アンガーマネジメントのやり方|「意味ない」と言われる理由とは?
近年、「アンガーマネジメント」に対する注目が高まっています。
その一方で、アンガーマネジメントが「意味ない」と言われることも少なくありません。
そこで、この記事ではアンガーマネジメントのやり方や考え方について解説します。
また、なぜアンガーマネジメントが「意味ない」と言われるのか、その理由についても見ていきましょう。
Contents
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、アメリカで生まれた怒りと上手に向き合うための心理的なトレーニングです。
アンガーマネジメントの目的は「怒らないこと」と思われがちですが、それはアンガーマネジメントの本来の目的ではありません。
アンガーマネジメントでは、必要があるときに適切に怒れることが目標です。
犯罪者の更生プログラムであったアンガーマネジメントは、近年一般化されてきました。
多くの人が怒りのコントロールができるようになるため、アンガーマネジメントを取り入れています。
アンガーマネジメント能力の診断方法
アンガーマネジメント能力の診断方法は、主に次の2つです。
- 自己診断のためのチェックリスト
- 日本アンガーマネジメント協会の無料診断
それぞれの診断方法について、以下で見ていきましょう。
自己診断のためのチェックリスト
以下に、自己診断をするためのチェックリストを用意しました。
ぜひ、自身にアンガーマネジメント能力があるかをチェックしてみてください。
- 自分が怒っているときにそれを自覚することができる
- どういった状況で怒りの感情が沸き起こるか理解している
- 怒りを表現する際の適切な言葉や行動の選択ができる
- 挑発に対して耐えることができる
- 自分の感情を正確に認識することができる
- 対立や不和の状況でのコミュニケーションをとることができる
- 他者の視点を理解し、共感を示すことができる
- 怒りを覚える状況に対して適切な解決策を見つけ、実行できる
- 自分の感情を鎮めるための方法を持っている
- 怒りの発生後に自己反省を行う習慣がある
- 行動の結果を評価し、将来的な改善点を見つける意欲がある
当てはまる項目が多ければ多いほど、アンガーマネジメントの能力が高いと言えるでしょう。
日本アンガーマネジメント協会の無料診断
日本アンガーマネジメント協会の無料診断を受けることでも、自身のアンガーマネジメント能力をチェックできます。
以下のページから、日本アンガーマネジメント協会のLINE公式アカウントをお友だち登録すると診断できます。
上記のチェックリストとあわせて活用してみてください。
アンガーマネジメントのやり方
アンガーマネジメントには、次の5つのやり方があります。
- 深呼吸
- 他のことを考える
- 運動する
- 相手の立場を考えてみる
- 専門家の支援を求める
それぞれのやり方について以下で見ていきましょう。
深呼吸
アンガーマネジメントのテクニックに「深呼吸をする」があります。
怒りを覚えると、私たちの呼吸は速く浅くなりやすいのです。
深呼吸をすることで、速く浅い呼吸を落ち着けることができ、それと同時に怒りの感情もだんだんとおさまってきます。
特に、深呼吸をする際には、吐く息を長くすることを意識すると、よりリラックスしやすくなるでしょう。
他のことを考える
他のことを考えることも、アンガーマネジメントのテクニックの1つです。
たとえば、学生時代の楽しかった思い出や、仕事で褒められたことなどを思い返してみてください。
ポジティブな内容を思い返すことで、喜びや嬉しさなどの怒りと反対の感情が生まれ、怒りをおさめられます。
また、怒りの対象が目に入らないようにすることもおすすめです。
その場から離れたり、目を瞑ったりして怒りの対象から目をそらすことでも、怒りの感情をおさめられるため、ぜひ試してみてください。
運動する
運動には身体的な健康だけでなく、精神的な健康にもプラスの効果があることが多数の研究結果により明らかになっています。
特に、週3回以上の有酸素運動をおこなうことで、その効果は大きくなります。
有酸素運動に該当するのは、ウォーキングやジョギング、水泳など。
身体的な健康と精神的な健康の両方が手に入るため、週3回以上を目安に軽めの運動を取り入れてみてください。
相手の立場を考えてみる
相手の立場を考えてみることもおすすめです。
いざ相手の立場に立ってみると、相手の言動について理解でき、怒りがおさまる場合があります。
また、相手の考えを否定ばかりしていると、どんな状況でも相手の考えを受け入れられなくなってしまう可能性があります。
しかし、時には柔軟な考え方をもち、相手の考えを取り入れることも大切。
考えの柔軟さを手に入れるためにも、相手の立場を考えてみることはおすすめです。
専門家の支援を求める
今までに紹介した4つ以外にも、アンガーマネジメントにはさまざまなテクニックがあります。
しかし、それらを自分自身で実行し、アンガーマネジメントをおこなうのは簡単ではありません。
「自力での実行が難しい」と感じたら専門家の支援を求めるのも1つの手段です。
それぞれの人にあわせて適切なテクニックを紹介してくれて、アンガーマネジメントができるまで伴走してくれます。
ぜひ信頼できる専門家を見つけて、支援を求めてみてください。
関連記事:【怒りを抑える】アンガーマネジメントのテクニックや方法をご紹介!
