井上咲楽さんに聞く、丁寧な暮らしの秘訣【気になるあのひとに10の質問】
オリジナルなスタイルを持って生きている素敵なひとに聞く、10のQuestion。
心や暮らしの豊かさは、ブレない生き方や考え方が築くもの。
内面から輝くひとは日々どのようなことに目を向け、何を実践しているのか––
心地よく、充実した毎日を生きるためのヒントが見つかるはず。第一回目はタレントの井上咲楽さんにお話を伺いました。
「手作りしたものに触れると、丁寧に生きた気持ちになります」
Q1 最近幸せだと感じたことは?
自分一人のために使っている時間に幸せを感じます。以前は一人暮らしが寂しいと感じていたけれど、今はそれがすごく贅沢だなと思っていて。パワーアップするためにジムで鍛えたり、お風呂上がりにボディクリームを塗ったり、自炊して自分のためにご飯を作ること、そして好きなものづくりに集中できること・・・まさに至福の時間です。
それから食べ物で季節を感じたときにも幸せな気分に。コロナ禍で閉塞感が続いたなかでも、旬の食材から四季を感じることで、“時間は進んでいる”と感じることができました。
Q2 おうち時間の楽しみは?
作ること、何かを生み出すことが大好きです。最近は蜜蝋ラップを手作りしたり、お笑いコンビ・ミキの昴生さんにお子さんが生まれたのでスタイを作ってプレゼントしました。何か気になったものがあると、すぐに「これ、作れないかな」という発想になるんです。
私はいつも、自分の力で生きていきたいなと考えていて。自分の力で生きるというのはいわゆる自立した女性というよりも、自給自足のサバイバー的目線です(笑)。だから自分の手で作り出すことに意味があって。作り置きを活用したりして、家に帰ってきて自分で作ったにらダレを豆腐にかけて食べているだけでホッとします。「今日も自分で作ったもので生活した」と少し丁寧に生きた気分になれます。
>>”自分らしく生きる”とは?|仕事や恋愛で自然体で過ごせる方法を紹介
手作りの蜜蝋ラップ
Q3 最近のビッグニュースは?
昨年トレードマークだった太眉をカットしてから、これまで以上に仕事もプライベートも充実して、人生が大きく変わりました。ファッション誌や美容誌の撮影など新しい仕事も増え、今年の9月15日にはファーストフォトブック『さよならMAYUGE』を発売しました。
Instagram(@bling2sakura)より。
実はこのフォトブックに収録した写真はすべてレタッチなし。撮影日までに筋トレや食事、肌管理に気を使ってきました。トレーニングではお尻を重点的に鍛えたのでぜひ見てほしいですね。
ひたすら自分を追い込むのではなく、リラックスしながら体づくりに取り組めたので、仕事しながらでも上手く鍛えられたと思っています。今もジムには通い続けていて、レッグプレスでようやく100キロ上がるようになりました!
『さよならMAYUGE』より。撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY)
Q4 自分のスタイル(生き方、こだわり)に大きな影響を与えたひとやものは?
芸能界入った頃からエレファントカシマシさんの曲をよく聴いています。働く上でのモットーは、流すように仕事をしないこと。どんなに忙しい日でも一つひとつの仕事に対してきちんと立ち止まって、丁寧に向き合いたいです。仕事前にしっかりと気合いを入れたいときに曲を聴くと、前向きな気持ちになれます。
それから母の影響も大きいです。SDGsへの関心が高まるなか、私の暮らし方をサステナブルな暮らしとして取り上げていただく機会が増えました。私の日常生活にある知恵や工夫は実家での暮らしで身についたもので、どれも私にとっては当たり前のことですが、驚かれることが多いです。
例えば食器や調理器具に油やソースなどが残ったまま洗わず、ボロボロになった服やタオルを切ったウエスで拭き取ってから流しに入れます。そうしないと母にものすごく怒られて(笑)。また、田舎はゴミ出しにお金がかかるので、日ごろからあまりゴミを出さないこと、ゴミは小さくしてから捨てるよう言われていました。牛乳パックもきちんと開いてから分別してリサイクルに出したり、開いた牛乳パックをまな板代わりに活用してから捨てたり。
ベジブロスを作るために野菜の皮や芯などは捨てないようにし、玉ねぎの皮で洋服を染めることも。薪ストーブに手のひらサイズの石を入れて、それを新聞紙に包んでカイロ代わりにしていました。
家族間にはゴミになるのはもったいない、何か使えないかという発想で工夫して最後まで使い切る意識があったと思います。
着なくなった洋服を裂いてウエスに。
Q5 最近言われてうれしかった言葉は?
