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パッシブ・アグレッシブな行動をやめて、素直に自分の気持ちを伝える方法

 

「別にいいけど」

「なんでもないよ」

 

そう言いつつも、心のどこかでモヤモヤが残っていたり、不満をためこんでしまった経験はありませんか?

 

相手を責めるつもりはなくても、はっきり言えなかった気持ちがため息や沈黙、遠回しな言葉になって表れてしまう。

 

このような行動は、心理学では「パッシブ・アグレッシブ(受け身的攻撃性)」と呼ばれています。

 

実は、パッシブ・アグレッシブは無意識のうちにやってしまう人も多く、家庭や職場など、身近な人間関係の中で頻繁に見られる傾向があります。

 

本記事では、パッシブ・アグレッシブな態度の具体例や、その原因、そしてそれを乗り越えて素直に気持ちを伝えるための実践的な方法までを詳しくご紹介します。

 

パッシブ・アグレッシブとは?

 

 

パッシブ・アグレッシブ(受動的攻撃性)とは、直接的な表現を避け、間接的な方法で不満や怒りを示すコミュニケーションスタイルです。

 

例えば、「はいはい、分かりました」と皮肉っぽく返事をしたり、頼まれたことをわざと後回しにしたり、明らかに無視をするような態度がこれにあたります。

 

一見すると表面的には冷静に見えますが、実際には怒りや不満を間接的にぶつけている状態です。

 

このような言動は、相手にとっては理由が分からずストレスを感じやすく、結果として対話が成立しにくくなるため、人間関係に大きな溝を生んでしまいます。

 

パッシブ・アグレッシブな行動の例

 

  • 頼まれた仕事をわざと遅らせる
  • 皮肉や嫌味を言う
  • 無視や冷たい態度を取る
  • 約束を守らない
  • 他人の成功を素直に喜べない​

 

 

上記に該当するような行動は、表向きには対立を避けるために行われるケースが多いものの、受け手には「冷たくされた」「嫌われたのかもしれない」といった不安やストレスを与えます。

 

特に職場や家庭といった日常的に接する関係では、「何を考えているのかわからない」「話しかけづらい」と感じさせてしまい、コミュニケーションの断絶や、関係がぎくしゃくする原因になります。

 

なぜパッシブ・アグレッシブな行動を取ってしまうのか?

 

 

パッシブ・アグレッシブな行動の背景には、以下のような心理的要因が存在します。​

 

1. 対立を避けたいという気持ち

日本の文化では、和を重んじる傾向が強く、対立を避けることが美徳とされています。

 

そのため、自分の意見や感情を直接的に表現することに抵抗を感じ、間接的な方法で不満を示すことがあります。​

 

2. 自己主張への不安

自己主張をすることで、相手に嫌われるのではないかという不安から、自分の意見や感情を抑え込んでしまうことがあります。

 

その結果、間接的な方法で不満を表現するようになります。​

 

3. 過去の経験

過去に自己主張をした際に、否定されたり、無視されたりした経験があると、再び同じような経験をすることを恐れて、パッシブ・アグレッシブな行動を取ることがあります。​

 

パッシブ・アグレッシブな行動がもたらす影響

 

 

パッシブ・アグレッシブな言動によって職場で信頼を失ったり、家庭内で会話が減ったりといった状態が続くと、次第に人との関係を築くことがストレスになってしまいます。

 

人と関わるのを避けるようになり、自分の感情を押し殺す生活が当たり前になってしまえば、心のバランスを崩すのも時間の問題です。

 

結果的に、生活のあらゆる場面で楽しさや充実感を感じにくくなり、孤立や不安を深めることにもつながっていきます。

 

パッシブ・アグレッシブを克服する方法

 

 

パッシブ・アグレッシブな行動を克服するためには、以下のような方法が有効です。​

 

1. 自分の感情を認識する

まず重要なのは、「いま自分はどんな気持ちなのか」に気づくことです。

 

「イライラ」

「悲しさ」

「期待外れ」

 

といったマイナスな感情を無視せず、「自分はこう感じている」と認識する習慣を持ちましょう。

 

自分の気持ちを正しく理解できれば、言葉で表現する準備が整います。​

 

2. アサーティブ(自己主張的)な伝え方を学ぶ

アサーティブとは、相手を傷つけず、自分の気持ちも抑え込まずに伝えるコミュニケーションスタイルです。

 

例えば、「私はこう感じている」「こうしてもらえると助かる」というように、「非難せずに自分の希望を明確に伝える」方法を練習します。

 

これにより、相手にも伝わりやすく、すれ違いを防げます。

 

3. 少しづつ練習する

 

急に自分の気持ちをすべて正直に話すのは難しいものです。

 

例えば、飲み物の注文や日常のちょっとしたお願いなどから、「こうしたい」と口に出す練習をしてみましょう。

 

小さな成功体験を積むことで、徐々に自信がついていきます。​

 

4. 専門家のサポートを受ける

もし「どうしても自分の気持ちが言えない」「過去の経験が原因で話せなくなっている」と感じる場合は、心理カウンセラーなど専門家の支援を受けるのも一つの選択肢です。

 

安全な場で対話を重ねることで、自己表現のトレーニングができます。

 

まとめ|パッシブ・アグレッシブを卒業し、自分の声に素直になるために

パッシブ・アグレッシブな態度は、自分の感情を直接伝えられないもどかしさや、対立を避けたいという思いから生まれる行動パターンです。

 

しかし、この習慣を続けていると、自分自身にも相手にもストレスがたまり、誤解や不満が積み重なってしまいます。

 

大切なのは、感情を否定せずに受け入れ、それを適切な言葉で伝えるスキルを育てていくことです。

 

アサーティブなコミュニケーションを少しずつ実践していけば、「察してほしい」という不安から解放され、自分の思いを正直に伝える力が身についていきます。

 

すべてがすぐにうまくいくわけではありませんが、小さな一歩を積み重ねることで、人間関係は必ず変わっていきます。

 

まずは今日から、自分の気持ちに耳を傾け、「言葉にする」ことに挑戦してみてください。

 

その選択こそが、よりよい関係を築く第一歩となるはずです。


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