アンガーマネジメントにおける「6秒ルール」とは?
アンガーマネジメントには「6秒ルール」というテクニックもあります。
6秒ルールとは、怒りが湧いてきたら、6秒だけ数えて怒りが静まるのを待つことです。
6秒ルールで心を落ち着けるには、心の中で1から6をゆっくりと数えることが大切です。
怒りに反射せず、少しでも時間を空けることで、怒りをおさめられやすくなります。
アンガーマネジメントは意味ない?胡散臭い?
「アンガーマネジメントは意味があるの?」
「アンガーマネジメントって胡散臭いものでしょ?」
アンガーマネジメントに対して、このような疑問を抱えている方もいるかもしれません。
たしかに、アンガーマネジメントを学んでも怒りの感情はなくならないため、「怒りの感情をなくす」点では意味がないと言えるでしょう。
しかし、アンガーマネジメントの目的は、怒りの感情を「コントロール」することにあります。
目的を間違えずに地道に実践することで、徐々に怒りの感情がコントロールできるようになり、必要のない場面で怒ることを減らせるようになるでしょう。
子どものアンガーマネジメントについて
アンガーマネジメントは「大人向けのもの」と無意識のうちに認識している人も多くいるかもしれません。
しかし、子どもがアンガーマネジメントを身につけることも重要です。
子どもが感情に任せて行動してしまうと、良好な人間関係の構築が難しくなります。
特に、子どもの時期に人間関係がうまくいかないと、失敗経験を大人になっても引きずってしまう可能性があります。
そのため、子どももアンガーマネジメントを通して、相手とのコミュニケーションの取り方を身につけることが大切です。
関連記事:【誰でもできる】マインドセットの意味や使い方を簡単に解説!
アンガーマネジメントの実践例
筆者が接客業のアルバイトをしていたとき、お客さまからクレームをつけられたことがありました。
いちゃもんと言うべき内容であったため「なぜ自分が怒られなければいけないのか」とお客さまに対して怒りを覚えましたが、立場上、お客さまに反論することはできません。
また、反論したところで更なるトラブルを生むだけであるため、反論しても意味がありません。
深呼吸した後に「今は我慢だ」と自分に言い聞かせ続けていると、だんだんと怒りがおさまってきて、お客さまの言い分を冷静に聞けるようになりました。
状況を察した店長が駆けつけてくれて、代わりに対応してくれたおかげで、その場は事なきを得ました。
深呼吸したり、気持ちを落ち着ける言葉を自分自身に対して言い続けたりしたことにより、不必要に怒ることを回避。
怒りを覚えても、アンガーマネジメントを活用することで、大きなトラブルに発展せずに済みました。
【まとめ】アンガーマネジメントをマスターしよう
アンガーマネジメントをマスターすることで、怒りの感情をコントロールできるようになります。
深呼吸や運動、6秒ルールなどを用いて、アンガーマネジメントをマスターできるようにトレーニングしてみてください。
もし自分の力だけでアンガーマネジメントをマスターするのが難しいと感じた場合は、専門家に支援を求めることもおすすめです。
ぜひアンガーマネジメントをマスターし、良好な人間関係を築いていきましょう。