香里奈の“Hummingな暮らし”に必要なモノゴトは?
気持ちのいい暮らし方を見つけているひとは、それがその表情の輝きに表れているように思います。自分のペースでプライベート時間を過ごしている香里奈さんに、日々の楽しみ方、サステナブルなモノゴトについて伺いました。
身軽になることで、自由になれる
— SDGsのなかでも「12. つかう責任 つくる責任」という目標は、私たちの日常生活に身近なことかと思います。香里奈さんは“つかう責任”に、どんなふうに向き合っていますか?
「何かものを購入するときに、以前にも増してよく吟味するようになりました。必要以上にものを増やしたくないというのが前提にあって、慎重になっていますね。
今すぐに必要なものしか買わないでおこう、食料品も今日明日の分だけで、と気をつけています。おなかが空いているときに買い物に行くと、ついつい余計なものを買ってしまうから、そのタイミングは避けたり(笑)。
必要でないものまで買ってしまい、使わずに溜め込んで、結果これは要らなかったな・・・ということも多いですよね。今の自分に必要なものなのかどうかをきちんとわかっていないと、無駄なものが多くなる。自分のクローゼットに揃っている服のこと、細かいことだけれど冷蔵庫の中身も把握できていないと、新しく手に入れるものが本当に自分に必要なのか?の正しいジャッジができないのでは、と思います。
世の中的にリユースが普通に行われるようになったのも、とても良いこと。自分にとって不要になってしまったものが、誰かにとっては使いたいものだったりするから、そこがつながるシステムを上手に利用したいです。捨てずに循環させていくことを、さらに強く意識していきたい」
— 確かに、ワードローブなど自分の持ち物を把握しておくことは大事ですね。
「ここ最近は、家の中のものを少なくしていこうと思って断捨離しています。放っておくと、ものはどんどん増えていくから、“意識的に減らす”ことを実践していて。ものが少ない空間のほうが確実に生活しやすいですし、持っているものを把握することで、忘れずに活かすことができて無駄が少なくなります。
ジャッジに困るのは、想い出のアイテム。ドラマの台本やDVD、雑誌のバックナンバーなどが膨大にあるから。将来、何かの折に見返したくなったり、過去の資料として必要になることもあるのでは・・・と考え始めると本当に難しい。そうやって、一つひとつのものが自分にとって残すべきものなのかどうか、さらに先々まで想像を巡らせて考えていくことで、判断力が鍛えられている気がします」
— ものを整理する時間は、自分と向き合う時間でもありますよね。
「まだしばらくは、断捨離する時間が続きそう。ものを捨てられない自分がいたけれど、整理していくことで、自分自身にも変化を感じます。断捨離することで、運気が上がるとも言われているし(笑)。身軽になることで、何だか自由になれる気がします」
◆ミニマリストになってマインドフルネスな生活を手に入れる方法
ニット¥14,900、中に着たシャツ¥13,750、パンツ¥7,900/すべてブルーサージ イヤリング¥5,500/イロリエール トートバッグ/私物
バッグはその日の予定に合わせてサイズをセレクト
— ではここからは、香里奈さんの日常生活について伺います。NOレジ袋な昨今、バッグ選びに変化はありましたか?
「撮影のときは、資料などを受け取ったりして何かとものが増えるので、何でも入るような大きめサイズを選ぶことが多いです。このトートバッグ(ビューティフルピープル)も、荷物が多い日に活用しています。一方で、ミニバッグも好きだから、そのときはエコバッグも一緒に持ち歩いています。
その日に持っているバッグに入りきらないような買い物はしない、ということを一つの基準にしてもいいですよね。いずれにしろ最近は、買い物も吟味するようにしているから、そんなに大荷物にはならないです(笑)」
大切に育てていきたいMyヴィンテージ
— ものを大切にし続けて、ものの寿命を延ばすことは、これからあたりまえの世界になっていきそうです。香里奈さんのお気に入りのなかで、これからもずっと大切にしていきたいサステナブルなファッシヨンアイテムはありますか?
