Humming♪

【編集部対談】心がふっと軽くなるメディアを目指して。編集部が語る「Humming」の原点

Written by
大浦 沙織(おおうら さおり)

Webマガジン「Humming」を立ち上げてから早2年。立ち上げメンバーである編集部の舞麻と純が、あらためて「なぜHummingを始めたのか」「どんな想いで運営しているのか」を語り合いました。

 

Humming編集長 永野 舞麻

1984年生まれ。16歳までを日本で過ごした後、海外へ移住。大学で出会ったアメリカ人の夫と結婚し、現在はカリフォルニア在住。3児の母。

高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。

今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。

 

Humming編集部Project Coordinator 條川純

カリフォルニアで日本からの移民の両親のもとに生まれ育った私は、まったく異なる2つの文化に触れるという貴重な経験をしてきました。それによって、世界や人との関わりについて幅広い視点を持つことができたと思います。人々が安心して休めたり、心が癒されるような場所があることはとても大切だと思っていて、Hummingがそんな場所になれたらと願っています。

 

 

自分と向き合うことで人生は変わる。その経験を伝えるために

 

純:今日は、WebマガジンHummingを始めた理由や、どんな気持ちで運営しているのかを話していきたいと思います。

 

舞麻:Hummingを立ち上げたのは、2年前、私たちが38歳のとき。だから、「38歳から読みたいWebマガジン」にしたんですよね。

 

私はこれまで、いわゆる普通の人生を歩んできたと思っていました。でも、アメリカに移住してから、娘の育児に行き詰まってしまって……。そんなとき、夫から勧められてセラピーを受けてみました。

 

セラピーの先生との対話の中で、自分の幼少期のトラウマや、心の奥に残っていた傷や怒り、悲しみと、じっくり向き合う時間を持つことができました。過去のつらい出来事も含めて、すべての経験が今の自分をつくっていると気づけたことで、少しずつ自由になって、ありのままの自分を受け入れられるようになっていきました。

 

 

そして実感したのが、「自分が変わると、まわりも変わっていく。世界の見え方さえも変わる」ということ。

 

私がこれまで経験したことを丁寧に紐解きながら言葉にしていくことで、今つらい気持ちを抱えている誰かの心が、ほんの少しでも軽くなるかもしれない。「自分に生まれてよかった」「生きていてよかった」と思える人が一人でも増えたらと思ってHummingを立ち上げました。

 

読んでくださる方の役に立ちたいという一心で、発信を続けています。

 

「自分を満たす方法」を知ってほしい

 

純:自分のことを書くって、勇気がいるし、不安にもなる。でもHummingのライターさんたちは、毎回テーマに真正面から向き合って、赤裸々に書いてくれているよね。私も読むたびに心打たれることが多いです。

 

私自身も記事を書くことがあるけど、書くことで自分の気持ちが整理できて、「書いてよかった」と思える瞬間があります。読者さんに少しでも共感してもらえたら嬉しいな。

 

舞麻:日本は「自分を後回しにして誰かのために尽くすのが美徳」みたいな価値観が根強く残っている気がして……。でも、誰かを大切にすることは自分を後回しにすることではないし、自分を大切にしているからこそ、本当の意味で誰かを支えることができる。そういうことをHummingでは伝えていきたい!

 

お母さん、奥さん、上司、部下、娘……、女性にはいろいろな立場があって、自分を後回しにしがち。でも頑張りすぎると心のコップが空っぽになってしまいます。だからこそ、Hummingでは、まずは自分を満たしてあげていいんだよという感覚、そして自分を満たす方法を伝えていきたいです。

 

純:女性は何かしらの肩書きや役割を背負っていることが多いから、Hummingは、頑張り続ける女性たちの語り合える場所、ほっとできる居場所になれたらいいよね。

 

子どもがいる人もいない人も、働くママも専業主婦も、生き方は人それぞれ。私はHummingを通じて、いろんな女性に出会えるのがすごく楽しいです。

 

