安全で満足できるバーチャルセックスの楽しみ方
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カップルのセックスのかたち
忙しくてなかなか会えない。
距離がある。
スケジュールが合わない。
そんな状況でも、恋人との親密さやつながりを保ちたいと感じる人は多いはず。
バーチャルセックスは、そんなふたりにとって、気持ちや欲望を共有するためのひとつの手段になります。
たとえ離れていても、性的な関係を探求できることが、感情的な絆を強めてくれるでしょう。
ビデオ通話とは一味違う、ちょっと刺激的なオンラインの楽しみ方ーそれがバーチャルセックスです。
バーチャルセックスは、VR(バーチャルリアリティ)とは異なります。
テクノロジーを使って、遠くにいる相手と親密さを分かち合う方法のことです。
直接触れられない距離にあっても、親密度を深めることができます。
たとえば、性的なメッセージを送り合ったり、電話でエッチな会話をしたり、ビデオ通話を使ってセックスを楽しんだり、お互いに見せ合いながらセルフプレジャーをすることもできます。
どれを選ぶかはふたり次第。
大切なのは、お互いが同意していて、心地よく感じられることです。
こうした親密さは、想像力や好奇心を刺激し、ふたりのつながりをより深めてくれます。
大人になると、ただ“楽しむ”ということを忘れてしまいがちですが、バーチャルセックスでの親密なやりとりは、日々のストレスを軽くしてくれる時間にもなるかもしれません。
パートナーにこの話題を持ち出すのは、ちょっと勇気がいるかもしれません。
そんなときは、「私」を主語にして伝えてみると良いでしょう。
「私ね、最近バーチャルな親密さについての記事を読んだの。
画面越しにエッチなことをしてみるとか、インターネットを通じて操作できるおもちゃを使うとか、そんな感じなんだけど…。すごく楽しそうだと思ったの。試してみたいと思わない?」
また、相手がどんなことを試してみたいか、自分が興味あることを共有してみてください。
たとえば、電話で一緒にマスターベーションしてみる、ウェブカメラ越しにストリップをしてみるなど。
ベッドの中で自分の欲望やニーズを伝えるのと同じように、離れていても、自分の「こうしたい」を言葉にしてみましょう。
マインドフルなセックスと同じで、「今ここ」に気持ちと身体を置くことが大切です。
そのためにも、その時間に意識を集中できるようなことを選んでみましょう。
たとえば、パソコン越しに相手の前でセルフプレジャーをしていても、頭の中が別のところにあれば、それはつながっているとは言えません。
セックスである以上、すべてのステップにおいて同意が必要です。
ふたりで、バーチャルで試してみたいことのリストを作ってみましょう。
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「やってみたい」
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「たぶんOK」
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「やりたくない」
このように分類しておくと、確認しやすくなります。
「やってみたい」た「たぶんOK」に分類していたとしても、「ヌード写真を送ってもいいって言ってくれたけど、ほんとに大丈夫?」と再度確認をとることも大切です。
こうした声かけは、信頼感と安心感をつくります。
同意と境界線は、その場だけのものではありません。常に続いていくものです。
たとえ一度限りの関係だとしても、相手が誰であっても、それは変わりません。
バーチャルでも、現実と同じように、しっかりとしたやりとりが必要です。
やりとりが終わったあとも、そこで話を終わらせないこと。
特に初めて試したときは、ふたりでふり返る時間をとってみてください。
いわば“脱いだあと”のふり返りです。
よかったこと、ちょっと気まずかったこと、またやってみたいこと。
そんな会話を通じて、次につながる発見があるはずです。
何より大切なのは、完璧を目指さないこと。
