マインドフルネスと瞑想の違いや初心者におすすめのやり方を徹底解説!
自分自身と向き合うことで、集中力や生産性の向上、不安やストレスを緩和するための手法としてマインドフルネスが注目されています。
さまざまなメリット・効果が期待できるマインドフルネスですが、なかには危険な行為であるという言説を目にすることも…。
マインドフルネスにはどのような危険があるのか、やってはいけない人の特徴や、初心者が取り組む際の注意点などもあわせて解説します。
Contents
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは、瞑想や呼吸法などを用いて自分の感情や思考と向き合う手法のことです。
精神統一の一種であり、日本では似たような考え方が1,500年以上前から存在していたともされています。
実際に「マインドフルネス」という言葉を生み出し、世に広めたのはマサチューセッツ工科大学医学部教授のジョン・カバット・ジン博士。
その後同大学にてマインドフルネスセンターの創設にも関わったジン博士は、もともと宗教色の強かったマインドフルネスを一般人にも取り組みやすいメソッドに落とし込み、概念や理論を確立しました。
現代では医療の臨床現場で取り入れられているほか、世界中の企業でも取り入れられている例があります。
マインドフルネスと瞑想の違い
マイインドフルネスと瞑想はとても良く似たものとしてしばしば語られますが、大きな違いとして目的が挙げられます。
マインドフルネスは、現在目の前で起こっている事柄に対しての注意力や集中力を最大限に研ぎ澄ますための手法として用いられることが多く、そのため社内の生産性アップのために企業にも取り入れられているケースがあるのです。
それに対して、瞑想は頭の中から一切の雑念を振り払うことで思考を一度リセットし、心の平穏を得ることが主な目的となります。
両者ともに目を閉じて呼吸に集中するなど、やり方に共通する点もありますが、目的がそもそも違うというということを頭に入れておくと良いでしょう。
初心者にもおすすめのマインドフルネスのやり方
マインドフルネスにはさまざまなメリットがあることから、これから挑戦してみたいと考える方も多いでしょう。
リスクを避けつつマインドフルネスの効果を最大限高めるためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
マインドフルネスのやり方は以下の通りです。
- 環境を整える
- 短時間からスタートする
- 毎日継続する
- トレーナーやコーチの指導を受ける
- 体調が悪い時は無理をしない
上記の手順について詳しくご紹介しましょう。
環境を整える
マインドフルネスを行う場所は、静かで落ち着いた環境が理想的です。
テレビやラジオ、屋外の音が届きづらい静かな部屋で行いましょう。
また、着用する衣服や座る椅子、座布団なども重要です。
できるだけ締め付けが少なくリラックスできる衣服を選び、無理のない姿勢で座れる椅子や座布団を用意しましょう。
短時間からスタートする
マインドフルネスの上級者ともなると、数時間以上も瞑想に取り組む人もいます。
しかし、初心者がいきなり何時間も瞑想をするのは辛く感じてしまい、挫折する原因にもなるでしょう。
そのため、まずは数十秒、数分といった短時間からスタートすることがおすすめです。
短い時間からはじめ、瞑想に慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていくことで、無理なく続けられるはずです。
毎日継続する
マインドフルネスの効果を実感するためには、毎日継続的に実践することが大切です。
上記でも紹介した通り、1日あたり数十秒、数分と短時間でも、とにかく毎日続けて習慣化することを意識しましょう。
トレーナーやコーチの指導を受ける
マインドフルネスによって気分が悪くなったり、危険な状態に陥らないようにするためにも、トレーナーやコーチの適切な指導を受けることも大切です。
特に初心者の場合、自分でも気付かないうちに瞑想によって危険な状態に陥ることがあります。
専門のワークショップやオンラインプログラムなどを利用し、正しい練習方法を習得しましょう。
体調が悪いときは無理をしない
マインドフルネスは毎日継続することが重要であると紹介しましたが、健康上の不安がある場合は別です。
