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仕事のモチベーションを上げる「秘密兵器」は?【小田切ヒロのお気に入りLIST】

その道のプロに聞く、今の自分に必要なお気に入りアイテム。今回は、人気ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロさんに、仕事のモチベーションをアップするために必要な5つのアイテムについて語っていただきました。


“安定感”をキープするため、試行錯誤して辿り着いたアイテム

僕にとって、仕事のモチベーションを上げるアイテムは、すべて安定感をキープするためのもの。人が安定感をキープすることって、意外と難しいんです。

自分の気持ちにブレがあると、仕事の仕上がりなど、出来上がるものまで変わったりしてしまう。常にいい状態、一定であることを目指すことで、仕事はもちろん、人生もより上手く回るようになると思っています。

アッパーにもダウンにもなり過ぎず、常にフラットであることがベスト! その状態をつくるための必須アイテムです。


普段着をドレスアップする「MIKIMOTOのパールネックレス」

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MIKIMOTO × Comme des Garçons のネックレスは、アコヤ真珠とシルバーチェーンのコンビがおしゃれで男性も使いやすいルックス。コラボという特別感もお気に入り。同シリーズをコレクションしていて、次はブラックパールがターゲット。


まず1つめが、ミキモトのパールネックレス。最近、男女問わずパールがトレンドですが、僕の場合、どちらかというと仕事の必需品ですね。ヘアメイクは基本的に裏方の仕事なので、普段はラフなTシャツで仕事をすることが多い。動きやすく、通気性の良いTシャツは、作業着に一番適しているんです。

 

とはいえ、人前に出たり、メイクショーなど表舞台に立つ仕事もあるので、いざ出番というタイミングでシンプルな黒Tシャツに、このパールネックレスをまとって一気にドレスアップします。一緒に舞台に立つモデルやタレントさんのヘアメイクを優先して、こちらは“瞬発力”というかスピード勝負。わざわざ衣装を用意しなくても、これさえ持っておけばOK。身に着けた瞬間、よそゆきの雰囲気になるので、本当に重宝しています。

 

以前からパールが好きだったので、プライベートでは愛用していました。仕事でも使うようになったのは、1年半ぐらい前。それまでは表舞台に立つ仕事では、いつも自分で衣装を用意していたんですね。

でも、毎回服を変えないといけないから一度着た服は使えない。・・・となると、普段は着られないような衣装服がどんどん溜まってしまい、仕方なく断捨離して、また新たに買う——という負のスパイラルに。それがストレスだったし、まったくエコじゃないですよね。だったら普段着を活かす方法がないかな?と考えていたときに、持っていたパールネックレスを着ければいい!と気付いたわけです。

 

それから、パールにはまとうことで肌がキレイに見えるという美肌効果があるのも魅力。やはり“美”を扱う仕事をする者として、たとえ裏方といえども、肌の美しさは意識すべきだと思っているので。気分を上げてくれて、肌を美しく見せてくれて、そして好印象に見せるなど、たった1本のパールネックレスがこれだけの効果を発揮してくれるなんて! まさに、パールネックレスは僕の必須アイテムですね。


気持ちを安定させる「MAD et LEN パルファンミスト」

小田切ヒロ

「マドエレン パルファンミスト」〈左から〉SPIRITUELLE(スピリチェーレ)、TERRENOIR(テレノア)。自然のエッセンスをベースに調香された柔らかく奥行きのある香りが人気のミストタイプのオードパルファム。


僕にとって香りはすごく重要なファクター。家ではアロマオイルをはじめ、ディフューザーやルームフレグランス、キャンドルなど、さまざまな種類の香りを楽しんでます。なかでも一番好きなのが、このマドエレン。香りがいいのはもちろんですが、ブランドの「不完全な美」というコンセプトに惹かれました。

 

例えばこのテレノワ、実は初めからロゴが剥げている。使い古したわけではなく、わざとなんです。こんなふうに不完全にするところが、すごくコンセプチュアル。パッケージも飾り気のないスチール素材で、でもそれが逆にすごくシックでカッコいい。

 

僕自身も「美を作る」仕事をしていますが、最終的に仕上がった美しさよりも、その過程に本当の美しさがあると思っています。完全になる手前や、未完成なものだったり。パーフェクトではない美しさに意味を感じているので、このコンセプトがまさに僕の感性にマッチ。“美”の概念が似ているところに、一気に引き込まれました。

 

テレノワは、湿度が高くキノコや苔が生えているような森林、黒く湿った大地を包み込んだような香り。少しクセのある香りですが、奥深い森に迷い込んだような、例えば屋久島など、なにかエナジーを感じるパワースポットにいるような気分にしてくれる力強い香り。落ち込んだときや疲れたときなど、気持ちがダウンしたときに使っています。

