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身体醜形障害とは?症状・原因・治療法までわかりやすく解説

 

鏡を見るたびに、自分の見た目がどうしても気になってしまう。

 

外に出るのが怖くなったり、人と会うのを避けてしまったりすることはありませんか?

 

それは、身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder)という心の病気が関係しているかもしれません。

 

この記事では、身体醜形障害の特徴や原因、治療法までをわかりやすく解説します。

 

不安を感じているあなたが、自分の状態を正しく知るための一歩になれば幸いです。

 

身体醜形障害とは

身体醜形障害は、実際には他人から見て気にならない、あるいは存在しない身体の欠点に対して、本人が強い不安や嫌悪感を抱き続ける精神疾患です。

 

単なる外見への不満やコンプレックスとは異なり、過剰な思い込みによって日常生活や社会活動に深刻な支障をきたす点が特徴です。

 

不安や嫌悪感から、仕事や学校を欠席したり、人との接触を避けたり、美容整形を繰り返すなど、強迫的な行動に発展することもあります。

 

身体醜形障害は、アメリカ精神医学会の診断マニュアル『DSM-5』にも明記されており、うつ病や強迫性障害、社交不安障害などの他の精神疾患と併発するケースも多く報告されています。

 

早期に気づいて適切な対応を取ることが、症状の悪化を防ぐ鍵となります。

 

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身体醜形障害の代表的な症状

身体醜形障害では、自分の外見に対する強い不安や否定的な思い込みが、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。

 

主に以下のような症状が表れます。

 

  • 鏡を何度も確認する、または極端に避ける
  • 他人と自分の外見を常に比較する
  • 特定の部位を髪型やメイク、服装で隠そうとする
  • 美容整形や治療を繰り返し求める
  • 外出や人との関わりを避けるようになる

 

これらの症状は一時的な悩みではなく、長期にわたり繰り返される傾向があり、本人の意思だけで抑えることが難しい場合があります。

 

身体醜形障害の主な原因

身体醜形障害の発症には、心理的・社会的・生物学的な複数の要因が関与していると考えられています。

 

単一の原因で起こるものではなく、さまざまな背景が重なって発症に至るケースが一般的です。

 

以下は、主な原因として指摘されているものです。

 

  • 過去の外見への否定的な批判の経験
  • メディアやSNSによる理想の容姿への圧力
  • 過度に理想を求める完璧主義的傾向
  • 周囲の外見重視の環境や教育方針
  • 脳の働きや神経伝達物質の異常

 

原因の特定は簡単ではありませんが、背景を理解することは、適切な対応や治療を考えるうえで重要な手がかりとなります。

 

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身体醜形障害の治療と対処法

 

身体醜形障害は、適切な治療とサポートによって改善が期待できる精神疾患です。

 

外見そのものを変えるのではなく、外見に対する考え方や感じ方を見直すことが、治療の中心となります。

 

主な治療・対処法は以下のとおりです。

 

専門機関やカウンセラーへの相談

精神科や心療内科、臨床心理士などの専門家に相談することで、状態を正しく把握し、適切な治療方針を立てることができます。

 

早期の相談によって、症状の進行を防ぐことが可能になります。

 

認知行動療法(CBT)

専門家の指導のもとで行われる心理療法で、身体醜形障害に対して最も効果があるとされています。

 

思考のゆがみや誤った自己評価に気づき、それを修正することで、外見への過剰なこだわりを緩和していきます。

 

薬物療法

うつ症状や強迫的な思考が強い場合、医師の判断によって抗うつ薬(SSRIなど)が処方されることがあります。

 

薬物療法は心理療法と並行して用いられることもあります。

 

家族や周囲の理解と協力

本人にとって外見の悩みは非常に深刻です。

 

安易な否定やアドバイスではなく、「気持ちに寄り添う姿勢」が回復の助けになります。

 

長期的な視点での改善

身体醜形障害は短期間で完治するものではありませんが、継続的な治療と支援によって、生活に支障のないレベルまで症状を軽減できるケースも多くあります。

 

焦らず、自分のペースで向き合うことが大切です。

 

まとめ

身体醜形障害は、外見そのものに問題があるわけではなく、「どう見えているか」「どう感じているか」という心の状態に起因する精神疾患です。

 

外見への不安が長期間にわたって続き、生活や感情のコントロールが難しくなっていると感じる場合は、早めに専門機関へ相談することが大切です。

 

「苦しいと感じていること」を正しく理解し、適切な対応をとることが、回復への第一歩となります。

 

参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK519712/table/ch3.t19/


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