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サードプレイスとは?しがらみから解放される場所を持つ重要性

 

日々忙しく働いたり勉強に勤しんだりしている現代人にとって、しがらみから解放される時間を作ることは必要不可欠です。

 

時には心を落ち着けてリフレッシュすることで、再び仕事や勉強に力を入れられるようになるでしょう。

 

今回はそんな慌ただしい毎日を過ごす方々に、ぜひチェックしてほしい「サードプレイス」の考え方についてご紹介します。

 

サードプレイスとは?

 

サードプレイスとは、その名の通り「第3の場所」を指す言葉です。

 

私たちの多くは自宅を第1の場所、学校や職場を第2の場所として多くの時間を過ごしていますが、それらとは別に第3の場所を設けることで、これまでに溜まったストレスの解消を目指し、より生きやすい生活を送れるようになるというものです。

 

これは1989年に初めて提唱されたもので、それまでは「ストレスを解消する場所=自宅」との概念が一般的であったため、自宅内で安らげる場所づくりが推奨されていました。

 

しかし家族との折り合いが悪い人や、経済的な事情で自宅にパーソナルスペースがつくれない人などは、この方法だとストレスの解消ができません。

 

自宅と職場(学校)の往復で毎日が終わってしまうことがないよう、心安らげる第3の場所を見つける大切さが広まりつつあるのです。

 

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サードプレイスが注目される背景

サードプレイスの考え方は、「The Great Good Place」と呼ばれる著書の中で、オルデンバーグ氏が唱えたのが始まりだとされています。

 

オルデンバーグ氏は先ほどご紹介したように、人々のストレスの多さを問題視し、ストレスが溜まることによって起こる様々なトラブルを防ぐためにこの説を提唱しました。

 

始まりはアメリカですが、日本においても同じことがいえるため、私たち一人ひとりに関係する説だといえるでしょう。

 

アメリカでコミュニティの希薄化が問題となった

オルデンバーグ氏によれば、アメリカではコミュニティの希薄化が進み、人々が狭い世界の中でのみ生活を続けることでストレスが生まれやすくなっているとされています。

 

これはアメリカが世界でも随一の車社会であり、自宅と職場の往復もほとんどが車で行われることから、他者との関わりが極端に減っていたことに由来します。

 

これに加えて平日はもちろん夜間や休日も返上して忙しく働く人が増えたことで、余暇に使える時間が減り、よりストレスが溜まりやすい環境ができてしまったのです。

 

仕事に費やす時間が増えれば増えるほど、趣味などで様々なコミュニティに顔を出すことが難しくなるのに加え、家庭というコミュニティで円満な関係をつくることもできなくなるでしょう。

 

「仕事ばかりで家庭を顧みない」などとパートナーから不満を抱かれることになれば、第2の場所である自宅も決して心休まる場所にはなりません。

 

責任感や重圧から解き放たれる場所の重要性が高まった

入社したばかりの新入社員でも、人々をまとめる立場に置かれた管理職でも、仕事をしている以上は様々な責任感や重圧がのしかかっています。

 

責任感や重圧にどれだけ耐えられるかは一人ひとりのキャパシティによって異なりますが、誰であっても時折ストレスを解消し、仕事について考えなくて済む時間が必要といえるでしょう。

 

四六時中仕事のことばかり考え続けていると、集中力が低下するほか、新たなアイディアも生まれにくくなってしまいます。

 

また、先ほども少し触れたように、全員にとって家庭が安らぐ場所であるわけではないでしょう。

 

一家の大黒柱であれば「仕事を休むわけにはいかない」「家計を支えるためにもっと稼がなければならない」など、常に見えない重圧に晒されていることになります。

 

もちろん専業主婦なども異なる悩みを持っており、仕事をしているからといって悩みの程度が強いわけではありません。

 

専業主婦は居場所が自宅しかないため、より一層サードプレイスの重要性が高まるといった見方もあります。

 

つまり、職場(学校)や自宅にいる限り、私たちには常に何らかの重圧がのしかかっています。

 

これらの重圧から解き放たれるためには、仕事や家庭に関係のないサードプレイスが必要なのです。

 

コロナ禍によりさらに見直されることに

新型コロナウイルスによって外出規制が敷かれると同時に、リモートワークなどで出社制限を設けた企業も多く、働き手はさらに行動範囲が狭くなりました。

 

