリと変える必要はないため、できることから少しずつ始めていくことが大切です。
ネガティブな事柄を避ける
メンタルブレイクに悩まされている間は、ネガティブな事柄をできるだけ避けると良いでしょう。
例え今抱えている悩みとはまったく異なることであったとしても、ネガティブな事柄に引っ張られて気持ちがさらに沈んでしまう可能性があります。
例として、悩んでいる人の相談にのったり、困っている人とともに苦しんだりするなど、周囲の空気がどんよりするような場所に行くべきではありません。
負の感情が大きくなり、周りを巻き込んでしまう可能性もあるでしょう。
まず自分が十分な余裕をもつことが、誰かを助けるための第一歩となるはずです。
上記を習慣化する
これまでご紹介した1から4までの内容は、数回試しただけで何かが大きく変わるわけではありません。
これらを習慣化し、自分の生活に組み込んでいくからこそ、自分の力でメンタルブレイクを脱却するきっかけとなるでしょう。
その後は専門家の力を借りながら、本来の生活に戻るまでのリハビリを行う必要があります。
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【まとめ】メンタルブレイクした時は無理しない
人によってさまざまな症状があり、原因を突き止めるだけでも難しいのがメンタルブレイクです。
日々の中で少しずつ自分と向き合いながら、明るい気持ちを取り戻すために対処法を続けていきましょう。
メンタルブレイクは単に原因を取り除いたり、楽しい経験をしたりするだけで完治させることはできません。
決して無理をすることなく、必要に応じて専門家の手を借りながら、少しずつ前を向いていくことが大切です。