留学時代に出合ったオーガニック香水

もともと嗅覚が鋭く敏感なYOKOさんは、香りのアイテムが好きでこだわりもたっぷり。

｢大学卒業後にイギリスへ留学したときはオーガニックコスメに夢中で。旅行先のクラフトマーケットで出合った完全オーガニックのパフュームを今でも愛用中です。シナモン、グローブなどスパイスも効いたウッディな香りが私好みで、体にすっと馴染むんですよ」

Tracy Rebaccaというショップで見つけた、フランス南部ニースの調香師が手がけるSharini Parfums Naturelsの“Ambre Essential”は、すべて天然香料であるうえ、その植物がオーガニックであることも保証しているそう。

一瞬でビビッときて購入したというこの香り、料理の仕事を始めてからは普段はつけていないものの、お出かけなど特別なときにまとっているそう。「普段はスパイスと油まみれなので（笑）、とても新鮮で特別な気分になります」と語ってくれました。オーガニックにこだわった豊かな香りは、料理をクリエイトしていくときのインスパイアにもなりそうです。

味の要となるスパイス､スーマックとさんぺだる塩

YOKOさんの料理に欠かせないスパイス、それは“スーマック”。

｢中東のスパイスなので日本ではあまり馴染みがないですが、素材や他のスパイスを引き立ててくれるので、カレーやサラダに入れたり、サンペダルといえば、の味の決め手ですね」

そんなスーマックもミックスし、新たにオリジナルで作った調味料が「さんぺだる塩」。旅を通して出合ってきた17種類の農薬不使用のハーブ、スパイスを自家挽きし、フレッシュで香り高くブレンド。 “パフュームをまとうように”をコンセプトにトップノート（素材を楽しむ）、ミドルノート（火を入れてポテンシャルを引き出す）、ラストノート（最後の仕上げに、余韻に浸る）を提案しているのもYOKOさんらしいセンスが光ります。

｢ヴィーガンで作ってますが、料理のジャンルにかかわらずいろいろな使い方をしてもらいたい」とのこと。いつもキッチンにある名脇役、そしてキャンプや旅先などで新しい食の世界が広がっていく、そんな願いが込められています。

淡路島の窯元で作られた土鍋に一目ぼれ

インスタグラムを通じて知り、その色合いとフォルム、作り手の魂を感じる佇まいに魅了され購入したという兵庫県淡路島にある窯元、樂久登窯の土鍋。ひょんなことから、この土鍋を手掛けた陶芸作家 西村昌晃さんとやり取りをするようになり、彼のものづくりへの真摯な姿勢に共感して、意気投合。

｢食と同じように地産地消を心掛け、器に使う材料、土や釉薬も全部淡路島産にこだわって作られているんですよね。養蜂やお米作り、カフェなど淡路島を拠点に本当に豊かな生活を送られているのも魅力的なんです」

普段、食べ過ぎると体が重くなるためお米をあまり食べていなかったYOKOさんですが「この土鍋を買ってから、お米がよりおいしく炊けるので、特別なご褒美のような感覚で、食事に取り入れるようになりました」。土の力強さ、手の温もりを感じる土鍋は、背景のストーリーとともに使うごとに愛着がわいてきます。サンペダルの料理は、素材のみならず道具までYOKOさんの世界観が体現されているようです。

Profile
YOKO（ようこ）
宮城県石巻市出身。健康志向の母、輸入漁業関係で働く父のもとで育ち、大学卒業後にイギリスに留学。ゆるベジな食生活と、ホームステイ先のイランとスペインのハーフの同居人の影響でスパイスやハーブが身近に。帰国後はチーズ専門店を経てヴィーガンレストランに勤務。ヴィーガンの美味しさに目覚め、自身も卵や乳製品も口にしないヴィーガンに。2018年より「SUNPEDAL」を立ち上げ、独立。ヴィーガンフードのケータリングを主軸に、ポップアップイベントやオンラインではアイコニックなスイーツ「エナジーボール」を販売する。2022年2月にはオリジナルの調味料「さんぺだる塩」をローンチ（伊勢丹新宿店本館２階＝アーバンクローゼットにて限定販売、三越伊勢丹オンラインストアにて近日販売予定）。
https://www.sun-pedal.com/
Instagram @sunpedal