自宅で仕事をしているが故に、パートナーから嫌な顔をされた経験のある人も多いのではないでしょうか。

 

息抜きにどこかへ出かけることもできず、自宅でも通常と同じようなパフォーマンスをしなければならない重圧から、普段であれば感じずに済むはずのストレスが溜まってしまった人も少なくありません。

 

行動制限が解消された今、サードプレイスの大切さはこれまで以上に重視されることとなりました。

 

既にストレスを感じている人はもちろん、これから就職活動や受験勉強を始める人も同様に、必要以上にストレスを溜めずに済むような工夫を心掛けることが大切です。

 

サードプレイスの役割とメリット

 

「サードプレイスを見つけよう」と動いている人はまだまだ少ないため、私たち一人ひとりがその役割をしっかりと学び、自分にとっての安らげる場所を見つける必要があります。

 

サードプレイスが私たちにどのようなメリットをもたらすのか、3つのポイントに注目してご紹介します。

 

ストレスからの解放

サードプレイスを設けることで、私たちは仕事や学業・家庭によるストレスから解放され、心休まるひと時を過ごせるようになります。

 

仕事を持ち帰って自宅でも作業している人や、リモートワークをしている人などは特に、仕事とプライベートの境目がはっきりせずに四六時中頭を使うことになりかねません。

 

仕事に関することを考えず、なおかつ家族とのコミュニケーションをとることもないサードプレイスならば、好きなことを考えながらゆっくりと過ごせるのではないでしょうか。

 

コミュニケーションの場として

サードプレイスの種類によっては、新たなコミュニケーションが始まるきっかけになる可能性もあります。

 

普段職場の人や家族としかコミュニケーションを取らず、限られた空間の中で生活することに窮屈さを感じている人も多いのではないでしょうか。

 

サードプレイスで新たな人間関係を構築することで、普段話せないようなことも気軽に相談できたり、自分の趣味についてとことん話せたりするようになります。

 

私たち人間は他者と関わり合うことで健康的な生活を維持しています。

 

先ほども触れたように限られた人間関係の中で生きている人や、一人暮らしで会話の機会がなかなか持てない人などは、サードプレイスで積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。

 

人間としての視野が広がる可能性

サードプレイスで様々な人々と関わることで、視野が広がり、これまでになかったアイディアが生まれる可能性があります。

 

「〇〇でなければならない」といったように凝り固まった価値観を持っていた人が、新たなコミュニティに属することで、全く新しい活動を始められるのもメリットの一つです。

 

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サードプレイスの具体的な例

 

早速サードプレイスを見つけよう、と思っても、実際にどんな場所が自分に向いているのか分からない人も多いのではないでしょうか。

 

具体的なサードプレイスの例を参考に、好きなときに利用しやすい場所を見つけてみましょう。

 

カフェや図書館などの公共施設

普段から利用している人も多いカフェや図書館などの施設は、入るまでの敷居が低く、気軽に利用できるといったメリットがあります。

 

入るのに料金が必要ないところや、ドリンク代を支払うことでゆっくりと過ごせるところも多く、複数回使用しても費用が掛かりにくい点も魅力的です。

 

お腹を満たす目的で入っても良し、時間を潰す目的でも良し、いずれにしてもリラックスした時間を過ごせるでしょう。

 

コワーキングスペース

コワーキングスペースは、誰でも気軽に仕事ができるように作られたものです。

 

都心部を中心に様々な場所に設けられているため、職場や自宅ではない場所で気持ちを切り替えながら仕事がしたい人や、一人で集中できる場所を探している人にもおすすめです。

 

仕事から完全に切り離されるスペースとはいえないものの、家族や同僚がその場にいないため、集中して取り組めるといったメリットがあります。

 

オンライン上でのサードプレイス

サードプレイスといっても、物理的に移動しなければならないわけではありません。

 

SNSやオンラインゲーム・Discordなど、オンライン上のコミュニティへ属することで、仕事や家族から離れる時間を作っている人も多いでしょう。

 

特にオンラインゲームなどはそれぞれのアバターを作ったりオンライン上のフレンドとコミュニケーションを取ったり、様々な楽しみ方ができるのが魅力的です。

 

オンライン上のサードプレイスは、物理的な場所が必要ないため、移動時間がかからずすぐに利用できるといったメリットがあります。

 

