ジャーナリングのやり方は?日記との違いや効果について
日々さまざまなことを頭の中で考えていると、結論がなかなか出なかったり、考えすぎてイライラしてしまったりすることもあるでしょう。
誰かと会話するのとは違って、自分の中でだけ考えを巡らせるのは、良い点もあれば悪い点もあるものです。
そんなとき、頭の中を整理するために必要なのが「ジャーナリング」です。
定期的にジャーナリングを行うことで、自分が今何を考えているのか、何をしたいと思っているのかを正しく理解できるでしょう。
今回はジャーナリングがもたらす効果や日記との違い、詳しいやり方についてご紹介します。
Contents
ジャーナリングの効果とは
ジャーナリングは、頭の中に浮かんだことを深く考えず、そのまま紙に記していく方法です。
口を閉じて頭の中で考えを巡らせるよりも、自然と浮かんだ気持ちが現れやすいのが特徴です。
ジャーナリングをすると、想像しなかった本当の気持ちに気が付いたり、大したことではないと思っていたら実は重要なことだと分かったりします。
そのため、誰もが一度はチャレンジすべき方法ともいえます。
そんなジャーナリングですが、実は自分の気持ちを深く見つめなおすことで、さまざまな効果を発揮してくれます。
それぞれの効果について詳しくチェックし、日々のルーティンに組み込むことをおすすめします。
ストレスの軽減
理由はないのに落ち込んでしまったり、無性にイライラしたりといった心の不安定さを引き起こすストレス。
軽微なものであれば問題ありませんが、小さなストレスが積み重なったり、急に大きな負担がかかったりするとさまざまな弊害を生んでしまいます。
心の不安定さだけでなく、身体的なトラブルが起こることも珍しくありません。
肌が荒れたり髪が抜けやすくなったり、時には重大な病気を発症する可能性もあります。
ジャーナリングを定期的に行うと、自分の深層心理と向き合うことになり、ストレスの原因や解決策を見出しやすくなります。
ストレスについて深く悩んでしまうのではなく、普段考えが及ばない思考の深いところまで探ることで、よりスムーズにストレスを解決できるでしょう。
また、私たちがストレスを感じているとき、脳は不安やネガティブな思考でいっぱいの状態です。
無理やり楽しいことを考えようと思ってもうまくいかないのは、脳に考える隙間が無いのが理由です。
つまり、ジャーナリングでこの隙間を作ってあげることで、ポジティブな思考が自然と生まれやすくなるでしょう。
免疫機能の向上
辛い出来事を自分の中で抱えたまま過ごしていると、ストレスにより体にさまざまな弊害が生まれやすくなります。
これをジャーナリングでうまく発散してあげることで、不安や焦燥感を抱きにくくなるでしょう。
不安や焦りといった感情が長く心を支配していると、自律神経に大きな影響を及ぼします。
自律神経は私たちの意識と関係のないところで、常に体を動かしてくれている神経のこと。
呼吸や心臓の拍動などさまざまな役割を担っているため、バランスが乱れるだけでも体調の悪化につながってしまいます。
自律神経のはたらきが乱れることで、免疫力が低下するのも注意しなければならないポイントの一つ。
単なる風邪にかかりやすくなったり、一度感染した病気が治りにくくなったりするため、単なる風邪だと軽視できなくなるでしょう。
ジャーナリングでストレスを発散することで、免疫力の低下を防ぎ、健康な体を保つことにも繋がるのです。
抑うつ症状の軽減
上手く外に吐き出せない不安や焦りを抱えた状態が続くと、落ち込んだ状態から浮上しにくくなり、抑うつ状態へと進行してしまいます。
このまま対処をしなければ本格的なうつ病になる可能性も高いため、単なる落ち込みだと思わず、体からのSOSをしっかりと受け止める必要があります。
抑うつ状態はあくまでも「一時的な気分の落ち込み」であり、ここで落ち込んでいる原因と向き合うことで気分の切り替えが可能です。
原因を一つずつ頭の中で考えるのではなく、自分が奥底で何を考えているのかを確かめるためにもジャーナリングを試してみましょう。
自己認識の向上
「自己認識」とは、自分の気持ちや状態をしっかりと把握できている状態を指します。
自分が今何を考えているのか、どんな気持ちでいるのかを第三者目線で理解できれば、不安やイライラなどさまざまな感情をコントロールできるでしょう。
ジャーナリングで思い浮かんだ感情を書き留め、書いた文章を改めて確認することで、これまでに気が付かなかった感情が目で見て分かるようになります。
自分が今ポジティブなのかネガティブなのかを知るだけでも、行動に大きな違いが生まれるでしょう。
