セックスレスの離婚率はどれくらい?離婚するべきか?夫が拒否するのはなぜ?
長年にわたって生活をともにしている夫婦間にはさまざまな問題が生じることも多く、最悪の場合離婚に発展するケースも少なくありません。
なかでも、特にデリケートな問題のひとつに「セックスレス」があります。
実際にセックスレスが原因で離婚に至る夫婦も存在するなかで、有効な解決策や予防策にはどのようなものがあるのでしょうか。
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セックスレスの離婚率はどれくらい?
セックスレスを理由に、実際に離婚に踏み切る夫婦はどれくらいいるのでしょうか。
極めてデリケートな問題のため正確な調査結果やデータは少ないですが、ある調査によればセックスレス夫婦の74.2%は離婚に至るというデータがあります。
ただし、これは欧米での調査であるため文化や家族観などの違いもあり、日本で同様のデータが得られるとは限りません。
しかし、セックスは夫婦関係を維持していくうえで重要なコミュニケーション、スキンシップのひとつであることは間違いないでしょう。
セックスレスでも円満な関係を維持できる夫婦はいますが、それが多数派とは限りません。
そのため、セックスレスの夫婦とそうでない夫婦を比較した場合、前者のほうが離婚のリスクが高まるというのは自然な見方ともいえるでしょう。
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セックスレスで離婚は認められるのか
基本的に離婚は双方の合意があれば認められます。
しかし、すべてのケースがそうとは限らず、夫または妻が離婚を希望しているものの、相手がそれを認めない場合もあります。
このようなとき、裁判など法的な手続きを経ることで離婚を成立させる方法もあります。
民法では、離婚が認められる原因として以下の7つを定めています。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄(正当な理由なく夫婦の同居や協力、扶養義務を放棄すること)
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
このうち、「⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由」は抽象的な表現のためさまざまな解釈ができます。
結論からいえば、セックスレスは上記の原因に該当すると判断され、離婚が認められる可能性があります。
実際の判例においても、以下のようなケースにおいて離婚や慰謝料請求が認められています。
- 結婚後一度もセックスがなく、結婚前の段階で夫は妻に対して性交不能であることを告知していなかった
- 結婚した当初はセックスがあり子どももできたが、その後一方的に夫(または妻)から拒否されるようになった
関連記事:夫婦関係は修復できる?よくある破綻のきっかけや修復方法を紹介
セックスレスで離婚率が上がってしまう原因
セックスレスによって夫婦関係が壊れ、離婚につながってしまう理由についてもう少し詳しく考えてみましょう。
セックスレスで離婚率が上がってします原因として以下などが挙げられます。
- 浮気のリスクが高まる
- 相手のプライドを傷つける
- 相手に対する不信感が募る
これらの原因について詳しく解説していきます。
浮気のリスクが高まる
夫または妻がセックスを求めているのに対し、相手が拒否してしまうと不満が溜まってしまいます。
また、「自分は愛されていない」と感じ、ほかの人からの愛情を求めてしまうこともあるでしょう。
さらに、何らかの不満が溜まって浮気に走り、結果として夫婦間でのセックスレスに至るケースも少なくありません。
相手のプライドを傷つける
自分からパートナーに対してセックスを求めているのに、相手から拒否されてしまうと、「男性(または女性)としての魅力がなくなったのではないか」と感じ、プライドが傷つくことがあります。
男性または女性としての自信がなくなり、セックスそのものに恐怖心を抱いてしまうこともあるでしょう。
同時に、愛情をもって接していたパートナーに対し、プライドを傷つけられたことが憎しみの感情に変わっていく可能性も考えられます。
相手に対する不信感が募る
セックスを拒否する理由はさまざまで、なかには「仕事や家事、育児で疲れているから」、「加齢に伴い性欲そのものが減退したから」という人も少なくありません。
