鉄美人
私たち人間にとって、鉄とは必要不可欠な存在です。なぜなら心と身体とお肌の美しさの根源は、実は鉄にあるからです。
地球が誕生した46億年前。当時、海の色は赤く、鉄やミネラルが豊富だったといわれています。強い酸性の環境では、生物は存在できなかったため、生命が発生するには何度も進化が必要でした。そして約42億年前に人類が誕生したと考えられています。
地下では物質を還元し、地上では酸化を繰り返して分子を作り出し、このプロセスによって炭素、窒素、水素、酸素などの元素が生まれたといわれています。そして、これらの元素は月の間質サイクルを経て形成されました。
私たちの身体の仕組みを考えるとこの分子はとても大切です。というのも、分子は全ての食材に含まれており、この分子の濃度が細胞の機能を左右するからです。私たちの身体は60%の水分とタンパク質、脂肪、微量元素でなりたっています。そして、その中でも最近注目を集めているのが鉄なのです。
この鉄は、私たちの身体の中でどんなお仕事をしてくれているのでしょう。
酸素が不足すると、私たちは集中力がなくなり、息切れ、動悸、肩凝り、冷え、脱毛、目の下のクマ、浮腫みなどの症状が出ます。女性の多くが鉄不足といわれるように、月経で毎月鉄を失い、また出産や過度な運動でも鉄が消費されます。健康だと自負している方でも、こういった悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?
私自身も、40代で子宮筋腫からひどい貧血になりました。筋腫ができた場所が悪く、2センチの筋腫でしたが毎月オムツをするほどの出血量でした。ただ人間の精神力は偉大でエステの仕事も家事も全て普通にこなし、階段や坂が辛い程度でした。病院で血液検査をするとヘモグロビン5.5フェリチン10というひどい数値で、医者にびっくりされるほどでした。しかし、鉄の注射を打ってもらうと身体が温かくなり元気になる感覚が戻ってきたのです。
この鉄の注射の威力に興味を持ち、自分で調べてみたところ、この鉄の注射が実は、身体を老化させるものだったと知り、これがきっかけで「分子栄養学(オーソモレキュラー)」の勉強を始めました。
それまでは、鉄が不足していると貧血が起こると考えられていましたが、この分子栄養学では少し考えが違ったのです。分子栄養学は、体内に必要な分子を正しい濃度で維持するために、適切な量の栄養素を摂取することで、健康を維持し、病気を改善することができるととらえています。
貧血予防には鉄だけを補えばよいわけではなく、タンパク質を摂取する必要があります。そしてこのタンパク質を吸収するためにビタミンBが必要になります。このビタミンBは、赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類や、バナナやパプリカ、さつまいも、玄米などにも比較的たくさん含まれています。
さらに美容上では、老化を防ぐビタミンCもプラスすることで、血色が良く透明感もありふっくらと張りのあるお肌が期待できます。
幼児虐待などかわいい我が子への虐待やネグレクトも、鉄不足でやる気がなくなり精神的にうつになっていることが原因であるということも学びました。
このように、精神の安定にまで関わってくる鉄分ですが、この鉄のメインのお仕事は、吸収されたあと、ヘモグロビンとなって酸素をはこんだり、筋肉中に酸素を蓄えることです。
元気で心も身体も活動し続けるには、大切にしなくてはならない存在だということですね。
ぜひ検査をされるときには、脾臓や肝臓、骨髄などに使われてある貯蔵鉄まで調べて、しっかりと鉄のある身体で血液を促し、美しく輝いてください。
プロフィール:寒川友恵
表参道にてリラクゼーションエステティックサロン『プルミエエワール』主宰。
『健康=美』をコンセプトに分子整合栄養学を取り入れた健康管理、体の内側から溢れる美しさを引き出す美容家。
2022年に医療福祉・高齢者にQOLの向上、IADL・ADLの低下予防と向上。
2025年、超高齢化社会に向けてお一人お一人がその方らしく『健康で美しく老う』をコンセプトに介護美容療法協会、キュアエステセラピー&キュアエステセラピスト設立、活動中。
健康は美をコンセプトに美容情報を配信しています。
Cure Beauty 寒川友恵