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畑でいのちが産み出され、育まれる【イケてる農家「イケベジ」の農日誌Vol.4】

新潟県・佐渡島と兵庫県・淡路島を中心に自然栽培農家を営む「イケベジ」。今回はイケベジ発起人の一人、いもたろうさんが畑を営むことで体験したこと、学んだことをお届けします。今回はイケベジが行うリトリート「育ベジ」のおはなし。


共に育むという感覚を思い出せる場「育ベジ」

「育ベジ」。私たちがイケベジでの活動をスタートしてからずっと大切にし続けている「育む」という在り方から生まれた、イケベジならではのリトリートです。今までのような企画イベントにある参加者と主催者として互いが関わるのではなく、全員が参加者であることで「共に育む」という感覚を思い出せる場を目指しています。そのなかで自然と関わり、畑に触れることで新たな出来事やご縁が生まれていく流れは毎回違ってとても面白い展開ばかりです。

来月も佐渡島で育ベジを実施する予定です。仲間が約半年に渡り、育んでくれたお米たちが収穫のときを迎えます。たった一粒からたくさんの粒が実るお米の在り方は本当に美しいです。それはお米を主食としてきた日本人が大切にしてきた在り方が詰まってるともいえそうです。ぜひ自身の手で稲刈りを体験して欲しいなと思います。

写真は今月の始めに、僕らが育むホーリーバジル畑での「育ベジ」の様子です。初めましての方もいらっしゃったので、僕も含め、少し緊張感があるなかで始まったのですが、畑に訪れた瞬間から自然と緊張がなくなりました。気づいたら大地の上で安らぎ、自由に自分自身を表現する皆さんの姿がとても印象的でした。なかには持ってきた楽器を奏でたり、自然音に身を委ねながらアカペラを披露してくれたり、畑が豊かさに溢れていました。
それぞれがその瞬間、産み出したものを素直に放っていく姿は美しかったです。
目には見えないですが、畑を通してありのままのいのちに触れ、きっと心のなかの滞りが抜けて巡り出したんだと思いました。
ホーリーバジルも間違いなく喜んでいることでしょう。育ベジで改めて畑をやってきて良かったなと思えたのは個人的にも嬉しかったです。


畑とはいのちが産み出され、育まれている「場」

畑とはいのちが産み出され、育まれている「場」です。そこに私たちは微力ながらその巡り、つまり「循環」に携わらせていただくことで私たち自身も常に産み出し、育んでいることに気付かされます。私たちも自然と変わらない、いのちを産み出し育む美しい存在なのです。

いのちへの信頼があると、どんな生きものにも存在する揺らぎ、動きに逆らうことなく生きることができると思います。揺らぎ、動きというのは、私たちの意識に関わらず営み続けている生命活動のことです。例えば心臓は動き続けていますし、呼吸をし続けることで空気が出たり、入ったりしています。水も流れていないと腐敗します。エネルギーも形を変えながら、巡り続けています。心に浮かぶ気持ちも変わりゆくと思います。暮らしも住む場所や人間関係で変わりますよね。言い出したらキリがないのですが、いのちは何事も変わりゆくなかで最善、最適化してくれます。目的や理想があっても良いですが、それに執着することなく、時に変わり続けても良いんだと自分自身を許し、受け入れてみてください。


自分のいのちに委ね生きることは自分自身を信頼すること

産み出された場は豊かさを生み、そして豊かさは共に育まれていく。そしてそれは一つのいのちから始まる。私たちそれぞれが自分のいのちを根っこから信頼して、自身が持っているリズムを受け入れて生きていきましょう!

忘れそうになったらいつでも思い出しにイケベジ畑へ来てくださいね。「育ベジ」の情報もInstagramに掲載予定です。


Profile
いもたろう
イケベジ発起人、育み人。淡路島で「農」を通じて多くの「いのち」に触れる体験から、人も同じようにありのままで生きていくことで豊かになれると思うようになる。2021年春、友人とともに人も自然も共に育む場「イケベジ」をスタート。大学での講演活動や「命の繋がり・巡り」をテーマにした「育ベジRetreat」などありのままで生きる世界を広める活動を続けている。実は料理好きで、マクロビを取り入れた「いも飯」はイケベジの人気コンテンツ。
https://ikevege.com/


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