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2022.06.04 手仕事に心躍らせ、学ぶ時間が愛おしい【malamuteデザイナー 小髙真理の衣食住遊学】

エシカル情報自分スタイル衣食住遊学

いつも元気で幸せそうなひとは、自分の周りに“楽しいこと”を育てる種をまいています。そんな魅力的な方にHummingなライフスタイルのトピックスを伺うシリーズ記事「わたしの衣食住遊学」。今回はファッションブランド「malamute(マラミュート)」のデザイナー 小髙真理さんに教えていただきました。


毎日を幸せな気分にする、気持ちと暮らしにフィットする服

ニットウェアを中心に、強さと柔らかさを併せもつ現代女性のためのデイリーウェアを展開する「malamute」。デザイナーの小髙さんは、国内の職人や工場とともに独自の表現や技法を探究しています。

唯一無二のデザインでありながら、柔軟なニット生地がもたらす着心地の良さに安心感を覚える「malamute」の服。懐かしさと初めての体験が入り混じるようなときめきを生み、テキスタイルの無限の可能性を感じさせてくれます。


「衣」

ブランドの原点にもなった、あの花柄。

MYフェイラーコレクション。最近はポップなデザインも。

花柄のフェイラーのハンカチは、私にとって思い入れの深いものです。シェニール織というドイツの伝統工芸により、モザイク画のような不思議な織から作られています。表裏同じ柄で黒地に花が浮き立つ特徴的なフェイラー社の柄は一度見たらドキッとするような力強さがあります。

1シーズン目から続けている「malamute」のフラワーモチーフのニットは祖母が使っていたフェイラーのハンカチがきっかけになっています。シェニール織について調べると、大変な手間と時間のかかることを知り、その製作背景にも感動しました。それからシェニール織で作られたものを集めることが趣味になっています。


「食」

こだわりの一杯から始める朝は気持ちがいい

最近は豆をミルで挽くことにハマっています!

コーヒーは喫茶店で飲むことが多かったのですが、コロナ禍で行く機会が減り、だんだんと自分でコーヒーを淹れることにチャレンジしていきました。そして出合ったのが耐熱ガラスで有名な「HARIO」のV60ドリッパーとステンレス製のミニドリップケトル。オリーブの木を使用した見た目も素敵なんです。熱いのが苦手なので、沸かしたてのお湯をこのミニドリップケトルに移し、ドリップする間にちょうど良い温度のコーヒーが入るのでとても気に入っています。

そして今、豆選びを勉強中です。原産国、焙煎方法、豆の挽き方と、コーヒー豆はいくつかの工程を経てそれぞれ味が変化するので奥が深く、面白いです。


「住」

お気に入りの一輪挿しに花を活ける

花瓶に合った花や季節感を楽しむ自宅の癒しコーナー。

今の住まいには庭がないので花を活けることで季節を感じています。お気に入りの花瓶は今まで集めた陶器やガラス、石などでできたもの。特に材質にこだわりはないのですが、見たことのないような独特の佇まいのものを、ついつい手にとってしまいます。なかでも「sol」というヴィンテージショップで一目惚れした、アメリカンミッドセンチュリーのキッチュな花瓶が最近のお気に入りです。

梅雨の時期は、「武相荘」で購入したかき氷皿をあじさいの花瓶にしています。


「遊」

お気に入りの旅先で味わう感動

伝統刺繍を学んでいる友人から教えてもらった京都三条にある「今昔西村」さんは、京都を訪れるたびに足を運ぶ場所。古代裂を扱うお店で、江戸時代初期に使われていたものからインド更紗まで珍しい布地を扱っています。刺繍、絞り、西陣織、友禅、草木染めなどいろいろな技法で表現されたものがあり、図版がわりに昔の帯や着物の切れ端を買って帰るようになりました。