しかし、そのような理由を説明しないまま一方的にセックスを拒否してしまうと、パートナーは「浮気しているのではないか」と疑いの目を向け、不信感を募らせるケースもあります。
また、疑われた側からしてみても、「自分は家族のために頑張っているのに…」と不満を抱くこともあるでしょう。
その結果、夫婦間に修復しきれないほどの亀裂が生じてしまい、最悪の場合離婚に至る可能性も出てきます。
関連記事:セックスレスの原因とは?|なりやすい夫婦の特徴や解消法を解説
セックスレスかもしれない夫婦の特徴や兆候
セックスの頻度は個人や夫婦間によっても異なるため、セックスレスと感じる基準はあいまいです。
では、セックスレスに至る夫婦やカップルにはどのような特徴や兆候が見られるのでしょうか。
代表的なパターンとして以下などがあります。
- 夫婦間のスキンシップやコミュニケーションが減っている
- セックスそのものが淡泊
- 仕事や家事が忙しく夫婦の時間をとれない
これらのパターンについて紹介します。
夫婦間のスキンシップやコミュニケーションが減っている
長年にわたって一緒に暮らしていると、その暮らしが当たり前となってしまい、夫婦関係がマンネリ化することがあります。
結婚前や新婚当初はさまざまな話をしたりスキンシップを積極的にとっていたにもかかわらず、それが減ってしまうと愛情を感じられなくなり、やがてはセックスレスに陥る可能性があるのです。
セックスそのものが淡白
セックスに対する価値観は男女または個人によっても異なります。
ありがちなのは、パートナーに快感を与えるという心配りがなく、自分が快感を得られればそれで良いというケースです。
セックスそのものが淡白に終わってしまい、愛情表現やスキンシップが成立せずに自然とセックスから遠ざかってしまうこともあります。
仕事や家事が忙しく夫婦の時間をとれない
疲労やストレスが蓄積すると、セックスを楽しむ余裕がなくなってしまいがちです。
特に仕事や家事が忙しいとパートナーとのライフサイクルがずれてしまい、夫婦で過ごす時間そのものが確保できなくなることもあるでしょう。
セックスレスで離婚するべきか?
セックスレスで離婚するべきかどうかという問題は、一概にどちらが良いとは言い切れません。
しかし、最終的にどうなるかは分からないにしても、お互いに後悔する結末になってしまうのは絶対に避けたいところ。
セックスレスになったからといって夫婦関係が破綻してしまったと判断して、すぐに離婚と考えるのは少々早計であるといえるでしょう。
基本的には、まずは話し合いからということになるでしょうが、セックスレス解消への糸口を見つけ出そうと夫婦で協力することが大切です。
夫が拒否するようになるのはなぜ?
セックスレスの原因は、夫か妻のどちらかがセックスを拒否するところから始まることが多いです。
ここでは、夫が拒否する場合によくある理由を見ていきましょう。
具体的には以下などの理由があげられます。
- 妻を女性として見られなくなってしまった
- 子作りへのプレッシャーが強い
- 疲れ果ててセックスどころではない
- 加齢で精力が減退してしまった
- セックスは面倒なので一人で処理したい
ひとつずつ紹介します。
妻を女性として見られなくなってしまった
長年生活を共にすることで、妻のことを親兄弟のような意味での“家族”や、子どもができると“母親”として見てしまい、セックスの対象として意識できなくなるケースは少なくないようです。
妻が夫に対して抱く「ときめきやドキドキ感」を感じられなくなってしまうのと似た感覚かもしれません。
子作りへのプレッシャーが強い
そもそも大前提としてセックスは生殖行為ですが、我々人間にとってはスキンシップの一環や愛を確かめ合う行為という側面が強いです。
ムードを高めることで男女ともに得られる快楽も高まりますが、子作りが目的となってしまうと一気に作業感が出てしまい、心の底から楽しめなくなることもあるようです。
特に近年の日本は晩婚化や高齢出産のリスクなどが問題となっているため、こうしたプレッシャーを受ける機会が必然的に多くなっています。
疲れ果ててセックスどころではない
30~40代くらいになると、多くの人が仕事が最も忙しい時期であり、毎晩遅くにへとへとの状態で帰宅するということも珍しくないでしょう。
セックスは時間も体力も使う行為であるため、このような生活を送っていると、なかなかセックスどころではないという人がいるのも仕方ないことです。
