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「モノを“育てる”という至福」【ユナイテッドアローズ田中駿也さんの5年選手、10年選手】

物を大切に、長く使い続けることはサステナブルなライフスタイルの基本。おしゃれ業界人が愛用する「5年選手」と「10年選手」、そしてこれからじっくりと育てていきたいNEWアイテムへの愛を語っていただきます。今回お話を伺ったのはビューティ&ユース ユナイテッドアローズ PRの田中駿也さん。


スタイルを格上げしてくれる上質シャツ

― 5年選手を教えてください。

エイチ ビューティ&ユースのシャツです。

― このアイテムとの出合いは?

南青山にあるショップで購入しました。ブランドの立ち上げ当初から展開している根強い人気があるオリジナルのシャツで、ショップスタッフは全員持っているんじゃないかと思うほど、ブランドのアイコン的なアイテムでもあります。僕は白を購入してから着心地と汎用性の高さに魅了されて、カラーやサイズ違いで何枚も持っています。

最近ではワイドシルエットが定番化されていますが、5年前はこのゆったりとしたシルエットが新鮮でした。ドレスシャツに使われるトーマスメイソン社のブロード生地を使用していて、上品さとカジュアル感を併せもつバランスが絶妙。シャツは普遍的なアイテムだからこそ、少し質の高いものが欲しいという声に応えるようなアイテムです。

―お気に入りのポイントは?

実は一般的なシャツのLサイズが、このシャツのSサイズか、Mサイズにあたるようなサイズ感なんです。身長170cmほどのディレクターがよく言っているのは、「僕がどのサイズを着ても着こなせる服をつくる」ということ。サイズによって雰囲気が変わるので、“いつものサイズ”でも良いですが、その日の気分やそのときの自分に合わせた着こなしを楽しめるのが魅力です。

―どんなコーディネートに取り入れていますか?

基本的に仕事の日はスラックス、休みの日はデニムに合わせています。最初に購入した白は今も一番出番が多いですね。ハリのある生地ですが、洗濯をしてあえてシワをつけてラフな表情を楽しんでいます。


ファッションの楽しみを教えてくれた、特別な一足

― 10年選手を教えてください。

ビューティ&ユース別注のALDEN(オールデン)の革靴です。

― このアイテムとの出合いは?

2016年に閉店となったビューティ & ユース ユナイテッドアローズ 原宿店で購入した、僕にとって初めての本格的な革靴です。学生だった当時は大きな買い物でしたが、社会人になると必要なシーンが増えると思い、革靴一足は持っておきたいと考えていました。きちんとしているけれど、人とかぶらないデザインが気に入っています。

― このアイテムにまつわるエピソードを教えてください。

18歳のときに静岡から上京したのですが、当時ビューティ&ユースは静岡になかったんです。雑誌で見ていたおしゃれなセレクトショップという認識で入店するのも少し緊張しましたね。ファッションの知識に富んだスタッフの方に接客していただき、この買い物は弊社に入社したいと思ったきっかけにもなったように感じます。内定が出たあと、入社式用のスーツも買いに行きました。

― 10年間使い続けるなかで気づきはありましたか?

シワの入り方など育ってきた痕跡、10年間の自分の歩みを表しているような靴だなと感じます。接客してくださったスタッフの方に初めての革靴を探していると伝えたところ、薦めていただいたのがこの革靴でした。「革が自分の足の形に馴染んで育てがいがありますよ」という言葉が印象的でした。当時の僕には「靴を育てる」という感覚がなく、手入れの仕方など丁寧に教えてくださった今でも思い入れの深い買い物です。


“今”の自分に似合う小物選び

― 最近はどんなアイテムを購入しましたか?

ビューティ&ユース別注のリーボックのスニーカーを購入しました。

― 購入の決め手は何ですか?

リーボックのスニーカーは複数所持しているのですが、高級感のあるレザー、シンプルな配色がビューティ&ユースらしくて気に入りました。10代の頃は派手な配色のスニーカーを履いていましたが、大人になって洋服がシンプルになるほど合わせづらくなってきたと感じていたとき、このソリッドな風合いのスニーカーが気分にマッチしました。

―買い物の基準、こだわりを教えてください。

自分に似合うかどうかを重視しています。どんなにブランドや物のバックグラウンドがカッコ良くても、似合わなければ買いません。

それから基本的に物を売りません。気の知れた後輩に引き継ぐことはありますが、お気に入りを誰かの手に渡すことに抵抗があって・・・。靴がボロボロになっても、思い出が詰まった一足を捨てられないんですよね。整理は大変ですが、大事に使い続けます。それにトレンドは時を経て巡るもの。数年前に購入した自社の洋服などをオフィスで着ていると、それが商品の企画担当者の目に止まり、新たな商品のアイデアになることも。僕としてはそういったコミュニケーションが生まれることもうれしいし、クローゼットには何年経っても魅力あふれるアーカイブコレクションがたくさんあります。

Profile
田中駿也
(たなかしゅんや)
ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ PR。エイチ ビューティ&ユースに6年間在籍し、今年春から現職。最近はもっぱら釣りにはまっています。
Instagram @SHUNYA39


PHOTO = 池田博美
TEXT = Humming編集部

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