初めて購入したものがとても面白い裂地でした。色合いが美しく選んだのでそこまでしっかりと布地を見ていなかったのですが、友人にそれを見せると「刺繍を施す下絵が筆で描いてあって、一つだけ刺繍がしてあるね」と説明してくれました。そして「なんで途中でやめたのだろうか」とか、「飽きてしまったのかな」と笑いながら、着物の刺繍について語り合い、伝統技法やその生地が作られた背景を、裂地から読み解く楽しさを知りました。

花柄が好きなので、どうしても花が描かれているものばかり手にとってしまいがちですが、花によって季節が読めたり、何用のものだったのかを知るヒントになっていることを学びました。どうしても洋装文化で育った私は和服=高価なものという印象で、なかなか直接知識を得ることが難しく、こうした場に学ぶチャンスがあったことがとてもうれしいです。


「学」

生産現場はアイデアが生まれる場所

「malamute」のコレクションを作るうえで生産現場は欠かせません。そこで新しく目にすること、発見、気付きがもたらすアイデアはとても豊かなものになるからです。今年初めにローンチしたホールガーメントを用いた「Re:born」プロジェクトのアイデアは、生産現場から生まれました。

※ホールガーメント・・・丸編み機によって一本の糸から立体的に編み上げるニットウェア。縫い目がなく、裁断によるカットロスがないことから、エコの観点でも注目される。

ワンピースがバッグやマフラーに生まれ変わる。

シーズンを重ねここ数年でお直しのお問い合わせが増え、お修理のシステムを整えようと考えていることを、ホールガーメントのアイテムを生産されている職人さんに相談しました。昔は糸が貴重だったので、ハンドニットなどは編んだ糸をほどき直し、違うものに編み変えていたという話を聞いていたからです。よく現場でも間違えて編んでしまったガーメントはほどけるものは糸ほどきをして編み直すことがあります。

そこで思い浮かんだのがホールガーメントをほどくこと。カットや縫製の工程が無いため、パーツを分解し、糸ほどきが可能です。この発想をもとに2年前から「Reborn project」の実験をスタート。過去のホールガーメントで作ったサンプルから糸にほどき直して、バッグとマフラーに編み変えるプログラムを組み、試作を重ね、無事にローンチすることができました。

ホールガーメントシリーズは、「malamute」が最初期から継続的に取り組み、ブランドの中核をなす製作方法、技術、アイテムです。シームレスな無縫製ニットによる表現を拡げていくとともに、ブランドとしての新たな取り組みとして、お客様の手元にあるmalamuteのドレスやトップスなど(暫定的に数型から開始)を預かり、工場との協業で糸の状態に戻し、バッグやマフラーに再度作り直してお届けします。
お客様が着たもので、毛玉が多くなってしまったものや、擦れて穴が空いてしまったもの、よれよれになったもの、縮んでしまったものなど、もう着なくなってしまったけれど、捨てるのは気が引けるというアイテムがあれば、こういう選択肢がありますという私たちからの提案です。


今、“強さと柔らかさを併せもつ女性像”をテーマに掲げるこのファッションブランドとして、小髙さん自身も一人の女性として、現代に生きる女性を多面的に支える方法を模索中なのだそう。「malamute」のアイデアソースは、デザイナーである小髙さんの日常記憶のかけら。何気ない瞬間や想いの積み重ねからなる新しい発想がワードローブに加わり、暮らしが育まれる―—その丁寧な歩みの先にある、着る人、一人ひとりの心を豊かにする服に期待したいです。

Profile
小髙真理
(おだかまり)
「malamute」デザイナー。1987年埼玉県生まれ。2011年文化ファッション大学院大学修了。ニットデザイナーとして経験を積んだ後、2014-15A/W Collectionより「malamute」をスタート。『強さと柔らかさを併せもつ現代女性のためのデイリーウェア』をコンセプトに、国内の職人と生み出す精緻なニット表現が特徴。テクスチャーやフォルムを活かしたガーリッシュな甘さと大人の落ち着きが混在する「malamute」が考える新しいエレガンスを表現。TOKYO FASHION AWARD2022受賞。


TEXT = Humming編集部

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