メンタルがやばいサインとは?メンタルの不調で休むのは甘え?
仕事や家事・育児・介護などさまざまな面において、毎日忙しい時間を過ごしている現代人。
一日の終わりにしっかりと休息をとったり、時には自分の好きなことを思い切りやったりする時間がとれれば良いですが、慌ただしい毎日の中ではそう上手くいかないものです。
今回は、普段頑張っている全ての人に向け、メンタルのバランスが崩れるときの見分け方をご紹介します。
チェック項目や不調時の対処法を確認し、明日を元気に過ごすための参考にしてみてはいかがでしょうか。
Contents
メンタルがやばいサインとは?セルフチェック項目
「何だか不調が続いている」「気持ちが落ち込んで戻らない」など、メンタルのバランスが崩れるとさまざまな症状が見られます。
悲しい出来事があって、少しの間落ち込むくらいならば通常の範囲内です。
しかし、落ち込んだ状態があまりにも長く続いたり、悲しい出来事がないのに気持ちが不安定になったりする場合は、メンタルに影響が出ている可能性があります。
まずは自分で自分の状態をしっかりと把握するために、以下の項目を確認してみましょう。
当てはまるものが多ければ多いほど、メンタルにダメージを受けている可能性が高まります。
- 持続する悲しみや気分の低下
- かつて楽しんでいた活動への興味喪失
- 食欲や体重の変化
- 睡眠障害
- 疲労感やエネルギーの欠如
- 価値のなさや過剰な罪悪感の感覚
- 集中力の低下
- イライラ感や怒りの増加
- 社会的な場からの撤退
- 説明できない身体的症状
- 死や自殺の考え
何日経っても気持ちが晴れなかったり、これまで楽しんでいた活動がどうでも良いと感じたりするなど、メンタルの不調はさまざまな弊害を生んでしまいます。
仕事に集中できずミスを頻発したり、理由もなくイライラして周りと軋轢を生んでしまったりと、人間関係に影響が出ることもあるでしょう。
その結果過ごしにくい日々が続き、さらに心を病んでしまう人も少なくありません。
さらには、上記のような心の問題だけでなく、体重減少や睡眠障害が発生する場合もあります。
身体的な問題がないにもかかわらずこのような症状があらわれた場合は、一度精神科や心療内科などの専門家に相談しましょう。
メンタルにダメージを受けた状態が長く続けば、死にたいと考えるようになるなど重大なトラブルの原因にもなりかねません。
具体的に自殺の方法を考えてしまうなど、強い不安がある場合も必ず専門家を受診するようにしましょう。
関連記事:メンタルブレイクした時はどうすればいい?診断方法や治し方を紹介
メンタルの不調の原因は?
続いて、メンタルが不調になるのは一体なぜなのか、多くの人に当てはまる原因について見てみましょう。
一言でメンタルが病んでいるといっても、その原因や解決策は人それぞれです。
自分に合った方法を探すためにも、自分がなぜダメージを受けているのかをハッキリ知ることが大切です。
ストレス
仕事や家事・育児・介護など、さまざまな理由で忙しい毎日を送っている現代人。
どんな生活をしている人も、少なからずストレスを感じているものです。
適度なストレスは生活にメリハリが出る場合もありますが、多大なストレスを受けることや、小さなストレスが積み重なったままでいるのは良くありません。
多大なストレスは、原因となる出来事を防がなくてはなりませんが、小さなストレスは避けきれない場合も多いでしょう。
こういう場合は、適度に肩の力を抜き、リラックスできる時間を確保することが大切です。
種類の違うストレスであっても、発散しない限りは体に溜まり続けてしまうもの。
結果として心身に影響が出る前に、自分に合った発散方法を見つけましょう。
また、自分で望んだ仕事をしているときや、可愛い我が子を育てているときなど、自分が楽しいと思っていても少なからずストレスが発生しています。
ミスをしないように、子どもを危険に晒さないようになどといった緊張感もストレスに繋がるため、「ストレスを受けないようにしよう」と努力しすぎないことが大切です。