自分にも、相手にも、力を入れすぎずに楽しむのがいちばんです。
たとえば、通信トラブルで笑ってしまうなんてこともあるかもしれません。
しかし、そうした笑いもふたりの親密さの一部です。
「自分が心地よいと感じること、相手とのつながりを感じられること」
それを大切にしていきましょう。
誰もが何でも完璧にこなせるわけじゃありません。
相手が感じている姿を見ることや、声を聞くことは、他にはない大きな魅力です。
探っていくこと自体が、自分の力になるのです。
バーチャルセックスで親密になることに、恥じる必要なんてありません。
合意があり、お互いが望んでいるなら、それはとても自然なことです。
結局のところ、それは“自分で選ぶ”という行為であり、私たちは、そうした選択ができる世界に生きているということなんです。
バーチャルセックスをもっと楽しむアイデア
では、実際にバーチャルセックスを始めてみようと思ったとき、何から始めればいいのでしょうか。
ここからは、バーチャルセックスを楽しむための具体的なアイデアをいくつか紹介します。
音と声でつながる
ふたりで官能的な音声ストーリーを一緒に聴いてみると、視覚に頼らず想像力を刺激できます。
海外には、たとえば We Are Ferly や Dipsea のように、感覚に訴えるストーリーを配信している音声アプリがあります。
日本語には対応していませんが、雰囲気や演出だけでも十分に楽しめるかもしれません。
英語に抵抗がない場合は、こうしたサービスを取り入れてみるのもいいでしょう。
また、言葉でのやりとりが好きなふたりなら、エロティックなストーリーを読み合うのもおすすめです。
自分で書いてもいいし、見つけてきた作品を電話で読んであげるのもあり。
逆に読んでもらうことで、聴覚を通して新しい刺激が得られることもあります。
お互いの感覚をシンクロさせる
視覚や触覚を使ってもっとインタラクティブに楽しみたい場合は、セクストイを取り入れてみるのもひとつの手です。
海外では、スマホやインターネットを使って遠隔操作できるセクストが数多く開発されています。
操作する側・される側のどちらも興奮を共有できるのが魅力です。
日本ではあまり一般的ではありませんが、興味があれば情報を調べてみる価値はあります。
こうした“セッション中”の楽しみ方に加えて、日中からじわじわ気分を高めていくのも効果的です。
たとえば、軽く写真や動画を送り合ったり、メッセージのトーンを少しずつセクシーにしてみたり。
夜に向けて、ふたりだけのテンションを作っていくことができます。
また、音楽の力を借りるのもひとつの手です。
一緒にセックスプレイリストを作ってみると、感覚がより深くつながることがあります。
電話セックスのときに流してもいいし、ひとりで過ごすプレジャータイムに使ってみるのも良いでしょう。
お互いに好きな曲をシェアすることで、気分を自然に高められます。
関係性を深める“ふたり時間”
たとえば、実用的な楽しみを取り入れるなら、買い物を一緒に楽しむのもおすすめです。
オンラインショッピングをふたりで楽しみながら、気になるセクストイを選んでみたり、サプライズで相手にプレゼントを送ってみたり。
国内外にはフェミニスト視点でセレクトされたショップも増えてきているので、気軽にチェックできます。
もう少し会話の深さを高めたいなら、ふたりの「好き」や「してみたいこと」を言葉にするきっかけとして、性的な好みや価値観を共有できる“質問シート”に一緒に取り組んでみるのもいいでしょう。
こうしたシートは、セクシュアル・ワークシートと呼ばれるもので、自分自身の感覚を整理したり、パートナーとの理解を深めたりするのに役立ちます。
少し“宿題”のような感覚になりますが、お互いの理解が深まり、次のステップにもつながります。
そして、視覚や感覚を共有する方法としては、ポルノを一緒に観てみるという選択肢もあります。
最近では、倫理的な制作を行っているポルノサイトもあり、安心して視聴できる作品が増えています。
興味と好奇心を共有するという意味でも、ふたりの距離を縮めるきっかけになるはずです。
バーチャルセックスは安全?