 

逆にスピリチェーレは、ミントなどハーブの絶妙なブレンドが際立つアロマティックな香り。ポジティブな気分にさせてくれる、スッキリとしたフレッシュな香りだから、朝など一日の始まりや人に会うときなどにぴったり。

 

癒し系と癒され系、マドエレンのなかでも、この2つが特にお気に入りです。


また、「アロマ(精油)の香り」ということも重要。僕にとって香りは、気持ちを安定するために欠かせないものなので。自分自身が安定してないと、安定したメイクができない。イライラしていると、眉毛やラインがキツくなってしまうことが結構あって(笑)。アロマの心を整えてくれる効果が、気持ちの抑揚を防いでくれるんです。

 

ここにたどり着くまでは、本当にいろいろな香りを試しました。専門家に相談したり、フィトテラピーについて勉強もして。そこで、アロマには表層的な効果だけでなく、メンタルに働きかける作用があり、ホルモンを整えるなど体調管理までできるということを知って、すっかりハマっています。

 

実は仕事の現場でも香りの力が重要で、へアメイクは“香りから入る”と思っているくらい。まず、香りと照明と音楽。そこからメイクなんです。いつもメイクルームに入ったら、まずアロマで空気を浄化。次にヒーリングミュージックを流して照明を調整。モデルや女優さんがリラックスできる環境を整えて、安心感を与えてあげます。そうすると、やっぱり肌も変わるんですよね。逆に何か不快や不安を感じると神経がピリついて、肌のキメが乱れてファンデーションのノリが悪くなったりするんです。

 

五感のなかでも特に嗅覚はメンタルに直結するといわれているので、香りで気持ちをコントロールするのがいちばん簡単。メイクの仕上がりにもつながってくるので、仕事現場には鎮静から爽快系まで常に3~4種類ぐらいの香りを用意しています。


マルチに活躍する「ビュリー リップバーム」

小田切ヒロ

「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー ボーム・デ・ミューズ(リップバーム)」。オーガニック植物由来原料が唇を優しく保湿。マルチに使えるリップバーム。イニシャルを刻印できる“お守りケース”付き。


これは、ビュリーのバーム。本当はリップバームですけど、マルチバームとして使っています。マルチバームは、保湿もできるし、ツヤも出せるし、1つ持っていると本当に便利なアイテム。リップクリームやハンドクリームなどいろいろ持ち歩かなくて済みます。唇はもちろん、目元や頬、今だとマスクで乾燥しがちな口周りなど、気になるところにサッと塗れるのがいい。

 

仕事でもマルチバームは必需品。ロケ撮影中に急にメイク直しが必要になったときなど、例えばクレンジングにも使えるし、肌のツヤを出したり、ネイルオイル代わりにもなる。保湿剤として以外にも大活躍してくれます。

 

僕はかなりのミニマリストで、仕事に持っていくヘアメイク道具もとても少ないので、他のスタッフからびっくりされることもあるほど。あるとき「捨てること、削ぎ落とすことで本質的な美しさが出る」ということに気付いて、以来なるべく余計なものを持たないようにしています。だから、1つで何役も使えるマルチバームが好きなんです(笑)。

 

数あるマルチバームのなかでもビュリーを愛用している理由は、とにかくブランドとして好きということ。それから、マルチバームなのに鏡が付いていること。鏡付きのバームって、ほとんど見たことがなくないですか? これがあれば、鏡さえも持ち歩かなくていいわけです。そして、イニシャルを刻印してくれるのもいい。パーソナル感があると、ちょっと気分が上がりますよね。何よりおしゃれ!

 

見た目が素敵なものを使うこと、自分の好きなブランドを持つことは、モチベーションを上げる大切な要素。僕はブランドのコンセプトやストーリーに惹かれることが多いのですが、ビュリーは美容成分をカスタマイズしてオリジナルスキンケアを作れるというパーソナル感があるブランドなので、そこも自分に合っているのかな、と思っています。


男の毛のたしなみに!「ボビイブラウンのアイブロウペンシル」

小田切ヒロ

ボビイ ブラウン パーフェクトリー ディファインド ロングウェア ブローペンシル 11 ソフトブラック。


僕のなかで「男性の毛のたしなみ」というのがあるんですね。アイブロウペンシルなので、もちろん眉毛を整えることが目的ですが、それ以外にもヒゲやフェイスラインの毛を整えるなど、いろいろと使えるんです。というのも、“清潔感がでる顔バランス”というのがあって、それに関わってくるのが毛。男性でもエチケットとして意識すべきだと思うんです。その清潔感をキープするのに、このボビイブラウンが活躍します。

 