生活習慣の乱れ
朝食を抜いたまま出かけたり、毎日寝る時間がバラバラだったりと、理想的な生活習慣を送れていないとメンタルに影響が出やすくなります。
不規則な生活を送っている場合は、食事や睡眠の時間を毎日同時刻に揃えるだけでも気持ちが落ち着きやすくなるでしょう。
乱れた生活習慣が続くと、交感神経・副交感神経のバランスが崩れ、働くべきときに働けなくなってしまいます。
夜眠る前なのに交感神経が優位になり睡眠不足になったり、日中副交感神経がはたらいて異常な眠気を催したりと、生活に支障が出ることも少なくありません。
また、「自律神経失調症」のように原因不明の症状に悩まされる可能性もあります。
呼吸や血圧の上昇・下降などを司る自律神経がうまくはたらかなければ、息苦しさや熱っぽさ、めまいや吐き気などさまざまな症状があらわれるでしょう。
これらを短時間で治すのは難しく、専門家とともに長い時間をかけて治療を行わなければなりません。
人間関係の問題
メンタルに影響を及ぼす原因の中でも、多くの人が抱えているのが「人間関係の問題」ではないでしょうか。
職場内であったり、子どもの学校や幼稚園・保育園で親同士が関わったり、はたまた家庭内の関係であったりとその状況はさまざまです。
どんな状況においても100%好かれる人間が存在しないように、誰しもがどこかで嫌な思いをしているといっても過言ではありません。
大切なのは、嫌な思いをしたときに「どれだけ気にせずにいられるか」という点。
心に余裕があれば受け流すこともできますが、自分に自信がないなどの理由で過度に気にしてしまう人も多いでしょう。
また、人間関係の問題は自分一人が悩んでも解決できないのが難点です。
問題を解決しようとはたらきかけることも、何もせずにじっと耐えることも、どちらの場合も自分にとってのストレスとなってしまうでしょう。
周囲に頼れる人がいる場合は、必要に応じて相談や巨力を求めるなど、自分一人で抱え込まないことが大切です。
経済的問題
十分な貯蓄がなかったり、借金をしていたりといった経済的な問題も、メンタルに影響を及ぼす大きな原因の一つです。
物価が軒並み高騰する中、毎日の食費に気を配っている方も多いのではないでしょうか。
こういったやりくりを続けることや、突発的に起こる大きな出費、未来の経済環境に不安を覚えることでさえもストレスとなってしまうでしょう。
例え十分に貯蓄ができていたとしても、子どもの学費や将来仕事ができなくなったときのことなどを考え出せばキリがありません。
過度な節約で疲れてしまうことのないよう、肩の力を抜いた生活を心掛けましょう。
職場環境
仕事にやりがいを感じられなかったり、不得意な仕事でミスをしてしまったりといった職場環境も、見直さなければならないポイントの一つといえます。
人間関係に問題がなかったとしても、過剰な残業や休日出勤などで心身ともに疲弊してしまう人も珍しくありません。
場合によっては転職も考えながら、自分の職場について見直してみることをおすすめします。
遺伝的要因
病気そのものが血縁から引き継がれることはないものの、精神的な病が発症するかどうかは遺伝的要因も大きいといわれています。
親族にうつ病がいる場合、そうでない場合と比べて発症リスクが数倍高まったという研究結果も存在します。
もちろん遺伝がすべての要因ではないものの、家族に精神疾患を経験した人がいる場合はより一層注意すると良いでしょう。
参考:うつ病は遺伝するの?精神科専門医が分かりやすく解説します
身体的健康問題
メンタルにダメージを負う原因は、心の問題だけではありません。
単なる風邪で気持ちが落ち込んでしまうこともあれば、重大な病をきっかけにうつ病を同時発症してしまう例もたくさんあります。
体の健康は心の健康といっても過言ではなく、「咳が出る」「鼻が詰まる」といった軽微な症状であっても気持ちが落ち込んでしまうのです。
不調が長く続けば続くほど、落ち込んだ状態も長引いてしまいかねません。
