何のために生きているのか?立ち止まることの大切さ【ディレクター田上陽子のIt’s My Story】
仕事もプライベートも、自分らしく充実させるための方法は?
各フィールドで活躍する注目のひとにフォーカス。
vol.01は、ナチュラルビューティブランド「エッフェオーガニック」「セルヴォーク」を立ち上げ、ディレクターとして活躍する田上陽子さん。
昨年末からフリーランスとして活動の場を広げ、さらにこの春には結婚。
東京と北海道を行き来するデュアルライフを送るなど、公私ともに大きな転機を迎えた田上さんに、自分らしい未来への進み方を伺いました。
自分を大切にできていないという葛藤
「これまで仕事一本で突っ走ってきたのですが、もっと“ライフ”を充実させたいという気持ちが強くなりました。
コロナ禍でリモートワークが浸透し、時代の変わり目というのもあり、思い切ってフリーランスになる決断に踏み切りました」と語る田上さん。
体調を崩すなど、ウェルネス・ビューティ業界にいながら自分を大切にできてないという葛藤もあったのだとか。フリーランスとなり仕事のバランスを模索するなか、出会ったのが今の旦那さま。
「昨年出かけた北海道旅行で、友人が連れてきたのが彼。山口から一人で移住し北海道で一からワイン作りをしているその覚悟やパワーに惹かれました」
すぐに意気投合して結婚、今は東京と北海道を行き来する、デュアルライフを送っているそう。
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紆余曲折を経てたどり着いた“原点回帰”
「実は昨日まで2週間ほど北海道にいたのですが、人生初のブドウの収穫を体験して、全身筋肉痛です」と笑う田上さん。
朝日とともに起き、土を触り、日暮れとともに寝るという北海道のシンプルな生活は何をもたらしたのでしょうか?
「これまでずっと仕事優先で生きてきて、ふと何のために生きているのだろう?って立ち止まったときに、ひょんなことで手に入れたこの生活。
これまでずっとウェルネス・ビューティ分野の仕事を手掛けてきたわけですが、自分の生活でもそれをきちんと体現できたらいいなと思っていたので、まさに“原点回帰”ですね。自分のなかではブレていないです」
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パートナー所有の広大なワイン畑。
今年は収穫を初めて経験、大切に育てられたブドウからエナジーをもらえたそう。
挫折続きの20代、無我夢中で突き進んだ30代
これまでのキャリアを振り返ると、20代は自分に何ができるのかともがき、PR会社に勤務するなかで出合って夢中になったのがオーガニックビューティの世界。
そして30代はその魅力を多くの人に届けることをミッションにブランドを立ち上げ、無我夢中だったそう。
「はじめのうちは開発、営業、プレス、店舗戦略などすべてこなして、困難を困難とも思わず本当に突っ走ってましたね」と振り返ります。
ブランドの進化とともに、田上さん自身もアップデートしていき、その先にたどり着いたのが、自分らしい仕事の仕方と本能が求めていた自然と共存する北海道での暮らしだったわけです。
「自然は過酷ですが、土を触って一から育てる経験ってなかなかできないこと。仕事も大事ですが、今はどう生きるか、のほうが関心が高いですね。バランスは模索中ですが、北海道発信のプロジェクトも検討中で、徐々に軸足を移しながら、自分らしい生き方を探っていきたいです」
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休みなく働き続けている自分に、少し立ち止って、未来を見渡す時間をつくることの大切さ。
本気で打ち込んできたからこそ、次に進むべきステージが見えてくるはずです。
“今まで”を肯定しながらも、そこから大きくハンドルを切って、新しい地図を手に入れ歩み始めている田上さん。
「自分のなかではブレていない」というその言葉が、迷いのない選択であることを表していました。
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Profile
田上陽子(たがみようこ)
PR会社に勤務後、2013年に「エッフェオーガニック」を、2016年にはトータルビューティブランド「セルヴォーク」をスタート。
ファッション感度の高い女性たちの支持を得る。
現在では両ブランドのディレクターのほか、ラボグロウンダイヤモンドのジュエリーブランド「エネイ」のディレクションなどフリーランスとして活躍中。
PHOTO = 枦木功(nomadica)