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深呼吸は脳にどんな効果がある?やりすぎは危険?

緊張したときや興奮状態にあるとき、落ち着きを取り戻すために深呼吸をすることがあります。

 

なぜ深呼吸をするだけで心を落ち着かせることができるのでしょうか。

 

また、深呼吸にはリラックス効果以外にもさまざまな効果があるとされていますが、それは具体的にどういったものなのでしょうか。

 

本記事では、深呼吸の正しいやり方や注意点なども含めて詳しく解説します。

 

深呼吸をすると落ち着くのはなぜ?

 

パニックに陥ったとき、ゆっくりと深呼吸をすることで心が落ち着くことがあります。

 

なぜ深呼吸をすると落ち着きを取り戻すことが多いのでしょうか。

酸素の供給

理由は単純で、深呼吸をすることで、より多くの酸素を体内に取り入れられるためです。

 

酸素は脳や筋肉の活動に欠かせないものであり、適切な酸素供給が行われることで脳の機能が改善され、集中力や冷静な判断力を取り戻すことができます。

集中力を高められるため

深くゆっくりとした呼吸に集中することで、心の中の不安やストレスに意識を向ける余裕が生まれます

 

これにより、一時的ではあるものの外部の刺激や心配事から離れ、心を静めることができます。

心理的な効果

私たちはこれまでの経験から、深呼吸をすることで精神的な落ち着きを取り戻すことができるという知識を得ています。

 

実際に深呼吸にはリラックス効果がありますが、それに加えて「落ち着きを取り戻せる」という自己暗示的な効果もあり、ストレスや不安を緩和することができるのです。

 

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深呼吸の効果

深呼吸をすることで、医学的にどのような効果が認められているのでしょうか。

 

代表的な効果をご紹介します。

ストレスの軽減・リラックス効果

深呼吸はストレスの緩和に効果的です。

 

深くゆっくりとした呼吸は副交感神経を刺激し、リラックス効果を高めます。

 

これによりストレスホルモンの分泌が抑制され、心身の緊張を緩和してくれます。

 

深呼吸によってリラックス効果が得られると、一定の心拍数や呼吸数に調整し落ち着いた状態をもたらしてくれるのです。

セロトニンの増加

セロトニンとは、心の安定や幸福感に重要な役割を果たす神経伝達物質であり、「幸せホルモン」ともよばれています。

 

深呼吸をすることで酸素が増えると、脳からのセロトニンの生成や放出が促進されると考えられています。

 

セロトニンが増加すると、後ろ向きな思考や悩み、不安が解消され、心が平穏な状態を維持しやすくなります。

血圧の変化

ゆっくりと深い呼吸をすることで、血液中の酸素濃度が上昇し、血管が拡張されます。これにより、血圧が下がる効果が期待できます。

 

また、深呼吸は交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがあり、副交感神経の優位性が増すことも血圧を下げることにつながります。

 

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深呼吸はどんな人におすすめ?

 

深呼吸は医学的に見てもさまざまなメリットをもたらす行為といえます。

 

健康効果を考えたとき、深呼吸はどのような人に適しているのでしょうか。

高齢者

高齢者は一般的に身体的機能が衰え、運動量も減少するため、呼吸が浅くなる傾向があります。

 

意識的に深呼吸を取り入れることで、酸素供給を増やし肺機能を改善することができるでしょう。

 

また、高血圧に悩まされている高齢者も多いですが、深呼吸をすることで血管が拡張され、血圧を正常値に戻す効果も期待できます。

うつ病やパニック障害など精神疾患を抱えている人

深呼吸は自律神経の調整に効果が期待でき、交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがあります。

 

これにより精神状態を安定化させ、不安やストレスの軽減に貢献します。

 

また、深呼吸はセロトニンの増加を促進する働きもあります。

 

これにより、抑うつ症状を緩和できるため、うつ病やパニック障害の症状に悩まされている人にもおすすめです。

緊張しやすい人

深呼吸にはリラックス効果があるため、緊張しやすい人にもおすすめの習慣です。

 

たとえば、人前に出て話すときや取引先との商談、スポーツの試合の前などに深呼吸をすることで、本来の自分の力や持ち味を発揮できるでしょう。

 

また、過度に緊張している状態では注意力が散漫になり、本来ではあり得ないミスや間違いを起こすこともあります。

 

そのようなときも深呼吸に集中することで緊張や心配事から一時的に離れ、集中力を高めることができるはずです。

睡眠の質を改善したい人

ベッドに入ってもなかなか寝付けず、慢性的な睡眠不足に悩まされている人も少なくありません。

 

また、睡眠時間は確保できているものの、睡眠の質が悪く熟睡できない人もいます。

 

ベッドに入ってから深呼吸を行うことで、交感神経と副交感神経のバランスを整え、睡眠の質を改善するのに役立ちます

 

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深呼吸のやりすぎは危険?

精神的な効果はもちろん、身体的にもさまざまな効果がある深呼吸ですが、過度に意識するあまり深呼吸をやりすぎてしまうと効果を低減させるばかりか、身体にとってもさまざまな悪影響を及ぼすことがあります

 

深呼吸をすると大量の酸素が体内に吸収されます。それと同時に、体内の二酸化炭素が外に排出されていきます。

 

二酸化炭素と聞くと私たちの身体に不要なものというイメージがありますが、決してそのようなことはなく、酸とアルカリのバランスを適度に保つ役割をもっているのです。

 

深呼吸をしすぎてしまうと、本来必要であった二酸化炭素まで排出されてしまい、酸とアルカリのバランスが崩れ頭痛やめまいなどの症状を引き起こすことがあります。

 

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深呼吸の正しいやり方

Close-up of a woman’s hands on her chest while doing breathing exercises

 

では、深呼吸の効果を高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。

 

正しい深呼吸のやり方と、適切な回数や頻度について解説します。

正しい深呼吸の方法

  1. 椅子に座っている場合は、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、腹部に手を添えてください。
  2. また、立っている場合は力を入れずにリラックスした状態で腹部に手を添えます。
  3. 深呼吸と聞くと思い切り息を吸い込むイメージがありますが、むしろ意識しなければならないのは息を吐くことです。
  4. 頭のなかで3秒数えながら息をゆっくり吐き出してみましょう。
  5. その後、同じように3秒数えながら鼻から息を吸い込みます。

 

この一連の流れを5~10分程度繰り返してください。

 

ただし、気分が悪くなったり息苦しさを感じるようであれば無理をせず中断しましょう。

深呼吸の適切な頻度

深呼吸のやりすぎは身体に悪影響をもたらすと紹介しましたが、どの程度の頻度を心がけるべきなのでしょうか。

 

結論からいえば、上記の一連の流れを1日1セット5~10分程度繰り返すだけで十分です。

 

その日の体調や個人の体質によっても適切な回数、頻度は異なるため、自分にとって心地よいと感じる範囲で行いましょう。

 

まとめ

緊張状態を緩和しリラックス効果を得るために、深呼吸は手軽な方法のひとつです。

 

深呼吸は単にリラックスするだけでなく、集中力を高めたり血圧を抑えたりといった効果も期待できます。

 

日常生活に取り入れたい習慣のひとつですが、深呼吸のしすぎは本来必要な二酸化炭素を排出してしまい、頭痛やめまいなどの症状を引き起こすこともあります。

 

今回紹介した正しい深呼吸の方法を実践し、自分自身にとって心地よい回数、頻度で無理なく続けてみてください。


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