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水川あさみさんに聞きたかった、あれこれを質問!【対談 / 森カンナと未来人vol.2】

社会を広く見渡すユニークな視点をもち、連載エッセイ『ごきげんなさい』でもそのオリジナルな感性を披露している森カンナさん。彼女が「未来人=時代の先を走るリーダー」を招いて、気になるテーマについて語り合います。ゲストはプライベートでも親交のある俳優 水川あさみさん。食について語り合ったvol.1に続き、vol.2は心地よいと感じるファッションについて、また心を整える暮らしぶりについてトークします。

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今、私たちが求めているのは「心地よいファッション」

森カンナ(以下、森)「さて、今回の撮影では、お互いに私服を持参しました。『My スタンダード』をテーマに、いつも愛用しているものをいつものように着こなしています」

水川あさみ(以下、水川)「私はファッションが大好きで、これまでいろんな変遷を経てきたけど、この数年は“着心地のよいもの”を重視するようになってきたかな」

「私も“着心地重視”は、同じく。以前は素材がチクチクしても、デザインが可愛いからと着ていた服もあったけど、今はもう避けたいかな。とにかく肌触りがいいものを身につけたい。その欲求がすごいの」

水川「たとえば二人が着ているこのTシャツは、恵比寿にショップがある『GOHEMP(ゴーヘンプ)』のもの。今みたいにエコが叫ばれるようになるもっと前、1994年に誕生したパイオニアブランド的存在だよね。
ヘンプは繊維用に品種改良された麻のことだけど、無農薬で育つし、二酸化炭素を酸素に変えてくれる、地球にやさしい素材なんだって」

「とにかく着心地がよくて、サラサラした肌触りが最高! 寒いときは保温してくれるし、暑いときは熱や汗を逃してくれるし。
でも私、ここまで服選びにこだわるようになったのは、つい最近です。それまでずっと、いや今も、私はあなたのお下がりを着ていますから(笑)」

水川「そうそう。私のワードローブは、基本的にこの人に受け継がれていきます(笑)。ちなみに、今カンナがはいているデニムも私のだから!」

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「これも最高ですね~。どちらのですか?(笑)」(森さんは水川さんのデニムを拝借しています)

水川「これは、ノルウェーのブランド『TOM WOOD(トムウッド)』のもので。ジュエリーで知られているけれど、デニムも優秀。デニムは制作過程で大量の水を必要とするけど、これはなるべく水を使わないように、環境に配慮してつくられているんだって。デザインとシルエットが素敵だなと思って手に取ったんだけど、その取り組みを教えてもらって、思わず色違いで2本買ってしまいました」

「はき心地が柔らかいのがいいね。もう脱ぎたくない。まぁいずれ私のものになるということで・・・楽しみにお待ちしてます(笑)」

水川「カンナが履いているそのサンダルは? すごく履きやすそう」

「京都の祇園にある老舗履物専門店『ない藤』の新ブランドで、『JOJO(ジョジョ)』の草履。鼻緒やインソールがカスタマイズできて、これは本藍染めアイテムが充実している代官山の『okura』とのコラボアイテム。前つぼと呼ばれる親指と人差し指の間の軸部分には、哺乳瓶の吸い口と同じやわらかな特殊ゴムが使われているんだって。長時間歩いても疲れない新名品です!」

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空間を整えると、心まで整っていく

水川「最近は、ファッションだけでなく、暮らしまわりのアイテムに対してもこだわりが増しているよね」

「私たち、器と調理器具にも目がないからね」

水川「職人さんが丁寧につくった豆腐すくい、おろし金・・・長く使おう、大切に使おうって決意して買ったよね」

「あと共通で愛用しているものといえば、土鍋の万能調理器『マスタークック』!」

水川「セラミック製の土鍋で表面はガラス仕様になっているから、金属溶解の心配なし。鍋はもちろん、土瓶や片手鍋もあって、お湯を沸かしても、お味噌汁をつくっても、すべてまろやかになるのがすごいよね」

「一つ聞きたいんだけど、あなたは忙しいのに、調理器具や器にこだわるだけでなく、いつも家中ピッカピカでしょう? 愛猫ちゃんもいるのにどうやって保っているの?」

水川「朝起きてすぐに掃除と片付けを済ませるようにしてる。私と夫で分担が決まっているから、30分くらいかけてすべて終わらせちゃう。あとはとにかく水まわりを整えておくこと。鏡や洗面台の飛び散りをサッと吹き上げるだけで、キレイさが全然違うからね」