忙しい人であればつい後回しにしてしまう通院も、なるべく早い段階で検討すると良いでしょう。
心理的トラウマ
過去に経験した出来事がトラウマとなり、メンタルを傷つけている可能性もあります。
自分で気づいているトラウマであれば避けられますが、中には知らないうちに心の奥深くへ刻み込まれているものもあり、一概にはいえません。
例えば、自動車事故を経験した人であれば、以前と比べて車に乗るのが怖いと感じても不思議ではないでしょう。
プレゼンテーションで失敗した経験から、多くの人の前で話すのが苦手になる人も珍しくありません。
こういった心理的トラウマは短期間で改善するのが難しいため、まずは自分のトラウマを理解し、原因を探ることから始める必要があります。
薬物やアルコールの乱用
日本で禁止されている薬物はもちろん、市販の医薬品を飲みすぎたり、多量のアルコールを継続して摂取したりする場合も、メンタルに大きな影響を及ぼします。
脳に大きなダメージを与える薬物を日常で目にすることはありませんが、市販の医薬品やアルコールは誰でも手軽に手に入るものばかり。
依存することがないよう、適量を守らなければなりません。
医薬品やアルコールを乱用すると、次第に依存するようになり、それがなくては生活ができない状態になる可能性があります。
自力で抜け出せない状態になるケースも珍しくないため、医薬品は用法容量を守り、アルコールは適度な量を楽しみましょう。
情報過多
メンタルについて調べてみると、驚くほど多くの情報がヒットします。
この中から正しいものを選びとり、自分に必要な情報だけを利用しなければならないため、調べているだけで疲れてしまっても不思議ではありません。
どんな情報を調べるときであっても、私たちには正しいものを判断する力が求められています。
気持ちに余裕がないときほどネットの沼にはまってしまいがちですが、焦りや不安を感じているときはスマートフォンを置き、目や頭を休ませてあげることも大切です。
関連記事:ネガティブ思考は病気?うつ病との違いや治し方を解説
メンタルの不調になったらどうすればいい?
続いて、メンタルの不調を感じたとき、私たちがとるべき行動について確認してみましょう。
自分の感情を受け入れる
自分がどんな感情をもっていたとしても、それは自分だけのものであり、周りに非難されてはいけません。
例え周りに受け入れられにくい内容であっても、自分だけは感情を認めてあげましょう。
「こんなことを言ったら嫌われるかもしれない」「恥ずかしくて周りに打ち明けられない」といった内容も、自分の中で消化することに問題はありません。
声に出してみたり、日記に書いてみたりと、自分だけが知るアウトプット方法を探すのがおすすめです。
十分な休息をとる
どんな原因でメンタルがダメージを受けていても、まずは十分に休息をとることから始めましょう。
時にはやるべきことを後回しにしてでも、睡眠やボーっとする時間を確保することが大切です。
十分に休息をとり、体が万全の状態になってから原因について考えても遅くありません。
まずは体の不調を防ぐためにも、睡眠時間を長めにとってみてはいかがでしょうか。
趣味やリラックスできる活動をする
十分な休息をとると同時に、自分の好きなことや趣味に費やす時間を確保することも大切です。
他のことを気にせず没頭できる趣味があれば、メンタルを回復させ、不調を治すきっかけとなるでしょう。
体を思い切り動かすも良し、黙々と作品を作るも良し、心から楽しめる活動を見つけてみると良いでしょう。
運動をする
普段から運動する習慣が身についている人ならば良いですが、そうでなければ軽度な運動を取り入れてみるのもおすすめです。
急に負荷の大きな運動を始めるのではなく、10分間のストレッチや1kmのウォーキングなどできることから始めましょう。
ダイエットなどとは違い、毎日必ず運動をしなければならないわけではありません。