美容系の仕事が増えたこともあり、友達に「このときの化粧品、何使ってるの?」「最近出たコスメで何を狙ってるの?」と聞かれるのはうれしいですね。また、私のInstagramの投稿に対する皆さんからのコメントも日々の活力になっています。投稿したコスメの購入報告や、何気なく載せた料理写真に「作りました!」とコメントをくださったり。自分の発信することが、皆さんの行動の小さなきっかけになれていると思うとうれしいです。
「好きなことを追求し続けて、いろいろな仕事にチャレンジしたい」
Q6 今欲しいものは?
活版印刷機が欲しいです。子供の頃に家族で「井上家新聞」を作っていました。例えば「今月は月見団子食べました」など家族の思い出を残していたのが懐かしくて、もし印刷機が手に入ったら「今月の自分!〜咲楽出版」のような冊子を作りたい! 完全に自己満足です(笑)。
Q7 挑戦してみたい“新しいこと”は?
太眉に頼れない今、自分の力で、積極的にいろいろなことにチャレンジしていきたい気持ちでいっぱいです。例えば発酵食品などの保存食や、何かの手作りキットを出してみたいです。雑誌の表紙を飾ったり、トークライブも実現できたらいいなと構想中です。
最近は政治への関心や昆虫食のことなど、今までやってきたことの点と点が少しずつつながって、線になってきたように思います。自分本来の関心事や暮らしが自然と仕事に結びついたり、仕事内容が自分の好きなことや興味がある分野ということも多く、ますますやりがいを感じます。
>>自己肯定感とは?|意味や似ている言葉との違いをわかりやすく解説
自作の“選挙ノート”を手に街頭演説を聞く咲楽さん。選挙期間中は各選挙区の候補者の選挙戦を追う。
Q8 好きな場所は?
地元である栃木県の益子町は落ち着きますね。ものづくり、暮らしづくりの里としてわざわざ益子町に移住される作家さんもいらっしゃるほどで、作品や制作風景を見るだけで私も創作意欲が湧きますし、原点に戻って頑張ろうと思えます。益子町は都会のように欲しいものが簡単に手に入るわけではないですが、“足りない”くらいが自分は合っているなあと。ぬくもりに溢れるだけではなく、生き抜く力のある場所だと感じます。
Q9 地球のために実践している、ちょっとイイコトを教えてください。
プラスチック容器ではなく瓶入りのものを購入することが多いです。ご飯を温めるときはお茶碗の上にお皿をかぶせてラップの使用頻度を減らす工夫を。それと、3年ほど前から卵の殻のうす皮を利用して化粧水を手作りしています。
長年作り続けている手作りの化粧水。
Q10 2030年までに実現したい、あなた自身の夢やテーマを教えてください。
地元の古民家や使われていない建物をコツコツと改装して、自分のアトリエ兼カフェを作るのが夢です。普段から甘酒やしょうゆ麹など発酵食品を作ったり、昆虫食は昆虫食仲間に分けてもらったり、自分で購入して料理に取り入れています。アトリエ兼カフェでは昆虫食をおしゃれに見せたり、発酵食品や保存食をいっぱい出したいです。
ちなみに初めての昆虫食はハチの子とコオロギで、食べる前は少し構えましたが、美味しくてすっかりハマりました。昆虫食は美味しさもさることながら、原型を残した状態で出てくることが多く、より食材に命を感じられる良さがあります。食育にもいかせる部分はあるのではないかなと思っています。
>>【変わりたいあなたへ】自分を変えることは難しい?変われる方法や習慣
昨年末にトレードマークだった「ゲジ眉毛」を整えたら、「人生が好転し、新たな世界が見えてきた」というファーストフォトブック。この本のために鍛えたレタッチなしのリアルなボディ、眉毛の秘密、丁寧な暮らし、ボディメイクの裏側も紹介。これまで語られなかった人生の転機、今の気持ちを収録したロングインタビューなど、井上咲楽のすべてが詰まった一冊。
『さよならMAYUGE』¥1,650 井上咲楽 著/幻冬舎
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Profile
井上咲楽(いのうえさくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。
第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン特別賞でデビュー。
バラエティ番組のほか、女性誌のモデルやグラビアなど活躍の場を広げている。
趣味は昆虫食や国会傍聴、発酵食健康アドバイザーの資格を持つ。