「今日はもっと頑張れそうだから」と仕事に取り組んでみる。「今日はしっかり休んだ方が良いだろう」と早めに布団に入る。
といったように、その日の気持ちに合わせた行動がとれるはずです。
記憶力の向上
ジャーナリングで普段の感情を書き出すと、脳に隙間ができ、より重要なことを考えるだけの余裕が生まれます。
ポジティブな感情とネガティブな感情では、圧倒的にネガティブな方が頭を占める割合が多いもの。
これらをうまく発散し、脳に空きを作ることで、さまざまな思考ができるようになるでしょう。
脳に余裕ができれば、記憶力の向上にも繋がります。
試験の前などはもちろん、普段から人の名前を覚えにくい方や、忘れものが多い方にもジャーナリングが向いているといえるでしょう。
小さな感謝への気づき
不安や焦りなどネガティブな感情で頭がいっぱいになっていると、その他のことに目が向きにくくなり、視野が狭まってしまいます。
周りから向けられた気持ちにも気が付きにくくなり、知らないところでトラブルを生んでしまうこともあるでしょう。
ジャーナリングによって頭の中がクリアになると、周りからの気持ちに素直に応えられるようになります。
日常に潜んでいる小さな「ありがとう」にも気が付きやすくなり、毎日を少し優しい気持ちで過ごせるでしょう。
反対に自分も周りに優しくできるようになり、不要なトラブルを防ぐことにも繋がります。
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ジャーナリングと日記の違いは?
「自分の気持ちを書き出す」という点において、ジャーナリングも日記も同じように見えます。
日記であれば、既に毎日書いている方も多いのではないでしょうか。
ジャーナリングと日記の違いを明確にしておくことで、それぞれを使い分け、より効率的に気持ちの整理ができるようになるでしょう。
ジャーナリング
ジャーナリングは、ノートを目の前にして思い浮かんだすべての気持ちをつらつらと書いていくものです。
「これは書かない方が良いかな」などと深く考える必要はなく、ただ思ったことを全て書いていきましょう。
これにより気持ちを整理したり、奥深くに隠れていた自分の気持ちに気づけたりといった効果が望めます。
真面目な人であれば、ジャーナリングを行うときに「日記にならないように」「気持ちを整理するために」と効果を求めるため一生懸命になってしまうでしょう。
丁寧に書きたい日記とは異なり、肩の力を抜いてチャレンジするのがおすすめです。
日記
日記とは、1日の中で起きた出来事や行動をまとめておくものです。
そのときに感じた気持ちを書くのも良いですが、メインとなるのは「何があったか」であり、気持ちに重点を置いていないのが特徴といえるでしょう。
特別な出来事があった日だけ日記をつけ、普段通りの日には何も書かないという方も少なくありません。
日記を書くときは、ジャーナリングとは異なり、内容を選びながら読み返したくなる文章を書くのがおすすめです。
寝る前にあたたかいものを飲みながら書くなど、1日の終わりのルーティンとして続けてみるのもおすすめです。
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ジャーナリングのやり方
続いて、ジャーナリングのやり方を詳しくご紹介します。準備段階からこだわることで書くのが楽しくなり、より長く続けられるでしょう。
用具を準備する
基本的に、ジャーナリングは紙とペンさえあればどこでも始められます。
チラシの裏に書くのも良いですが、気に入ったデザインのノートや筆記具を選ぶことで、より楽しくチャレンジできます。
この後ご紹介するおすすめアイテムの見出しでは、ジャーナリングにピッタリの素敵な日記帳をピックアップしています。
お気に入りのアイテムを見つけるためにも、参考にしてみてはいかがでしょうか。
リラックスする
ジャーナリングを行う場合、できるだけリラックスした気持ちで行うことが大切です。
あたたかい飲み物を用意したり、入浴後に行ったりと、落ち着いて書けるタイミングを選びましょう。
できるだけ自分の気持ちに集中できるよう、1人になれる場所を選んだり、テレビを消したりといった工夫をするのもおすすめです。
テーマを決める
思ったことは何でも書いて良いのがジャーナリングですが、だからといって書くことが思いつかない場合も多いでしょう。
そんなときはテーマを決め、お題に沿って気持ちを整理していくのもおすすめです。
例えば、今日の1日を振り返り、良い行いや悪かったことについて考えてみるのも良いでしょう。
