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動物と人が共存する、明るい未来のために。糸島にある保護犬保護施設の新しい挑戦

一つの社会問題として大きく取り上げられている動物虐待や、犬や猫の殺処分。目や耳をふさぎたくなるような現実に、心を痛めているのは、犬や猫と暮らす人だけではありません。動物と人間がより良く共存するために今、私たちができるアクションは何でしょうか? 今回は1日約¥100から可能な保護犬サポートについてご紹介します。


ペットたちを苦しめる現実

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Photo by Vijesh Datt on Unsplash

可愛い表情やしぐさで私たち人間を癒し、生活と心に豊かさをもたらしてくれる動物たち。なかでもペットは、互いに信頼関係を結ぶことで家族として最高のパートナーになってくれます。

そんなかけがえのない動物たちの存在ですが、残念なことに動物虐待や遺棄、悪質業者による販売などの問題は後を絶ちません。

2019年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、2020年6月から段階的に施行が始まり(※1)、国内における動物愛護への関心は高まりをみせています。
ですが、殺処分の問題は未だに解決されていない現実があります。 2020年度の犬猫殺処分数は 23,764匹(※2)。1日に60頭以上の犬猫が殺処分されているという計算になります。人間の身勝手な行動で不幸せな末路を迎える動物たち・・・。この現実を知り、見過ごさないようにしたいものです。

※1 環境省「動物の愛護および管理に関する法律のあらまし(令和元年改正版)
※2 環境省自然環境局「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況


保護犬1匹につき31人の家族で、温もりあふれるサポートを

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そんな現実を目の当たりにし、立ち上げられたのが 「Club31」。この5月10日にオープンした、飼い主のいない犬を保護する施設です。

その取り組み方が画期的。保護犬1匹に対して31名のサポーターが家族となり支援を行います。
各家族が月に一度ずつ会いに訪れることで、保護犬たちは毎日家族の誰かと過ごす時間を持てるという仕組み。1匹に対して31名を上限に家族を募集しているのはそのためなのです。大勢の家族が交替で会いに来てくれたら、保護犬も寂しさを感じる時間が少ないことでしょう。

保護犬を引き取りたくても、ペット禁止の家に住んでいたり、仕事の都合で毎日の散歩が難しいなどそれぞれの事情で叶わない人も、これなら一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

Club31会員になるには2コースの会員プラン(A/入会金¥50,000、月額¥5,000、B/入会金ナシ、月額¥8,000)があり、特典が用意されています。入会金は、すべての犬たちのフィラリア検査、ワクチン、ノミダニ予防薬など、基本的な処置費用に充てられます。

そして、施設の取り組みを応援して保護犬をサポートしたいという思いを届けたい人には、1日約¥100(月額¥3,000)のマンスリーサポーターという選択も。会費は、飼育費(食事費、医療費など)や運営団体の社会貢献活動費、動物福祉の啓発活動に使用されます。


目の前はビーチ!最高のロケーションで過ごす保護犬たち

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「保護動物のサポートを私たちに出来るかたちで継続的にすること」を目的にしたこちらの施設。場所は福岡県の糸島市にあります。

近年は観光スポットとしても知られ、県内外からたくさんの人が訪れるほど大人気。糸島は福岡の市街地からもアクセスが良く、何よりも山や海などの豊かな自然が魅力。糸島市を保護犬保護施設の場所に選んだ1番の理由がその環境の良さにあるといいます。

目の前に広がるのは深江ビーチ。保護犬たちは海を眺めながらのんびりと1日を過ごせるのです。さっそく施設を覗いてみましょう!


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ビーチ側にはドッグランもあり、保護犬たちは外で自由に遊ぶこともできます。

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犬舎からもビーチが見渡せます。ケージの中で過ごす時間も、少しでもストレスを感じずに済むように。

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施設の中には、 サポーター家族だけが利用できる専用ラウンジも。 このラウンジで、支援する保護犬たちとプライベートな時間を過ごすことができます。スキンシップを取ることで、保護犬との間に信頼関係を築くことができるのだとか。


一般の方も利用できるカフェ、あります

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併設されているカフェスペース「1’s Cafe (ワンズカフェ)」は、サポーター以外も利用 OK! 保護犬保護施設に興味がある人も、そして糸島観光の休憩利用などでも、ぜひ気軽に足を運んでみて。もちろんドッグフレンドリーですから、愛犬と一緒に過ごすごともできます。カフェの収益は、保護犬保護施設の運営費に充てられるそう。

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こちらは人気のワッフル「いちご×ホイップ×チョコ」。

このカフェでは、オーガニック生地を使用したデザートワッフルが大好評とのこと。福岡あまおうや博多から取り寄せた明太子、長崎の雲仙ハムなど、九州のご当地素材を生かしたワッフルも用意されています。


新しい形で保護犬のサポートを試みる施設「Club31」。施設の運営は、MY GLOBAL GOALSというNGO団体です。施設運営だけでなく、飼育を続けることが困難な方への個別相談なども行っています。「多くのことや大きなことはできないですが、できることをできる人から行動することで、私たちの思いが少しずつこの国にも広がって、動物愛好家後進国といわれる日本を変えていきます」という熱い言葉に、とても共感。“できること”を“できる人から”ー-この機会に、動物と人間が一緒に幸せに暮らせる社会を目指して、あなたも一歩を踏み出してみませんか?

Club31
https://club-31.com


TEXT = 山下優子

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