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読みながら“気持ち”を伝えている、そんな絵本【小泉里子 / 未来に続くBOOKリストvol.3】

あなたの本棚には、これからの人生で何度も読み返したい本が何冊ありますか? モデル 小泉里子さんの連載エッセイ「未来に続くBOOKリスト」。読書好きの里子さんが、出合ってきた本のなかから“ずっと本棚に置いておきたい本”をセレクトしてご紹介します。

小泉里子

BOOK LIST_03

『あなたがだいすき』

ジャンル=絵本 鈴木まもる 作/ポプラ社


これは私が今、毎日読んでる絵本です。
朝ごはんを済ませたあと、息子に毎日読んでます。

この絵本は、義理の姉に出産祝いでいただきました。
姉の子供たちも大好きな絵本みたいで、姪っ子たちがこの絵本を見るなり「懐かしい~この本大好きだった!」と言っていました。

子供がいないときは、絵本に触れる機会があまりなく、私が知っている絵本以外は何を買って良いか迷っていたので、「出産祝い何がいい?」と聞かれたら「絵本」と答えていました。
なのでたくさんの絵本をお祝いでいただきました。同じ絵本が3冊も重なってしまったりも(笑)。
私の幼少時代からあるロングセラーの絵本もあれば、初めてみるような仕掛けがたくさんある絵本など、絵本といっても本当にさまざまですね。
また絵本は版型がたくさんあるのも面白いなと思いました。本棚にしまうのが大変ですが、大きさで揃えて立てかけています。


私は昔から思いを伝えるのが下手なタイプ。
特に家族に対しては、なんだか照れくさくて、「ありがとう」や「ごめんね」、特に「大好きだよ」なんて伝えたことあるかな?
心のなかでは思っていても、口に出して言うのは、なかなかで出来ませんでした。

そんな不器用な私にとってこの絵本は救世主です。
この絵本の言葉たちは、読んでいると気持ちをストレートに伝えることができるから。
息子に対しては、照れくさい気持ちはないのですが、でも日々あれよあれよと過ぎていく時間のなかで、落ち着いて気持ちを伝える時間がどれくらいあるかな?
この絵本を読まないと、「だいすき」「あなたがいるだけで、とってもうれしい」と伝えられずに一日が終わっていくときもあります。
なのでこの絵本を毎日読むことで、自然と気持ちを伝えられる。
他の絵本とは違って、実際に思っていることが伝えられるので、気持ちも入ります。絵本にある言葉であると同時に自分の言葉としても伝えられる、読んでいるというか伝えている、そんな絵本です。

また、自分にとっても改めて「そうだ」と思わせてくれる絵本。
読んでいると、「そうだそうだ! 私は息子にこうしてあげたいんだ」と再確認できます。
柔らかい優しい絵と色でフワッと心が和らぎ、そして一言一言をゆっくりと穏やかな気持ちで読むことができます。すべてにおいて、「ママはここにいるから大丈夫だよ」と言っているような感じで、私は大好きなんです。
徐々にいろんな世界へと羽ばたいていく我が子を、そっと見守っている、そんな母親の気持ち。過剰に手を焼かず、でも困ったときはここにいるよと。

私は息子に対して、できる限り自分の力で乗り越えていって欲しいと思っています。息子の人生は息子のものだから。
ただ少しのアドバイスと思いは伝えていきたい。この絵本の言葉たちとともに。
でも男の子だし、いくつまで聞いてくれるかな〜(笑)。
「もういいよ」と言われるまで、この絵本は読んでいきたいです。


『あなたがだいすき』
わたしはあなたがだいすきですーーから始まり、大人が子供に伝えたい“想い”をわかりやすい言葉にして並べた人気絵本。やさしい表情の動物たちにハグされ、守られた小さな子供が描かれ、その淡くやさしいタッチの絵にもに癒されます。声に出して読み、読むことで気持ちを真っすぐそのまま伝えられるという、読み聞かせ絵本におすすめの一冊。

小泉里子

Profile
小泉里子(こいずみさとこ)
15 歳でモデルデビュー。数々のファッション誌で表紙モデルを務め、絶大な人気を誇り、広告やテレビ番組でも活躍。
着こなすファッションはもちろん、ナチュラルでポジティブな生き方が同世代の熱い支持を得ている。今年2月には第1子となる男児を出産し、5月より生活の拠点をドバイに移す。ドバイでの生活や子育てにもさらに注目が集まっている。
http://tencarat-plume.jp/
Instagram @satokokoizum1


TEXT = 小泉里子
PHOTO = 取田和衣

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