今自分を取り巻く環境について考え、仕事が自分に向いているのか、今後どう成長していきたいのかを考えるのもおすすめです。
不安や焦りの原因を探るために、思い切って最近あった嫌なことについて深堀りしてみるのも効果的です。
書き始める
実際にノートへ書き始めると、次から次へと書きたいことが出てきてしまい、いつまで書けば良いか分からなくなることもあるでしょう。
あらかじめ何分間で書くのかを決めておき、その中で気持ちの整理を行うことが大切です。
実際に書き始めた後は、途中でペンを置くことなく、キリの良いところまで書いてしまわなければなりません。
途中で食事をとったり入浴したりするのではなく、集中して気持ちと向き合う時間を作るのが良いでしょう。
内容を振り返る
納得のいくところまで文章が書けたら、一度全て読み返す時間をとります。
無意識のうちに書いていた文章までしっかりと確認することで、自分の気持ちを可視化し、冷静に分析できるでしょう。
これまでに気が付かなかった点があれば、その部分を抜き出して整理しておくのもおすすめです。
また、ジャーナリングで書いた内容はその日だけでなく、1週間後、1ヶ月後など定期的に確認すると良いでしょう。
その日からどう気持ちや状況が変わったのか、今後どう変えていきたいのかをイメージしながら、今の気持ちと照らし合わせてみるのが効果的です。
習慣化する
ジャーナリングは一度書いて終わりではなく、定期的に取り組むことで頭の中を整理できます。
毎日必ず取り組む必要はありませんが、休日に取り組んでみたり、1ヶ月を振り返ってみたりと、チャレンジするスパンを決めておくと良いでしょう。
ジャーナリングは「やらなければならない」ものではないため、スケジュールに組み込んできっちりと行う必要はありません。
ストレスが溜まってきたり、楽しいことを考えられなくなったりしたときの対処法として、頭の隅に置いておくと良いでしょう。
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ジャーナリングの気分を上げてくれるおすすめの日記帳4選
最後に、ジャーナリングにチャレンジするときにおすすめの素敵な日記帳を4種類ご紹介します。
ラコニック(Laconic) スタイルノート マンダラチャート A5
一般的な罫線のノートではなく、自分の気持ちと向き合うための特殊なチャートがついた日記帳です。
さまざまな視点から目標達成を目指す「9×9」
関係性を整理するのに役立つ「座標軸」
考えの広がりを意識できる「同心円チャート」
イラストを交えてイメージを整理できる「4コマ・メモ」
この4種類が特徴です。それぞれ自分に合った使い方ができるため、楽しみながらメモをとれるのが魅力的です。
いろは出版(Iroha Publishing)BREATH DIARY【BLUE】
シンプルで使いやすいデザインで、持ち歩くのにもピッタリな日記帳です。
ドットが印刷されたタイプのため、好きな大きさで文字を書けるのはもちろん、イラストを描きたいときにも活躍してくれるでしょう。
最後のページには日記のネタが記載されており、書くことに迷ったときのヒントとしても使えます。
手のひらに乗る程度の小さなサイズ感で、文字をたくさん書くのが難しい人にもおすすめです。
ミドリ(MIDORI)日記 きまぐれA
「きまぐれ日記」という名のこちらは、書きたいときに書きたい分だけ使える便利な日記帳です。
日付が印刷されていないため、取り組むと決めた日にだけ向き合えるのが魅力的。
1日分しっかり埋めるのも良し、2日・3日分を使ってたっぷりと書くのも良し、その日の気分に合わせて使えます。
ミドリ 日記 3分 黄色
気分がパッと明るくなるようなイエローカラーの日記帳です。
1日分は3行と少なく、たくさん書くのが負担に感じる方も取り組みやすいでしょう。
もちろん数日分を一気に使い、書きたいことを十分にアウトプットするのもおすすめです。
しっかりとした作りの表紙・裏表紙がついており、特別感も満載。自分だけが見る大切なノートとして保管しておくと良いでしょう。
【まとめ】ジャーナリングの習慣で人生を豊かに
耳慣れない言葉であることも多い「ジャーナリング」ですが、実際に取り組んでみると難しくはありません。
ジャーナリングは、自分の深いところにある気持ちと向き合える画期的な方法です。
カウンセリングを受けたり、医療機関を受診したりすることなく試せるため、不安を取り除く第一歩としてチャレンジしてみると良いでしょう。
今回ご紹介した方法やおすすめの日記帳などを参考に、自分の生活に合ったジャーナリングを試してみてはいかがでしょうか。