いろんなことが目まぐるしく変わる時代。
心配ごとは次から次へ増えるし、とにかくストレスだらけの現代社会ですよね。
そんなときは「瞑想」が良いとは最近よく聞きますが、まったくの初心者だとちょっととっつきにくい部分があるのも本音ではないでしょうか。
今回はそんな初心者におすすめの「瞑想」のはじめ方、そして続け方のコツを筆者自身の体験を交えてご紹介します。
Contents
瞑想は正直ハードルが高い
瞑想には集中力を高めたり、ストレスを緩和したりと様々な効果があります。
これは決して精神論ではなく、実は瞑想は科学的根拠に基づいたものだということをご存知でしょうか?
実際、瞑想で勉強やスポーツの成績が向上したことを報告する研究もいくつかあるのです。
また、医療現場ではれっきとした治療法として活用されていたりと、海外では特に瞑想が身近で一般的な存在になっています。
最近は日本でも「瞑想」ということば自体はよく聞きますし、著名人やアスリートでも取り入れているという人は増えていますよね。
ただ、そうは言っても、まだまだ心理的ハードルが高いというのも、正直なところではないでしょうか?
まったく触れたことがない人にとっては、宗教っぽい、スピリチュアルっぽい、なんだか怪しいなど、とっつきにくさが拭えないかもしれません。
そもそも日本人にとっては宗教や信仰というもの自体、普段からあまり馴染みがないため、そういうを感じただけで反射的にブロックしてしまうのも無理もないことでしょう。
また、仮にそうした心理的ハードルを越えられたとしても、今度は意外と継続が難しいというケースもあるでしょう。
当サイト含め、ネットで検索すれば、瞑想のやり方を解説している記事はたくさんヒットします。
どの記事でも手順はおおむね同じ。
静かな場所であぐらをかいて目を瞑り、呼吸や自分の内側に集中するという、とてもシンプルなものです。
でもやってみると、シンプルなわりに継続は意外と難しいのです。
数回チャレンジしてみて少し良いかもと思ったものの、気づいたら習慣からフェードアウトしている。
筆者自身、そんな経験を何度もしてきました。
1,2回しただけでは効果を実感しないという意味では、瞑想は筋トレと似ています。
ただ筋トレと異なるのは、外見など何か目に見える変化が現れるのではなく、自分の感じ方や考え方といった内面が少しずつ変化していく点です。
瞑想がもたらしてくれる変化は、注意深く意識していないと見逃してしまうこともあります。
変化が感じられないことを、脳が意識の外に追い出してしまうのは自然なことですよね。
なんなら目に見えて変化が出る筋トレですら、それを感じる前に心が折れて辞めてしまう人も多いわけですから、目に見えた変化を感じにくい瞑想が続かないというのも、おかしなことではないでしょう。
とはいえ、メンタルが揺らぎやすい筆者は、この状況を変えるべく、どうにか瞑想を習慣にしようと何度もトライしつづけてきました。
辞めては再開してのサイクルを繰り返すなかで、だんだんと続けるコツや考え方が見えてきたので、同じような状況の方の参考になればと思いシェアしてみます。
☞メディテーションの意味とは?瞑想やマインドフルネスとの違いは?
瞑想へのハードルを下げるコツ
まず筆者は、一旦「瞑想」という概念そのものから離れてみました。
今から自分は「瞑想」をするのではなく「深呼吸の練習」をするのだと、ことばを変えてみたのです。
「瞑想」にハードルを感じるのであれば、そもそも「瞑想」だと思わなければハードルはグッと下がると思いませんか?
とんちのように聞こえるかもしれませんが、筆者の場合これが意外とハマりました。
呼吸については、瞑想に関する記事でもよく言及されるので、捉え方の違いが分からないと感じるかもしれません。
でもそういった記事の文脈では、あくまで「瞑想の中の呼吸」という位置づけですよね。
そうではなく、本当にただ純粋に「呼吸」だけにフォーカスする。
自分の行為が瞑想かどうかは一旦置いておいて、とにかく自分がどれだけ呼吸できているかに意識を向けるだけ。
「呼吸なんて無意識にしてるでしょ」と思うかもしれません。
ですが、実はしっかり呼吸できていないことって、結構あるのです。
特に現代人はストレスで呼吸が浅くなっていたり、強い緊張を感じたときは、無意識に数秒間息を止めていることすらあります。
でもご存じのとおり、呼吸は生きていくうえで無くてはならないものです。
浅い呼吸だと十分に酸素を体に取り込めず、いつまでも交感神経が優位になってリラックスできず、血圧も上がりやすくなってしまいます。
逆に言えば、しっかり深い呼吸ができれば、それだけで心や体の調子を少し上向けることができる。
たかが呼吸、されど呼吸なのです。
一度、仕事中など、普段の何気ない瞬間に自分の呼吸がどうなっているか意識してみてください。
「深呼吸の練習」の必要性を実感する場面が、きっとあると思います。
そして何より「瞑想」より、単なる「深呼吸の練習」のほうが、心理的ハードルも低く感じられませんか?