近年は共働き世帯も増えており、夫が早く帰宅できた日に限って妻の帰りが遅く、結局セックスするタイミングがないということもあるでしょう。
加齢で精力が減退してしまった
男性の性欲のピークは10~20代ほどとされており、その後は緩やかに減退していくことが研究結果から明らかになっています。
実際には30代くらいまでは性欲の強い人も多いですが、勃起力という点で20代までと比べて衰えを感じることも少なくないようです。
また、先述したように仕事の疲れなどと相まって性欲より睡眠が優先となってしまうことが多いと考えられます。
セックスは面倒なので一人で処理したい
男性にとってセックスにおいて最も快感を感じられるのは射精のタイミングであり、女性は快楽そのものよりも行為全体のムードを大切にするといわれています。
男性全員に当てはまる話ではありませんが、正直にいうと前戯は面倒で、さっさと挿入して射精したいと考える人も中にはいるでしょう。
このように考える男性は次第にセックスが面倒と感じるようになり、拒否するようになることがあると考えられます。
セックスレスにならないための方法や対策
セックスレスに至らないようにするためには、どのような方法や対策を心がけるべきなのでしょうか。
- スキンシップやコミュニケーションを増やす
- お互いに思っていることをを話し合う
- 夫婦カウンセリングを受けてみる
これらの対策について解説します。
スキンシップやコミュニケーションを増やす
意識的にスキンシップやコミュニケーションを増やすことを心がけましょう。
- お互いの目を見て会話をする
- パートナーの良い部分をさり気なく褒める
- 感謝の気持ちを伝えたりする
これらをすることで円満な夫婦関係につながり、自然とセックスレスが解消される可能性があります。
お互いに思っていることを話し合う
肉体的な衰えやセックスに対するモチベーションの低下など、セックスレスに至る原因は夫婦によってもさまざまです。
セックスレスに陥りそうなとき、自分自身の状況をパートナーに打ち明けられないことも多いですが、ありのままを話し合うことによって理解してもらえる可能性があります。
また、パートナーからそのような相談を受けたときには、相手を尊重し無理を強いない気遣いも大切です。
夫婦カウンセリングを受けてみる
セックスレスに関する漠然とした不安がある方や、夫婦間でセックスに関する悩みを抱えており解決方法が分からない場合には、カウンセリングを受けてみるのもひとつの方法です。
夫婦間の問題解決をサポートする専門のカウンセラーや医師も存在し、問題の根本原因を探りながら認知行動療法などによって解決に導きます。
関連記事:セックスセラピーとは|カウンセリングの内容や受けられる場所は?
セックスレスを解消した夫婦の体験談
セックスレスは離婚の原因にもなるとお伝えしてきましたが、世の中にはさまざまなアプローチでこの問題を解決してきた夫婦がいます。
- 一度距離を置いた
- 思い出のホテルへの宿泊がきっかけとなった
- EDであることをカミングアウトした
ここではそんな体験談の一部を紹介します。
一度距離を置いた
一度距離を置き、一緒にいる時間が減ったことで、一緒に過ごす夜が貴重と感じるようになりました。
“今晩しなければ、今週はもうできない”という気持ちが芽生えて、いつの間にかセックスレスが解消していました。
思い出のホテルへの宿泊がきっかけとなった
10回目の結婚記念日に挙式をしたホテルでの宿泊が、私たちの間の誤解を解くきっかけになりました。
険悪になり始めた頃のことについて話し合い、互いに謝罪することで、わだかまりが解け、次第に夫婦関係も回復していったと思います。
EDであることをカミングアウトした
EDに悩んでいたけど、全てを打ち明ける覚悟をしました。
妻も受け入れてくれて挿入にこだわる必要はないんだと気づき、さまざまな愛撫を楽しむようになりました。
その結果、私たちの関係は大きく改善したと思います。
まとめ
日本では3組中1組の割合の夫婦が離婚に至っており、その原因はさまざまです。
今回紹介したセックスレスのように、他人に相談しづらいデリケートな問題もあるでしょう。
だからといって一人で悩む必要はなく、まずはパートナーに対してありのままを相談し、夫婦で乗り越えようとすることが大切です。
どうしても解決が難しい場合には、専門のカウンセラーや医師に相談するなどの方法もあります。