人生を支えるお守りのように。
佐田真由美がジュエリーに込める想い
モデルの佐田真由美さんが手掛けるジュエリーブランド「エナソルーナ(enasoluna)」は、2021年11月11日にブランド設立15周年に迎えました。商品デザインはもちろん、店頭に立って接客したり、カタログの撮影など、総合的に関わっている佐田さん。15年という歳月のなかで感じたこと、そしてリブランディングを行い、新たに始めるサステナブルな取り組みについてお話を伺いました。
「作り手の気持ちはお客様に伝わる」
―2021年11月11日にブランド15周年を迎えた「エナソルーナ」。佐田さんとってどんな15年間だったのでしょうか。
「日々学ぶことばかりで・・・あっという間の15年でした。ブランドを設立した頃にパワーストーンが流行していて。私も好きだったのですが、当時は数珠のようなデザインが多く、もっと身に着けやすいデザインが欲しいと思い、天然石のロザリオを作ったことがブランドを始めるきっかけになりました。
ブランドを始めた当初からゴールは考えていなくて、今日までただひたすら走り続けている感覚です。周りの人の協力のなかでやってきたんだなということを、10周年の節目よりも今さらに強く感じています」
―トータルディレクターとして、商品のみならず、店舗の内装やディスプレイ、カタログなどブランドに関するすべてに携わっている佐田さん。「ものづくり」には特別なこだわりを持っています。
「女性のライフスタイルを意識して、時代に左右されないオンリーワンなデザインを目指しています。作り手として大切にしているのは、事前情報なく目の前にあるジュエリーを見たときに、自分が買うか買わないか。買わない=自分が心の底から愛しているものではないということだし、そういう気持ちはお客様にも伝わると思っています。
単純にトレンドを追うのではなく、私が手掛けるジュエリーはお守りの延長線上にあるものでありたいし、『エナソルーナ』でしか買えないものづくりをしたいと常に感じています」
ポップアップストア限定で展開され、好評を博していた数字ネックレス「Happy number necklace」がオンラインストアで購入できるように。
「変化を恐れず、次のステージへ進むとき」
―ブランド15周年を機に、ブランドロゴやパッケージ、そしてオンラインストアを一新。ブランドとしての装いも新たにリスタート。サステナビリティを意識したパッケージを導入したそうですね。
「月日を重ねるごとに、ブランドとしても成長を遂げていかなければなりません。今回はこれまでの想いを大事にしつつ、無駄なものは排除したいという考えから、ロゴも新たにリブランディングをすることになりました。
サステナブルな取り組みも始めています。そもそもジュエリーはすごくエコなものだと思います。金属は溶かして再利用ができるし、譲り受けた指輪やネックレスの石だけを使って新しいデザインにリメイクすることもできます。それに付随して、ボックスは100%再生紙、パッケージは『pake』というブランドとコラボし、リサイクル可能なオリジナルバッグに刷新しました」
―エンフォルドとのコラボレーションコレクションも発表されましたね。
「クリエイティブ・ディレクターの植田みずきさんとは、彼女がスライにいたときにイメージモデルをさせていただくなど、かねてより親交がありました。そして、仕事でご一緒するたびに、彼女のものづくりに対する姿勢やクリエイションに感銘を受けてきました。
ブランドの節目を迎えるタイミングで彼女と何かやりたいと以前から思っていたので、実現できたことがうれしいです。エンフォルドもブランドとコラボレーションしてジュエリーを作ることが初めてだったそうで、互いに楽しみながら制作できました。彼女のものづくりはすごく細かくて丁寧。今回ご一緒させていただいてとても勉強になりました。
エナソルーナでは樹脂を使いハンドメイドで形作ったジュエリーを扱っていて、このコラボ商品も同様の手法を用いました。彼女への絶大な信頼と安心感のもと、テーマやデザインについてはすべてお任せ。すごく大ぶりなジュエリーで、ある程度の重量もあるのに、重さを感じさせず、動作を邪魔しない使用感へのこだわりには感動しました。エナソルーナだけでは生み出せない表現が詰まっていて、素直に素敵だなと感じています」
―店頭接客は佐田さんにとっても、お客様にとっても実際にお話ができる貴重な機会となっています。ファンの皆さんとのコミュニケーションは、佐田さんにどのような影響を与えているのでしょうか。
「高校生の頃から、人生の節目に必ずエナソルーナのジュエリーを見に来てくださっているお客様が結婚指輪を購入してくださいました。そんなふうに誰かの人生の物語の一部に関われていることに、『なんて良い仕事をさせていただけているんだろう』と胸が熱くなりました。お客様の声はものづくりにも反映したいし、私自身の活力にもなっています」
ライフスタイルが多様化するなかで、1つのブランドが今も10年後も愛され続けることは容易なことではありません。「作り手として世の中の変化を汲み取ることの大切さを、強く感じている」という佐田さん。常にアンテナを立てて情報をキャッチし、インプットとアウトプットを繰り返すモデルの仕事。そのキャリアがあってこそ、ものづくりにおいても、変化をいとわずに成長し続けることを可能にしているのかもしれません。
※インタビューvol.3では、快適で穏やかな生活を送るために取り入れているモノやコトについてを伺います。
Profile
佐田真由美(さだまゆみ)
1977年8月23日生まれ。東京都出身。3歳からモデル活動を開始し、女優として映画やドラマにも出演。現在は『otona MUSE』などファッション誌を中心にモデルとして活躍するほか、ジュエリーブランド「enasoluna(エナソルーナ)」のディレクターを務める。YouTube「さだまゆTV」にてメイクやファッションなど多数のコンテンツを配信中。
https://www.ldh.co.jp/management/sada_m/
Instagram:@sadamayumi/@enasoluna_official
TEXT = Humming編集部