「やらなければならない」と無理をするのではなく、あくまでも気分転換として軽い運動を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
健康的な食生活を心がける
丈夫な体作りとしてはもちろん、心を安らかに保つためにも、健康的な食生活は必要不可欠です。
過度な食事制限や野菜ばかりのメニューを続けるのではなく、栄養バランスの整った食事を心掛けましょう。
1週間のうち1日は好きなものを食べる日に定めるなど、やる気を保つための工夫も大切です。
睡眠の質を向上させる
メンタルを回復させるために、十分な休息は必要不可欠です。つまり、良質な睡眠をとることこそが健康への第一歩といっても過言ではないでしょう。
単に睡眠時間を長くするだけでなく、ゆったりとした寝巻きに変えたり、室温を調整したりして睡眠の質を高めてあげるのもおすすめ。
夜中に何度も起きることなく、朝までぐっすりと眠れる睡眠が理想的です。
人との繋がりを大切にする
メンタルに影響しがちな人間関係をトラブルのないものにするために、普段から周囲との関係を良好に保っておくことが大切です。
苦手な人にも笑顔を保つ必要はありませんが、不要なトラブルを防ぐために適度な距離を保ちましょう。
人との繋がりを大切にする上では、自分の気持ちを素直に話せる相手を見つけるのも重要です。
何かあったときに相談できる相手がいれば、強い不安や焦りなどの感情も緩和されやすいでしょう。
マインドフルネスや瞑想を試す
目を閉じて自分の気持ちに集中する瞑想をはじめ、現在の出来事に関して深く考えるきっかけとなる「マインドフルネス」もメンタルを安定させるために役立つ方法の一つです。
一人になれる場所で、まずは数分間から自分と向き合う時間を作りましょう。
自分が何を望んでいるのか、何に悩んでいるのかを深く知ることで、メンタルが不安定になる回数や頻度を減らすことに繋がります。
専門家に相談する
これまでご紹介してきた内容は、あくまでも自己判断であったり、自分でできるメンタルケアが中心でした。
しかし、自分自身と向き合い悩みを解決するということは、簡単そうに見えてなかなか難しいもの。
こういうときは、精神科医や心療内科医・臨床心理士・カウンセラーなどの専門家に話を聞いてもらうのがおすすめです。
薬を使った治療法の他にも、カウンセリングや心理療法によるケアにもチャレンジできるでしょう。
専門家は数ある症例や経験の中から、一人ひとりの状態を見抜いて適切なケアを施してくれます。
一人で悩む前に、まずは相談から試してみることをおすすめします。
メンタルの不調で休むのは甘え?
少し前までの日本では、身体的な不調であればともかく、周りが気づきにくいメンタルの不調で仕事を休むのは甘えだといわれていました。
「うつ病は甘え」「メンタルを病む人はサボりたいだけ」などと言われ、さらに自分自身を追い込んでしまう人も決して少なくなかったのです。
現在は、企業カウンセラーが導入されたり、細かいハラスメント規則が定められたりと、これまでよりも心理的な面でのケアに力を入れる企業が増えてきました。
もちろん全ての企業ではないものの、昔に比べメンタルの不調でも休みやすい環境へと近づきつつあるでしょう。
とはいえ、メンタルの不調は周りからすると辛さが分からず「休むほどのことなのか」といわれてしまいがちです。
必要に応じて医師に診断書を書いてもらったり、カウンセリング結果を提出したりして、周囲にも状況をしっかりと把握してもらうことが大切です。
【まとめ】メンタルがやばいサインを感じたら無理は禁物
私たちが過ごす日常の中では、メンタルにダメージを与えるような出来事がたくさん潜んでいます。
避けられるものは避けながら「やばい」と感じたときはすぐに自分自身を守りましょう。
今回ご紹介した対処法を試しながら、無理をせずに過ごすことが大切です。
メンタルの不調は軽視されがちですが、時として長く落ち込んだ状態から抜け出せなくなるなどのリスクがあります。
専門家を味方につけながら、自分に合った対処法を探していきましょう。