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タンザニアの生理事情から考えた生理の過ごし方

月1でくる生理に悩まされる女性は多いですよね。

 

アフリカでのある体験をした著者は、生理が来るのが待ちどおしくなり、生理中は普段よりも感謝の気持ちでいっぱいになれる特別な期間へと変わりました。

 

そのヒミツをお伝えします。

 

生理への向き合い方を変えた、アフリカでのショッキングな体験

 

毎月、女性に訪れる生理。みなさんは、どういう気持ちで生理を受け入れてますか?

 

生理は、痛くてゆううつなもの?日々の生活に支障をきたすもの?

 

または、女性であることを実感できる特別なもの?

 

そして、この生理をやさしく受け止めてくれるナプキン、このナプキンが、もし手に入らなかったら、そんなことを考えたことはありますか?

 

タンザニアで目にした光景は、日本の女性がいかに清潔な環境で恵まれているかを改めて感じ、生理と向き合うきっかけとなりました。

 

タンザニアのナプキン事情を知らずにいた私に、衝撃的な出来事が起こりました。

 

ある日、自宅の床に血がぽとぽとと滴っているのを発見した私は驚いて、お手伝いさんとしてきてもらっているタンザニア人女性に何があったのか、たずねました。

 

彼女は、「あら、ごめんなさい。今わたし、生理中なの。」と、苦笑しながら、床をふき始めました。

 

タンザニアでは、市販の生理用ナプキンは高価なため、(月給平均25,000円、ナプキン30枚入りは約500円 (2022年12月現在))一般のタンザニア人女性は、使い古した布を使ったり、村では木の葉で対応することもあるのが現状です。

 

適切なナプキンが入手しづらく、トイレ事情も整っていないタンザニアで、このナプキン問題は衛生面だけではなく、教育面でも女性に試練となっています。

 

生理がきても、ナプキンがない女子学生たちは学校を休むことになり、彼女たちの勉強の遅れが懸念されているのです。

 

タンザニア水衛生ネットワークのデータによれば、ほとんどのタンザニア人女学生は、生理が理由で月に1~3日は学校を休んでいます。

 

女性による女性のための布ナプキン支援の活発な取り組み

 

こうした驚きの事実を目の当たりにした外国人たちは、アフリカで様々な支援活動を行っています。

 

私も、タンザニア在住の外国人女性たちに交じって、あるボランティアに参加しました。

 

ミシンで布ナプキンをつくり、タンザニアの女性たちに無料で配る活動です。

 

また、「アフリクラフト」というタンザニアのNGO団体は、タンザニア人女性たちに布ナプキンを提供したり、自身でナプキンを手作りできるスキルを教えるなど幅広くこの問題に取り組んでいます。

 

こういった取り組みを支援したい場合、日本からでも寄付の形で応援することができます。

 

★アフリクラフトの活動を応援してみる

 

日本では浸透していない布ナプキンを見直してみる

 

筆者は、清潔なナプキンへのアクセスが当たり前ではないタンザニアで、女性たちの救世主ともなっている、この布ナプキンについて考えてみました。

 

日本では、市販の紙ナプキンを使用する女性が圧倒的に多く、布ナプキンの使用率はわずか2%というデータもあります。

 

布ナプキンの使用には「洗濯が手間」「多い日は漏れが心配」などのデメリットがあり、忙しい日本人女性の間では普及しないのもうなずけます。

 

市販の紙ナプキンと布ナプキンを3か月使った後の比較実験も行われています。

 

参加者からのアンケートでは、布の感触とナプキン洗濯時の月経血の観察をすることで、生理が「やっかい」なものから「自然」なものへと変化した、生理時の不快感の改善につながったとの結果も出ています。

 

また、昨今のSDGsの流れで、からだにも環境にもやさしく、「生理痛が軽くなった」「経血量が減った」「肌さわりが気持ちいい」「かぶれにくい」などのメリットがある布ナプキンが注目されはじめています。

 

筆者自身は、10年ほど前から、布ナプキンを常用しています。

 

手洗いの手間はありますが、経血量を自分で把握することで無意識に自分の体に向き合うことになり、自分のからだに対して、がんばってくれてありがとう、という感謝の気持ちがうまれます。

 

タンザニアでの体験から、毎月活躍してくれる布ナプキンに対しても感謝するようになりました。

 

生理時期を「自分にやさしくする特別ウィーク」に指定してみる

 

生理の週は、家族や周りの人に甘えさせてもらい「じぶんにおもいっきりやさしくして、いつもより少しだけ手間をかけてあげる月に1回の特別な期間」と位置づけてみるのはいかがでしょう。

 

そうしたら、からだにもやさしい布ナプキンを使ってみようかなという心の余裕が生まれるかもしれません。

 

生理に限らず、日々の生活の中で、ゆううつと感じることでも、見方を少し変えることで、生き方が楽になったり、普段あたりまえに思っていることへの感謝の気持ちに気づいたり、知らない間にがんばっていた自分に優しくなれるのではないでしょうか。

 

次にくる生理とは、「自分にやさしくなれる絶好のチャンス」として、今までとは違う気持ちで向き合ってみるのはいかがでしょうか。

 

著者:堀江知子(ほりえともこ)

 

タンザニア在住ライター。民放キー局のアメリカ支局にてインタビューや番組制作のプロデューサー業に15年間携わる。

現在は、日本に知られていないアフリカの魅力や生活の様子について日本メディアへの発信や執筆活動をしている。

 

参考文献

タンザニアの給与データ:https://ilostat.ilo.org/data/country-profiles/

日本の生理用品データ: https://femtech.tv/news65/ 

紙ナプキンと布ナプキン比較調査:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspehss/67/0/67_127_1/_article/-char/ja/


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