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子どもの自由な発想を生かして正解!【Editor’s Letter vol.05】

 

「朝ご飯できたよー!」

 

「ママー、今日はサンドイッチ作ってランチボックスに入れてー。」

 

「今日は誰がアフターケアだっけ?お稽古事は何時から?」

 

朝のどこか慌ただしい会話の中、静かに三女が2階から降りてきたと思うと、キッチンカウンターに座わり用意されていた朝ご飯を黙々と食べ始めました。なんだか食べずらそうで、動きがぎこちない。

 

よくよく見てみると、靴下を足にだけではなく、手にもはいているではありませんか。私はその滑稽な姿にクスクスと笑いをこらえるのに必死でした。なんでそんなこと思いつくのかなー笑

 

自分のあたりまえを押しつけない

きっと以前の、まだ長女だけを育てていた過去の私だったら、「靴下は足に履くものでしょう。汚いからご飯のときに手にはめて食べないよ。」なんて言っていたのではないでしょうか。

 

こんなに自分を笑わせてくれるユーモアにも気がつかずに・・・。「靴下が汚い」という概念は私が38年間生きてきた中で培った概念。

 

決してそれを子どもの自由な発想の中に植え付けるということはしなくてもいいのです。

 

いつかこの子が汚いと思ったらやめればいいし、誰も他にやっている人がいないから恥ずかしいと思ったらそのタイミングでやめたらいいんだと思います。

 

そして、それが好きな好意だったら少し変わってるけど、飽きるまでずっと続けたらいいだけのことです。

 

そんな小さなことに、いちいち目くじらを立てなくてもいいと気がつけたのは、アメリカにある小さな、そしてとてもリベラルなこの町に移住して、まわりのママ友たちや義理の母が、子供たち一人一人を大人と同じように、尊敬し、尊重した接し方をする、その姿を何度も何度も見せてくれたからです。

 

シュタイナー教育でいつも言うのは「子どもは模倣の生き物」。

 

真似っこが大好きな子どもたちだから、大人や親が、こんな風に食事をしたら素敵だと思う姿やマナーで日々食事をしていたら、いつかはそれが子どもたちの身についているのだよと教えてくれました。

 

だから、言葉であーでもない、こーでもないと小言を言うな、というわけです。

 

でも、それがなかなか難しいのです。

 

何度も言いすぎては、「ママ、言いすぎちゃった。本当はこういうふうにもっと短く丁寧に言えばよかったね。次はそうするね。またチャレンジしてみる。」これの繰り返し。

 

 

そっと見守るだけで良い

それでも母親になって11年目。不安や疑問はたくさんあっても、自分の信じる子育ての道を試行錯誤、右曲折しながらも進んできて、やっと自分のスタイルの育児が見えてきたなーと思うのでした。

 

完璧じゃないかもしれないし、日本の周りの人たちから見たら常識外れなのかもしれない。

 

でも、誰よりも、娘たちと真正面から向き合っているという自負と、何があっても最後まで子供たちの気持ちと行動を受け止めるという母としての覚悟があるから今の自分の子育てに揺るがない自信があるのだと感じます。

 

子供は子供らしくいさせてあげたらいい。育て急がなくていい。大きくなるのはゆっくりとそれぞれのペースでいい。

 

だから親って漢字は「立ってる木の影から見る」と書くのです。

 

育児は、そっと黙って見守ってあげたら良いのであって、その子の人生の主人公である子供本人に取って変わって、自分の価値観を声だかに、また常識という名の社会の価値観を代弁してまでコントロールをしなくても良いのです。

 

どんなに守ろうとしても子供たちは社会の波に揉まれて自分を形成していくのだから、先を見越して、こうならないように、ああならないように、と親の不安感で子供を縛り付けなくてもいいし、もっともっと自由に育ったら素晴らしと思っています。

 

それに、心配事の9割は起こらないというではありませんか。

 

起こるか起こらないかわからない、自分の頭の中の想像力、予想力で作られた心配事でがんじがらめにされながら生きても、自分も子どもも幸せにならないな、とつくづく最近思うのです。

 

ハッピーになれる場所で休憩しよう

本当に子供のためを思っての言葉がけなのか、それとも自分の不安感や恐怖感、トラウマからきているものなのか?それも常に見極めることが大切です。

 

私は、小言をぐちぐち子供たちに言い出してしまったら「ママ、イライラしてきてしまったみたいだから、少し黙るね。」と言って子供たちから距離をおく。

 

子供たちも、「あ、オッケー」と言って私をそっとしておいてくれる。

 

また、姉妹喧嘩がはじまった時も、「優しい言葉が出てこないみたいだから、それぞれのハッピーになれる場所へ行って、ハッピーになったら戻ってこよう」という。

 

そうすると、喧嘩も4割はエスカレートせずに済みます。

 

自分が行動で示して、子どもたちにもリマインドをする。これの繰り返し。

 

私の家の合言葉は”Happy Kids Do Better”(幸せな子どもたちはより良く行動します)です。

 

自分自身に置き換えてみても、上司などに叱られてしょぼんとしている時より、「君を信じていくからね。できる限りを尽くしてみてほしい。」と言われた方がやってみようという気持ちが湧いてきませんか?

 

 

子育ての答えは自分の中

子どもたちの気持ちやモチベーションも同じだと思うのです。

 

周りの人と比べて劣るところを指摘されてばかりより、以前の自分と比べて成長したり変化したりした部分に気がついてもらえた方が、さらに工夫してみよう、もう少し努力してみようと自然に思うものです。

 

最近なんだか小言が多いな、ついつい頭ごなしに叱ってしまうな。

 

そう思うようになったら、一度立ち止まって、バイブルのように読み込んでいる育児本を再度覗き込んだり、通っているシュタイナーの学校の先生に相談してみたり、自分の日記を読み返してどうやって乗り越えたっけ?と思い出してみたりして、気持ちを切り替えてまた子どもたちと向き合うようにしています。

 

子育てには終わりも答えもないから本当に面白い。

 

結局必ずと言っていいほど、答えはすでに自分の中にあるんですけどね。

 

「子育ては自分育て」というけれど、本当にその通りだなと思います。

 

真摯に向き合えば向き合うほど、自分が育つな、と感じます。

 

精一杯の愛をくれる子どもたちに同じくらい精一杯の愛で応えたいから、今日も一日、工夫工夫をこらしながら、言葉を大切に選びながら、失敗してキレたりもしながら、過ごしたいと思います。

 

執筆者紹介

永野 舞麻(ながの まあさ)

 

 

 

 

Humming編集長、一般社団法人ハミングバード代表理事。カリフォルニア在住。高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。


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