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劇作家 岸本鮎佳さんの、創作の源とは?【気になるあのひとに10の質問】

オリジナルなスタイルを持って生きている素敵なひとに聞く、10のQuestion。

 

心や暮らしの豊かさは、ブレない生き方や考え方が築くもの。

 

内面から輝くひとは日々どのようなことに目を向け、何を実践しているのか––

 

心地よく、充実した毎日を生きるためのヒントが見つかるはず。

 

今回は、舞台『あの子より、私。』の上演を控える劇作家・演出家の岸本鮎佳さんにお話を伺いました。

 

「人と接して感じた違和感が創作のヒントになります」

Q1 大人のいい女だなと思うのはどんなひとですか?

面白くて気取っていないひとが素敵だなと思います。そういう女性って年下から見ても可愛らしい。私も年齢を重ねたとき、「可愛いらしいね」と言われる女性になりたいです。

気取らないひとには余裕があると思うんです。「他人からどう思われるか」と気にせず自分自身に集中しているから、こちらが何を言っても敵わないし、相手にもされない。今の私はちょっと良く見せたいと自分を盛ってしまうこともあるけれど、さらっと自分が出せる余裕があるひとに憧れます。

Q2 キャラクター創作のヒントになっているコトやモノは何ですか?

仕事やプライベートで「ああ、このひと苦手だな」と思う相手に、あえて近づいてヒントを得ています。相手を避けるよりも、「なんでこのひとは私にこんな嫌なことをするんだろう」と気になってしまうんですよね。電車内やファミレスでの出来事など日常生活のなかでも、気になった行動や会話は絶対に忘れまいとすかさずメモを取り、それを元にキャラクターを作り上げています。人間の言動パターンや思考パターンを探るのは、この仕事に就く前から私の癖でもあります。

Q3 大切にしている言葉、座右の銘は?

座右の銘は持っていません。私はどちらかというと影響を受けやすいタイプだと思うから、座右の銘を持つと人生がその言葉に縛られてしまうような気がして。

Q4 自分を卑下しすぎたり他人と比べない方法は?

比べちゃうだろうな、ちょっと引っかかるなというひとのSNSアカウントはミュートにすること。SNSは効果的な活用方法がある一方で、見たくない情報も入ってきます。特にコロナ禍では自分の仕事がストップしているときに、他人の順風満帆な仕事ぶりをアピールする投稿を見て落ち込む・・・といったことは、より顕著になったと思います。どうしても他人と自分を比べる感情がわいてきてしまうと分かっているから、初めからシャットダウン。後々共通の友人や知り合いから噂話を聞くことはあるけれど、それが過去の話だったら「へえー、そうなんだ」と流せるんです。

 

私が脚本と演出を担う新作舞台『あの子より、私。』はまさに、「あの子より、幸せな女に見られたい」と願う大人たちの群像会話劇です。何かと順位をつけたり、自分が必要としていない情報を教えてくるひともいる。今の世の中、比べる要因っていくらでも作れるんですよね。“比べること”に振り回される日常を送る私たちに潜む見栄やこじらせを、クスッと笑えて、ハッとさせられるようなシニカルコメディとして描いています。

 

>>自己肯定感が低い人の原因とは|実はプライドが高い?親のせい?

 

岸本鮎佳

『あの子より、私。』脚本・演出/岸本鮎佳 出演/黒谷友香、基俊介(IMPACTors/ジャニーズJr.)、遊井亮子ほか

※1月15日(土)~27日(木)よみうり大手町ホールにて、

2月5日(土)、6日(日)大阪サンケイホールブリーゼにて上演。

Q5 どんなときに幸せを実感しますか?

普段から幸せを感じる瞬間は多いのですが、一番は昼間から外で友達とお酒を飲んで爆笑して、家に帰ると“おこめちゃん”(ペットのヒョウモントカゲモドキ)がいること。やっぱり“生きているもの”が家にいるってすごく癒しなんですよね。オアシズの大久保佳代子さんがラジオで、大人の女に必要なものは「裏切らない友達、ペット、美味しいご飯が食べられるお金」というようなことをおっしゃっていて、私もこれさえあれば本当に何とかなると思っています。

 

それから劇場でお客様の反応を肌で感じられるとき。『あの子より、私。』はコロナ禍を経て、久しぶりの劇場公演です。ドラマの脚本を書くお仕事もさせていただいていますが、「こういう笑いが起きるんだ」「ここで心が動くんだ」などリアルな反応が味わえるのは舞台だけ。お客様が楽しんでいる様子を見るとやっぱりうれしいし、モチベーションが上がります。私は作家であり、役者でもあるからこそ、役者にとっても生で芝居を観ていただくというのは特別なことだと感じています。

 

>>感情の起伏が激しい人や少ない人の特徴|上手にコントロールする方法とは

 

〈左〉現場の雰囲気づくりは演出家の仕事のうち。

作品と真摯に向き合いながらも終わった後に役者が「楽しかったな」と思えるような空間を目指しています。

〈右〉いつも稽古場に連れて行く犬のぬいぐるみ。たくさんの作品を観てきた常連さん。

 

「資格を取得するほどのサウナーです」

Q6 お気に入りの休日の過ごし方は?

