Humming♪

高山都さんが見つけた、自分を幸せにする方法【気になるあのひとに10の質問】

オリジナルなスタイルを持って生きている素敵なひとに聞く、10のQuestion。心や暮らしの豊かさは、ブレない生き方や考え方が築くもの。内面から輝くひとはどのようなことに目を向け、何を実践しているのかーー心地よく、充実した毎日を生きるためのヒントを探りましょう。今回は、モデルやラジオパーソナリティー、商品プロデュースなど多彩な顔を持つ高山都さんにクエスチョン!


「自分のご機嫌をとるのは、自分」

Q01 ストレス解消法は?

気分をすっきりさせたいときはランニングをします。
走るきっかけは、お仕事で「ハーフマラソンに出ませんか?」と声をかけていただいたことでした。中学、高校時代の体育の成績はずっと「2」で、運動が大の苦手だった私が走ることに爽快感を覚えるなんて思ってもみませんでした。

 

miyako

当時は、仕事の方向性などについていろいろと悩んでいた時期だったので、これは一つのチャンスだ!と思ってトライすることに。ハーフマラソンを走りきったら、気持ちのいい達成感があって。もっと走りたい!と欲が出たし、「やればできる」という自信につながりました。気付けばもう12年も続けていることになるんです。走っているときは一人だから、自分自身と向き合う時間。ランニングはマインドをリセットするにもぴったりです。

ストレス解消もそうですが、自分の機嫌をよくすることができるのは、結局自分なのだと思っています。
たとえば、元気が出ないなぁ・・・というときは、気分を上げるために素敵な服を選んで着てみたり。普段からオンとオフを切り替えるためにも、外出するときは背筋がのびるようなワンピースやシャツを着ることが多いです。自分を奮い立たせたいときは、おしゃれすることをより意識していますね。

 

◆【ストレス解消】セルフケアとはなにか?意味・種類・方法について解説


Q02「幸せだな」と思う瞬間は?

miyako

仕事が終わって家に帰り、ビールを飲むときです(笑)。ビールのあとはワインや日本酒をあけることもありますね。お酒だけを飲むことはなくて、ご飯もセット。お酒に合うメニューをあれこれ考えて作ることも幸せな時間。


Q03 お気に入りのレストランを教えてください!

参宮橋にある「レガーロ」というイタリア料理のお店です。いいことがあった日も、そうじゃない日も、ここに行くと気持ちがシャキッとして元気が出ます。堅苦しい雰囲気のお店ではないのですが、おしゃれをして行きたい場所でもあるので、何を着ようかなと考える時間もテンションが上がって好き。大切な友だちのお祝いごとなどにも利用することが多いのですが、友だちにも「おしゃれをしてきてね」と伝えています。

 

miyako

 

お料理はどれも美味しくて、訪れるたびに「生きていてよかった!」と思えるほど。シェフをはじめ、スタッフの方たちが料理に対して真摯に向き合っていることがまっすぐに伝わってきて、私も頑張ろうという気持ちになります。気軽に通えるようなお値段ではないので、仕事を頑張ったご褒美のようなものですね。


Q04 今、欲しいものはありますか?

おしゃれな電動自転車! 坂の多い街に住んでいるので、食材の買い出しをしたあとが大変で。電動自転車があればラクに荷物が運べるようになりそう。


Q05 今まで旅をしたなかで、一番好きな場所は?

パリです。初めて訪れたのは2019年の秋でした。仕事で立ち寄っただけだったのですが、その2ヵ月後に一人旅で10日ほど滞在しました。当時ありがたいことに常にスケジュールがいっぱいで、お休みがなかなかとれず・・・。このままでは心身ともにパンクしそうだったので、思いきって休みをとらせてもらいました。

miyako

観光をしたいというよりは、そこに住んでいるかのように生活をしたいと思ったので、アパルトマンを借りて過ごしました。マーケットで野菜や肉を買って料理をしたり、花を買って部屋に飾ったり。パリの街をランニングもしましたね。蚤の市でうつわや雑貨を見るのも宝探しみたいでワクワクしました。フランス語は全然できないけれど、笑顔で「ボンジュール」とあいさつするうちに、お店のスタッフと仲良くなれたのも楽しかった。

 

miyako

以前の私だったら、失敗を恐れてチャレンジできなかったと思います。でも、20代後半から始めたマラソンやラジオの仕事で、失敗は恥ずかしいことではなくて、自分のエネルギーになると気付けた。そこから、“何でもやってみる精神”になって、10日間のパリ生活でも、もっと失敗や恥ずかしいことをして強くなりたいと思ったんです。でも楽しすぎて失敗が物足りなかったので(笑)、コロナが収束したら、まずはパリに行きたいですね。


「強くてしなやかで、チャーミングな女性に憧れる」

Q06 自分の生き方に大きな影響を与えてくれたひとは?

迷ったとき、それから私のターニングポイントにいつも声をかけてくれるのが料理家の寺井幸也さんです。最初の本(『高山都の美 食 姿 「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』/双葉社)を制作している時期に、結婚を約束していた彼とお別れをしてしまい、どん底を経験しました。かわいそうな女には見られたくないと、気持ちを奮い立たせてはいましたが、友人たちからするとウジウジしているように見えたんでしょうね。そんなときに彼から「いつまでもめそめそして、幽霊みたいな女にひとは寄ってこないよ」と言われて。ハッとして、前に進むきっかけになりました。

今もへこんだときや挫折をするたびにこの言葉を思い出します。大人になるにつれて、はっきりと助言してくれるひとは少なくなるから、とっても大事な存在。いつも彼には背中を押してもらっています。

 

miyako

私もこういう女性になりたいという憧れの存在は、高峰秀子さんとココ・シャネル。阿川佐和子さんも大好き。3人に共通しているのは、強くてしなやかでチャーミングなところ。高峰さんは、エッセイを読んで好きになりました。『コットンが好き』が特にお気に入りで、うつわや小物の使い方に刺激をいただいています。

 

>>”自分らしく生きる”とは?|仕事や恋愛で自然体で過ごせる方法を紹介

 


Q07 大切にしている言葉を教えてください!