舞麻:Hummingは、男性にも協力してもらっているけれど、私たち女性が立ち上げたからこそ、「女性」をとても大切にしている場所だよね。

 

純:私はアメリカ育ちだから、日本で頑張っている女性を見ていると、「日本って厳しいな……」と感じることも多くて。もちろんアメリカにも厳しさはあるけど、種類が違うというか。

 

舞麻:私が暮らしているカリフォルニアでは、「ここまではできるけど、これ以上は難しい」と、バウンダリー(境界線)を提示する女性が多いです。

 

たとえば、子どもの学校行事でも、「全部やります」ではなく、「ここまではできるけど、この先は誰か手伝ってもらえますか?」と言えること。自分で背負いすぎない姿勢が大切だと思います。

 

純:日本では「できない」と言うことが許されないような空気があるよね。

 

舞麻:「あの人もそう言ってたし、私も言ってみようかな」と思える空気をHummingがつくっていけたらなって。ずっと我慢していると、身近な人に八つ当たりして、自己嫌悪のサイクルに陥ってしまいがち。だからこそ、バウンダリーを意識することは大事だよね。

 

でも、私も最初はバウンダリーを持つのがすごく怖かった。夫に「もう無理〜」と伝えることすら、自分のわがままなような気がしていたし、プライドや責任感が邪魔して、なかなか言えなかった。

 

だけど、「まだ大丈夫」と言い続けていたら、ある日バーンって爆発して、夫とケンカしたり、八つ当たりしたり……。あの悪循環は本当にきつかった。

 

でも、自分とちゃんと向き合うようになって、他者とのあいだに境界線を持てるようになったことで、今は夫との関係もすごく安定しています。

 

だからこそ、私のそんな経験も、Hummingに綴っていきたい。今の環境がしんどい、少しでも変えたいと思っている人にとって、Hummingが1歩踏み出すきっかけになれたら、とても嬉しいです。

 

純:編集部メンバーも、みんな手こずったり、つまずいたりしながら生きている。私たちのリアルな姿をシェアすることで、「ひとりで頑張らなくてもいいんだよ」と伝えていけたらいいよね。

 

日本のスタンダードに苦しんでいませんか?

 

 

舞麻:Hummingが少しユニークなのは、純は日本人だけど生まれも育ちもアメリカ。私は日本で生まれたけれど、ヨーロッパの高校に行って、今はアメリカ人の夫とカリフォルニアで暮らしている。他にもタンザニアや香港での暮らしを経験しているメンバーもいます。

 

日本にいると、つい「これはOK」「これはダメ」だと白黒つけたくなるけれど、その基準は、あくまでも日本でのスタンダード。知らず知らずのうちに、その枠に自分を押し込めて、苦しくなっていることもあるはず。
でも視野を世界に広げてみると、「ヨーロッパではこういうのもアリだよ」とか、「インドではそれが普通だよ」とか、もっと自由で、多様で、オッケーなことがたくさんあります。

 

だから、日本のスタンダードにとらわれすぎずに、「こういう考え方もあるんだな」とか、「こういう子育てもアリかも」、「こういう関係性も心地いいな」と、ちょっとでも気持ちがゆるんで、ふっと楽になれる。そんな情報源として、Hummingを読んでもらえたら嬉しいです。

 

ーーーーー

\音声配信 はじめました/
編集部対談の内容は音声でも配信しています。音声でもお楽しみください。
spotify
stand.fm

ライター:プロフィール

1987年東京生まれ。

大学卒業後、損害保険会社の営業事務を6年間経験。

その後、夫の海外赴任に帯同するため退職し、1年間インド・ムンバイにて海外生活をおくる。

帰国後は、「おうちで働く」を一つの軸に、ベビーマッサージの先生、Webデザインの勉強、物販のお手伝い、ブログ運営、様々なことに挑戦しながら、最終的に「ライター」の仕事に巡り逢う。

興味のある分野は、人の働き方・生き方、マインドフルネス、教育。推しはBE:FIRST。プライベートでは2児の母。


関連記事