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アーユルヴェーダで重要な消化力とは?体も心もデトックスして気分をあげよう!

桑子 麻衣子(くわこ まいこ)

約5,000年前にインドで発祥したとされるアーユルヴェーダの中で、とりわけ重要なのが「消化力」。もう少し噛み砕いていうと、アーユルヴェーダはデトックスファーストといったところでしょうか。「腸活」というとより身近でイメージしやすいかもしれません。その考えは、体の中に余計なものを溜めないで、心身の健康を安定させることを大切にしています。

 

今回は、アーユルヴェーダアドバイザーの筆者が、実践して本当に効果のあったアーユルヴェーダ的デトックス方法をご紹介します。便秘に悩んでいる方や、疲れやすかったり、気分の落ち込みがあるなど、何となくの不調に悩まされている方の参考になれば嬉しいです。

 

消化力とは?

Photo by Nik on Unsplash

消化力」とは、食べものや感情を消化する力のこと。

 

アーユルヴェーダでは、消化力が弱いと未消化物が残り、体に「」が溜まると考えられています。この毒が、心や体の不調に繋がってしまうのです。

 

例えば、ベースメイクを思い浮かべてみてください。いくら完璧にファンデーションを塗ったとしても、お肌にニキビがあったり、肌がたるんでいれば、満足のいくキレイを見せることはできないと思いませんか?

 

それは、体の外側だけでなく内側も同じ。体の中、あるいは心の中にも毒を溜め込んでおけば、いくら良いものを取り入れたとしても身になることはありません。

 

現代の風潮として、良いもの(オーガニックフードや、ホールフード、スーパーフード、サプリなど)を”取り入れる”ということは多く見られますが、”出すこと”は、あまり重視されないことが多いかもしれません。実際、筆者もそうでした。

 

消化力の弱かった頃に筆者は、体に良いとされるものを多くとるようにしていましたが、なかなか思ったような結果を得ることはできませんでした。それどころか、心身の不調は増すばかり。便通は悪い上、食後のお腹の張り、ガスやゲップなど消化トラブルに常に悩まされる状態。また、ひどい時にはお肌はくすみ、たるみが気になることも。頑張れるけれど、慢性的に疲れが取れずに、そのせいでイライラして周りに当たってしまうこともしばしば。取り入れることよりも、余計なものを出すことに注力するようになると、みるみる不調は消えました。もちろん、常に一定して活力にみなぎっているわけではありません。それでも消化力を意識する前よりも、快適に暮らすことができるようになりました。

 

以下は、アーユルヴェーダで言われる毒が体に溜まっている人に表れやすい症状です。一つでも当てはまる項目があれば、次に紹介するアーユルヴェーダ的デトックス方法を試してみると良いかもしれません。

 

  • にきび、吹き出物ができやすい
  • お肌が乾燥しやすい
  • むくみやすい
  • 舌に白い舌苔(ぜったい:舌に付く細菌のかたまり)が溜まっている
  • 口内炎、口角炎ができやすい
  • 目が充血しやすい
  • 目の下にクマがある
  • 体臭や口臭が気になる
  • 便通が悪い(便秘 /出づらい・出るのに時間がかかる/ 残便感がある/ゆるい/下痢)
  • 月経痛がある / 月経不順
  • 尿の色が濃い
  • 肩こりや関節痛がある
  • 集中力が持続しない

 

▶︎メディテーションを続けて得られる効果とは?

 

アーユルヴェーダ的朝のデトックス方法

Photo by David Mao on Unsplash

 

アーユルヴェーダには1日を通して、様々なデトックス方法がありますが、筆者がおすすめしたいのは朝のデトックス。寝ている間に蓄積した未消化物を除去できたり、また朝のうちに排便を促すことでスッキリと1日をスタートすることができます。

 

日の出前に起きる

アーユルヴェーダでは、日の出前の起床がおすすめされています。起床後1時間程度で、便意を感じることが多いと言われていますので、スッキリとした排便を促すためにも、朝は余裕を持って起きることが◎。

 

西洋医学でも、起床後には、朝日を浴びると体内時計がリセットされ自律神経が整い腸内環境が整うとも言われています。

 

口内ケア

朝、太陽の光を浴びた後に行いたいのが、口内ケアでデトックスです。

 

まずは「舌磨き」をして、舌苔を除去しましょう。アーユルヴェーダでは、夜寝ている間に、体の中を巡った未消化物は舌の上に溜まり、これを放置すると、体内に毒として吸収されてしまうと考えられています。また口臭予防にもなり、口の中がスッキリしますよ。舌磨きには、市販のされているタングスクレイパーあるいは、スプーンで代用も可能。歯ブラシでこすると苔を押し込んでしまう可能性があるのでおすすめしません。

 

その後、歯ブラシをして、最後に「オイルプディング」をするのがおすすめです。これは一度加熱した白ごま油を使ったうがいで、歯茎のマッサージをする効果がある他、感染症、声がれ予防、口内炎の改善効果も期待できると言われています。白ごま油以外に、ココナッツオイルやオリーブオイルでも可。その場合は、加熱はしなくても大丈夫です。

 

白湯

口腔内がキレイになったら「白湯」を飲んでみましょう。朝の白湯は、排泄を促し、消化力を高めます。白湯の温度は、湯冷ましから50度程度が理想ですが、体調にあわせて調整して下さい。

 

また更なるパワーを感じたい方は、生姜白湯もおすすめです。生姜には胃腸の機能促進や毒素の排出など消化力を上げる効能が期待できると言われています。よく洗った生姜を食品保存容器にいれて全体が浸るくらいまでミネラルウォーターを注ぎ、一晩冷蔵庫で置いたら完成。飲む時は、適温に温めて飲んで下さい。

 

ヨガ / 呼吸法

時間の余裕がある場合は、ヨガや呼吸法の練習をおすすめします。体を適度に動かすことで血流が促進されて、腸の動きも良くなります。また呼吸法は腹式呼吸が◎。 腹式呼吸は横隔膜を大きく動かし、腹部内の圧力が高まります。その圧力が排便をサポートしてくれる効果が期待できます。

 

いかがですか?アーユルヴェーダのデトックス方法は、お金をかける必要はありません。もしかしたら、最小限の努力で最大限の効果を実感できるかもしれません。

 

特に夏の時期は、胃腸が冷えやすく消化力が下がってしまうケースが非常に多いです。もし、気になるものがあったら、ぜひ明日からでもはじめてみてはいかがでしょうか。

 

▶︎最小限の努力で1日を健やかに過ごす?アーユルヴェーダ的朝のセルフケア

 

ライター:プロフィール

文筆家・ヨガ/アーユルヴェーダ研究家

不安症状と向き合うためにヨガやアーユルヴェーダの学びを深めるようになる。

2009年バリ島で全米ヨガアライアンス認定講師資格取得。2021年アーユルヴェーダ講師資格を取得。2013年シンガポール移住。夫と娘の3人家族。


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