Humming♪

【ヘアドネーション】自分で送る手順や必要な長さの条件をご紹介!

 

自分自身のカットした髪の毛を寄付するヘアドネーションをご存知でしょうか。

 

米国発祥のヘアドネーションは、日本国内でも社会貢献の一環として徐々に認知されるようになり、女性を中心に寄付に取り組む人が増えています。

 

ヘアドネーションを行うにはどうすれば良いのか、寄付できる髪の毛の条件や送り方なども詳しくご紹介します。

 

ヘアドネーションとは

 

ヘアドネーションとは、カットした髪の毛を寄付することを指します。

 

ヘアドネーションを受け付けている団体があり、その団体を通して寄付をするのが一般的です。

 

日本ではジャパンヘアードネーションアンドチャリティー(JHD&C)という団体が有名で、多くの美容室と連携しながらヘアドネーションに取り組んでいます。

 

寄付された髪の毛は医療用ウィッグの材料として使用され、病気や事故などさまざまな事情によって必要とされる人に贈られています。

 

ただし、ウィッグに使用する以上、ある程度の髪の長さが必要であるなど細かな条件があり、すべての人が寄付できるとは限りません。

 

ヘアドネーションを必要としている人たち

 

そもそも、医療用ウィッグという言葉を初めて耳にした人も多いのではないでしょうか。

 

ウィッグと聞くとファッション分野で使用されるアイテムというイメージが強いですが、なぜ医療用ウィッグが必要なのか、どういった人に贈られているのでしょうか。

 

  • 脱毛症の人
  • がん治療中の人
  • 事故などで毛髪を失った人

 

詳しく見ていきましょう。

 

脱毛症の人

先天的な病気のひとつに、髪の毛をはじめとした体毛が抜け落ちてしまう病気があります。

 

これは先天性脱毛症とよばれ、産まれたときから体毛が極端に薄いケースや、一部分だけが局所的に生え揃わないケースなどさまざまです。

 

これが原因で強いコンプレックスを抱いたり、精神的に落ち込んでしまう人もいることから、ヘアドネーションによって作られた医療用ウィッグが活躍します。

 

がん治療中の人

抗がん剤による治療を行うと、副作用として大量の体毛が抜け落ちることがあります。

 

特に若年層や女性の方にとってはショックが大きく、精神的に塞ぎ込んでしまうことも少なくありません。

 

そこで、医療用ウィッグを着用することで自信を取り戻し、前向きに治療を受けられるようになるのです。

 

事故などで毛髪を失った人

病気だけでなく、事故によって頭部に外傷を負った方のなかには、大きな傷や手術が原因で毛髪が生えてこなくなるケースもあります。

 

こちらも特に若年層の方や女性にとってはショックが大きく、命が助かったとしても塞ぎ込んでしまうのも無理はありません。

 

医療用ウィッグを着用することで、自信を取り戻し前向きに生きる活力となるでしょう。

 

ヘアドネーションは意味ない?ネガティブな意見がある理由

ヘアドネーションは、多くの方が善意の気持ちをもって髪の毛を寄付しています。

 

しかし一方で、「ヘアドネーションには意味がない」、「迷惑な行為なのではないか」と捉える人も存在します。

 

彼らの意見を代弁するならば、私たちのなかに「髪の毛はあって当たり前」という先入観があり、無意識のうちに差別的な見方をしている可能性があるのではないかという問いかけになっています。

 

すなわち、「毛髪がないから可哀想」という気持ちから、髪の毛を寄付して医療用ウィッグを作ってもらうのは良いことだと一方的に思い込んでいるのではないか、ということです。

 

そもそも髪の毛がないことに対して偏見や差別がなければ、周囲の視線を気にすることなくありのままの自分で過ごすことができます。

 

また、四六時中ウィッグを装着していると頭部が蒸れて炎症を起こすケースや、真夏の時期には熱中症のリスクも高まります。

 

もちろん、脱毛や無毛に悩む人のなかには、医療用ウィッグがあって救われたという人も多いでしょう。

 

そのため、決してヘアドネーションそのものを否定するものではなく、髪の毛を寄付すること自体が悪というわけでもありません。

 

重要なのは、「すべての人にとって髪の毛があることは当たり前」という意識を捨て、どのような人に対しても差別や偏見をもたずに接することができる世の中の風潮をつくることです。

 

少なくともヘアドネーションを行う人は、無意識のうちに差別や偏見の気持ちをもっていないか、あらためて自分を振り返りつつ寄付を行うことが求められるのです。

 