それは「深呼吸」であれば、私たちはすでに取り入れたことがあるからです。
人前で話すときの緊張をほぐす深呼吸、遅刻しないよう猛ダッシュしたあとに息を整える深呼吸、イラっとしたときに冷静さを取り戻す深呼吸。
誰しもどれか一つはやったことがありますよね。
ストレスを上手く解消する手段として、日々の呼吸に意識を向ける。
そう捉え方を変えただけでも、筆者の場合は何か小さなステップを乗り越えた感じがしました。
気持ちの問題といえばそれまでですが、習慣化のためにいかに脳を上手く騙すかも大事なコツの一つです。
「深呼吸の練習」を習慣にするコツ
心理的ハードルが下がったら、次の課題は「継続」でしたよね。
ここでは現時点での筆者の考えるベストアンサーを紹介します。
まずは就寝前から始めてみる
まず、深呼吸の練習を始めるのに一番おすすめのタイミングは夜、できれば就寝直前です。
朝の活動前や、仕事の休憩中などちょっとしたスキマ時間でももちろん出来ますが、慣れないうちはどうしても、その後にやらなければならないことなど、あれこれ考えごとが浮かんできます。
その点、就寝直前なら、あとはもう寝るだけ。
やることが残っていない状態のほうがスムーズなので、入浴や歯磨き、スキンケアやストレッチなど、寝る前のルーティーンを全て終え、布団に入ってしまってからが特におすすめです。
横になって全身リラックスして、頭の中で数を数えながら、ただただ深呼吸を繰り返す。
最初はアプリなどのガイドに合わせて行うと、より集中しやすいでしょう。
☞おすすめのアプリ
就寝直前に布団の中で行うことの、もう一つのメリットは考えごと防止です。
夜は何か一つ考えごとが浮かぶと、それがあっという間にネガティブな方向に膨らんでいくもの。
その最初の考えごとすら浮かぶ前に深呼吸に集中することで、不安の渦に飲み込まれて寝付けなくなることを防いでくれます。
自分に合ったスタイルを見つける
と言ったものの、ライフスタイルは人の数だけ存在するので、必ずしも全員にとって就寝直前がベストタイミングとは限りません。
朝、家族全員を送り出したあとのほうが頭も心もスッキリしている、あるいはお昼休みに使う公園のベンチが結構リラックススポットという人もいるかもしれません。
大切なのは自分にとって一番続けやすいタイミングや場所、シチュエーションを見つけることです。
ツールに関しても同じことが言えます。
「瞑想アプリ」をインストールすることで結局またハードルを感じてしまうなら、リラックスできるBGMを小さく流しておくのでもいいでしょう。
筆者も先ほど紹介したようなアプリのガイドを活用していますが、日によっては音声が少し邪魔だなと思ったり、なんとなくペースが合わないと感じられたりもします。
そんなときはガイド音声なしのBGMだけにしたり、お気に入りのプレイリストをタイマー付きで流したり、まったく何も流さず頭の中だけで深呼吸したりと、その日の自分に合わせてスタイルを変えています。
習慣=毎日という思い込みを捨てる
継続、習慣ということばからは、どうしても「毎日やること」をイメージしますよね。
でも例えば、週1回しかジムに行ってなくても、それを何年も続けているならそれは立派な「習慣」といえますよね?