GINGERのWEBサイトで『サウナヴィッチ』という連載をさせていただいているのですが、サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を取得するほどのサウナーです。サウナ雑誌やサウナ好きのSNSを片っ端からフォローして、気になるサウナをリストアップするのが日課。サウナに通い、大好きなBTSのライヴ映像などを鑑賞するのが休日のルーティンです(笑)。

 

最近はサウナの中で入浴者に熱風を送る熱波師の世界に、すっかり魅了されています! 鳥取県を拠点に全国で活躍中の五塔熱子(ごとうねつこ)さんという、サウナ界隈で話題の女性熱波師の方がいます。上野のサウナセンターで初めて彼女の熱波を浴びたら、あまりにも素晴らしくて衝撃的でした。熱子さん自らプレイリストを流し、音楽に合わせて全身を使いながら風を送ってくださるんですけど、まるでコンテポラリーダンスを鑑賞しているかのよう。笑いあり、感動ありの10分間です。最後はみんな裸で拍手を送るという、客観的に見たらなんとも不思議な空間(笑)。ぜひとも一度体験していただきたいです!

 

サウナ検定

この資格を持ってると入館料を割引してくれるサウナ施設もあります!

 

Q7 最近注目している人物は?

お笑いコンビの「空気階段」さん。キングオブコント2021でも優勝されましたがお芝居が上手だし、コントが演劇的で好きなんです。お二人のラジオも毎週聞いています。もしお仕事でご一緒するようなことがあれば、私が彼らのドキュメンタリー映画を撮りたいです(笑)。

Q8 今まで旅したなかで一番好きな場所と、いつか行きたい場所は?

フランス、パリです。これまで3度訪れていますが、観光地を巡ることよりも、現地の方との交流がすごく楽しかったんです。そのときはパリ在住の日本人の女友達と、彼女のフランス人の友達の自宅で家飲みをしました。

 

カフェのオープンテラスでアペリティフを楽しんだ後、みんなで古くて趣のあるアパルトマンへ移動。おしゃべりしながらパパッと作れる簡単なおつまみとお酒だけの肩肘張らないおもてなしで、お金をかけず、持ち物は少ない。必要最低限のもののなかでやりくりすることを楽しむ彼らのライフスタイルに魅力を感じて、住みたいと思うほどです。

Q9 地球のために実践している、ちょっとイイコトを教えてください。

繰り返し洗って使えるポケットティッシュ「LastTissue(ラストティッシュ)」を重宝しています。リサイクル可能なシリコンケースの中に、オーガニックコットン製のティッシュ(ハンカチ)が6枚入っています。ケース内には使用済みティッシュと未使用のティッシュを分ける仕切りがあって、未使用のティッシュが汚れる心配もありません。6枚使い切ったら洗濯し、ケースに戻して再び1枚ずつ使用していきます。

 

ティッシュの使いすぎを防げるし、使用済みティッシュをカバンや洋服のポケットにしまわなくていいから清潔。鼻をかんでも痛くならないので、買ってよかったアイテムの一つですね。

 

ロストティッシュ

底から新しいティッシュを取り出し、使用後は上蓋を開けてしまうだけ。

Q10 2030年までに実現したい、ご自身の夢やテーマを教えてください。

数々の名作が生み出されているPARCO劇場で、自分の作品を上演したいですね。昨年リニューアルオープンしましたが、赤い絨毯が敷かれていて、歴史を感じさせる空間になっています。舞台も見やすいし、アクセスも良くて、さらに観劇後はショッピングができる理想の劇場だと思っています。演劇ユニット「艶∞ポリス」を立ち上げたときから、目標としている場所です。

 

>>自己肯定感を高めるに効果的な8つの習慣や方法を紹介

 

プロフィール写真

 

Profile

岸本鮎佳(きしもとあゆか)


劇作家・演出家・役者。演劇ユニット「艶∞ポリス」主宰。

 

女性独特かつ綿密な人間観察を土台に作り上げる会話劇を得意とする。

 

主宰する舞台では、脚本、演出、出演をこなし、近年は映像の脚本、監督も手掛けるなど、その多彩な才能を発揮。

 

2022年1月15日(土)より、よみうり大手町ホールにて舞台『あの子より、私。』が上演予定。

 

Twitter @kishimotoayuka

 


PHOTO = 勝吉祐介(ピースモンキー)
TEXT = Humming編集部

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