「笑っていれば風向きは変えられる」。10年ほど前の誕生日に「都はいつも笑っていることで、いい方向に風を吹かせているから、そのまま頑張れ」と友人からもらったメッセージを大切にしています。今は、サインを書くときに添えているほど。私の座右の銘でもあるけれど、誰かの心に残ってそのひとの大切な言葉になればうれしいなと思っているんです。バトンを渡すような感覚ですね。


Q08 お気に入りの本を3冊挙げるとしたら?

miyako

うーん、3冊に絞るのが難しいな。松浦弥太郎さんの『おとなのきほん 自分の殻を破る方法』と『それからの僕にはマラソンがあった』は、繰り返し読んでいる本です。2冊とも、はじめはみんなゼロからのスタートで、できないことは恥ずかしいことではないから続けることが大事だよと教えてくれる本です。読むたびに元気が出ます。

向田邦子さんの手料理を紹介した妹の和子さんの本『向田邦子の手料理』も、何度も興味深く読んでいます。脚本家、小説家、エッセイストとして忙しく活躍されながら、料理が上手でうつわにもこだわりがあったそうです。家庭料理のレシピとエピソードが素敵なんです。

それから、よしながふみさんの『きのう何食べた?』は、読んでいるとおなかが空いてくる本。高山なおみさんの『チクタク食卓』もお気に入りです。食にまつわる本が好きですね。

友だちや仕事仲間と本の話をするのも好きです。「この本、面白かったよ」と勧めてもらった本を読むことも多いです。読書には、知らないことを知る楽しさがありますね。


「愛されるものをつくりたい」

Q09 地球のために実践している、ちょっとイイコトを教えてください!

「なんとなくで物を選ばない」ことでしょうか。
うつわや雑貨が好きだし、おしゃれも好きなので、物を買わない選択はできないからこそ、本当に必要なものなのか、愛せるものなのかを基準に選んでいます。

 

miyako

安かったからとか、流行っているからと“何となく”で買ってしまうと、使わなかったり、すぐに飽きてしまいそう。家にはたくさん物があるけれど、どれも愛しているし、長く使っている大切なものばかりです。

今日着ているシャツは、フィービー・ファイロがクリエイティブディレクターをしていたときの「セリーヌ」のもので、ヴィンテージショップで出合った1枚です。当時の私には手が届かなかったけれど、巡り巡って私のもとにやってきました。試着をしたら驚くほどぴったりで、一緒にいた友人も「都っぽいね」と褒めてくれて、大切に着たい服だと思えました。誰かが手放したものを、大事に使うこともちょっとイイコトですよね。


miyako

I.T’.S. internationalと都さんのスペシャルコラボで実現したデニム。

服のプロデュースのお仕事もさせてもらっていますが、自己満足にならないように、“愛される服”を作りたいと思って臨んでいます。簡単には捨てられない、捨てたくない、大事にしたいーーそう思っていただけるものづくりも私のテーマの一つです。


Q10 2030年までに実現したい夢は?

愛されるものづくりにつながりますが、皆さんに大事にしてもらえるもの、こと、空間をプロデュースする会社を今年スタートさせようと準備しています。
本の発売時に全国の蔦屋さんでポップアップショップをやらせてもらったことが、きっかけです。私が愛用している調味料や好きな作家のうつわなどを集めて、私の書籍と一緒に販売をしました。うれしいことに、たくさんのお客さんが来てくださって。私もできるだけお店に立って接客をしたのですが、一人ひとりに合ったお皿を選ばせてもらうのがとても楽しくて、本当にいい経験になりました。

 

miyako

高山さんのセンスが詰まった書籍『高山 都の美食姿』は、大好評につき4冊を数えるまでに。

自分でセレクトしたものを集めてお店を開くことがまず第一歩。海外に行けるようになったら、パリに買い付けに行きたいですね。2030年には店舗数が増えていたらいいなと思うし、飲食店もオープンしていたいです!

 

リラックスモードなおしゃれにもいつも注目が集まっている高山さん。ヴィンテージショップで見つけた、お気に入りのセリーヌのシャツで。

Profile
高山都(たかやま・みやこ)
1982年12月27日生まれ、大阪府出身。19歳で上京し、ビューティモデルとして女性誌で活躍。その後、ドラマや舞台、ラジオなど活動の幅を広げる。趣味のマラソンでは、横浜マラソン2016を3時間41分で完走した記録を持つ。「#みやれゴハン」として料理やうつわを紹介するインスタグラムが人気となり、2017年にライフスタイルをまとめた『高山 都の美食姿』(双葉社)を出版。飾らない、心地良さを軸にした生き方が支持され、その後シリーズ化。2021年11月に第3弾、第4弾となる2冊を同時発売。今年、自身の会社を設立予定。
Instagram @miyare38
Twitter @miyare38


PHOTO = 勝吉祐介(PEACE MONKEY)
HAIR & MAKE-UP = 鈴木智香(A.K.A.)
TEXT = 岩淵美樹

関連記事