ヘアドネーションに必要な条件

 

ヘアドネーションを行うためにはさまざまな条件があると説明しましたが、具体的にどういった内容なのでしょうか。

 

まず、ヘアドネーションへの参加条件として年齢や性別、国籍などは関係ありません。

 

そのうえで、切った髪の毛が以下の条件を満たしている必要があります。

 

  • 髪の長さが31㎝以上であること
  • 極端なダメージヘアでないこと
  • 完全に乾燥していること

条件について詳しく解説しましょう。

 

1.髪の長さが31cm以上であること

医療用ウィッグの製作にあたっては、世界的な基準として12インチの長さが必要であると定められています。

 

12インチは30.48cmに相当することから、最低でも31cm以上の毛髪であることが条件となります。

 

ちなみに、寄付する分の髪の毛をカットする料金は基本的に0円ですが、ドネーション後にはヘアスタイルを整える必要があり、これには正規の施術料が発生します

 

2.極端なダメージヘアでないこと

極端なダメージが加わった髪の毛は、引っ張る力が少し加わっただけで切れてしまい、医療用ウィッグには適しません。

 

3.完全に乾燥していること

濡れた状態、または湿った状態の髪の毛はカビや細菌が繁殖しやすく、せっかく寄付をしても医療用ウィッグの材料として使用できなくなります。

 

そのため、ヘアドネーションとして送る前には十分に髪の毛を乾かしておく必要があります。

 

ヘアドネーションの送り方や手順

 

実際にヘアドネーションはどのような手順で行われるのでしょうか。

 

主に以下の手順で送ることができます。

 

  • 美容室を探して予約
  • ドネーションカットを依頼する
  • 寄付する毛髪の長さを決めてカットしてもらう
  • ドナーシートへ記入
  • 髪の毛を発送する

 

これらの手順について紹介しましょう。

 

1.美容室を探して予約

ヘアドネーションはすべての美容室やサロンで対応できるとは限りません。

 

普段利用しているお店がある場合には、ヘアドネーションに対応できるかを確認しておきましょう。

 

もし美容室が見つからない場合には、JHD&Cの活動に協力している「賛同サロン」がおすすめです。

 

賛同サロンはJHD&CのWebサイトでも検索できます。

 

サロン検索システム:https://www.jhdac.org/search/index.php

 

2.ドネーションカットを依頼する

予約した美容室を訪れ、「ドネーションカットをお願いします」と申し出てください。

 

3.寄付する毛髪の長さを決めてカットしてもらう

寄付する分の髪をカットしてもらいます。

 

ドネーション後に残る髪の長さをもとにヘアスタイルも調整しなければならないため、どの程度の長さをカットするかは美容師と相談しながら慎重に決めましょう。

 

また、髪の毛が濡れたり湿ったりしていると雑菌が繁殖する原因になるため、ドネーションカットの前には髪を濡らさないことが重要です。

 

4.ドナーシートへ記入

ドナーシートとは、寄付者の性別や年齢、居住地、髪の状態などを記載する書類のことで、JHD&CのWebサイトで書式をダウンロードできます。

 

なお、ドナーシートの記入は必須ではなく、無理に全ての項目を埋める必要はありません。

 

5.髪の毛を発送する

髪の毛は美容室やサロンから発送することはできず、ドナー自身が個別に送らなければなりません。

 

カットした髪の毛を束にまとめてゴムなどで縛り、封筒に入れて発送します。

 

ラップで巻く、台紙にテープで貼り付ける、髪の毛の切り口に接着剤を塗って束にするといった束ね方はNGのため注意してください。

 

なお、発送先は以下の通りです。

 

  • 〒530-0022
  • 大阪市北区浪花町13-38 千代田ビル北館7A
  • NPO法人JHD&C事務局

 

または

 

  • 〒640-8226
  • 和歌山市小人町29番地
  • 和歌山市あいあいセンター福祉交流館3F
  • 和歌山市社協・ボランティアセンター内 白百合美容室係

 

まとめ

ロングヘアを思い切ってカットしようと考えている方は、社会貢献の一環としてヘアドネーションを検討してみましょう。

 

特に背中や腰のあたりまで伸びている長い髪は、医療用ウィッグを製作するための貴重な材料となります。

 

ヘアドネーションに賛同している美容室も多いため、近隣に対応してくれるお店がある場合には美容師へ相談してみましょう。


関連記事