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スイーツで笑顔になれる!ALLヴィーガンの隠れ家カフェ【渡辺知夏子のエシカルスポットNavi. vol.01】

普段の何気ない暮らしのなかで、サステナブルなアクションが出来たら素敵だと思いませんか? エシカルなライフスタイルを提案しているレストランやショップを、自身もウェルビーイングな生活を心掛けているというモデル 渡辺知夏子さんがナビゲート。第1回目は、ヴィーガンレストランをご紹介します。

ヴィーガンとは?ベジタリアンとの違いって?

ヴィーガン

「ヴィーガン」とは、肉や魚、卵や乳製品など動物性食材を一切口にしない、完全菜食主義者のこと。一般的なベジタリアンが肉や魚を食べないのに加え、ヴィーガンは卵、乳製品、はちみつといった食材も口にしません。

ベジタリアンにはいくつかタイプがあり、一般の人よりも肉を食べる量を少なくしている人のことを「セミ・ベジタリアン」、乳製品と菜食は「ラクト・ベジタリアン」、卵と菜食は「オボ・ベジタリアン」、肉以外は食べる場合は「ペスコ・ベジタリアン」と呼び、これらを総称したものがベジタリアン(=菜食主義者)です。

ヴィーガン

海外では信条があって取り組む人はもちろん、美容や健康、環境などへの配慮から、ヴィーガンを食生活やファッション、ライフスタイルに取り入れている人が多くいます。日本ではまだあまり馴染みのないヴィーガンですが、最近では動物性の原料を一切使わないヴィーガンコスメという言葉が生まれたり、少しずつ浸透しつつあります。

このように食だけに限定するのではなく、身の回りのものからできるだけ動物由来のものを避けることで動物の命を尊重する人のことを「エシカル・ヴィーガン」といいます。

さらに、ポール・マッカートニー氏が地球環境保護などを目的として「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」提唱するなど、欧米では「週に一日だけ菜食を実践する」ことで、地球温暖化防止やかけがえのない資源を守り、多くの動物の命を助け、より健康な身体を手に入れよう、というキャンペーン活動も行われていたりします。

毎日はちょっと難しいかも・・・という人は、例えば週末だけ動物性食品を控えるなど、いわゆる「ゆるベジタリアン」をライフスタイルに取り入れてみてはいかがでしょうか?


PARLOR 8ablish 表参道

8abilish

「UNIVERSAL PLEASURE FOR EVERYONE」がコンセプトの「PARLOR 8ablish(パーラー エイタブリッシュ)」。国境も宗教も、個々が抱えるさまざまな背景も超え、多くの人々がスイーツで笑顔になれるよう、未来への一歩を踏み出していきたい、という理念を掲げている、東京のヴィーガンレストランの草分け的な存在です。

まだ“ヴィーガン”という言葉がほとんど知られていなかった2000年に東京南青山で創業。オーナーの川村さんいわく、共同経営パートナーがヴィーガンで食に制限があったこと、たまたま知人からカフェの企画を相談されたことがきっかけとなり、ヴィーガンカフェ「Cafe Eight」をスタートしたのだそう。その後、カフェからレストラン、そしてパーラーへと、その時々の世界情勢や環境の変化に柔軟に対応しながら、進化し続けてきました。

「オープン当初は、ヴィーガンというスタイルへの理解がないこと、またビルの3Fというロケーションもあり、ほとんどお客様がいらっしゃいませんでした」と当時の苦労を振り返る川村さん。

8abilish

そんななかで「アレルギーなどの体質や宗教上の理由で食事の制限がある人でも、楽しんで食べてもらいたい」と、さまざまな工夫を重ねてきたのだそう。

「エイタブリッシュのスイーツはすべてヴィーガン。また、ヴィーガンである以上に、使用する食材の安全性に気をつけています。卵、バター、ミルクなどの動物性食材、精製された白砂糖、添加物は一切使用していません。約8割のお菓子は小麦や大麦などを使用しないグルテンフリー、そしてできるだけ農薬や化学肥料を使わず栽培された野菜や季節のフルーツ、米穀物を選ぶなど、できる限りオーガニックな素材を使っています」と、徹底したこだわりぶり。

また、生産者やオーガニック食材を扱うメーカーと連携し、トレーサビリティ(商品の生産から消費までの過程を追跡できること)が明確なものを幅広く採用しているのだとか。安全な食材を使ったこだわりのレシピは、多くの菜食・美食家たちから支持を集めています。

8abilish

バックケープニット¥18,700、フレアーパンツ¥29,700/ともにWRINN


オーガニックやヴィーガンのお店が好きで、以前からよく利用しているという知夏子さん。

「私は子供の頃からアトピー体質で肌が弱く、母親がとても食べ物に気をつけて育ててくれました。そんな背景もあって20代の頃からインナーケアに興味を持っていて、食事や栄養のバランスなどを自分なりに勉強し続けています。30代半ばに差し掛かった現在は、肌や体の変化を顕著に感じていて、日々の食生活の大切さを改めて感じるようになりました。

たとえば、時間があるときはなるべく自炊に。栄養バランスを考えながら季節やそのときの体調に合った食事にして、腸活を意識した食生活を心がけています。オーガニック野菜をとり入れたレシピにしたり、良質のオイルを使ったり、冷蔵庫にはキムチ、納豆、味噌、ヨーグルトなど発酵食品を常備していて、自分で作ったりもします。

また、プチグルテンフリーも取り入れています。小麦粉を使った食品を食べることもありますが、パンが食べたくなったら米粉のパンを作ったり、小麦粉を使っていない食材を選んだり。グルテンフリーにすると身体が冷えにくくなり、軽くなるのでおすすめです。

