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“目の前にあるもの”の美しさに気づくチカラ【素敵な二人のタカラモノ拝見】

蚤の市で見つけた掘り出し物、小さい頃から愛用している分身のようなアイテムー-年月を超えて大切にされてきた品々は暮らしに豊かなストーリーを添えてくれます。おしゃれに暮らす素敵な方々に「いつまでも大切にしたいアイテム」を見せていただきました。今回は、現代アートをこよなく愛するお二人の3つの“タカラモノ”をご紹介します。


美しさを見つけ、愛でる喜びを教えてくれた品々

現代アートをこよなく愛し、自宅にはたくさんのアートが飾られていて、アーティストとの親交も深い、ショウゴさんとミナさんご夫婦。ビジネスをいくつも手掛けてきたショウゴさんは「現代アートもビジネスも共通点があります。それは何でもないように見える目の前の環境から、個性や美しさを発見するチカラだと思います」と語ります。そんなお二人に、あえて現代アート以外のタカラモノを見せてもらいました。

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子供が5歳のときに描いた絵

幼い頃から現代アートに囲まれて暮らし、見る目、感じる心を養ってきた娘さん。ミナさんがタカラモノとして紹介してくれたのは、アートスクールに通っている娘さんが5歳のときに描いた作品。先生からも褒められたという、ご本人も会心の一作。

「シマウマの横顔を指で描いたそうです。本当に色使いがきれいで私も大好きな作品。子供の感性のみずみずしさを感じます。プロのアート作品と並べて飾っていますが、子供の作品でも、人の心を動かす力は変わらないと思います」

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骨董に興味を持つきっかけになった鴨川石

ショウゴさんがアーティストの方々と交流するうち、「骨董には奥深い魅力がありますよ」と教えられ、紹介された京都の骨董屋さんにぶらりと立ち寄ったときに心が惹かれたという品。

「これはちょうど手のひらに収まるサイズ。幕末のころの品で、川で拾った石に、立派な台座と木箱がつけられているんです。こうしてみると山や川の景色を切り取ったようにも見えるし、自然が生み出した美しさ、小さいものを愛でる楽しみを感じます。現代にはなかなかないこの丁寧な仕事も豊かな気持ちになれますね」

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ジュリスカのグラスセット

こちらはミナさんのタカラモノ。白金のセレクトショップ「La Maison Blanche」で見つけたジュリスカのグラスセット。

「ここのオーナーのWAKOさんのセンスが昔から好きで、ときどきお店に立ち寄っていました。このグラスは数が少ないのでたまたま出合えて即手に入れたうれしい品」

本当はゲストを招いたときにそれぞれ気に入ったグラスを選んでもらって、という使い方をしたいそうですが、コロナ禍でなかなか人を招くことができない状況。「まだ下の子も小さいし手のかかる時代ですが、もう少し落ち着いたら、子供を寝かしつけたあと夫婦で晩酌したり、豊かな時間に使いたいグラスです」と出番を楽しみにしているそうです。


ていねいに作られたものを愛おしんだり、何気ないもののなかに美しさを見出したり。そんなご夫婦の視点が、ますます日々の暮らしを楽しく美しく彩っているようです。ものが持っている美しさと、手にした人がそれを見出す力、その両方が重なったとき、それはかけがえのない特別な光を放つのでしょう。


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PROFILE
ショウゴ&ミナ
ショウゴさんはインターネット広告の会社を起業、運営をした後に売却、現在はライフスタイル関連のビジネスで複数社を経営している。ミナさんは美容関連の仕事を経て出産とともに退職。現在は6歳の長女と3歳の長男の育児に勤しむ日々。


TEXT = 吉野ユリ子
PHOTO = 名和真紀子

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