深呼吸の練習も、瞑想も同じです。
まずは心からリラックスできる、金曜の夜から取り入れてみるでもいい。
不定期でも、とにかく気がついたら深呼吸するでもいい。
極端なことを言えば、筆者みたいに辞めては再開しての繰り返しでも、継続していると言えると思っています。
眠れない夜が続けば「そうだ、最近深呼吸の練習サボっていたからだ」と思い出せるくらいには、十分頭と体に染みついているからです。
もちろん、アプリやカレンダーでリマインダーを設定して、毎日継続できることに越したことはありません。
ただそれで苦しくなったり、ストレスを感じたりしては本末転倒ですよね。
どれだけ健康によいことでも、義務に感じた途端、やる気を失うのは当然のことです。
もっとやりたいと思ったら毎日やってみる、逆に何年やっても毎日は無理と思うならやらない。
それくらいで十分です。
まずは気づいたときだけでもOKと自分に許可を出してあげて、ゆるく取り入れるほうが、結局スムーズに習慣化できるものです。
「深呼吸」を意識してみて感じた変化
最後に、とにかくゆるく細長く「深呼吸」や「瞑想」を続けてきた筆者が、少しずつ感じている変化にも触れておきます。
考えごとに飲まれることが減った
筆者は常に考えごとが絶え間なく湧き上がってくるタイプ。
考えごとには最悪のタイミングだといわれる夜は、むしろ一番考えごとをしてしまう時間で、見事に不安の渦に飲まれて眠れなくなるというのがデフォルトでした。
でも、ベッドに入った瞬間に「深呼吸の練習」をするというのを何日か続けると、そのままスムーズに入眠できる日が増えてきました。
始めたばかりは特にやり方がまだ身についていないので、自然とアプリのガイド音声に集中し、その時点で考えごとは強制終了されていたのです。
何度かそういう経験をすると、体や脳も慣れるのか、アプリを使わなくても数回深呼吸しただけで、フッと寝落ちすることもありました。
もちろん、いつも完璧にできるわけではなく、ガイド音声に慣れるとそちらに意識が向きにくくなったり、ストレスが重なった日は考えごとが我慢できなかったりと、気づいたらガイドが終わっていたという日もあります。
それでも「呼吸で考えごとの沼から脱出できる」という成功体験は記憶に残っているので、日中イラっとしたときも、まずは深呼吸してみようという、ある種のお守りを手に入れた感覚があります。
瞑想へのハードルが低くなった
「瞑想」ではなく「深呼吸の練習」という、より身近でとっつきやすい形に変換した結果、習慣としても馴染みやすくなったというのは、ここまででなんとなくお分かりいただけたかと思います。
ただ、予想外だったのが「深呼吸の練習」を続けた結果、とっつきにくさを感じていたはずの「瞑想」にも興味が出てきたことです。
以前は、自分の内面に集中するというのも、考えごとをそのままにして受け入れるのも、なんだかピンときていませんでした。
ましてや数十分も瞑想するなんて絶対無理だし、別世界の話だと思っていました。
でも「深呼吸の練習」をしてみると、意外と時間はすぐに経つし、もしかしたら思っているほどは難しくないのではと思えてきたのです。
しかも今は「就寝前の深呼吸で、気持ちよく入眠できる」くらいの効果ですが、もしもっと踏み込んで「瞑想」ができれば、根本にあるメンタルの揺らぎやすさも、本当に改善できるのかもしれないと感じはじめています。
初めて「瞑想」ということばに出会ったときとはまったく違う感覚で、明らかに心理的ハードルが下がっているのです。
ただ、やはりまだ一歩踏みとどまっている部分があるので、その障壁が何なのかを見極めながら、スムーズに一歩踏み出せるやり方や考え方を模索しているところです。
何かいい方法が見つかったらまた皆さんにもシェアしたいと思います。
まとめ
みんな良いと言っているから、流行っているからというだけで、無理して取り入れても瞑想の効果は発揮されません。
大切なのは自分が納得して、習慣にしていけるかです。
「瞑想」と捉えるか「深呼吸の練習」と捉えるか、どちらが良いかという話ではなく、自分自身が心地よく始めるため、頭と心が拒否反応を起こさないためにはどうしたらいいのか。
今回の記事がそんな道を探すヒントになれば幸いです。
瞑想やマインドフルネスに関連した記事は、やり方の解説やインタビュー記事などたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。
☞幸福度が上がる瞑想方法。楽に続けられる、続けてこそ実感する!
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ライター:プロフィール
とにかく「言語化」することを軸に、
心や頭に浮かぶ漠然とした不安やモヤモヤも「言語化」