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世界初のエコバッグ!?
日常を彩る「ふろしき」入門

2020年7月にレジ袋が有料化され、エコバッグの持参が当たり前になった今、“ふろしき”が再注目されています。長い歴史を持つふろしきは、世界に誇れる日本文化のひとつ。モノを包んで運ぶ用途以外にも、私たちの知らない魅力がたくさんあります!

今回は、風呂敷専門店 「むす美」の広報を務める山田悦子さんにふろしきのいろはを教えていただきました。


一枚の布が秘める無限の可能性

風呂敷

日本には“包む”文化が受け継がれてきました。「包」という文字は、母親のお腹の中で胎児が育まれる姿を表す象形文字が元になったと考えられており、大切なものを守るという意味があるそう。相手を思って贈り物を選び、相手を敬う心を込めて包む―—ふろしきは日本の暮らしに根付く風習や文化を体現するものなのです。

「風呂敷」の語源はその名のとおり、“風呂”で“敷く”ために使われる布が由来とされています。将軍の大湯殿(おおゆどの)に招待された大名たちは風呂敷の上で着替えをしたり、脱いだ着物を包んだりしていたようです。江戸時代には庶民の間で定着し、湯道具を包んで持ち歩ぶほか、旅や行商でも広く使われ暮らしの必需品として重宝され、今日のふろしきに至ります。

昨今は、レジ袋の有料化がきっかけで再評価されているふろしき。かさばらず、丈夫で破れにくく、物の大きさや形に即して自在に姿を変えられるためエコバッグ代わりに大活躍します。

さらに、洗って繰り返し使うことができるのは経済的かつ衛生的ですよね。

 

使いやすいのはどれ?ふろしきのサイズを知ろう

風呂敷サイズ

 

ふろしきには基本サイズが約10種類あります。今回はそのなかでも日常使いしやすい3種類をご紹介。サイズを知ることで、包むものの大きさや用途によって使い分けが簡単になります。

①小サイズ
中巾(約45cm)・・・絹なら冠婚葬祭の袱紗使いにも使え、綿素材ならギフトボックスやお弁当箱を包む際にも最適な大きさ。

②中サイズ
二巾(約68cm)・・・菓子折りやワインボトルなどを包む際に最適な大きさ。サブバッグにもなるため、初心者の方におすすめ。

③大サイズ
三巾(約104cm)・・・エコバッグとしても便利な大きさ。インテリアクロスとしてクッションを包んだり、タペストリーなどにも使えます。

近年では従来の規格になかったサイズも加わり、小サイズでは約48〜50cm、中サイズでは70cm、大サイズでは約100cmのふろしきも売られています。

 

【実践編】ランチタイムが楽しみになる!簡単お弁当包み

お弁当結び

中巾のふろしきを使い、初心者でも簡単に包めるお弁当包みをご紹介します。心踊るとっておきの一枚でお弁当箱を包めば、毎日のランチタイムが待ち遠しくなるはず! 小ぶりのギフトボックスなどにも応用できるので、一度覚えておくと便利です。

詳しい結び方はこちら

 

【実践編】メインでもサブでも役立つ、しずくバッグ

しずくバッグ

二巾から三巾のふろしきは、さまざまなバッグが作れます。まずは使い勝手の良いしずくバッグを作ってみましょう。バッグの状態のままでもかさばらないので、エコバッグとしてメインバッグに忍ばせておくのもおすすめです。

詳しい結び方はこちら

 

むす美サステナブルプロジェクトとは?

ふろしきポケット

むす美では、商品の製造工程で出る端材や、さまざまな理由から販売することが出来なくなったふろしきの有効利用に取り組むプロジェクト「むす美サステナブルプロジェクト」を進めています。

たとえば、使用するには問題がないけれど、端材や厳しい審査基準をクリアできなかった不合格品を「ふろしきポケット」として作り替え、新たな命を吹き込む取り組みがあります。

こうした廃物や不要品を活かすアップサイクルの試みは、ゴミの量を減らし、循環型のものづくりを可能にします。


古くから使い継がれてきたふろしき。一度触れてみると、見た目の美しさだけでなく、その万能さに感動するはず。届けものをするときや荷物が増えたときなど、日常生活のなかに「包む」「結ぶ」習慣が根付くだけで、自然と他人を思いやり丁寧に暮らすこと、そして美しい所作が身についていきます。

あなたも毎日を彩る、ふろしきのある生活を始めてみませんか?


むす美
https://www.musubi-online.com/


SUPERVISION = 山田悦子(むす美)
PHOTO = 石澤義人
TEXT = Humming編集部

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