ピンクリボン運動とは?ピンクリボンの日はいつ?バッジはもらえる?
毎年秋の季節になると、ピンクリボン運動がニュースとして報じられ、一度は目にした方も多いのではないでしょうか。
乳がんに関する運動という漠然としたイメージはあるものの、どういった活動が行われているのか具体的には分からないという方も多いはずです。
そこで本記事では、ピンクリボン運動とは何を目的にしたどういった活動なのか、基礎知識として押さえておきたいことをご紹介します。
Contents
ピンクリボン運動とは
ピンクリボン運動とは、乳がんの予防・早期発見・早期治療を周知・促進することを目的とした啓蒙活動です。
この活動の歴史は40年以上におよびます。
1980年代に乳がんで家族を亡くした遺族が「このような悲劇が繰り返されないように」という強い願いを込めて、ピンク色のリボンを作ったことが始まりです。
現在では、このピンク色のリボンが乳がんの予防や早期治療を促すトレードマークにもなっており、日本でも認知度が高まっています。
ピンクリボン運動の歴史
そもそも、なぜピンクリボン運動はこれほどまでに拡大していったのでしょうか。
ピンクリボン運動が始まった1980年代のアメリカでは、乳がんの発症率は女性の8人に1人と非常に高く、死亡率も高い病気として知られていました。
このような社会的背景もあり、一人のがん患者の遺族が願いを込めて作ったピンク色のリボンは、多くの女性の共感を呼ぶこととなったのです。
日本でピンクリボン運動が拡大し始めたのは2000年代初頭からで、乳がん啓発のためのウォーキングイベントが各地で開催され一気に認知度が高まりました。
また、東京都内ではレインボーブリッジや東京タワーといったランドマークが、ピンク色にライトアップされます。
公的機関もピンクリボン運動をバックアップしてきた歴史があります。
日本人の乳がん罹患数
日本における乳がんの実情はどのようになっているのでしょうか。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」によると、2019年に乳がんと診断された数は97,812例におよび、このうち97,142例が女性となっています。
また、死亡数は2020年のデータで14,779人。うち女性は14,650人に達しています。
上記のデータを見てもわかる通り、乳がんは男性よりも圧倒的に女性の罹患率が高い傾向にあります。
ちなみに、一口にがんといってもさまざまな種類がありますが、部位別の罹患数を見ると女性は圧倒的に乳がんが多く、二位の大腸がんとは約3万件の差があります。
また、乳がんは30代から40代にかけて急激に発症リスクが高まり、子育てや仕事に従事している女性がある日突然がん宣告を受けるケースが少なくありません。
10万人あたりの女性の罹患率は150例、死亡率は23.1例にも達することから、いつ罹患してもおかしくない病気なのです。
かつて、がんといえば治療が難しい病気という認識が一般的でしたが、現在は早期発見さえできれば十分治療は可能であり、日常生活に戻れる可能性があります。
「自分は大丈夫だろう」、「自覚症状がなく体調にも異変がないため問題ないだろう」と決めつけるのではなく、定期的にがん検診を受けることが大切です。
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ピンクリボンの日はいつ?
ピンクリボン運動の期間に合わせて、がん検診を受けてみるのもおすすめです。
ピンクリボン運動発祥の地であるアメリカでは、毎年10月が乳がん早期発見強化月間としてさだめられています。
日本でもこれに合わせて10月が「乳がん月間」に定められており、自治体や医療機関などが主体となり乳がんに関するさまざまなイベントが開催されています。
これまで乳がんに関する知識がなかった方や、検診を一度も受けたことがないという方は、乳がんに関するセミナーやシンポジウムなどに参加してみるのもおすすめです。
毎月19日は「ピンクの日」
上記以外にも毎月19日は「ピンクの日」として定められています。
ピンクリボン運動の一環として、ブレスト・アウェアネス推奨キャンペーン(乳がんのセルフチェックを推奨するキャンペーン)が実施されています。
乳がんの検診には時間も費用もかかるため、頻繁に検査は受けられないという方も多いでしょう。
そのような場合には、乳房のセルフチェックを行い異常がないかを確認する習慣をつけてみるだけでも、早期発見につながることがあります。
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ピンクリボン運動のバッジはもらえる?
ピンクリボン運動では、活動しているさまざまな人が、胸にトレードマークであるピンクリボンのバッジを付けている姿を目にすることがあります。
これは一般的に販売されているものではなく、ピンクリボン運動を行っている団体へ寄付をしたり、さまざまなイベントへ参加したりすることでもらえる場合があります。
たとえば、認定NPO法人 乳房健康研究会では、1口500円の寄付でバッジが進呈されていますが、団体によっても進呈の条件が異なり、必ずしももらえるものではありません。
まとめ
1980年代にアメリカで始まったピンクリボン運動は、2000年代に日本でも広がりを見せ、現在でも毎年運動が続いています。
がんと聞くと生活習慣や遺伝などが原因としてクローズアップされがちですが、誰であっても発症のリスクはあります。
かつては不治の病として知られてきた”がん”ですが、現在では適切な治療を行えば寛解が見込め日常生活に戻ることもできます。
そのためには早期発見が重要であり、特に若い方は病気の進行も早いため定期的な検診が不可欠です。
「ピンクリボンの日」や乳がん月間などのタイミングに合わせて乳がんへの理解を深め、まずは検診を受けることから始めてみましょう。