「ライダースジャケットは私の定番アイテムの筆頭で、このジャケット(クロムハーツ)は文字どおり“一生もの”というかんじで考えています。経年劣化を楽しんでいくというか、味が出てくるのを楽しみにしながら、大切に着ていきたい一点です」
両親から受け継いだ小物たち
— 使い続けることで味が出てくる。そこに自分と、そのアイテムの歴史が加わると、より愛着がわきますよね。
「この2点は両親から譲ってもらったものなのですが、“受け継いだアイテム”ということで、自分にとってはすでに大きな価値がありますし、大事にしていこうという気持ちが増します。
母が愛用していたエルメスのベルトは、少しお直しして使えるようにしました。オメガの時計は、父が若かりし頃に仕事で訪れた海外で記念に買ったものらしく。大切にしていた様子だったのに、欲しいならあげるよ、って。たぶん今はもうないデザインで、アンティークっぽい雰囲気が気に入っています」
気持ちが穏やかになる時間をつくる
— プライベートで、気分転換というか、楽しく暮らす秘訣などはありますか?
「普段の移動には、なるべく自転車を利用したり、できる限り歩くようにしています。自転車はエコですし、クルマよりも周りの景色を楽しみながら走れるし、風を感じながら移動できる気持ち良さも好き。荷物もラクに運べるから、買い物のときは特に自転車を活用しています。時間に余裕のあるときは徒歩で移動して、普段は気づかないような街の様子や季節の変化を味わうようにしています。
楽しく暮らす秘訣というか、生活に彩りを添えてくれるという意味でも、花のある生活っていいですよね。花や植物が部屋にあると、視界に入ったときに目も心も癒されて心が穏やかになる。花を飾る、世話をする余裕を持つことも大切にしたいです。
それから18歳のときから愛犬と暮らしているから、もはや犬のいない生活は想像がつかないですね。彼ら(トイプードル3匹)は私の大切な家族でもあるから、スケジュールや生活のいろいろな部分で、犬を基準にして考えることが多いです。
大変なこともいろいろとありますが、楽しく共存するためには必要なこと。とにかく、その存在に癒されたり、助けられたりしています」
愛犬との暮らしがペット用品ブランドの立ち上げにつながったりと、プライベートと仕事のバランスを“自分らしく”築いている香里奈さん。「無理せずにできることをする」という心地よい暮らし方が、彼女のやわらかく美しいオーラの秘密だと知りました。ヒントとなるたくさんの話をありがとうございました。
私たちも自分の毎日をサステナブルに楽しむコツを見つけて、Hummingしながら過ごせる時間をもっと増やしていきましょう。
>>インタビューvol.1 香里奈が語る“今”。「一瞬一瞬を大切にして生きていく」
>>インタビューvol.2 枠にとらわれず「香里奈」としてのアクションを
Profile
香里奈(かりな)
1984年2月21日生まれ。愛知県出身。2000年~ファッション誌『Ray』(主婦の友社)専属モデルを務め、現在は『GINGER』(幻冬舎)レギュラーモデル、ドラマ・映画を中心に女優としても活動。近年では、プロデュースも手掛け、ペットブランド「BESTIES」を展開。2015年~東京ガールズコレクション×国連の友アジアパシフィックとともにSDGs推進活動(女性の活躍推進)を行う。2018年7月~GINGER連載にてサステナブルをテーマに「今、できること」を発信し、啓発活動にも取り組む。
https://tencarat.co.jp/karina/
Instagram @karina_official_221
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イロリエール https://www.irolier-shop.com/
ブルーサージ http://seni-ikuei.org/blueserge/
PHOTO = 土山大輔(TRON)
STYLING = 豊島優子
HAIR & MAKE-UP = 髙取篤史S(SPEC)
TEXT = Humming編集部