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Advanced Mirai

2022.02.24 相手を傷つけない話し方。それは、驚くべき魔法【Editor’s Letter vol.03】

エディターズレター子供と暮らす

Hummingの編集長 荻原正子がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。日々の暮らしで見つけたこと、感じたこと、考えたことをシェアします。

masako

葛藤と自己嫌悪をの日々を経て

「喧嘩しないの!」「叩かないの!」「どうしてあなたはいつもそうなの?」

言いたくないのについそんな言葉が出てきてしまいます。

昨日の夜、きれいに拾い上げて片付けたはずのおもちゃがそこここにとリビングに散らかり、クッションは積み上げられて「お城」となっていて、食べ散らかしたままのキッチンカウンターからは、ポタポタと雫が静かに滴り落ちて床には水溜まりが出来ている・・・。

止めどなく溢れてくる怒り、焦り、そして悲しみに、母である私の内側が掻き乱され、自分のどこにこんなに発狂するほどの「怒り」が存在したのだろうか・・・と毎回自分でも驚くほど。

子供たちのせいで、夫のせいで、親のせいで、姉妹のせいで・・・。いつも原因は周りにあり、自分のせいではないと思っていました。子供たちさえ喧嘩しなかったら、夫さえ気がついてやってくれたら、母親さえ手伝ってくれたら。そう、すべて誰かのせいだったのです。

だから口調も「あなたのせいで、こうなった」という言い方になってしまう。特に毎日一緒にいる子供たちには当たって、怒鳴って、怒って。その繰り返し。

毎晩子供たちが寝たあとに、自己嫌悪に陥って、なんて酷い母親なのだろう、なぜうまくできないのだろう。こんな自分は嫌だ。次々と溢れ出る涙で枕はびっしょりと濡れて、そのまま泣き疲れて眠りにつく日も少なくなかったのです。

masako

Positive Disciplineという方法

6年前にカリフォルニアに引っ越してきてから、ある友人にすすめられて学び出した子育ての仕方が「ポジティブな躾(Positive Discipline)」。このトピックになると、私は熱血ぶりを発揮してしまい話が止まらなくなってしまいます。

そのくらい、この子育て方法に助けられたし、何より自分自身が変われたのです。そして子供と一緒にいる自分が少しずつ好きになっていきました。

今でも完璧ではないし、まだまだ理想の母親像への道のりは遠いけれど、私にとって「子供と一緒にいる時間が好き」で「子供と一緒にいるときの自分が好き」であることは、幸せな人生への一歩なのだと言っても過言ではありません。

masako

その「ポジティブな躾」の育児方法のなかで私が実践していることの一つが、「私」を主語にして話すことです。

普段、喧嘩になると、自分がどんな口調になるのかを思い出してみてください。きっと「あなたが、〇〇したから▢▢になったじゃない!」とか「あなたのせいで〇〇になってしまった」とか、相手を責める話し方をしている場合が多いのではないかと思います。

私もそういう話し方をしてきたけれど、そうすると相手の気持ちはズタズタになり、すかさず反論が返ってきたり、口論になってしまう。子供だってたくさんの言い訳を考えて言い返してきますよね。

自分がそういう話し方を続けてきたことで、子供も夫も、大切な人たちはみんな「この人は自分をわかってはくれない」と思って、少しずつ少しずつ、関係に綻びが生じてしまいました。喧嘩を繰り返し、頭ごなしに叱る自分に嫌気がさして、悲しい気持ちになって、何度も繰り返し続くこの悪循環をどうにかして止めたかったのです。

masako

「私」に集中した伝え方

そんなとき、藁にもすがる気持ちで「ポジティブな躾のすすめ」の夜間クラスをとった私は、先生に「私」を主語にする話し方を教わり、練習し始めました。

「私」はどう感じたのか、「私」には今何が必要なのか。それだけに集中するという練習です。

例えば、夕飯を作ろうとしているのに、子供たちが喧嘩して、ギャーギャーと騒いでイライラする。そんな光景は日常よくあることかと思います。

「喧嘩しないの! あーもーあなたたちがうるさくて何も考えられないよ!」
と言う代わりに、
「ママは、喧嘩をみると悲しい気持ちになるよ。そして静かでハッピーな空間でお料理がしたい」とか
「ママは、喧嘩の声をもう聞きたくない。みんなにはお外に出てこの喧嘩を解決してもらいたい」とか
「ママは、この喧嘩の声からちょっと休憩が必要だから、落ち着くまでお庭に出てくるね」など。

こんなふうに自分の気持ちと状況だけを伝えるようにしたのです。

そうやって話し方を変える努力していると、驚くことが起こり始めました。こんな魔法みたいなことがあるのかと不思議に思ったけれど、相手を尊重した私の口調は家族の間に一気に広がっていき、涙を流すことなく解決できるシチュエーションの方が段々と増えていったのです。

9歳、6歳、3歳の三人で喧嘩のすべてを解決することは難しいけれど、この話し方を始めてから約5年。最近では「ママ、私たちで解決できるから、ママは入ってこないで」と言って、自分たちで“この話し方”で問題を解決しようとしている様子を見ると、微笑ましくて幸せな気持ちになります。

 

私と夫が大切にしているのは、今日明日の子供たちの成長だけではなく、10年後、20年後の彼女たちの成長した姿です。多くのことを「自分のせい」にされながら育ったら、誰もがみんな自分に自信を持てないまま育っていくことになる。そして大人になったときに、自己肯定感の低い人になると思うのです。

今、自分が子供たちを育てながら気を付けたいことは、すべての原因と解決策は「私自身のなかにある」ということを忘れずに、相手を責めない口調で話し続けるということ。

この話し方の積み重ねで、自分と相手との関係性をバランスよく保てるのではないかと思っています。


編集長 荻原正子

masako


Profile
荻原正子(おぎはらまさこ)
Humming編集長、一般社団法人ハミングバード代表理事。カリフォルニア在住。高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。


TEXT = 荻原正子

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