Hummingライター 大浦沙織のコラムをお届けします。
「明日からまた仕事か…」
会社員時代は憂鬱だった日曜日の夜。
しかし、フリーランスになった今、日曜日の夜はワクワクしながら眠りにつき、月曜日の朝、仕事に向き合えることに喜びを感じています。
正社員という安定を手放すことで出会えた、新しい働き方。
私がフリーランスライターになるまでの道のり、そしてこの選択を通じて得た気づきをお伝えします。
Contents
安定した会社員から、フリーランスへ
8年前、私は新卒で勤めた会社を辞めました。きっかけは、パートナーの海外転勤。
もしこの転機がなければ、今でも会社員を続けていたかもしれません。安定した職を手放す勇気が私にはなかったからです。
退職後、しばらくは子育てに専念していました。しかし、育児休業から職場に戻る友人たちを羨ましく思ったり、増えない預金残高を見て焦りを感じたり、徐々に「自分の収入が欲しい」「社会とつながりたい」という思いが強くなっていったのです。
とはいえ、子どもはまだ小さいし、我が家は転勤族。今の自分には外に働きにでることは難しいと思い、在宅でできる仕事を探すことにしました。「娘の2歳の誕生日に開業する」。これだけを決めて、様々な可能性を探っていきました。そして、最終的に巡り合ったのがライターの仕事です。
会社員を辞めてから、安定した職を手放したことに不安を感じることもありました。しかし、今思うのは、会社員を辞めたからこそ、今の働き方に出会えたということです。
予期せぬ出来事が、人生の大きな転機となり、新たな可能性を開いてくれました。
「とりあえずやってみる」行動することで未来を切り開く
「際立ったスキルや経験がない私に何ができるのだろうか……」と悩んでいた時、“ママが1ヶ月でWebデザイナーに”という広告が目に留まりました。
「これだ!」と運命を感じた私は、未経験からWebデザイナーを目指すことに決めました。生後3ヶ月の娘を抱っこしながらWebデザインスクールに通い、その後、Webデザイナーとして活動を開始。
しかし、「私はWebデザイナーを名乗って良いのだろうか……」というモヤモヤした感情が拭えずにいました。
そんな中、Webデザインの勉強と並行して始めたブログ運営で、文章を書く楽しさに目覚めました。次第にデザインよりも執筆の仕事に惹かれるようになり、SNSで見つけたライター募集に思い切って応募することに。
そして、勇気を持ってWebデザイナーという肩書きを手放し、「ライター」として活動していくことを決意しました。不思議なことに、「ライター」と名乗ることには違和感がなかったのです。
この経験から感じたことは、好きも嫌いも、得意も苦手も、実際に手を動かしてみなければわからないということ。気になったらやってみれば良いし、やってみて何か違うと思ったら辞めれば良い。行動することで、可能性が広がることを体感しました。
ガムシャラ期を乗り越え、見えてきた仕事の基準
駆け出しの頃は、執筆ジャンルや報酬を気にせずに仕事を受け、目の前の案件に必死に取り組みました。
当時の仕事時間は子どものお昼寝中と家族が寝静まった明け方のみ。スキルも未熟だったので、何をするにも時間がかかり、キャパオーバーに。締め切りが頭から離れず、ストレスから動悸に悩まされることもありました。
しかし、必死に行動することで、少しずつ自分のやりたいことがわかってきたり、自分なりの価格表が作れるようになったり、仕事を選ぶ基準ができてきたのです。
人は歳をとります。睡眠時間を削って働き続けるのは限界があるでしょう。だからこそ、ガムシャラに行動した後には、どんな仕事に関わりたいのか、どんな条件なら気持ちよく働けるのか、どんな人と一緒に働きたいのか……、自分と向き合うことが大切です。
せっかくフリーランスになったのだから、自分が心地よいと感じる働き方を追求していきたいです。
現状維持は後退。学び続けることが大切
「現状維持は後退だと思っている」というフリーランス仲間の言葉が、私の心に深く刻まれています。
AIが急速に進化し、多くの仕事が変化していく今の時代。私たち自身も常にアップデートしていく必要があります。
私は意識的に学びの時間を確保するようにしています。例えば、尊敬する先輩ライターさんのライティング講座を受講したり、書くこと以外の武器を増やすためにカメラの勉強を始めたり。また、AIツールも積極的に活用しています。学び続けることで、自分の可能性が広がると信じているからです。
さらに、心と体の健康維持も重要だと考え、今年からジム通いを始めました。隙間時間に行こうとすると優先順位が低くなりがちです。そこで、ジムに行く日を事前にスケジュールに組み込み、日々の仕事に埋もれないよう心がけています。
もちろん、目の前の仕事をこなすだけで精一杯な日もあります。しかし、自己投資の時間を大切にすることは、長期的には仕事の質を高めることにも繋がるのではないでしょうか。
働き方が変われば、人生が変わる
フリーランスになって実感したのは、働き方の変化が人生を大きく変えるということ。今の私にとって、働く時間と場所を自分でコントロールできるフリーランスの生活はとても心地よく、働くことが楽しいです。
もちろん、いきなり継続の案件がストップしたり、毎月の収入が安定しなかったり、「この先もフリーランスを続けられるかな……」と不安になることもあります。しかし、未来のことは誰にも分かりません。
だからこそ大切なのは、目の前の仕事に全力で取り組むこと、出会えたご縁を大切にすること、自己成長を止めないこと、そして、新たなチャンスを逃さないよう適度な余白を持つこと。
これらを意識しながら、私はこれからも文章を綴っていきます。
ライター:プロフィール
1987年東京生まれ。
大学卒業後、損害保険会社の営業事務を6年間経験。
その後、夫の海外赴任に帯同するため退職し、1年間インド・ムンバイにて海外生活をおくる。
帰国後は、「おうちで働く」を一つの軸に、ベビーマッサージの先生、Webデザインの勉強、物販のお手伝い、ブログ運営、様々なことに挑戦しながら、最終的に「ライター」の仕事に巡り逢う。
興味のある分野は、人の働き方・生き方、マインドフルネス、教育。推しはBE:FIRST。プライベートでは2児の母。