このペンシルの特長は薙刀型ということ。線を描くこともできれば、ぼかして面で埋めることもできるのが便利。例えば、髪の生え際に描いて指でぼかしてシェーディングにしたり、穴があいているように見えるヒゲの部分を埋めたり。裏技的な使い方もあり、夕方になって目尻が下がってきたとき、指でぼかして目尻にシャドウっぽく入れると、グッと目元が上がって強さが出る。だから、好印象にしたいとき、何か印象変えしたいときに、このブラックのアイブロウペンシルは欠かせません。

 

黒といってもソフトブラック、真っ黒過ぎずグレーでもない、というのもポイント。ぼかせばグレーになるし、強めに描けば黒になる、いい感じのニュアンスカラー。髪や眉など僕の毛にマッチする色なのでこれを使っていますが、女性だったら、もう少し優しいブラウンやチャコールグレーなど、自分の髪色に合うカラーを選ぶといいと思いますよ。

 

もう一つのポイントは、スクリューブラシがついていること。やっぱり清潔感を保つには、眉毛やフェイスラインの毛など、毛流れが大事。例えば、前髪がパラパラって乱れているだけで、疲れて見えますよね。毛の乱れは、清潔感の乱れ。毛が1本出ているだけで、だらしなく見えますから。スクリューブラシは細かな毛もササッと整えることができるので便利なんです。

 

目的はメイクアップではなく、あくまで好印象に持っていくため、清潔感をキープするため。だから、スクリューブラシとセットになっている薙刀型っていうのが絶対条件。品格と清潔感をプラスするためのアイブロウペンシルです。


腸活のための乳酸菌サプリ「 慧達、智道」

小田切ヒロ

花粉発酵エキス「慧達(えたつ)」は、ハチミツベースの乳酸菌サプリ。乳酸菌発酵エキス「智道(ちつう)」は、自分の体内にいる乳酸菌をサポートする、菌のエサとなるエキス。


これは乳酸菌のサプリです。最近、腸活が流行っていますが、本当に腸を整えるだけでいろいろといい効果を感じていて。体調がいいと思考がクリアになって、仕事がスムーズに進みます。普段は外食が多くなりがちなので、栄養が偏ってしまう。どんなにいいものを食べても、腸でちゃんと吸収しないと意味がないし、腸を整えるためにもこの2つを毎日欠かさず摂るようにしています。

 

「慧達(えたつ)」は、フィトケミカルを豊富に含む“みつばち花粉”を16種類の乳酸菌発酵・熟成させた腸内菌を整える作用のあるエキス。ハチミツで少し血糖値が上がるせいか、疲れたときや頭の回転が鈍いなど、体がツライと感じるときに摂ると本当にすぐに元気になれます。ちょっとクセがあるけど、美味しいハチミツ味。

 

「智道(ちつう)」の方は、腸内菌を育てるエキス。乳酸菌にはさまざまな種類があって、人それぞれで相性が異なります。なので、市販の乳酸菌を体内に送りこんでも、相性が悪いと定着せずに排出されてしまうのだとか。重要なのは、自分の乳酸菌の種類や量が多く、バランスがとれていること。だからこの乳酸菌をサポートしてくれる「乳酸菌生成エキス」も一緒に摂っています。

 

このサプリはリキッドタイプというところもポイント。カプセルや錠剤だと、不要なものが必ず入ってしまうんです。そうすると、オーガニックなど、どんなに体にいいことを謳っていても意味がない。なので体のことを考えて、サプリはリキッドで摂るようにして、余計なものはできるだけ避けるようにしています。

 

このサプリをつくっている会社は、腸活が流行るずっと前から商品を出していて、パッケージも飾りっ気がなく、中身で勝負!みたいなところが気に入って購入。本当にクチコミで広がったんだろうなというところも信頼できるんです。化粧品は見た目のおしゃれさも重要だけど、食材やサプリメントなど体内に入れるものは、極力シンプルなものがいい。機能性というか本質だけをちゃんと考えているところを選びたいです。

 

僕にとって仕事をスムーズに進めるために必要なのが安定感で、その安定感をキープするためには、大事なのがメンタル。メンタルを整えるめにも体調管理は気を付けています。

 

Profile
小田切ヒロ(おだぎりひろ)

ヘア&メイクアップアーティスト。LA DONNA所属。その人の美しさを引き出しながらほどよくエッジを効かせたメイクに定評があり、旬の女優やモデルからの指名も多い。自身の美容知識の深さ、表現力の豊かさから雑誌、広告、イベントなど幅広く活躍中。
2020年にはオンラインサロン「小顔メイクSTUDIO」、YouTubeチャンネル「HIRO BEAUTY CHANNEL」をスタート。より多くの人たちへ美容を発信している。
近著『やりすぎないからキレイになれる 捨てる美容』(三笠書房)。


TEXT = Humming編集部

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