身体の倦怠感や吐き気、頭痛などの症状があるときや、なんとなく気分が優れないときにマインドフルネスを行うと悪化させるおそれもあるため、決して無理は禁物です。
関連記事:アファメーション(ポジティブな自己暗示)のやり方・効果について解説
マインドフルネスの効果とは
マインドフルネスを行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 集中力が高まる・神経が研ぎ澄まされる
- ストレス耐性の向上
- 睡眠の質の改善
上記の効果とは具体的にどのようなものか紹介しましょう。
集中力が高まる・神経が研ぎ澄まされる
仕事や勉強に集中したいと考えていても、周囲のことに気が散ってしまい集中力が続かない人にはマインドフルネスがおすすめです。
マインドフルネスの練習を通して自分自身と向き合うことで、少しずつではありますが注意力や集中力を高めることができるようになるでしょう。
ストレス耐性の向上
マインドフルネスを継続していると、目の前の事柄に意識を集中させることに徐々に慣れていきます。
その結果、無駄な思考や他のものごとにいちいち気が散るといった機会が少なくなり、ストレス耐性の向上が期待できるでしょう。
睡眠の質の改善
日頃からマインドフルネスを行っていることにより、ホルモンバランスや交感神経と副交感神経のバランスが整い、免疫力の改善や血圧の低下などが見られたとの報告もあります。
これらは副次的な効果ではありますが、睡眠の質を向上させることに寄与するでしょう。
マインドフルネスを行うと覚醒度が高まる可能性があるため、就寝直前は控えるようにしましょう。
関連記事:【簡単】メディテーション(瞑想)のやり方・意味|マインドフルネスとの違いは?
【体験談】マインドフルネスはやばい?続けた結果どうなったか
私がマインドフルネスを始めたきっかけは、日々のストレスと忙しさに追われる生活から少しでも逃れたいと思ったからです。
最初はどのように始めたらいいのか、正直迷いましたが、瞑想や日常の小さな行動に意識を向けることからスタートしました。
例えば、食事をする時や歩いている時、そして夜眠りにつく前に、その瞬間瞬間に意識を集中させるようにしました。
数週間続けた後、私の生活にはいくつかの変化が現れ始めました。
まず驚いたのは、夜の寝つきが良くなったことです。
以前はどれだけ疲れていても、なかなか寝付けないことが多かったのですが、マインドフルネスを実践するようになってからは、心が穏やかになり、ぐっすり眠れるようになりました。
さらに、日常でイライラすることが減り、ストレスを感じることが少なくなりました。
何か予期しないことが起きても、以前よりも落ち着いて対応できるようになったのです。
特に心に留めているのは、「今、この瞬間に意識を向ける」ことの大切さです。
私たちはしばしば、過去の後悔や未来の不安に気を取られがちですが、マインドフルネスを通じて「今」に集中することの価値を学びました。
それが意志力や集中力を高め、緊張する局面でも落ち着いていられるようになった理由です。
しかし、マインドフルネスにはデメリットもあります。
私の場合、感情の起伏が少なくなり、以前ほど感情的なリアクションが少なくなったと感じています。
これはある意味で冷静さを保つことができるようになったとも言えますが、時には「感情を感じること」の重要性も思い出させられます。
それでも、マインドフルネスを続けて良かったと心から思っています。イライラすることがあっても、自分を責めることが少なくなりました。
また、ストレスを感じた時にそれに気づき、早く平常心に戻れるようになったのは大きな進歩です。
完璧を目指すのではなく、自分自身を受け入れ、瞬間を大切にするマインドフルネスの心得は、私の日々の生活を豊かにしてくれています。
マインドフルネスの副作用・危険性
マインドフルネスは比較的安全で危険性が少ない手法であるとされています。
しかし、実はすべての人にとって安全とも限らず、人によっては危険や副作用をもたらすこともあるのです。
マインドフルネスの危険性や副作用には以下のようなものがあります。
- トラウマの再体験・フラッシュバック
- 不安・パニック
- 無気力・無関心
これらの副作用や危険性はどのようなものなのでしょうか?
