Humming♪

他人の幸せを心から喜べないときに──

 

 

成功で価値が測られる時代に、心を保つということ

 

私たちはいま、「どれだけ成功しているか」で価値が判断される社会に生きています。
SNSを開けば、昇進、結婚、マイホーム、出産、旅行…。
友人や知人の“幸せの瞬間”がタイムラインを絶え間なく流れていきます。

 

本来なら、誰かの幸せを見て「よかったね」と心から祝いたい。
でも現実には、それが焦り・不安・自己否定、そしてときに抑うつ感へと変わってしまうことがあります。

 

「どうして私だけうまくいかないんだろう」「私は何をしているんだろう」と、気づけば自分を責めてしまう。

 

けれど、それは“心が弱いから”でも“性格が悪いから”でもありません。
誰かの喜びを素直に受け止められないのは、自分の中にまだ癒えていない痛みや悲しみがあるから。

 

そんなときこそ、自分を責めるのではなく、「今の心を丁寧に見つめること」が大切です。

 

 

まずは自分の心をチェックする

 

この状況について考えてみてください。

 

長い間、子どもを授かるために不妊治療を続けていた。
毎月のように訪れる希望と落胆の繰り返し。
少しずつ心も体も疲れていく中で、ある日、親しい友人から妊娠の報告が届いた。

 

「おめでとう」と返したその瞬間、胸の奥で何かが崩れるような音がした。
涙が止まらなかった。
でも、それは嫉妬ではなかった。
ただ、自分の叶わない願いに対する深い悲しみだった。

 

「彼女の幸せがうれしくないんじゃなくて、私が悲しいだけ。」

 

「妊娠報告がつらい女性」──それが自分の新しいアイデンティティだと思い込んでいたが、そうではなかった。

 

それは、悲しみを整理しながら、他の感情が入る余白をつくっている途中のプロセスにすぎなかったのだ。

 

たとえば──

 

  • 恋人がいなくて孤独を感じているなら、新しい出会い方を考えてみる
  • 仕事が停滞しているなら、小さな挑戦や学び直しを始めてみる

 

悲しみを無理に消すのではなく、「いまの自分を理解する行動」をとることが、少しずつ心の回復につながります。

 

 

無理せず「境界線」を引く勇気を持つ

 

あなたが今、仕事に行き詰まりを感じているのに、友人が次々と昇進しているなら──
素直に喜べないのは自然なことです。

 

そんなときは、こう伝えてみてください。

 

「本当にすごいね! ただ、今ちょっと仕事の話を聞くのがつらい時期で…。少しの間だけ、その話題をお休みしてもいい?」

 

これは冷たい言葉ではなく、自分の心を守るための優しい選択です。
友人もまた、あなたが無理せずそばにいてくれることを望んでいます。

 

 

 

 

「おめでとう」を言葉にする力

 

悲しみや焦りの中にいても、行動として「おめでとう」を伝えることには大きな意味があります。
花を贈る、メッセージを送る、短くても「お祝いの言葉」を口にする。

 

「たとえ心が追いつかなくても、“喜びの行動”を選ぶことが、未来の自分を助けてくれる。」

 

喜べない気持ちは一時的なもの。
行動を通して他者とのつながりを保つことで、心のバランスは少しずつ戻っていきます。

 

 

今は喜べない自分」も受け入れて

 

どんなに努力しても、どうしても喜べない瞬間があります。
友人や周りのグッドニュースを聞くと怒りと悲しみでいっぱいになります。
けれどその感情を押し殺さず、「今の私は悲しい」と認めることで、やがてその気持ちは静かに消えていくんです。

 

大切なのは、自分の反応を否定しないこと
他人の幸せを喜べない自分がいても、それは「冷たい人間」ではなく、
「まだ癒えていない人間」なだけです。

 

 

幸せも悲しみも、すべては一時的なもの

 

今は苦しくても、いつかまた笑える日が来ます。
そして今、誰かが幸せの絶頂にいるように見えても、彼女にもいつか迷いや涙の時期が訪れます。

 

人はみんな、お互いの光と影の時間を支え合いながら生きている
スピリチュアルの先生であるラム・ダスはこう言いました。

 

“We’re all just walking each other home.”
―「私たちはみんな、ただ一緒に“帰り道”を歩いているだけなんだ。」

 

 

自分にも、人にもやさしく

 

他人の幸せを喜べないとき、それはあなたが悪い人間だからではありません。
むしろ痛みを知っているからこそ、やがて他人の気持ちに寄り添える人になれるのです。

 

幸せを発信するときの配慮に気をつけるのもいいかもしれません。
SNSでの投稿や何気ない言葉も、誰かの心を刺激することがあるんです。

 

だからこそ、自分が幸せな立場にあるときも、
「今、誰かが同じように苦しんでいるかもしれない」と思いを巡らせ、
やさしくあることを忘れないようにしています。

 

 

最後にー

 

私たちは、周りと比べずには生きられない時代に生きています。
それでも、自分を責めるのではなく、
「私は今、悲しいけれど、それでいい」と認めることから始めてみてください。

 

他人の幸せを喜べないとき、それは心が疲れているサインです。
そんなときこそ、自分をいたわることが“優しさ”の第一歩。

 

Hummingは、あなたが他人の光に怯えず、自分のペースで心を癒せるように寄り添います。

 

― Humming Team


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