とはいえ、お仕事の関係上、どうしても外食が多くなりがちなので、オーガニックやグルテンフリー、ヴィーガンなど、なるべく料理や素材にこだわっているお店を選ぶことで、出来るだけ体にいいものを摂ることを心掛けています」

8abilish

20年以上にわたるエイタブリッシュのヴィーガンレシピが詰まったレシピ本『VEGE BOOK』。初心者にもわかりやすい内容と豊富なメニュー数が◎。


「ヴィーガンレストランやカフェは、友達と集まる女子会や誕生日会、ときにはお仕事の打ち合わせなどでも利用します。特にモデル仲間や、ヘアメイク、スタイリストなどの業界の方々は食へのこだわりが強いので、自然とそういうお店で集まることが多くなりますね」

そんな知夏子さんにとって、エイタブリッシュは昔から通っているお店の一つ。

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「エイタブリッシュは、表参道という賑やかなエリアにあるのに、落ち着いた雰囲気の隠れ家的カフェ。気兼ねなくゆっくり寛げるので、つい長居をしてしまいます。何よりオールヴィーガンなのに、どのスイーツも美味しくて! 

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厳選されたオーガニック食材だけでなく、サステナブルな原料で作られた洗剤やペット用スプレーなど、エシカルなアイテムもここで購入できるのも魅力です」

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アップルクランベリーのマフィン¥550、ハーブティー ジャパニーズミント¥660

お店のおすすめスイーツは・・・?

お店では季節に合わせたさまざまなスイーツが楽しめますが、なかでもおすすめは、定番人気のグルテンフリー&ヴィーガンマフィン。ソルガムきび、大豆粉、米粉をブレンドして焼き上げ、しっとりとした生地で満足感のある食べ応えです。また、マフィンのふわっとした食感を出すため豆腐を加えるなどの工夫が施され、グルテンフリーと感じさせない美味しさです。

そんな季節のフルーツを使った焼き立てのマフィンが、日替わりで楽しめます。

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スイーツと一緒に、自家製ハーブティーを楽しむのもおすすめ。このミントティーは、北海道の滝上で農薬や化学肥料は一切使用せずに栽培している、貴重な在来和種の薄荷「赤丸薄荷」を使用。ノンカフェインで、すっきり爽やかな味わいのなかに薫る、上品な甘みが特徴です。

ハーブティーは、ミントやホーリーバジル、きしまめ茶、びわの葉の4種から1種、本日の薬効茶として用意されています。

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クグロフバンビーニ チョコストロベリー¥770

また、フランスのアルザス地方の菓子 で、あのマリー・アントワネットも愛したというクグロフや、自家製のアイスクリームと季節のドライフルーツを散りばめたプリンアラモードも人気。

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プリンアラモード¥1,408

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プリンはメープルシロップ代わりに甜菜糖のシロップを使用。かぼちゃとココナッツベースのなめらかな口当たりと甘さのあるこだわりの逸品です。

ドライフルーツはその日に余ったフレッシュフルーツを使って、すべて店内で作られているそう。こうすることで常に新鮮な食材を提供しながら、フードロスを失くすのにも貢献できるのだとか。

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〈左〉[季節限定]SIGNS OF AUTUMN フラワー&フィグダージリンクッキー ¥2,484、〈右〉The Vegan Ice Cream 6個入 ([季節限定]サツマイモ ・レモン・バジル・ストロベリー・バニラ・カカオ)各95ml ¥4,860

ギフトや手土産にぴったりのスイーツも

エイタブリッシュでは店内でスイーツを楽しめるだけでなく、ヴィーガンの焼き菓子やチョコレート、グルテンフリーのマフィン、アイスクリーム、自家製ハーブティーといったギフトや手土産にぴったりのお菓子を見つけることができます。

コロナ禍の影響でランチはしばらく中止していましたが、11月1日にはカレーライスがメニューに加わりました。

「自宅で気軽にエイタブリッシュのヴィーガンフードやスイーツを楽しんでいただけるよう、オンライン含め、新商品の開発を積極的に行なっています。12月にはレトルト食品のシリーズを発売予定です」とのこと。

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栄養士の資格も持っているパティシエの竹中さん。以前はホテルでパティシエをしていたそう。

最後に、ヴィーガン生活の楽しみ方や、初心者が気軽に取り入れられる方法を、オーナーの川村さんに伺いました。

「ヴィーガンフードは野菜や穀物、果物でできているので消化が良く、軽やかです。まずはスイーツから取り入れてみると、楽しみながらヴィーガン生活をスタートできると思います。

また、ヴィーガンであることもさることながら、できるだけ無農薬、減農薬の素材を意識することが大切。加工食品や調味料を選ぶ際に素材を確かめること、またオーガニック素材でできている物をできるだけ選ぶことがおすすめです」

お店の選び方としては、物販をしているお店であれば、使用している素材を確認することでそのお店の意識の高さがわかるのだそう。今後の参考に、覚えておきましょう。


PARLOR 8ablish 表参道
東京都港区南青山5-10-17 2F
https://www.8ablish.com/

SHOP LIST
WRINN(リン) https://wrinn.jp/

渡辺知夏子

Profile
渡辺知夏子(わたなべちかこ)
1985年7月24日生まれ。『vivi』『Oggi』などファッション誌のほか「TGC」「神戸コレクション」などファッションショーにも多数出演。ジュニア野菜ソムリエ、イヤービューティセラピスト、ソイフードマイスターの資格を有するなど、美容や健康に関する豊富な知識を活かし、幅広く活躍中。インスタグラムではライフスタイルについて発信し、同世代の女性から厚い支持を得ている。
Instagram @chikako_724


MODEL = 渡辺知夏子
PHOTO = 高嶋佳代
TEXT = Humming編集部

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