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ドネーションとは?寄付との違いや考え方を解説

 

さまざまな社会課題を解決するための「ドネーション」という活動を聞いたことはあるでしょうか。

 

本記事では、ドネーションとはどういった活動なのか、寄付や寄贈との違い、国によって異なるドネーションの考え方や現状などもあわせて詳しくご紹介します。

 

ドネーションとは?

 

ドネーション(donation)とは、金銭やモノ、サービスなどを無償で提供する行為全般を指す言葉です。

 

何らかの見返りを求めたり、自分自身の利害に関係する人や団体にお金やモノ、サービスを提供するのではなく、社会福祉や社会貢献など公共の目的であることが前提となります。

 

また、日本国内においては個人や企業に対する直接的な寄付ではなく、慈善団体や非営利団体などへの金銭および物的支援などを意味する言葉として用いられることもあります。

 

ドネーションと寄付の違いは?

 

「金銭やモノ、サービスなどを無償で提供する行為」と聞くと、寄付をイメージする方も多いのではないでしょうか。

 

実際に辞書でドネーション(donation)という単語を調べてみると、「寄付」や「寄贈」、「助成」といった言葉に直訳されることがわかります。

 

そのため、基本的にはドネーション=寄付という意味に捉えて問題はありません

 

国によっても異なるドネーションの考え方

 

ドネーション、すなわち寄付に対する考え方は国籍や宗教、価値観、時代などによっても大きく変わります。

 

昨今の日本では大規模な災害が起こるたびに多くの寄付金が集まり復興に役立てられています。

 

それ以外の平時においても継続的に寄付をしているという方は、決して多くないのではないでしょうか。

 

日本ファンドレイジング協会が発行している「寄付白書」のデータによると、

2016年時点での寄付総額は日本が7,756億円であるのに対し、米国は実に30兆6,664億円、イギリスでは1兆5,035億円にものぼります。

 

極端に日本人の寄付額が少ない背景には、日本では戦後の高度経済成長期から多額の税収が確保され、社会インフラや社会保障制度が整備されてきたという歴史があります。

 

すなわち、社会課題は基本的に税金で賄われるのが当然という意識があると考えられるのです。

 

さらに、物理的な面から見てみると、日本はバブル経済の崩壊から30年以上にわたって景気が低迷しています。寄付をしたくても経済的な余裕がない、自分自身の生活で精一杯という人が多いことも大きな要因として考えられるでしょう。

 

一方、海外に目を向けてみるとどうでしょうか。

 

たとえばキリスト教においては、毎月の収入に対して1割程度を寄付するといった聖書の教えがあります。

 

当然、個人の経済状況によっては1割の寄付が難しいこともありますが、自分のできる範囲で継続的に寄付を続けている敬虔なクリスチャンも少なくないのです。

 

また、米国ではこれまで順調に経済成長を続けており、現時点においてもGDPは世界一位を死守しているばかりか、30年前と比較して約4倍の経済規模にまで成長しています。

 

このように、日本と世界の国々でドネーションの考え方が異なるのは、文化的、宗教的、歴史的な背景などさまざまな要因が考えられます。

 

しかし、日本においても近年利用者が増えている「ふるさと納税」などの影響もあり、徐々に寄付総額は上昇傾向にあります。

 

詐欺には十分に注意しよう

 

ドネーションや寄付を受け入れている団体は数多く、たとえばNPO法人や非営利団体はもちろんのこと、一般企業などにも広がっています。

 

しかし、なかには活動に共感してくれた人の善意や良心に付け込もうとする詐欺行為も横行しています

 

ドネーションをしたつもりが反社会的組織の資金になっていたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりするケースもあります。

 

災害義援金などのように被災者や被災地に直接届けられるドネーションの活動もあれば、災害支援金などのように活動団体に寄付することで間接的に困っている人を助ける方法もあります。

 

いずれにしても、ドネーションとして金銭やモノを贈る際には、どのような支援団体がその活動を行っているのかを調べておくことが大切です。

 

支援団体の名称や所在地、連絡先はもちろんのこと、普段の活動内容やバックグラウンドなどもWebサイトやSNSなどでチェックしましょう。

 

内容が曖昧で理解できない場合には支援を見送るといった判断も必要です。

 

まとめ

ドネーションとは金銭やモノ、サービスなどを無償で提供する行為であり、寄付や寄贈などと同じ意味を指します。

 

また、社会課題に取り組む慈善団体や非営利団体などに対し、金銭および物的な支援を行う意味でドネーションという言葉が使い分けられることもあります。

 

日本は欧米に比べて寄付の文化が醸成されているとはいえず、社会課題は税金によって解決されるものという意識が根強いです。

 

しかし、昨今頻発している大規模災害や感染症など国難ともいえる状況が続くなかで、徐々に国民の意識が変わってきているのも事実です。

 

それを裏付けるように寄付総額も増加傾向にあります

 

善意につけ込んで金銭を搾取しようとする個人や団体も存在することから、ドネーションや寄付を行うときには支援団体の情報をしっかりと調べ、トラブルや詐欺被害に巻き込まれないようにしましょう。

 


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