「それは若いころから?」

水川「いえいえ、20代のときはぜんぜんちゃんと出来ていなくて、洗濯ものはソファに積み上げっぱなしだったな。でもあるとき気が付いたんだよね。『部屋の乱れは心の乱れ』。部屋が散らかっていると気持ちが落ちるし、逆に少し片付けるだけでも気分は上がる。心を健やかに保つために、掃除と片付けだけは欠かさないようにしている」

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「お買い物は投票」。共感する企業を応援したい

「それにしても、以前に比べて、いろいろと厳選してものを買うようになったな」

水川「カンナは、もともとじっくり考えてから買うタイプだし」

「そうなの。欲しいなと思っても、一度その気持ちを持ち帰る。で、やっぱり必要だと思ったら買いに行く。いわゆる熟考タイプです」

水川「私はわりと直感で買い物するけど、必要なくなったときには欲しいひとに譲ったりして手放すのも早い。とにかくファッションが大好きだから、シーズンごとにコレクションから選んで、ひと部屋丸ごとお洋服で埋まっていた時代もありました。でも巡り巡って『着心地がいいもの』にたどり着いた今、本当に必要なものだけが残っていて、今はその状況がすごく心地いい」

「ちなみに、私が最近取り入れているのが、『お買い物は投票』という考え方なんだけど・・・」

水川「共感できるブランドや企業を応援する気持ちでお買い物をする、ということだよね」

「たとえば『シャボン玉石けん』ってあるでしょう? 最初は合成洗剤をつくっていたのが、一大決心をして無添加石けんに舵を切ったことで、売上は100分の1に、社員は100人を5人にまで減らさなければいけない時代があったんだって。それでも信念を貫いてつくり続けた今、ようやく時代が追いついて、安心安全の無添加石けんがあらためて注目されているわけだよね」

水川「当時は注目されなかったものが、時間が経ち、時代が変わって、支持されるようになるーー。理解者が少ないなかで、自分のやっていることを信じ続けるってすごいことだよね。消費者としてこういう企業を応援したいな」

「今やっていることが認められるのは、1年後か10年後か、もしかしたら100年後かもしれない。それでも正しいと信じて活動を続けると、未来になってようやく『実はすごいことをやっていたんだ!』と認められることがある。私ね、勝手ながら、そういう人々を『未来人』と名づけたいのです」

水川「なるほど! この連載タイトルの『未来人』とはそういう意味だったのね」

「いつの時代もそういうひとはいるはずで、私は彼ら彼女らと話がしたいし、友達になりたい。もちろんあなたのことも『未来人』だと思ってる。これからもどうぞ末永くお付き合いください」

水川「『未来人』認定、ありがとう(笑)。こちらこそどうぞよろしく」


vol.1の「食」に続き、「衣」そして「住」についてもたっぷり語り合った二人。「心地よいもの」「長く使えるもの」を自らの視点で選び抜く、その探求心に驚かされました。さらに「買い物は投票」というフレーズも、心に留めておきたいもの。時代が激変している今こそ、何を軸に生きていくのか。その「本質」を見極めるべく語り合う対談、次回が最終回です!


次回vol.3は、「働くとは?」から「理想の世界とは?」まで、さらに深い話に発展。どうぞお楽しみに。


Profile
水川あさみ(みずかわあさみ)
俳優。大阪府出身。完全招待制のショートムービー『太陽-TAIYO-』が特設サイトにて公開中。初監督を務めた短編映画製作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』が公開待機中。またAmazon Original『モダンラブ・東京』が今秋世界同時配信。
https://am-sucre.com/
Instagram @mizukawa_asami


森カンナ(もりかんな)
俳優。富山県出身。映画『地獄の花園』『鳩の撃退法』、TBS『プロミス・シンデレラ』、フジテレビ『ラジエーションハウスII』など、数々の映画やドラマに出演。2021年には、自身初舞台となった蓬莱竜太演出『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』で、600人のなかからオーディションによって選ばれ、観客を魅了。放映中のフジテレビ 月9ドラマ『元彼の遺言状』(毎週月曜21時~)1話、2話にゲスト出演した。
https://kannamori.com/
Instagram @kanna_mori


PHOTO = 嘉茂雅之
HAIR & MAKE-UP = 岡野瑞恵
TEXT = 本庄真穂

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