アーユルヴェーダは、約5,000年前にインドで発祥した東洋医学の一つとされています。
「医学」と耳にすると「医者に任せるもの」「自分には関係のないもの」と思われがちですが、アーユルヴェーダは、病院で行われる医療という側面だけではなく、今の生活に取り入れ心身を健康にするための家庭での養生法としての側面を持ちます。
もう少し噛み砕いて言うと、セルフケアといったところでしょうか。
今回は、今すぐ始められるアーユルヴェーダをご紹介します。
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養生法としてのアーユルヴェーダ
「健康」と聞くと、どんなことをイメージしますか?
風邪を引かない、病気にならない、いつまでも若々しい体でいること…色々なことが思い浮かんでくるのではないでしょうか。
以下が、WHO(世界保健機関)による「健康」の定義です。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. “
(健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的 にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。)”
現代社会では、診断はつかないけれどなんとなくの不調を抱えている人も少なくありません。
アーユルヴェーダでは、健康の定義として、とりわけ幸福感を重視しています。
また「幸福とは”なる”ものではなく、幸福であることに”気づく”こと」と考えている点もキーポイントです。
では、どのようにして今、充分に幸せであることを噛みしめることができるのでしょうか。
アーユルヴェーダでは、理論と実践方法をベースに個々の持つ性質を知って、バランスを整えていきます。
けれど、性質は常に変化していくものではあります。
例えば、年齢によって体調は変化していきますし、季節によっても快調な時とそうでない時があることに気づきませんか?
あるいは、もう少し細かくみていくと、朝と夕方で、体の軽さが違うと感じる人もいるかもしれません。
また、理論や法則ばかりにこだわらず、自身の心身の感覚に尋ねながらケアを行うことも、とても重要になってきます。
自分にとって快適であることが第一で、養生法として無理なく続けていくことも可能になってくるというわけですね。
今の生活にアーユルヴェーダを取り入れるためのファーストステップ
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アーユルヴェーダを調べていくと、大抵の場合「体質診断」にたどり着くと思います。
それも自分の心身を把握するためのアーユルヴェーダを今すぐ取り入れるための方法の一つではありますが、前述した通り、性質は常に変化していくものです。
また、診断結果によって「私はこの体質だから!」と決めつけてしまい理論的になってしまう可能性も。
例えば「この体質だから、これは食べては駄目」と制限をかけてしまう人も多くいますが、無理は禁物です。
ですので、まずは、自分自身で今どういった体と心の状態かを客観的に把握するための簡単な方法として、以下を参考に寝る前に「自分日記」をつけるのがおすすめです。
食べたもの / 飲んだもの
いつ、どこで、何を、どのように食べたのか記録します。
(eg: 朝食: 家で、食パンとコーヒーを家族と一緒に話しながら食べた)
運動 / セルフケア
その日に行った運動やセルフケアを記録します。
(eg: ヨガ、瞑想、家族と電話、オイルマッサージ)
気分 / 体調
その日の気分や体調を記録します。
原因が分かる場合は、それも記録します。
(eg: 気分が沈みがちだった。前の日に仕事でヘマをしたから。そのせいか、お腹の具合が朝からあまりよくなかった。)
睡眠
就寝時間や起床時間、睡眠の質を記録。
(eg: 就寝時間23時 起床時間6時半、夜中に何度か目覚めた。)
1日の終わりに、自分自身と向き合うことで、自分が今幸せかどうかということにも気づくことができるかもしれません。
また、自分が調子の良いとき、悪い時の傾向(どんなものをよく食べているか、どんな運動やセルフケアをしているか)などを把握することもできます。
これをしばらく続けた上で、アーユルヴェーダ的なセルフケア方法を快適なレベルで取り入れていくのが良いのではないでしょうか。
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ライター:プロフィール
文筆家・ヨガ/アーユルヴェーダ研究家
不安症状と向き合うためにヨガやアーユルヴェーダの学びを深めるようになる。
2009年バリ島で全米ヨガアライアンス認定講師資格取得。2021年アーユルヴェーダ講師資格を取得。2013年シンガポール移住。夫と娘の3人家族。