Humming♪

観光も農業も福祉も、みんながハッピーに!那須発“持続可能なまちづくり”プロジェクト

夏は避暑地として、冬はスキー客で賑わうリゾート地、栃木県の那須。自然豊かな人気エリアにこの7月、森との共生をキーワードに掲げる「持続可能なまち」がグランドオープンします。食をテーマにあらゆる社会課題を解決するというその一大プロジェクトとは?


美味しさと幸せを増幅させるスイーツのチカラ

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那須の新銘菓「バターのいとこ」をご存じでしょうか? 店舗では開店早々に売り切れてしまうこともあるという人気スイーツ。「ふわっ・シャリッ・とろっ」の新食感、そしてパッケージの可愛さもあってSNSを中心に話題になっています。

実は、Humming的に注目したいポイントはもう一つあります。それはこちらの商品作りのサステナブルな背景。

まずは、安価に販売されてしまう無脂肪乳を主原料にすることで酪農家をバックアップし、そしてその製造にあたる工場ではインクルーシブな雇用を地域に生み出しています。

「バターのいとこ」の製造工場は障がいをもつ人、子育て世代で時間に制約がある人がそれぞれの生活に合わせて勤務時間や休みを決められる“自由出勤”という仕組みを取り入れていて、誰もが働きやすい環境をスタンバイ。これまで埋もれていた雇用ーー新たな働き手による働く時間を生み出しています。

生産者、観光客、地元住民も笑顔になるこの取り組み。可能性に満ちあふれたこの人気スイーツが、就労支援だけでなく、今回のまちづくりで大きな役割を果たしています。


「バターのいとこ」を中心にサステナブルなショップが集結

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7月6日のグランドオープンが発表された新たなまち『GOOD NEWS(グッドニュース)』。那須の観光スポットでもある那須街道とりんどうラインをつなぐ一本道、「バターのいとこ」のカフェがあるこの場所に、食品製造⼯場をはじめ、コーヒーロースターやアウトドアショップ、ベーカリー、レストランなどが並びます。その長さは約600メートル! いずれも森との共生をキーワードにしたサステナブルな取り組みを行っているお店ばかり。那須の観光、農業に福祉が連携し、関わる人すべてが幸せになれる持続可能な未来を目指しているそう。


人・自然・地域をハッピーでつなぐ4つのエリア

GOOD NEWSは、4つのエリアで構成されます。「誰もが森に親しみ、自然との関わりを考えるきっかけになる場所」との思いがこめられた各エリアを、早速チェックしてみましょう。


1. GOOD NEWS FACTORY~就労支援も行う食品製造工場

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まずは新たなまちの入口には、菓子製造だけでなく、就労支援施設としての役割も担う食品製造工場「FACTORY」が。これまであった工場の約10倍規模に拡大します。「 バターのいとこ」をはじめ今後オープンするお店で販売する商品の製造も、こちらで行われます。

工場が大きくなることで、障がいを持つ人をはじめ地域の雇用をさらに増やすことができるのだそう。


2. GOOD NEWS NEIGHBORS~サステナブルな人気ショップが全国から大集結

日常的に環境問題へ取り組む意識の高いお店が集まるショップエリア「NEIGHBORS」。自然を身近に感じて楽しむアウトドアギアのショップ、堆肥化を意識したコーヒーロースタリーカフェ、規格外の花を再利用した商品を扱うフラワーショップなど、コンセプトも扱う商品もわくわくするラインナップ。那須初出店も含めた全8店舗がずらり並ぶ予定です。


3. GOOD NEWS LOCAL RESTAURANT~社員食堂も兼ねた、みんなのファミレス

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地域の食材を使った、那須発のローカルファミリーレストランも登場します。まちで働くスタッフは社員食堂として利用できるというからうらやましい限り!

アップサイクルをテーマに、人にも地球にもやさしい未来型のファミレスを目指しているそう。ミシュランガイド東京3年連続一つ星獲得の人気店「sio」の鳥羽周作氏が代表を務める食のクリエイティブカンパニー「シズる」と、地域の生産者が強力タッグ。出荷できない野菜の再利用なども積極的に取り入れたフードロス食材による美味しいメニューに注目が集まっています。


4. GOOD NEWS DAIRY~酪農の魅力をとことんアピール

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「バターのいとこ」のカフェがあるまちの中心エリアでは、那須ならではの酪農の魅力を発信しています。森を大切にしながら酪農を行っている牧場の牛乳で作られたソフトクリーム、廃棄されてしまうホエイのアップサイクルに挑戦するチーズ工房など、小腹を満たしてくれるスイーツや、お土産探しを目当てにぜひ足を運びたいですね。


持続可能なまちづくりをしていく「GOOD NEWS」の今後の取り組みにも注目を。カフェで買ったコーヒーを片手に木陰のベンチで涼んだり、森の資源を活かしたワークショップも行われる予定とのことで、自然を楽しみながら思い思いの時間が過ごせる場所になりそう。ぜひこの夏の旅先候補に加えて、新しいサステナブルなアプローチを体感しましょう!


GOOD NEWS
https://gooooodnews.com/
※2022年7月6日グランドオープン予定、一部店舗のみ2022年夏オープン予定


TEXT = 山下優子

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