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介護をする時に大切なこと
祖母がパーキンソン病だと知ったのは、私がまだ幼い頃でした。
当時はよく分からず、「少しずつ悪くなる病気」だとだけ教えられていました。
アメリカで暮らしていた私は頻繁に会いに行くことができず、数か月ぶりに会うたびに祖母の変化を感じました。母は主な介護者として心身ともに大きな負担を抱え、祖母の体が弱っていくにつれ、母自身の輝きも少しずつ失われていくようでした。
介護は深い愛の表現であると同時に、自分をすり減らす行為でもあります。
だからこそ、“自分をケアすること”が何より大切なのです。
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1. 睡眠を最優先に
介護中はどうしても睡眠が削られがちですが、休息は心と体の基盤です。
- 短時間でも眠れるときに仮眠をとる
- 寝る前のルーティンを作る(洗顔・ハーブティーなど)
- 「完璧な睡眠」を求めない
疲れを我慢しても誰も得をしません。休めるときには、ためらわず休みましょう。
2. 栄養のある食事をとる
介護に集中すると自分の食事が後回しになりがちですが、栄養は心と体のエネルギーです。
- 朝は少しでも何かを食べる
- 間食を常備(ナッツ・フルーツなど)
- 水分と電解質をこまめに摂る
- 料理を簡単にする工夫(宅配・作り置き・周囲の助けを借りる)
“完璧な食事”よりも“続けられる食事”を。

3. 外の空気と小さな喜びを感じる
太陽の光や風を感じることは、心を落ち着かせる自然の力です。
たとえ数分でも、外に出て深呼吸をしてみましょう。
お気に入りのカフェでコーヒーを飲む、庭に出て草花を眺める、ただ空を見上げる——そんな小さな時間が心を回復させてくれます。
4. 誰かに頼る勇気を持つ
「自分が頑張らなきゃ」と思い込んでしまう介護者は多いですが、あなたも支えられる側でいていいのです。
家族や友人に頼ること、地域のサポートを利用することは“甘え”ではなく“必要なケア”です。
支える側の人も、こうした関わりをしてみましょう。
- 「何を手伝えば助かる?」と聞く
- 家事や買い物など具体的なサポートを
- 「介護者として」ではなく「一人の人間として」寄り添う
介護は、愛と優しさの循環
介護は、思いやりと忍耐、そして深い愛で成り立っています。
その中には、介護する人の幸せも含まれています。
どうか、あなた自身にも光を向けてください。
休息、栄養、太陽、そして人とのつながり——それらはすべて、あなたを支えるセルフケアの一部です。
最後にー
介護という言葉の裏には、数えきれないほどの物語があります。
それは愛であり、責任であり、時には静かな孤独でもあります。
Hummingでは、介護を「誰かのために尽くすこと」だけでなく、「自分の心を守ること」としても大切に考えています。
あなたの優しさが、あなた自身を傷つけないように。
今日の小さな休息が、明日の大きな力になりますように。
— Humming Team

ライター:プロフィール

インタビュー:條川純 (じょうかわじゅん)
日米両国で育った條川純は、インタビューでも独特の視点を披露する。彼女のモットーは、ハミングを通して、自分自身と他者への優しさと共感を広めること。