セーフセックスは、コンドームを使うことだけじゃありません。
オンラインで親密なやりとりをする以上、完全に安全な状態を保つのは現実的に難しいかもしれません。
それでも、基本的な“サイバーハイジーン(ネット上での衛生習慣)”を意識することで、リスクを大きく下げることはできます。
ここでは、バーチャルセックスを楽しむ前に確認しておきたい、安全対策のポイントを紹介します。
暗号化されたアプリを使う
プライバシーを守るためには、メッセージや通話が暗号化されたアプリを使うのが基本です。
日本では LINE が主流ですが、より高いセキュリティを求めるなら、WhatsApp や Signal といった海外製アプリも選択肢になります。
どちらもやりとりがサーバーに残らないエンドツーエンド暗号化に対応しています。
ただし、Signal は電話番号が必要で、相手に番号が表示される点に注意が必要です。
アプリの操作は英語が中心なので、慣れていない人にはやや使いづらいかもしれません。
SNSのDM機能は暗号化されていないことが多いため、セクシーな内容の送信には不向きです。
ビデオ通話を使うなら、ZoomやSkypeよりも、セキュリティに強い専用アプリを検討してみるのもよいでしょう。
画像データを編集・削除してから送る
たとえばヌード写真を撮った場合、その画像には「Exif(イグジフ)」という撮影時の情報が自動的に記録されています。
この中には、撮影日時や場所、使用した端末の情報など、プライバシーに関わるデータが含まれていることも。
こうした情報は、画像編集アプリで削除できます。
日本でも使える無料アプリとしては、Android向けの「Photo Exif Editor」や、iOS向けの「Exif Metadata Viewer」などがあります。
英語表記が中心ですが、操作はシンプルで使いやすい設計になっています。
顔を写さないという選択肢もある
写真や動画を送るときは、顔や個人を特定できる情報を隠すのも安全性を高める方法のひとつです。
絶対に顔を出してはいけないというわけではありませんが、リスクを抑えたい場合には、目元や特徴的なタトゥー、ほくろなどは写さないように工夫するのがおすすめです。
また、メッセージの中にお互いの名前を含めないようにするのも、万が一の際のリスク管理になります。
公共のWi-FiではVPNを使う
カフェや空港などの公共Wi-Fiを使ってバーチャルセックスを行う場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を通すことで通信内容を暗号化できます。
これにより、第三者による盗み見や不正アクセスのリスクを大幅に下げることが可能です。
パスワード管理を強化する
使用するアカウントには、複雑で使い回しのないパスワードを設定しましょう。
パスワードマネージャー(管理アプリ)を活用すれば、安全性と管理のしやすさを両立できます。
最新のパスワードマネージャーは、2段階認証や指紋・顔認証などの生体認証にも対応しており、アカウントの安全性をさらに高めてくれます。
クラウド保存をオフにしておく
スマホやパソコンで撮影した写真や動画が、クラウドに自動でアップロードされる設定になっていないかも確認しましょう。
不要なクラウド保存は、意図せぬデータ流出の原因にもなります。
端末の設定から、特定のフォルダやアプリだけでもクラウド保存をオフにすることができます。
バーチャルセックスは、離れていてもつながれる魅力的な手段です。
しかし、オンライン上で行うからこそ、情報の取り扱いやセキュリティには十分な配慮が必要です。
安心できる環境を整えることが、より自由で楽しい体験をするための土台になります。
自分たちに合ったかたちで楽しめばいい
バーチャルで性的なつながりを楽しむことは、恥ずかしいことでも、特別なことでもありません。
もし自分には合わないと感じるなら、それでもまったく問題ありません。
けれど、「やってみたい」と思ったのなら、その気持ちは大切にしてみましょう。
現在ではバーチャルセックスは、遠距離恋愛中のカップルだけのものではありません。
関係に新しい刺激が欲しいときや、ちょっと非日常を楽しみたいときにも選ばれています。
つまり、大切なのは「こうしなきゃいけない」という決まりごとではなく、
ふたりに合った楽しみ方を見つけること
どんな形であっても、お互いの気持ちを尊重しながら、つながりを深めていける方法があるなら、それはとても素敵なことです。