トラウマの再体験・フラッシュバック
瞑想を行っていると、過去に経験した辛い出来事やトラウマが浮かび上がることがあります。
人によっては自分自身の過去と対峙し、辛い出来事やトラウマをうまく処理できることもあるでしょう。
しかし、マインドフルネスを行ったことによってさらなる苦痛をともなうケースも少なくありません。
不安・パニック
マインドフルネスでは瞑想や呼吸法によって、深い自己観察を行います。
この過程において、不安やパニックを増幅させることがあります。
このような副作用は、過去または現在に精神的な問題を抱えたことのある人に多い傾向です。
無気力・無関心
マインドフルネスを継続していくことで現実逃避に陥ってしまい、何事にも関心を示さなくなったり、無気力になったりすることがあります。
このような症状は自己観察のしすぎによって起こることが少なくありません。
関連記事:【自己受容】弱くてダメな自分を認めて受け入れるトレーニング方法
マインドフルネスをして気持ち悪くなる人がいる?
マインドフルネスによる副作用では、上記のような精神的なもの以外にも、生理現象として現れるケースもあります。
ありがちな副作用としては、気分が悪くなったり、吐き気や咳が止まらなくなるというものです。
人によっては車酔いのような感覚に陥ることもあるようです。
ただし、マインドフルネスを行っているすべての人がこのような状態に陥るものではなく、現れる症状の程度も人によって異なります。
気分が悪くなる人は一人でマインドフルネスを実践しているケースが多いようです。
専門のトレーナーやプロのコーチなどのサポートを受けることで症状が緩和されたり、全く症状が現れなくなることもあるようです。
マインドフルネスをやってはいけない人の特徴
マインドフルネスは多くの人にとって安全なトレーニング方法といえます。
では、上記で紹介したような危険性や副作用のリスクが高まるのはどういった人なのでしょうか。
- 精神疾患を抱えている人
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状がある人
- 自傷行為や自殺企画の経験のある人
- 心身症状を抱えている人
マインドフルネスをやってはいけない人の特徴4つを紹介しましょう。
精神疾患を抱えている人
うつ病や統合失調症、強迫性障害、双極性障害といった精神疾患を抱えている人の場合、マインドフルネスに取り組むことによって自分自身の嫌な部分ばかりが見えてきて病状を悪化させるリスクがあります。
これらの病気で治療中の方は、担当医やセラピストと相談してからマインドフルネスに取り組むようにしましょう。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状がある人
過去に体験した辛い出来事がきっかけとなり、PTSDの症状が表れるようになった人もマインドフルネスは避けるべきです。
瞑想中に過去の出来事やトラウマ、それにともなう辛い感情が引き起こされる可能性があるためです。
PTSDの症状を悪化させる可能性があることから、マインドフルネスに取り組む際には担当医やセラピストと相談しましょう。
自傷行為や自殺企図の経験がある人
過去に自傷行為や自殺企図の経験がある人もマインドフルネスを行うべきではありません。
瞑想によって心の痛みや悲しみを引き起こすことがあり、再び過去と同じ状況に陥る可能性があるためです。
心身症状を抱えている人
専門医による治療や診断は受けていないものの、日常生活のなかでたびたび不安感に襲われる人や、パニック発作や過呼吸などの心身症状が表れる人もマインドフルネスには向いていないかもしれません。
明確な診断を受けていない以上、自分だけの判断でマインドフルネスを行ってしまうと、症状を悪化させさらに重篤な状態に陥る可能性もあります。
関連記事:感情の起伏が激しい人や少ない人の特徴|上手にコントロールする方法とは
まとめ
ストレスや不安が多い現代社会において、マインドフルネスがさまざまなメディアに取り上げられ、SNSでも多くのユーザーが情報を発信しています。
一見すると誰もが手軽に取り組める手法に感じられますが、実際にはマインドフルネスによって危険や副作用が生じることもあり、細心の注意を払うことが大切です。
もし、マインドフルネスの方法が分からなかったり、トレーニングに不安を感じたりする場合には、専門のトレーナーやコーチの指導を受けながら挑戦してみてください。