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暮らしのセンスを重ね合って生まれるスタイル【二人の部屋だからできること】

一人暮らしの自由さもいいけれど、パートナーと一緒につくるライフスタイルにはまた別の広がりがあります。二人暮らしを楽しむカップルの部屋から、“二人だから”生まれたインテリアのセレクト、バランス、ハーモニーを披露していただきました。


“作り手の思い”や“誕生のヒストリー”ごと、大切に授かる

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食のクリエイティブユニット「TETOTETO」の共同代表を務める井上さんご夫婦。そもそも付き合い始めてまもなく、のちに夫となる豪希さんの手料理をいただき「これはただことではない!」と驚いた桃子さんが、自身も美大卒という感性を活かし、結婚後二人で事業を始めました。そんな二人が暮らしで大切にしているものを拝見。

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沖縄の作家の泡盛のための酒器

沖縄在住の陶芸アーティスト、山上學さんの手掛けた、泡盛を飲むための酒器。沖縄で友人が営むYanbaru Hostelを訪れた際、近くのセレクトショップで偶然見かけた酒器に二人で魅了されたもの。

「海岸に打ち上げられた珊瑚や貝殻を押し印して珊瑚礁模様を作っているというんです。こんなものを生み出せるのは彼しかいません。独創的で美しいクリエイションを発信している人には本当に敬意を感じます」

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存在するだけで雰囲気が生まれる、ハンドパン

貝のような円盤のような不思議な形をしたこちらは、「ハンドパン」「ハングドラム」などと呼ばれる打楽器の一種。2000年ごろに誕生した新しい楽器なのだそう。製造に手間がかかるため、入手も困難でなかなか高額というこの品、念願かなって手に入れたのだとか。

「存在感も個性的で美しいし、当てずっぽうに叩いてもなんだか良い雰囲気が生まれるんです。ホームパーティーなどのときに膝に抱えてゆるゆると叩いていると、心地よいリラックス感が生まれます」

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一人暮らし時代に、それぞれの家で使っていたアラジンストーブ

イギリスの「アラジン」社のブルーフレームヒーター。クラシックなフォルムと青い炎が美しいこの石油ストーブ、90年もの間、わずかな改良のみで大きなモデルチェンジをせずに愛され続けていますが、二人が愛用しているのはその原型とされる1号機モデル。

「日本では輸入自動車販売のヤナセがVIP顧客向けに輸入販売を行い始めたものだったそうです。最初に彼が使っていたものを気に入っていたら、私にも同じものを見つけてきてくれました」

グリーンが豪希さんの家に、オフホワイトが桃子さんの家にあったもので、現在も2機とも現役で活躍中。レザーの脚カバーはなんと豪希さんの手製だそう!

 

形の美しさや今の利便性だけでなく、作り手がどんな思いで生み出し、それが誰の手を介してどんなふうに受け継がれてきたのか・・・この家にたどり着くまでの道のりをきちんと受け取って、それを守りながらさらに育む。そんな愛情深いものとの接し方が印象的な“二人ならでは”のスタイルがとても素敵でした。


Profile
井上豪希&桃子(いのうえごうき、ももこ)
クリエイティブプロダクション「TETOTETO」共同代表取締役社長。クリエイティブディレクターの豪希さん、ライフスタイルデザイナーの桃子さんが食関連分野のブランディング支援、商品開発、レシピ提供など幅広く活動。
https://tetoteto.co/
Instagram @tetoteto0101


TEXT = 吉野ユリ子
PHOTO = 山下みどり

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