リフレッシュが必要だと分かっていても仕事が忙しく時間に余裕がない人などは、スマートフォンやPCを開くだけでサードプレイスに移動できる方法を試してみてはいかがでしょうか。

 

サードプレイスの見つけ方

 

現代社会に生きる全ての人がサードプレイスを必要としており、一人ひとりに合った場所を探す必要があります。

 

無理やりサードプレイスを利用するのではなく、あくまでも無理なく自然に使えるよう、自分に合ったサードプレイスを見つけましょう。

 

身近な場所を散策してみる

どこが自分にとってベストなサードプレイスになるかは、実際に利用してみなければ分かりません。

 

まずは自分の身近な場所を散策しながら、色々な場所へ足を運んでみましょう。

 

自宅や職場から近い場所をサードプレイスとして選ぶことで、移動時間をかけずに利用できるようになります。

 

趣味の活動に積極的に参加してみる

サードプレイスによって新たなコミュニティができることで、自分の好きなものや趣味についての話題が弾みやすくなり、良い気分転換を目指せます。

 

自分の趣味に関するイベントや活動には積極的に参加し、新たなコミュニティを見つけてみると良いでしょう。

 

実際に趣味の合う人とコミュニケーションを行うオフライン活動はもちろんのこと、趣味に関するネット掲示板やオンラインゲームなど、自宅にいながら手軽に参加できるものも要チェックです。

 

サードプレイスの今後

まだまだ浸透しているとはいえないサードプレイスの考え方ですが、今後はどのような展開を辿るのでしょうか。

 

忙しく慌ただしい毎日を送っている日本人が、今後サードプレイスをきっかけに少しでもストレスのない日々を過ごせることを祈るばかりです。

 

地域社会における役割が強化される可能性

サードプレイスの考え方が広まるにつれ、各地域でその役割が強化されていくことが予想されます。

 

大人にとって心休まる場所が増えるのと同時に、子どもが学校や家庭以外に安心して遊べる場所を増やすことで、小さな身体が抱えるストレスを少しでも解消できるような取り組みが進むことが期待されるでしょう。

 

近年は文部科学省が主導するサードプレイスの取り組みもスタートしており、子どもたちの未来を守る活動として注目を集めています。

 

また、大人にとってのサードプレイスでは、地域が主導してコミュニティを運営することで、老若男女を問わず利用できる場所が増えるといったメリットがあります。

 

同じ世代とだけ関わるのではなく、世代や性別を超えて交流することで、視野が広がり新たなアイディアが生まれやすくなるでしょう。

 

オンラインでのプラットフォームも増加

サードプレイスが重要だとは分かっていても、物理的に場所を移動する時間が取れなかったり、新たな関わりの中でスムーズにコミュニケーションを行うのが難しかったりする場合もあるでしょう。

 

こういった人向けに、今後はオンライン上のプラットフォームが増加し、より利用しやすくなることが期待されています。

 

いずれも高額な費用を必要とせず、SNSのように誰でも気軽に利用できるように設定することで、利用者の環境を左右しないのもポイントです。

 

顔を出さずに文字だけのやり取りならば緊張せずにできる人や、オンラインゲームのように自分をアバターに投影することで居心地の良さを感じる人も少なくありません。

 

オンライン上のサードプレイスは利用する時間帯を選ばないため、生活スタイルを問わず利用できるのもメリットといえるでしょう。

 

ただの「居場所」以上の存在に

現段階でのサードプレイスは、個人が生きやすさを求めるために利用するものです。

 

一方、未来でのサードプレイスは「居場所」としての役割以上に、様々な人々にとっての交流の場として定着するでしょう。

 

民間企業やNPO団体によって運営されるサードプレイスが増えれば、コミュニティの数や種類も増え、自分に合う場所が探しやすくなるはずです。

 

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まとめ

自宅と職場の往復になりやすい現代人にとって、サードプレイスで気分転換を行うことは必要不可欠といえます。

 

仕事や周りの人間関係について考えるのをやめ、自分の好きなことだけを考えられる時間を作ることで、精神的にも身体的にもリラックスできるでしょう。

 

こうしたリラックスやリフレッシュを行うことで、仕事の質も上がり、より効率的な1日を過ごせるようになるはずです。


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